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乗り継ぎでも電子渡航認証が要る国一覧|米国・カナダ・NZの料金
南太平洋のクック諸島で、スリランカ国籍の女性が約3年間出国できずにいると、英BBCが10月31日に報じました。帰国便はニュージーランド経由でしたが、乗り継ぎに必要な通過ビザが下りなかったためです。日本のパスポートでも、乗り継ぐだけで事前の手続きが要る国があります。主な乗り継ぎ地を各国政府の公式ページと法令で1つずつ確認し、料金と有効期間を一覧にしました。
この記事の要点
- 日本のパスポートで乗り継ぐだけでも事前申請が必須なのは、確認した国のうち米国(ESTA)・カナダ(eTA)・ニュージーランド(NZeTA)の3か国です。3つそろえると、ECBの10月30日のレートで約8,683円(NZeTAはアプリ申請)になります(当サイト計算)。
- 英国(ETA)とオーストラリアは、空港の乗り継ぎエリアから出なければ不要です。ただし英国は「荷物を受け取って預け直す」「翌日の便に乗り継ぐ」場合に入国審査を通る扱いになり、ETAが必要になります。
- 欧州のETIASは11月1日時点で運用開始前です。始まった後も、空港の国際乗り継ぎエリアにとどまるだけなら不要とされています。
- 韓国のK-ETAは乗り継ぎ客が免除で、日本は2026年12月31日まで一時免除の対象です。中国は24時間以内の空港内乗り継ぎを全世界に、240時間(10日)の通過ビザ免除を日本を含む57か国に認めています。
円換算は欧州中央銀行(ECB)の参照レート(2026年10月30日)から当サイトが計算したものです。カード会社の換算レートや手数料により、実際の請求額は変わります。
クック諸島で3年足止め、原因は「乗り継ぎのビザ」
BBCの記事(10月31日)によると、女性は2022年12月にニュージーランドへ渡り、現地で難民認定を申請しました。その後、就労ビザを国外から申請し直すため一時的にクック諸島へ出国しましたが、就労ビザは認められず、出国したことで以前のビザの条件にも違反した形になったと伝えています。
帰国を決めて空港に行くと、スリランカ行きの航空券を持っていてもニュージーランドの通過ビザ(トランジットビザ)がなければ搭乗できないと告げられました。BBCによると、ニュージーランドの通過ビザは3回、オーストラリアの通過ビザは4回却下されています。ニュージーランド当局は「ニュージーランドを出国すると確信できない」ことを理由に挙げたとされます。クック諸島から国際線で行けるほかの行き先であるタヒチとハワイも、ビザの審査にはニュージーランドでの生体情報の提出が必要で、事実上の出口がない状態だと報じられました。
ニュージーランド公共放送RNZ(10月30日)は、ウェリントンの慈善団体が「乗り継ぎエリアから出ないよう付き添う」と移民局に申し出たと伝えています。移民局(INZ)はプライバシーを理由にコメントを控えています。
日本のパスポートならどうなるか
ニュージーランドの法令では、日本は「通過ビザの免除」の対象国です。ただし免除には事前に電子渡航認証(NZeTA)を取っておくという条件が付いています。ビザが要らない国の人でも、乗り継ぎだけで手続きが要る点は同じです。
乗り継ぎで事前申請が要る国・要らない国の一覧
日本のパスポートで、観光などの短期の旅行中にその国の空港で乗り継ぐ場合をまとめました。「入国審査を通る」とは、空港の乗り継ぎエリアから出て、その国に入国の手続きをする場合です。
| 国・地域 | 乗り継ぎだけで要る? | 制度・料金 | 有効期間 | 公式の確認先 |
|---|---|---|---|---|
| 米国 | 必須 | ESTA 40.62ドル | 2年(旅券の期限まで) | 米CBP ESTA |
| カナダ | 必須(空路) | eTA 7カナダドル | 最長5年(旅券の期限まで) | カナダ政府 |
| ニュージーランド | 必須 | NZeTA ウェブ23NZドル/アプリ17NZドル | 2年 | NZ移民規則 |
| 英国 | 入国審査を通るなら | ETA 20ポンド | 2年(旅券の期限まで) | GOV.UK |
| オーストラリア | 入国審査を通るなら | 8時間以内・空港内は不要。入国するならETA(アプリ手数料20豪ドル)など | ETAは12か月 | 豪内務省 |
