FX・証拠金
DMM FXの株券担保サービスとは?株を証拠金にする前の落とし穴
DMM FXの「株券担保サービス」を使うと、DMM株で持っている日本株の時価の70%をFXの証拠金にでき、現金0円でもFXを始められます。配当や株主優待もそのまま受け取れます。便利な仕組みですが、円高の週は日本株も下がりやすいため、米ドル/円を買うと為替と担保の両方が同時に減ることがあります。公式FAQ17項目でルールを整理し、ドル円と日経平均の10年分の週足で、その「二重の下落」がどれくらい起きていたかを数えました。
この記事の結論
- DMM株の口座にある国内株式・ETF・REITなどを振り替えると、前営業日の終値の70%がFXの証拠金として数えられます。手数料は無料で、配当金と株主優待はそのまま受け取れます。NISA口座の株と米国株は使えません。
- 米ドル/円1Lotの必要証拠金(約6.4万円)をまかなうには、株の時価で約9.1万円が必要です。追証が出にくい1Lotあたり15万円分を株で用意するなら、時価で約21.4万円になります。
- 過去10年の週足では、米ドル/円が2%以上下がった(円高になった)29週のうち21週で日経平均も下落していました。株を担保に米ドル/円を買っていると、為替の損と担保の目減りが重なります。2018年2月の世界同時株安の週は、現金で入れた場合の1.93倍、2025年4月の米国の関税ショックの週は1.47倍減っていました。
- 追証が出てから株を振り替えたり売ったりしても、解消期限(翌営業日4時59分)に間に合いません。追証は入金かFXのポジションの決済で解消します。
- ロスカットなどで入金額以上の損失が出て期日までに入金しないと、FX口座に振り替えた株はすべて強制売却されます。
株券担保サービスのしくみ:株の時価の70%が証拠金になる
| 項目 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 証拠金として数える額 | 前営業日の終値の70%(代用掛目) | 掛目は変更されることがある |
| 使える商品 | 国内上場の株式・ETF・REIT・ETN | DMM株の口座にあるもの。他社の株は入庫すれば使える |
| 使えない商品 | NISA口座の株・米国株 | 当社が指定する代用不適格銘柄も対象外 |
| 振替の受付 | 平日7時00分〜15時30分 | 土日祝など株式市場の休業日は不可 |
| 反映 | 翌国内株式営業日の7時00分(夏時間6時00分) | その日のうちには使えない |
| 手数料 | 無料 | DMM FXとDMM株の両方の口座が必要 |
| 配当・株主優待 | 通常どおり受け取れる | 預り区分は「FX代用」になる |
株を売らずに証拠金として使えるので、「長く持つつもりの日本株があるが、FXの資金を別に用意したくない」という人には資金効率のよい仕組みです。FX口座に振り替えた株も、DMM株の取引ツールから国内株式の取引時間内に売れます。売った代金は、約定日を含めて3営業日後にFX口座の預託証拠金として入金され、それまでは前営業日の終値の70%が証拠金として数えられ続けます。
米ドル/円1Lotなら、株はいくら必要?
