2026年10月1日、ゆうパックとゆうパケットが値上げ。新旧の運賃910通りを突き合わせました
日本郵便は2026年10月1日から、ゆうパック・ゆうパケット・クリックポストの運賃を改定します。公式の説明は「平均改定率は約10%」ですが、発地と着地とサイズの組み合わせ910通りを新旧で1つずつ計算したところ、上がり方は場所とサイズで大きく違い、140サイズ以上は例外なく約20%上がることが分かりました。手紙・はがき・レターパックは今回の対象外です。
2026年9月20日時点。金額はすべて税込。出典は日本郵便・日本郵政の公表資料
2026年(木)
単純平均(当サイト集計)
185円から+55円
厚さに関係なく一律
2026年10月1日、ゆうパックとゆうパケットの運賃が上がります。日本郵便が2026年7月3日に公表したもので、あわせてクリックポストの運賃と引き受け条件、ゆうパック包装用品の価格も変わります。フリマアプリやネット通販で荷物を送る機会が多い人ほど、負担の増え方が大きい改定です。
この記事では、公式発表の内容を整理したうえで、改定前と改定後の基本運賃を全910通り突き合わせて計算し、「自分の送り方だといくら上がるのか」が分かる形にまとめます。あわせて、なぜこのタイミングで値上げが必要になったのかを、日本郵便の決算資料から確認します。
2026年10月1日から何がいくら上がるのか
今回の改定の対象は、ゆうパック(基本運賃と各種ゆうパック)、ゆうパケット、クリックポスト、ゆうパック包装用品です。全体像は次のとおりです。
| 対象 | 現行 | 2026年10月1日から | 変化 |
|---|---|---|---|
| ゆうパック(基本運賃) | サイズ・地帯別 | サイズ・地帯別の新運賃 | 平均改定率 約10%(公式) |
| 重量ゆうパック | 基本運賃+560円 | 基本運賃+620円 | 加算額が+60円 |
| 空港ゆうパック | 基本運賃+800円 | 基本運賃+880円 | 加算額が+80円 |
| ゆうパケット(厚さ1cm以内) | 250円 | 360円 | +110円 / +44.0% |
| ゆうパケット(厚さ2cm以内) | 310円 | 360円 | +50円 / +16.1% |
| ゆうパケット(厚さ3cm以内) | 360円 | 360円 | 据え置き |
| クリックポスト | 185円 | 240円 | +55円 / +29.7% |
| ゆうパック・箱(120サイズ) | 380円 | 420円 | +40円 |
| クッション封筒(小) | 81円 | 90円 | +9円 |
【独自集計】ゆうパックの新旧運賃910通りを計算した
ゆうパックの基本運賃は、差出地のエリア・あて先のエリア・荷物のサイズの3つで決まります。公式発表は「平均改定率は約10%(サイズやお届け先によって改定率は異なります)」とだけ書かれているため、実際にどこがどれだけ上がるのかは運賃表を突き合わせないと分かりません。
そこで、日本郵便が公表した新運賃表(11の差出エリア別)と、現行の都道府県別基本運賃表を突き合わせ、運賃表に載っている130通りのルート(差出エリア11×あて先)×7サイズ=910通りすべてについて、差額と改定率を計算しました。結果は次のとおりです。
| 区分 | 件数 | 改定率 | 中身 |
|---|---|---|---|
| 全体 | 910通り | 単純平均 +13.8% 中央値 +10.2% |
最小+1.8%、最大+40.1% |
| 同じ県内あて | 77通り | +1.8〜+2.4% | 差額は+20〜60円に収まる |
| 県外あて 60・80サイズ | 238通り | +9.7〜+10.4% | ほぼ一律で1割 |
| 県外あて 100・120サイズ | 238通り | +9.8〜+15.2% | 沖縄発着だけ15%前後 |
| 県外あて 140・160サイズ | 238通り | +19.8〜+20.2% | 238通りすべてが約20% |
| 県外あて 170サイズ | 119通り | +19.9〜+40.1% | 最大は北海道⇔沖縄 |