| 欧州30か国(シェンゲン圏など) | 不要(運用開始前) | ETIAS 20ユーロ(始まれば)。国際乗継区域内なら不要 | 3年(旅券の期限まで) | 欧州委員会 |
| 韓国 | 不要 | K-ETA 1万ウォン。乗り継ぎ客は免除、日本は12/31まで一時免除 | 3年 | 韓国法務省・外務省 |
| 中国 | 不要 | 24時間以内の空港内乗り継ぎはビザ不要。240時間の通過ビザ免除もあり | - | 国家移民管理局 |
| シンガポール | 不要 | 入国しない乗り継ぎはSGアライバルカードも不要(入国するなら無料で提出) | - | ICA |
| UAE・カタール・トルコ | 不要 | 短期滞在は査証免除(電子渡航認証の記載なし) | - | UAE・カタール・トルコ(外務省) |
各国政府の公式ページ・法令を2026年11月1日に確認。UAE・カタール・トルコは外務省「安全対策基礎データ」の記載です。料金は各国の公式表記の通貨。制度は予告なく変わることがあるため、出発前に必ず公式ページで確認してください。
乗り継ぎだけで必須の3か国:米国・カナダ・NZ
米国:空港内で乗り継ぐだけでもESTA
ESTAの公式FAQは、ビザ免除プログラムの対象国の人が米国を通過するにも、渡航認証(ESTA)かビザが必要だとしています。申請画面には「米国への渡航は他国への乗り継ぎか」という質問があり、乗り継ぎの場合は「はい」を選びます。
料金は40.62ドル(約6,388円)で、有効期間は許可から2年間、またはパスポートの期限までの短いほうです。審査で認められなかった場合も、手数料のうち10.62ドルはかかります。
カナダ:空路の乗り継ぎはeTA
カナダ政府のeTA日本語ページは、ビザ免除国の旅行者がカナダの空港で乗り継ぎをする場合もeTAが必要としています。車・バス・鉄道・船で入る場合は不要です。料金は7カナダドル(約788円)、有効期間は最長5年です。航空会社がパスポートを読み取ってeTAを確認し、ないと搭乗できません。
ニュージーランド:乗り継ぎ用でもNZeTA、観光税は不要
ニュージーランドの移民規則は、通過ビザ免除の条件として出発前にNZeTA(乗り継ぎ用または旅行者用)を持っていることを定めています。日本はこの免除の対象国です。乗り継ぎで滞在できるのは24時間以内です。
手数料はウェブ申請が23NZドル(約2,038円)、アプリ申請が17NZドル(約1,507円)で、有効期間は2年です。入国して観光する場合は、旅行者用のNZeTAに観光税(IVL)100NZドル(約8,862円)が上乗せされます。規則上、IVLが課されるのは旅行者用のNZeTAを申請する人で、乗り継ぎ専用のNZeTAにはかかりません。
入国審査を通るなら必要:英国・オーストラリア
英国:荷物の預け直しや翌日の便ならETA
GOV.UKの判定ページで国籍を日本、目的を乗り継ぎとすると、「英国の入国審査(ボーダーコントロール)を通るならETAが必要、通らないなら不要」と表示されます。注意したいのは、入国審査を通る扱いになる条件です。
- 理由を問わず、空港の主ターミナルの外に出る
- 荷物を受け取り、次の便に預け直す必要がある
- 次の便が到着と別の日に出発し、空港内に泊まる場所(乗り継ぎホテルなど)がない
ETAは20ポンド(約4,214円)で、有効期間は2年、またはパスポートの期限までです。決定は通常1日以内、最長3営業日かかります。
オーストラリア:8時間以内・空港内なら不要
オーストラリア内務省は、日本を含む対象国の人について、到着から8時間以内に第三国へ向かう便の確定した航空券があり、乗り継ぎラウンジから出ないなら、ビザなしで乗り継げる(TWOV)としています。荷物の受け取りなどで入国審査を通る場合は、ビザが必要です。日本の旅券ならETA(アプリ手数料20豪ドル、12か月有効)が使えるほか、72時間以内の乗り継ぎ用の通過ビザ(サブクラス771)は申請料がかかりません。
現時点で事前申請が要らない主な乗り継ぎ地
欧州:ETIASは11月1日時点で運用開始前
ETIASの公式サイトは、11月1日時点で「ETIASは運用されておらず、申請は受け付けていない」とし、開始日は数か月前に告知するとしています。始まると、日本を含むビザ免除国の人が欧州30か国に短期滞在するには、20ユーロ(約3,514円、18歳未満と70歳超は無料)の申請が必要になります。ただし公式FAQは、空港の国際乗り継ぎエリアにとどまるだけなら不要と明記しています。乗り継ぎの間にこのエリアを出る場合は、ETIASが必要になります。
