富士急ハイランドに2027年夏、新しい大型スプラッシュコースターが誕生。場所はクールジャッパーンの跡地、高さ44mから池へダイブ
富士急行が創立100周年を迎えた2026年9月18日、富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)に新しい大型スプラッシュコースターを2027年夏に開業すると発表しました。一本のコースを前向き・後ろ向きに走り、垂直90度のタワーを上り下りして、最後は富士山の天然水をたたえた池へ急降下する乗り物です。この記事では公式発表の内容を整理したうえで、「どこにできるのか」「どんな乗り味になるのか」「歴代の大型コースターと比べてどの規模なのか」を、富士急の公式資料と海外の同型機のデータで読み解きます。
2026年9月18日時点の公式発表にもとづく。名称・身長制限・料金など未発表の項目は、発表され次第この記事に追記します
ZOKKON以来4年ぶりの大型機
クールジャッパーンの30mから1.5倍近く
歴代コースターで2番目
クールジャッパーンと同じ
富士急ハイランドの新コースターとは?公式発表の内容
富士急行株式会社と株式会社富士急ハイランドは2026年9月18日、「2027年夏 新大型スプラッシュコースター誕生」と題したニュースリリースを公開しました。名前はまだ決まっておらず、「開業に向けた詳細情報を順次発表する」としています。発表された内容は次のとおりです。
| 項目 | 公式発表の内容 |
|---|---|
| 種類 | 大型スプラッシュコースター(水しぶきが上がる水上コースター) |
| 開業時期 | 2027年夏予定 |
| 投資額 | 約40億円 |
| 場所 | ええじゃないか横(クールジャッパーン跡地) |
| 乗車人数 | 20名 |
| コースの特徴 | 一本のコースを前向き・後ろ向きに走行。垂直90度のタワーを上昇・下降。リニアランチ方式で3回加速し、高さ44mの頂上付近まで駆け上がる。空中で途切れたように見えるレールの先へ放り出されるような浮遊感 |
| クライマックス | 富士山の天然水をたたえた池へ急降下し、大量の水しぶきを巻き上げる |
| 未発表 | 名称、最高速度、身長・年齢制限、料金、製造メーカー |
ポイントは3つあります。1つ目は「前向き・後ろ向き」の往復型であること。一般的なコースターのように一周するのではなく、1本のレールを行ったり来たりします。2つ目はリニアランチ(磁力による直線加速)を3回使うこと。巻き上げ機で頂上まで運ぶのではなく、加速を重ねて44mのタワーを駆け上がります。3つ目は池への着水で、これは2025年10月に営業を終了した「クールジャッパーン」の役目を引き継ぐものです。
富士急ハイランドが「大型」と位置づける新規コースターは、2023年7月のバイク型コースター「ZOKKON」が直近です。富士急は1996年のFUJIYAMA以降、おおむね5年おきに大型機を投入してきました(詳しくは後述の年表)。2027年夏の開業は、ZOKKONから4年後にあたります。
どこにできる?クールジャッパーン跡地とええじゃないか横
新コースターの場所は「ええじゃないか横(クールジャッパーン跡地)」です。クールジャッパーンは1995年4月28日に「グレート・ザブーン」として開業した大型ウォーターアトラクションで、2014年8月1日に「クール・ジャッパーン」へ改名、2025年10月13日に30年の歴史を閉じました。富士急行のプレスリリースによると、30年間の乗車人数は約1,350万人です。

営業終了の告知では終了の理由は明らかにされていませんでしたが、跡地に「水しぶき」を売りにする新コースターが建つと発表されたことで、ずぶ濡れ系アトラクションの世代交代だったことがはっきりしました。旧クールジャッパーンと新コースターの発表済みスペックを並べると、次のようになります。
| 項目 | クールジャッパーン(1995〜2025) | 新スプラッシュコースター(2027〜) |
|---|---|---|
| 乗り物の種類 | ボート型ウォーターライド(巻き上げ後に1回落下) | スプラッシュコースター(リニアランチ3回・往復走行) |
| 最高部の高さ | 30m(ビル18階相当と公式が説明) | 44m |
| 最高速度 | 80km/h | 未発表 |
| 落下の角度 | 40度 | 垂直90度のタワーを上昇・下降 |
| 水しぶき | 高さ約18m | 「大量の水しぶき」(数値は未発表) |