数えて分かったのは、「平均約10%」は小さい荷物の話で、140サイズ以上は例外なく約20%上がるということです。県外あての140サイズと160サイズは238通りすべてが+19.8%〜+20.2%に収まり、1つの例外もありませんでした。一方で同じ県内にあてる荷物は、サイズを問わず+20円から+60円、率にして2%前後しか上がりません。
上がり幅が最も大きいのは、北海道と沖縄のあいだで170サイズを送るケースで、5,090円から7,130円へ2,040円(+40.1%)。逆に最も小さいのは同じ県内あての80サイズで、1,130円から1,150円へ20円(+1.8%)です。同じ「平均10%の値上げ」でも、実際に払う金額の増え方には20倍以上の開きがあります。
ゆうパック最大40%値上げ - 日本郵便10月から3年ぶりhttps://t.co/ZOVTN340vl
— 共同通信公式 (@kyodo_official) 2026年7月3日
共同通信も「最大40%値上げ」と報じています。当サイトの集計で最大となった北海道⇔沖縄の170サイズ(+40.1%)と一致します。
主要ルートの新旧運賃早見表
東京を起点にした代表的なルートで、サイズ別の新旧運賃と差額を示します。ゆうパックの運賃は差出地とあて先が入れ替わっても同額なので、「東京→大阪」は「大阪→東京」と同じです。
| ルート | 60サイズ | 80サイズ | 100サイズ | 140サイズ | 170サイズ |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京→東京都内 | 820→840 (+20) |
1,130→1,150 (+20) |
1,450→1,480 (+30) |
2,120→2,160 (+40) |
3,000→3,060 (+60) |
| 東京→神奈川・愛知 | 880→970 (+90) |
1,200→1,320 (+120) |
1,500→1,650 (+150) |
2,170→2,600 (+430) |
3,070→3,680 (+610) |
| 東京→大阪 | 990→1,090 (+100) |
1,310→1,440 (+130) |
1,620→1,780 (+160) |
2,300→2,760 (+460) |
3,750→4,500 (+750) |
| 東京→広島 | 1,150→1,270 (+120) |
1,440→1,580 (+140) |
1,780→1,960 (+180) |
2,440→2,930 (+490) |
3,890→4,670 (+780) |
| 東京→福岡・北海道 | 1,410→1,550 (+140) |
1,710→1,880 (+170) |
2,020→2,220 (+200) |
2,680→3,220 (+540) |
4,140→4,970 (+830) |
| 東京→沖縄 | 1,450→1,600 (+150) |
1,810→1,990 (+180) |
2,160→2,480 (+320) |
2,860→3,430 (+570) |
4,350→5,870 (+1,520) |
140サイズの列だけ差額が一気に跳ねているのが分かります。東京から福岡へ140サイズを送る場合、これまで2,680円だったものが3,220円。1個で540円、10個送れば5,400円の差です。引っ越しや季節の荷物のように大きい箱をまとめて送る場面では、体感がかなり変わります。
クリックポストは料金だけでなく条件も変わる
クリックポストは185円から240円へ、+55円(+29.7%)。今回の改定でもっとも上昇率が高いサービスです。ただし、同時に引き受け条件も変わり、こちらは利用者に有利な方向の変更が含まれます。
| 項目 | 現行 | 2026年10月1日から |
|---|---|---|
| 運賃 | 185円 | 240円 |
| サイズの上限 | 長辺34cm・短辺25cm・厚さ3cm | 3辺合計60cm、長辺34cm、かつ郵便差出箱に投函できるもの |
| 重量の上限 | 1kg | 2kg |
| 差出方法 | 郵便差出箱への投函 郵便局窓口への差し出し |
郵便差出箱への投函のみ |
重量の上限が1kgから2kgへ倍になり、サイズも「短辺25cm」の縛りがなくなって3辺合計60cmの範囲で自由度が増します。厚みのある本や衣類を送る人にとっては使いやすくなる変更です。