株の時価の70%しか数えられないので、同じ証拠金を用意するには、現金より多くの株が必要です。1ドル158.79円の米ドル/円1Lotで計算しました。
| 証拠金として数えたい額 | 必要な株の時価 | 実質レバレッジ |
|---|---|---|
| 必要証拠金ちょうど(6.4万円) | 9.1万円 | 25.0倍 |
| 10万円 | 14.3万円 | 15.9倍 |
| 15万円 | 21.4万円 | 10.6倍 |
| 20万円 | 28.6万円 | 7.9倍 |
必要証拠金ちょうどの6.4万円分なら株は約9.1万円ですが、これでは終値が少し逆に動くだけで追証です。過去10年のドル円で追証が出なかった1Lotあたり15万円を株で用意するなら、時価で約21.4万円が必要です。入金額別の追証の出やすさはDMM FXの追証とロスカットで集計しています。
※ここでの「15万円」は、株が値下がりしない前提の数字です。実際には株価の変動で担保の額が毎日変わります。次の節で、その影響を見ます。
円高の週は株も下がる:過去10年の「二重の下落」
2016年9月から2026年9月までのドル円と日経平均の週足(520週)で、週ごとの値動きを比べました。米ドル/円と日経平均の週次の変化率の相関は0.16と弱く、いつも一緒に動くわけではありません。それでも、大きな円高の週に絞ると日本株も下がっていることが多くなります。
米ドル/円を1Lot買い、証拠金として15万円分(株なら時価約21.4万円)を入れていた場合に、株と為替のどちらかが大きく動いた週を並べました。日経平均の列のカッコ内は、担保として数えられる額の変化です。
| 週 | 米ドル/円 | 日経平均 | 合計と現金比 |
|---|---|---|---|
| 2018年2月の世界同時株安の週 | -1.2%(-13,080円) | -8.1%(担保 -12,193円) | -25,273円(1.93倍) |
| 2020年2月末のコロナ・ショックの週 | -3.1%(-34,140円) | -9.6%(担保 -14,391円) | -48,531円(1.42倍) |
| 2025年4月の米国の関税ショックの週 | -1.9%(-29,000円) | -9.0%(担保 -13,496円) | -42,496円(1.47倍) |
| 2024年7月末の日銀利上げ・米雇用統計の週 | -4.7%(-71,500円) | -4.7%(担保 -7,000円) | -78,500円(1.10倍) |
| 2022年11月の米国CPI発表の週 | -5.3%(-78,200円) | +3.9%(担保 +5,867円) | -72,333円(0.92倍) |
| 2020年3月のコロナ・ショック(2週目)の週 | +2.5%(+26,200円) | -16.0%(担保 -23,991円) | +2,209円 |
差が出るのは円高と株安が同時に来た週です。2018年2月の世界同時株安の週は、為替の損-13,080円に対して、日経平均が-8.1%下がって担保も-12,193円目減りし、合計で現金の1.93倍になりました。一方、2022年11月の米国CPI発表の週のように為替だけが大きく動いた週は、株が上がってむしろ損失を少し和らげています。
注意したいのは、2020年3月のコロナ・ショックの2週目です。日経平均が-16%下がって担保が-23,991円減りましたが、この週は円安で米ドル/円の買いは利益でした。ポジションが利益でも、担保の株が下がれば証拠金維持率は下がるということです。
米ドル/円を売っている場合は、円高で為替が利益になる一方、株の担保が減ります。2つが打ち消し合うので、株担保との組み合わせとしては「買い」より「売り」のほうが相性がよいといえます。ただし円安と株高が同時に来ると、売りの損失と株の値上がりの差し引きになります。
※Yahoo Financeの週足の終値ベースの集計です。ドル円はロンドン時間、日経平均は東京時間で週を区切り、同じ週どうしを比べています。日経平均は担保にする株の代わりの目安で、実際に持っている銘柄の値動きとは異なります。
追証が出てから株では間に合わない
株券担保サービスを使っていても、追証とロスカットのルールは現金だけの場合と同じです。ただし、株の扱いにはFAQで明記された落とし穴があります。
- 落とし穴1追証が出てから株を振り替えても間に合わない振替の反映は翌国内株式営業日の朝です。追証の解消期限は原則として翌営業日の4時59分なので、追証が出たあとに振替を予約しても期限に間に合いません。
- 落とし穴2追証が出てから株を売っても間に合わない売却代金がFX口座に入るのは約定日を含めて3営業日後で、解消期限のあとです。追証が出る前に売り、期限前に代金が入った場合だけ充当されます。
