2026年版|児童手当法の条文と、こども家庭庁の案内をもとに当ブログが計算
児童手当は「何月生まれが得か」という話がよく出ます。結論から言うと、第1子・第2子なら4月生まれが245万円、3月生まれが234万円で、差は11万円。さらに「1日生まれ」と「4月1日生まれ」には別の落とし穴があり、4月1日生まれは232万5,000円まで下がります。この記事では2024年10月の制度改正(高校生年代まで延長・所得制限撤廃)を反映した誕生月別の総額早見表を、児童手当法の条文と一緒に整理します。なお、2026年9月時点で支給額や支給期間の変更予定はありません。
児童手当は、2024年10月分から「高校生年代(18歳に達する日以後の最初の3月31日)まで」に延長され、所得制限もなくなりました。金額は3歳未満が月1万5,000円、3歳以上が月1万円、第3子以降は年齢を問わず月3万円です。ここまではよく知られていますが、「では自分の子は総額いくらになるのか」は、生まれた月と、生まれた日で変わります。検索すると2022〜2023年の「中学生まで」時代の記事が多く残っているので、現行制度で計算し直しました。
この記事の結論
- 第1子・第2子の総額は4月生まれ245万円〜3月生まれ234万円。誕生月が1か月遅れるごとに1万円ずつ減ります(1歳〜18歳年度末の月数が1か月ずつ短くなるため)。
- 差が出る理由は児童手当法の2つの条文。支給は「認定請求をした月の翌月から」(8条2項)、終わりは「18歳に達する日以後の最初の3月31日」(3条1項)で、同じ学年でも受け取る月数が違うからです。
- 「1日生まれ」は1万5,000円の期間が35か月になり5,000円減。「4月1日生まれ」は1学年上の扱いになり、4月2日生まれより12万5,000円少ない232万5,000円。「年齢計算に関する法律」で年齢が誕生日の前日に上がるためです。
- 第3子の月3万円は「上の2人が22歳年度末を過ぎるまで」。上の子が卒業すると第2子扱いに戻り1万円になるので、「3万円×18年=648万円」にはなりません。
- 生まれた月の分はもらえませんが、出生日の翌日から15日以内に申請すれば出生月に申請したものとして翌月分から支給されます。遅れた月の分は遡れません。
1. なぜ生まれ月で総額が変わるのか(条文で確認)
児童手当の「始まり」と「終わり」は、児童手当法に次のように書かれています。
| 項目 | 条文 | 意味 |
|---|---|---|
| 始まり | 第8条2項「認定の請求をした日の属する月の翌月から始め」 | 生まれた月の分は出ない。出生月に申請すれば翌月分から |
| 終わり | 第3条1項「十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者」 | 18歳になった後、最初に来る3月31日の分まで(高校卒業の年度末) |
| 1万5,000円→1万円 | 第9条3項「減額することとなるに至つた場合…事由が生じた日の属する月の翌月から」 | 3歳に達した月までは1万5,000円。翌月から1万円 |
| 支払月 | 第8条4項「毎年二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の六期に、それぞれの前月までの分を支払う」 | 偶数月に前2か月分をまとめて支給 |
ポイントは、終わりの日が「学年」で決まることです。4月生まれも翌年3月生まれも同じ学年なので、終わりは同じ3月31日。ところが始まりは「生まれた月の翌月」なので、4月生まれは5月から、3月生まれは翌年4月から受け取り始めます。受け取る月数が最大11か月違うのはこのためです。1歳〜3歳の1万5,000円の期間はどの月生まれでも36か月で同じなので、差は3歳以降の1万円×11か月=11万円になります。
2. 誕生月別の総額早見表(第1子・第2子、2026年度生まれ)
2026年4月〜2027年3月に生まれた第1子・第2子について、児童手当法のルールで月ごとに積み上げた総額です。「2日〜月末生まれ」を前提にしています(1日生まれは次の章)。
| 誕生月 | 受給開始 | 受給月数 | 内訳 | 総額 |
|---|---|---|---|---|
| 4月生まれ(2日以降) | 5月分から | 227か月 | 1.5万円×36+1万円×191 | 245万円 |
| 5月生まれ | 6月分から | 226か月 | 1.5万円×36+1万円×190 | 244万円 |
| 6月生まれ | 7月分から | 225か月 | 1.5万円×36+1万円×189 | 243万円 |
| 7月生まれ | 8月分から | 224か月 | 1.5万円×36+1万円×188 | 242万円 |
| 8月生まれ | 9月分から | 223か月 | 1.5万円×36+1万円×187 | 241万円 |
| 9月生まれ | 10月分から | 222か月 | 1.5万円×36+1万円×186 | 240万円 |