| 乗車人数 | 20名(4人×5列) | 20名 |
| 開業 | 1995年4月28日 | 2027年夏予定 |
高さは30mから44mへ1.5倍近くになり、1回だけだった落下が「往復」に変わります。乗車人数が同じ20名なのは、水上を走るボート型の車両を1台で運行する構造が共通だからと考えられます。
2014年の改名は、日本の文化を海外に売り込む政策「クールジャパン」にちなんだものでした。その旗振り役だった官民ファンドは、累積赤字を理由に2026年に廃止が決まっています。経緯は当サイトのクールジャパン機構はなぜ廃止?累積赤字540億円の理由と税金の行方で解説しています。
「前向き・後ろ向き」「垂直タワー」の乗り味は?世界の同型機から読む
「一本のコースを前向き・後ろ向きに走り、垂直90度のタワーを上り下りし、リニアランチで複数回加速して、最後に池へダイブする20人乗りのボート」という構成は、海外では2016年にベルギーで初登場した「パワースプラッシュ」型の特徴と一致します。ドイツのマック・ライズ社が製造する機種で、世界に5基あります。富士急は製造メーカーを公表していないため断定はできませんが、乗り味を想像する手がかりとして世界の5基を並べます。
| 名称 | 遊園地・国 | 開業 | 備考 |
|---|---|---|---|
| Pulsar(パルサー) | ワリビ・ベルギー(ベルギー) | 2016年 | 第1号機。高さ45m・最高速度101km/h・コース全長217m・4人×5列の20人乗り |
| Power Splash | ハッピーバレー(中国) | 2019年 | アジア初 |
| Blu Power | テティスブルー・テーマパーク(カザフスタン) | 2021年 | |
| Giant Splash(ジャイアントスプラッシュ) | ロッテワールド・アドベンチャー釜山(韓国) | 2021年 | 日本から最も近い同型機 |
| Aquaman: Power Wave | シックス・フラッグス・オーバー・テキサス(米国) | 2023年 | DCコミックスのアクアマンがテーマ |
第1号機のパルサーは高さ45m、最高速度101km/h、20人乗りで、富士急の発表(高さ44m・20名)と数字がほぼ重なります。パルサーの乗り方は、回転式の駅を出て加速し、垂直タワーの途中まで駆け上がって落ちてきた勢いで後ろ向きに駅を通り抜け、加速を重ねて最後にタワーの頂上付近まで到達し、落下した勢いで池へ突っ込む、というものです。富士急のリリースにある「空中で途切れたように見えるレールの先へ放り出されるかのような浮遊感」は、タワーの頂上で一瞬止まる瞬間のことを指していると読めます。
製造メーカーと機種は2026年9月18日時点で未発表です。上の表はあくまで「発表された特徴と一致する既存の機種」の紹介であり、富士急の新コースターが同じ機種と決まったわけではありません。公式発表があれば追記します。
富士急ハイランドの歴代大型コースターと比較
富士急ハイランドは「FUJIYAMA」「ええじゃないか」「高飛車」「ZOKKON」の4大コースターで知られます。ここに営業を終了した「ドドンパ/ド・ドドンパ」と、今回の新コースターを加えて、開業年・高さ・最高速度・投資額を一覧にしました。数字は富士急の公式資料と、開業当時の報道を反映したWikipediaの各記事を当サイトで照合したものです。
| 名称 | 開業 | 高さ | 最高速度 | 投資額 | 製造 | 状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| FUJIYAMA | 1996年7月17日 | 79m | 130km/h | 30億円 | トーゴ(日本) | 営業中 |
| ドドンパ | 2001年12月21日 | 52m(垂直タワー) | 172km/h(1.8秒で到達) | 非公表 | S&S(米国) | 2016年終了 |
| ええじゃないか | 2006年7月19日 | 76m | 126km/h | 36億円 | S&S(米国) | 営業中 |
| 高飛車 | 2011年7月16日 | 43m | 100km/h | 約30億円 | ゲルシュトラウアー(ドイツ) | 営業中 |
| ド・ドドンパ | 2017年7月15日 | 49m(ループ) | 180km/h(1.56秒で到達) | 15億円(改修) | 三精テクノロジーズ(日本) | 2024年終了 |