- 落とし穴3追証の判定は前日の株価で行われる追証の判定に使う担保の額は、前日の国内株式市場の終値にもとづく評価額です。当日に株が大きく下がっても、その日の判定には反映されず、翌日の判定で効いてきます。
- 落とし穴4FXで入金額以上の損失が出ると、株は全部売られるロスカットなどで純資産がマイナスになると、FX取引営業日の開始時点で判定され、同日15時までに不足額を入金する必要があります。翌国内株式営業日の7時30分までに解消しないと、FX口座に振り替えた株はすべて強制売却されます。
なお、追証が解消されずにマージンカットになっても、それだけで株が強制売却されることはありません。株が売られるのは、FXの損失が口座の資金を上回って不足金が出た場合です。
また、FX口座からDMM株の口座へ株を戻す予約をすると、その時点で担保の額が差し引かれて証拠金維持率が下がります。追証が出ても予約は取り消されないので、戻すタイミングにも注意が必要です。
使う前のチェックリスト
- チェック1株はDMM株の特定口座・一般口座にあるかNISA口座の株は対象外です。ほかの証券会社の株は、DMM株に入庫すれば使えます。
- チェック2株の時価の70%で、1Lotあたり15万円以上を確保できるか米ドル/円1Lotなら株の時価で約21.4万円。株価が下がればその分減ります。
- チェック3米ドル/円の買いと日本株の組み合わせになっていないか円高と株安が同時に来ると二重に減ります。買いで持つなら、株の担保に頼らず現金を厚めに入れておくのが安全です。
- チェック4追証に備えて、すぐ動かせる現金があるか追証は株では解消できません。入金かFXのポジションの一部決済で対応します。
スワップポイントを受け取りながら配当や優待も受け取る、という組み合わせも可能です。DMM FXのスワップの金額はDMM FXのスワップはいくら?で集計しています。
よくある質問
Q. DMM FXの株券担保サービスとは何ですか?
A. DMM株の口座で持っている国内株式・ETF・REITなどをFX口座に振り替えると、前営業日の終値の70%をFXの証拠金として使えるサービスです。手数料は無料で、振り替えた株の配当金や株主優待もそのまま受け取れます。
Q. 現金を入金せずにFXを始められますか?
A. 始められます。ただしポジションの必要証拠金以上の担保額(株の時価の70%)が必要です。1ドル158円台の米ドル/円1Lotなら必要証拠金は約6.4万円で、株の時価では約9.1万円が必要になります。
Q. NISA口座の株は使えますか?
A. 使えません。NISA口座で買った株は株券担保サービスの対象外で、FX口座に振り替えることはできません。米国株式も対象外です。
Q. 追証が出たら株を振り替えれば解消できますか?
A. できません。振替は翌国内株式営業日の朝に反映されるため、原則として翌営業日4時59分の解消期限に間に合いません。株を売っても代金が入るのは3営業日後です。追証は入金かFXのポジションの決済で解消してください。
Q. FX口座に振り替えた株が強制売却されることはありますか?
A. あります。ロスカットなどでFX口座の資金以上の損失が出て不足金が発生し、期日までに入金しなかった場合、FX口座に振り替えた株はすべて強制売却されます。追証によるマージンカットだけでは株は売却されません。
Q. 株を担保にするとき、FXは買いと売りのどちらが向いていますか?
A. 一般論として、円高の週は日本株も下がりやすいため、米ドル/円の買いは為替の損と担保の目減りが重なりやすくなります。過去10年の週足では、米ドル/円が2%以上下がった29週のうち21週で日経平均も下がっていました。売りのポジションなら値動きが打ち消し合う方向になります。
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出典・参考資料
- DMM FX公式:DMMFX株券担保サービス
- DMM FX よくあるご質問:株券担保サービスとは/NISA口座の株式は対象になりますか/追証発生後に株式を振り替えたら/追証発生後に株式を売却したら/追証判定に使う株価/FX代用の株式の売却/株式が強制売却される場合/利用中に追証が発生した場合/振替予約中に追証が発生した場合
- 市場データ:Yahoo Finance(ドル円 JPY=X・日経平均 ^N225 の週足、2016年9月〜2026年9月)
本記事はDMM FXの公開情報(2026年9月25日時点)と市場データにもとづく解説です。代用掛目や対象銘柄は変更されることがあります。ドル円と日経平均の関係は過去の傾向で、将来も同じになるとは限りません。実際の担保額は、振り替えた銘柄の株価で変わります。
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