韓国・中国・シンガポール・中東
韓国のK-ETA公式サイトは、申請を免除する人に「乗り継ぎ客」を挙げています。入国する場合も、外務省によると日本は2026年12月31日までK-ETAの一時免除の対象です。2027年以降の扱いは11月1日時点では確認できませんでした。
中国は、国家移民管理局によると、24時間以内に空港の制限区域から出ずに乗り継ぐ場合は全世界の人がビザ不要です。日本を含む57か国には、指定空港などから入国して最長10日間滞在できる「240時間の通過ビザ免除」もあります。さらに駐日中国大使館は、トランジットを含む30日以内の滞在について日本へのビザ免除を2026年12月31日24時まで延長すると発表しています。
シンガポールは、入国しない乗り継ぎ客はSGアライバルカードの提出も不要です。入国する場合は到着の3日前から無料で提出します。ドバイ(UAE)、ドーハ(カタール)、イスタンブール(トルコ)は、外務省の安全対策基礎データで日本人の短期滞在は査証免除とされており、電子渡航認証の手続きの記載はありません。
円にするといくら?1年あたりの費用も計算
各国の公式料金を、ECBの2026年10月30日の参照レート(1ドル=157.25円、1ポンド=210.70円、1カナダドル=112.57円、1NZドル=88.62円、1豪ドル=110.46円、1ユーロ=175.68円)で円に換算し、有効期間で割りました。
| 制度 | 公式料金 | 円換算 | 有効期間 | 1年あたり |
|---|---|---|---|---|
| 米国・ESTA | 40.62 ドル | 約6,388円 | 2年 | 約3,194円 |
| カナダ・eTA | 7 カナダドル | 約788円 | 5年 | 約158円 |
| ニュージーランド・NZeTA(ウェブ申請) | 23 NZドル | 約2,038円 | 2年 | 約1,019円 |
| ニュージーランド・NZeTA(アプリ申請) | 17 NZドル | 約1,507円 | 2年 | 約753円 |
| 英国・ETA | 20 ポンド | 約4,214円 | 2年 | 約2,107円 |
| オーストラリア・ETA(アプリ手数料) | 20 豪ドル | 約2,209円 | 1年 | 約2,209円 |
| 欧州30か国・ETIAS(運用開始前) | 20 ユーロ | 約3,514円 | 3年 | 約1,171円 |
1年あたりで見ると、米国ESTAが約3,194円と最も高く、カナダeTAは約158円と20分の1ほどです。米国・カナダ・ニュージーランドの3つをそろえると約8,683円(NZeTAはアプリ申請)になります。いずれも有効期間はパスポートの期限までで、パスポートを更新すると取り直しになります。
有効期間は「パスポートの期限が先に来ない場合」の最長。オーストラリアのETAはアプリ手数料のみの金額。ETIASは運用開始前の公表料金です。
乗り継ぎ前のチェックリスト
- 経由する国をすべて書き出す。往路と復路で経由地が違うことがあります。欠航で別の経由地に振り替えられる可能性も考えておきます。
- 荷物が最終目的地まで通しで預けられるかを航空会社に確認する。別々に買った航空券などで経由地で荷物を受け取って預け直す場合は、入国審査を通ることになります。
- 乗り継ぎ時間と日付を見る。オーストラリアは8時間、ニュージーランドは24時間が上限です。英国は次の便が翌日出発で空港内に泊まる場所がなければ入国扱いです。
- 申請は公式サイトか公式アプリで。英国・ETIAS・シンガポールの公式ページは、高い手数料を取る代行サイトに注意を呼びかけています。
- パスポート番号を一字ずつ確認する。カナダ政府は、番号を間違えて申請すると渡航に支障が出ると注意しています。パスポートを更新したら、ESTA・eTA・ETAなどは取り直しです。
- 出発の数日前までに申請する。英国ETAは最長3営業日、韓国K-ETAは通常72時間以内とされています。
- 過去に入国を拒否されたことがあるなど不安がある場合は、電子渡航認証ではなくビザの申請が案内されることがあります(英国の公式ページ)。早めに大使館・領事館へ相談してください。
航空会社のカウンターで止められることも
電子渡航認証やビザの確認は、出発空港のチェックインで航空会社が行います。クック諸島の例のように、航空券を持っていても搭乗できないことがあります。わからないときは、航空会社と外務省 海外安全ホームページの各国ページで確認してください。