| 10月生まれ | 11月分から | 221か月 | 1.5万円×36+1万円×185 | 239万円 |
| 11月生まれ | 12月分から | 220か月 | 1.5万円×36+1万円×184 | 238万円 |
| 12月生まれ | 翌年1月分から | 219か月 | 1.5万円×36+1万円×183 | 237万円 |
| 1月生まれ | 2月分から | 218か月 | 1.5万円×36+1万円×182 | 236万円 |
| 2月生まれ | 3月分から | 217か月 | 1.5万円×36+1万円×181 | 235万円 |
| 3月生まれ | 4月分から | 216か月 | 1.5万円×36+1万円×180 | 234万円 |
たとえば2026年10月15日生まれの第1子なら、2026年11月分から2029年10月分までの36か月が1万5,000円(54万円)、2029年11月分から2045年3月分までの185か月が1万円(185万円)で、合計239万円です。最後の支給は2045年4月(2月分・3月分)になります。
3. 「1日生まれ」と「4月1日生まれ」の落とし穴
早見表は「2日以降生まれ」を前提にしました。1日生まれは別扱いになります。理由は「年齢計算に関する法律」で、年齢は誕生日の前日が終わった時点で1つ上がるためです。児童手当法の「3歳に達する日」「18歳に達する日」は、誕生日ではなく誕生日の前日を指します。
1日生まれ:1万5,000円の期間が35か月に
10月1日生まれの子は、3歳に達する日が3年後の9月30日です。9月に「3歳に達した」ことになるので、児童手当法9条3項により10月分から1万円に下がります。2日以降生まれなら10月分まで1万5,000円なので、1日生まれは1万5,000円の月が1つ少なく、総額は5,000円減って238万5,000円です。
4月1日生まれ:1学年上の扱いで12万5,000円減
4月1日生まれは、18歳に達する日が3月31日になります。そのため「18歳に達する日以後の最初の3月31日」はその日自身で、3月生まれの子と同じ年度で支給が終わります(学校の学年も同じ理由で1つ上になります)。5月分から始まって、終わりは4月2日生まれより1年早い3月分。さらに1万5,000円の期間も35か月です。総額は232万5,000円で、翌日の4月2日生まれ(245万円)より12万5,000円少なくなります。
| 生年月日の例 | 1.5万円の月数 | 1万円の月数 | 総額 |
|---|---|---|---|
| 4月2日生まれ | 36か月 | 191か月 | 245万円 |
| 4月1日生まれ | 35か月 | 180か月 | 232万5,000円 |
| 10月15日生まれ | 36か月 | 185か月 | 239万円 |
| 10月1日生まれ | 35か月 | 186か月 | 238万5,000円 |
| 3月31日生まれ | 36か月 | 180か月 | 234万円 |
4. 第3子の「月3万円」はずっと続くわけではない
第3子以降は年齢を問わず月3万円です。ここで「3万円×18年=648万円」と計算したくなりますが、そうはなりません。こども家庭庁の案内にあるとおり、「第3子以降」とは、児童とその兄姉等のうち年齢が上の子から数えて3人目以降のことで、兄姉として数えられるのは22歳に達する日以後の最初の3月31日まで(親に経済的負担がある場合)です。上の子が22歳年度末を過ぎると数から外れ、3人目だった子は「2人目」に繰り上がって月1万円になります。
計算例:第1子2020年4月生まれ・第2子2023年4月生まれ・第3子2026年10月生まれ
- 第3子は2026年11月分から月3万円。
- 第1子が22歳に達した後の最初の3月31日は2043年3月31日。ここまで第3子は3人目として3万円(197か月=591万円)。
- 2043年4月分から第3子は「2人目」扱いになり、3歳以上なので月1万円。2045年3月分まで24か月=24万円。
- 第3子の総額は615万円。「3万円×221か月=663万円」より48万円少なくなります。
上の子との年齢差が大きいほど、第3子が3万円をもらえる期間は短くなります。第1子と第3子が8歳以上離れていると、第3子が高校生のうちに上の子が22歳年度末を迎える計算です。逆に、上の子が大学生や専門学校生でも親が生活費を負担していれば22歳年度末まで数えられるので、「監護相当・生計費の負担についての確認書」の提出を忘れないことが大切です。
5. 生まれた月の分はもらえない?「15日特例」の使い方
児童手当法8条2項のとおり、支給は「認定請求をした月の翌月」からです。出生月に申請すれば翌月分から受け取れますが、月末に生まれると出生月内の申請が間に合わないことがあります。そのためこども家庭庁は、出生日の翌日から15日以内に申請すれば、申請が翌月にずれ込んでも出生月に申請したものとして扱うと案内しています(いわゆる15日特例)。