| ZOKKON | 2023年7月20日 | 非公表 | 73km/h | 45億円 | インタミン(リヒテンシュタイン) | 営業中 |
| 新スプラッシュコースター | 2027年夏予定 | 44m | 未発表 | 約40億円 | 未発表 | 建設予定 |
この表から分かることが2つあります。1つは投資額約40億円はZOKKONの45億円に次ぐ歴代2位で、園の看板であるFUJIYAMA(30億円)やええじゃないか(36億円)を上回ること。もう1つは高さ44mは高飛車(43m)とほぼ同じで、FUJIYAMAの79mやええじゃないかの76mの半分強にとどまることです。つまり新コースターは「高さで勝負する機種」ではなく、往復の加速と着水の水しぶきという「体験の種類」で勝負する位置づけになります。
大型コースターの開業間隔を年表にすると、富士急がほぼ5年おきに新機種を入れてきたことが分かります。
- 1996FUJIYAMA開業高さ・巻き上げ高さ・落差・最高速度の4項目で当時世界一。富士急の「絶叫路線」の原点です。
- 2001ドドンパ開業(5年後)圧縮空気で1.8秒で172km/hに達する加速型。園内で初めて「巻き上げない」コースターが登場しました。
- 2006ええじゃないか開業(5年後)座席が回転する4次元コースター。総回転数14回でギネス認定。
- 2011高飛車開業(5年後)落下角度121度で当時世界一。リニア加速と垂直巻き上げの両方を持ちます。
- 2017ド・ドドンパへ改修(6年後)最高速度180km/hに引き上げ。2021年8月の負傷事故以降は運休が続き、2024年3月に営業終了となりました。
- 2023ZOKKON開業(6年後)バイクにまたがる型のリニアランチコースター。当初2022年夏の予定がコロナ禍の資材遅れなどで1年延期され、投資額も36億円から45億円に増えました。
- 2027新スプラッシュコースター開業予定(4年後)富士急行の創立100周年(2026年9月18日)に合わせて発表。ZOKKONと同じくリニアランチ型で、初めて「水」を組み合わせた大型コースターになります。
開業までのスケジュールと、これから発表される項目
富士急は「開業に向けた詳細情報を順次発表する」としています。過去のZOKKONの例では、2020年2月に「2022年7月に大型コースターを開業」と発表したあと、2023年3月にバイク型であることを、同年6月に名称を公表し、7月に開業しました。今回も同じ流れなら、名称やデザインの発表は2027年の春ごろになる可能性があります。まだ発表されていない項目を整理しておきます。
- 名称: ZOKKONのときは開業1か月半前の2023年6月7日に公式発表でした。
- 最高速度・コース全長・乗車時間: 海外の同型機は最高速度約100km/h、乗車時間1分18秒です。
- 身長・年齢制限: 富士急の大型コースターは身長110〜130cm以上、年齢54〜64歳以下の設定が多く、クールジャッパーンは110cm以上・65歳未満でした。
- 料金: 4大コースターは1回2,000円(フリーパスは利用可)。新機種も同じ扱いになるかは未発表です。
- 濡れ方とポンチョ: クールジャッパーンでは200円のポンチョを販売していました。新コースターでも同様の対策が必要になる可能性が高いです。
富士急行は1926年9月18日に「富士山麓電気鉄道」として設立され、2026年9月18日で創立100周年を迎えました。同じ日に富士急グループはOZworldとのコラボや、葛飾北斎をオマージュした木版画などの記念企画も発表しています。新コースターはその目玉です。
公式サイトと公式Xの発表
一次情報は富士急ハイランド公式サイトのお知らせと、富士急行のニュースリリース(PDF)です。イメージ図もこの2つで公開されています。
- 富士急ハイランド公式「【2027年夏 新大型スプラッシュコースター誕生!】」 fujiq.jp/news/newattraction_news.html
- 富士急行ニュースリリース「富士急ハイランド、2027年夏 新大型スプラッシュコースター誕生」(PDF) fujikyu.co.jp
富士急ハイランド公式Xは9月18日午後に、池へ着水する瞬間のイメージ図つきで発表しました。投稿から数時間で表示49万回・リポスト949件(同日夜時点)と、公式アカウントの通常の投稿を大きく上回る反応です。
2027年夏
新大型スプラッシュコースタ誕生!