乗り継ぎの電子渡航認証のよくある質問
Q. ハワイ経由やグアム経由の乗り継ぎでもESTAは必要ですか?
A. 必要です。ハワイは米国の州で、ESTAの公式FAQは、米国を通過するだけでも渡航認証(ESTA)かビザが必要としています。申請画面では「米国への渡航は他国への乗り継ぎか」に「はい」と答えます。
Q. ロンドンのヒースロー空港で乗り継ぐ場合、ETAは要りますか?
A. 入国審査を通らずに乗り継ぐ(エアサイド)なら不要です。ただし荷物を受け取って預け直す場合や、次の便が翌日で空港内に泊まる場所がない場合は入国審査を通る扱いになり、ETA(20ポンド)が必要です。
Q. ニュージーランドで乗り継ぐだけなら観光税(IVL)はかかりますか?
A. 移民規則上、IVL(100NZドル)が課されるのは旅行者用のNZeTAを申請する人です。乗り継ぎ専用のNZeTAならIVLはかからず、手数料はウェブ申請23NZドル、アプリ申請17NZドルです。
Q. ETIASはいつから必要になりますか?
A. 11月1日時点でETIASは運用開始前で、公式サイトは開始日を数か月前に告知するとしています。始まった後も、空港の国際乗り継ぎエリアにとどまるだけなら不要とされています。
Q. 有効期間内にパスポートを更新したらどうなりますか?
A. ESTA・eTA・英国ETA・NZeTAなどは申請したパスポートに結び付いているため、新しいパスポートで取り直す必要があります。有効期間も「パスポートの期限まで」が上限です。
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出典・参考資料
- 米国税関・国境警備局(CBP):ESTA公式サイト(FAQ・料金)、Electronic System for Travel Authorization
- カナダ移民・難民・市民権省:Electronic travel authorization (eTA)、電子渡航認証(eTA)の概要
- GOV.UK:Get an electronic travel authorisation (ETA)、Check if you need a UK visa(日本・乗り継ぎ)、Visa to pass through the UK in transit
- ニュージーランド:Immigration (Visa, Entry Permission, and Related Matters) Regulations 2010(2026年10月20日時点の版。規則16・17・23B・23M・26AAD、別表1・2・4)
- オーストラリア内務省:Travellers eligible to transit without a visa、Electronic Travel Authority (subclass 601)、Transit visa (subclass 771)
- 欧州委員会:ETIAS公式サイト、ETIAS FAQ
- 韓国法務省:K-ETA 申請対象/中国国家移民管理局:Visa-Free Transit Policies/駐日中国大使館:一方的なビザ免除政策の延長に関するお知らせ(2025年12月16日)
- シンガポール入国管理局(ICA):SG Arrival Card
- 外務省 海外安全ホームページ(安全対策基礎データ):韓国、カナダ、ニュージーランド、アラブ首長国連邦、カタール、トルコ
- 欧州中央銀行:Euro foreign exchange reference rates(2026年10月30日)
- BBC:I’ve been stuck on a tiny Pacific island for years and can’t get a transit visa to fly home(2026年10月31日)/RNZ:Wellington charity offers to escort Sri Lankan woman stuck in Cook Islands(2026年10月30日)
一覧表・円換算・1年あたりの費用は、上記の資料をもとに当サイトが整理・計算したものです。アイキャッチ写真:Evisa Express/Wikimedia Commons(CC BY 2.0)。トリミング・明るさ調整・文字入れあり。


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