- 10月25日に出生 → 11月9日までに申請すれば11月分から支給(早見表どおり)。
- 10月25日に出生 → 11月20日に申請 → 認定請求は11月なので12月分から。11月分の1万5,000円は遡って受け取れません。
- 里帰り出産の場合も、申請先は現住所の市区町村(公務員は勤務先)です。
6. 2026年度の支給スケジュール
児童手当法8条4項により、支給は2月・4月・6月・8月・10月・12月の偶数月で、それぞれ前2か月分がまとめて振り込まれます。10月の支給は8月分と9月分です。振込日は法律で決まっておらず、市区町村ごとに異なります(10日前後や15日、7日などさまざま)。振込日が土日祝日に当たる場合は前倒しされる自治体が多いので、お住まいの市区町村の案内で確認してください。
| 支給月 | 対象となる月分 | 第1子・第2子(3歳以上)の額 |
|---|---|---|
| 2026年10月 | 8月分・9月分 | 2万円 |
| 2026年12月 | 10月分・11月分 | 2万円 |
| 2027年2月 | 12月分・1月分 | 2万円 |
| 2027年4月 | 2月分・3月分 | 2万円(高校3年生はこれが最後) |
7. 誕生月で差が出るのは児童手当だけではない
税金の扶養控除も、判定は「その年の12月31日時点の年齢」です。16歳以上の子は所得税で38万円の扶養控除の対象になりますが、1月〜4月1日生まれ(早生まれ)の子は同じ学年の子より16歳になるのが1年遅く、高校1年生の年は控除を受けられません。児童手当が高校生年代まで延びたことで「高校生の間は児童手当+扶養控除」という形になりましたが、早生まれの家庭は高1の年に扶養控除の分だけ差がつきます。一方で、児童手当の総額は4月生まれが多く、扶養控除も4月2日以降生まれが1年早く受けられるので、この2つに限れば「4月2日〜12月生まれ」が制度上は有利という結論になります。
8. よくある質問
Q. 児童手当は何月生まれが一番得ですか?
A. 第1子・第2子なら4月2日以降の4月生まれが最も多く245万円、3月生まれが最も少なく234万円です。差は1万円×11か月=11万円で、受け取る月数の違いによるものです。1か月あたりの金額はどの月生まれも同じです。
Q. 3月生まれ(早生まれ)は損なのですか?
A. 同じ学年の4月生まれより受給月数が11か月少ないので、総額は11万円少なくなります。ただし4月生まれの子はその分早く生まれて11か月長く育てているので、月あたりで見れば不公平ではありません。4月1日生まれだけは1学年上の扱いになり、4月2日生まれより12万5,000円少なくなります。
Q. 生まれた月の児童手当はもらえますか?
A. もらえません。児童手当法8条2項で「認定請求をした月の翌月分から」と決まっています。出生日の翌日から15日以内に申請すれば出生月に申請した扱いになり、翌月分から受け取れます。申請が遅れると、遅れた月の分は遡って受け取れません。
Q. 第3子は月3万円を18歳まで受け取れますか?
A. 上の2人が22歳に達した後の最初の3月31日を過ぎるまでです。上の子が数から外れると第3子は「2人目」に繰り上がり、3歳以上なら月1万円になります。第1子と約6歳差・第2子と約3歳差の例では、第3子の総額は615万円で、3万円×221か月(663万円)より48万円少なくなります。
Q. 児童手当の総額を全部貯めると大学費用になりますか?
A. 第1子・第2子の総額は234万〜245万円です。文部科学省の調査では国立大学の授業料は年53万5,800円(標準額)で、4年分の授業料214万円に近い金額になります。私立大学の学費には足りませんが、入学金と初年度分をまかなう規模です。
9. まとめ
- 第1子・第2子の児童手当の総額は4月生まれ245万円〜3月生まれ234万円。誕生月が1か月遅いごとに1万円減る。
- 理由は児童手当法8条2項(翌月から)と3条1項(18歳年度末まで)。同じ学年でも受給月数が最大11か月違う。
- 1日生まれは1万5,000円の期間が35か月で5,000円減、4月1日生まれは1学年上扱いで232万5,000円。
- 第3子の月3万円は上の2人が22歳年度末を過ぎるまで。その後は1万円に戻る。
- 生まれた月の分は出ない。出生日の翌日から15日以内の申請で翌月分から確実に受け取る。
参考資料:e-Gov法令検索「児童手当法」第3条・第6条・第8条・第9条/こども家庭庁「児童手当制度のご案内」(支給額・支給時期・15日以内の申請・第3子以降の数え方)/「年齢計算に関する法律」(明治35年法律第50号)/総額は上記の条文にもとづき当ブログが月単位で積算(2026年4月〜2027年3月生まれの子を想定)。


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