詳しくは↓https://t.co/TCREaXAfBF pic.twitter.com/hYtFNr1HAK
— 富士急ハイランド【公式】 (@fujikyunow) September 18, 2026
コースター専門のYouTubeチャンネルは「両端と中間でエアタイム(体が浮く区間)があり、乗車時間は短いが凝縮されている」と評しています。往復型のコースで、タワーの頂上と折り返し点の両方に浮遊感があるという見方です。
これけっこうマジで面白い‼️
ちゃんと両端と中間でエアタイムがあって、映えるスプラッシュ🌊もあって、乗車時間は短いけど、凝縮されてます。
富士急のお客さんにどう受け止められるか楽しみ✨#富士急ハイランド #新コースター #rollercoaster #shortshttps://t.co/E9K2qvN3J8
— じぇっとこらぐすチャンネル【公式】 (@rags_ch) September 18, 2026
よくある質問
Q. 富士急ハイランドの新コースターはいつオープンしますか?
A. 2027年夏の予定です。富士急行と富士急ハイランドが2026年9月18日に発表しました。具体的な開業日はまだ決まっておらず、詳細は順次発表するとしています。
Q. 新コースターはどこにできますか?
A. 「ええじゃないか」の横、2025年10月13日に営業を終了したウォーターアトラクション「クールジャッパーン」の跡地です。
Q. どんな乗り物ですか?濡れますか?
A. 20人乗りの大型スプラッシュコースターで、一本のコースを前向き・後ろ向きに走り、リニアランチで3回加速して高さ44mの垂直タワーを上り下りします。最後は富士山の天然水をたたえた池へ急降下して大量の水しぶきを上げるので、濡れることを前提にした乗り物です。ポンチョの販売などは未発表です。
Q. クールジャッパーンはなぜ終了したのですか?
A. 富士急は営業終了の理由を公表していません。1995年開業で30年が経ち、約1,350万人が乗車したアトラクションでした。跡地に新しいスプラッシュコースターが建つことで、水系アトラクションの世代交代だったことがはっきりしました。
Q. 名前や身長制限、料金は決まっていますか?
A. いずれも未発表です。発表されているのは、開業時期(2027年夏)、投資額(約40億円)、場所、乗車人数(20名)、高さ44m、リニアランチ3回、前後走行、池へのダイブという内容だけです。
Q. FUJIYAMAやええじゃないかより大きいのですか?
A. 高さでは小さいです。FUJIYAMAは79m、ええじゃないかは76mで、新コースターの44mは高飛車(43m)とほぼ同じです。一方、投資額の約40億円はZOKKON(45億円)に次いで歴代2位で、FUJIYAMA(30億円)やええじゃないか(36億円)を上回ります。
・富士急行・富士急ハイランド「富士急ハイランド、2027年夏 新大型スプラッシュコースター誕生」(2026年9月18日、PDF) fujikyu.co.jp
・富士急ハイランド お知らせ「【2027年夏 新大型スプラッシュコースター誕生!】」(2026年9月18日) fujiq.jp
・富士急行「30年間の“ありがとう”を込めて!富士急ハイランド『クールジャッパーン』10/13(月)営業終了「さよならイベント」を9/13(土)より開催」(2025年9月12日、PR TIMES) prtimes.jp
・時事通信「富士急ハイランドに新大型コースター」(2026年9月18日) news.yahoo.co.jp
・Coasterpedia「PowerSplash」/Wikipedia英語版「Pulsar (roller coaster)」 coasterpedia.net
歴代コースターの高さ・速度・投資額は、富士急ハイランド公式サイトの各アトラクションページと、開業当時の報道を出典とするWikipedia日本語版の各記事(キング・オブ・コースターFUJIYAMA/ド・ドドンパ/ええじゃないか/高飛車/ZOKKON/クール・ジャッパーン)を当サイトで照合しました。


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