日本郵便の運賃等が2026年10月1日に改定されると発表されました。
特にクリックポストをご利用のショップオーナー様は送料設定をご確認ください。
なお匿名配送「ゆうゆうBOOTHパック」の送料には、今回の改定による影響はございません。
詳細は以下お知らせをご覧ください。https://t.co/cEYtQsJTPB— BOOTH (@booth_pm) 2026年7月6日
同人・ハンドメイドの販売プラットフォームBOOTHも、ショップオーナーに送料設定の確認を呼びかけました。匿名配送「ゆうゆうBOOTHパック」は影響なしとしています。
手紙・はがき・レターパックは今回の対象外
「郵便料金がまた上がる」と受け取られがちですが、今回の発表に手紙・はがき・レターパックは含まれていません。これらは荷物ではなく郵便物で、2024年10月1日にすでに改定されています。現在の料金は次のとおりです。
| サービス | 2024年9月まで | 2024年10月1日から(現在) |
|---|---|---|
| 定形郵便物(25g以下) | 84円 | 110円 |
| 定形郵便物(25g超50g以下) | 94円 | 110円(重量区分を統合) |
| 通常はがき | 63円 | 85円 |
| レターパックライト | 370円 | 430円 |
| レターパックプラス | 520円 | 600円 |
| スマートレター | 180円 | 210円 |
定形郵便物の料金は、25g以下の上限額が郵便法施行規則で定められており、日本郵便が単独で引き上げることはできません。2024年10月の値上げも、同年6月13日に施行規則が改正されたことを受けて実施されたものです。したがって手紙やはがきの次の改定は、まず省令の改正があるかどうかが目安になります。2026年9月20日時点で、新たな改定は発表されていません。
なぜ3年でまた値上げなのか
ゆうパックの運賃改定は2023年10月1日にも行われており、このときの公式説明も「平均改定率は約10%」でした。3年で2回、いずれも約10%です。背景は日本郵便の決算に表れています。
- 20242024年10月、郵便料金を約30%引き上げ定形郵便物84円→110円、はがき63円→85円。郵便物数の減少と人件費・燃料費の上昇が理由として挙げられました。
- 2025値上げしても郵便事業は322億円の赤字2025年度の郵便事業の収支は、営業収益1兆3,092億円に対し営業費用1兆3,414億円で322億円の営業損失。値上げで内国郵便収益は533億円増えましたが、人件費が128億円増え、赤字は前年の630億円から縮小にとどまりました。
- 2026郵便物数は117.5億通、前年から6.5%減2025年度の郵便物の引受数は11,751,035千通で前年比6.5%減。荷物はゆうパックが1.3%増、ゆうパケットが4.7%増と伸びた一方、ゆうメールが2.1%減り、郵便物・荷物の合計は5.0%減りました。
- 予想今年度は郵便・物流事業で1,040億円の営業赤字見込み日本郵政が2026年5月に公表した2027年3月期の業績予想では、郵便・物流事業の営業利益は▲1,040億円(前期比921億円の悪化)。郵便収入が570億円減り、人件費が210億円、集配運送費が220億円増えるとしています。日本郵便(連結)の当期純利益も▲790億円の見込みです。
郵便・物流事業の営業損益は、2025年3月期が▲383億円、2026年3月期が▲118億円と改善してきましたが、今年度は一転して1,000億円規模の赤字が見込まれています。値上げの効きが1年で剥がれ、物数の減少が上回るという構図です。今回ゆうパック側の運賃を上げるのは、伸びている荷物で郵便の落ち込みを支える狙いがあると読めます。
1通あたりで見ると、赤字が大きいのは雑誌と通信教育
2025年度の郵便事業の収支は、郵便物の種類ごとに公表されています。ここに同じ年度の引受物数を突き合わせて、1通あたりの収益・費用・損益を計算しました。
| 種類 | 物数 | 1通あたり収益 | 1通あたり費用 | 1通あたり損益 |
|---|---|---|---|---|
| 第一種(封書) | 61.9億通 | 111.1円 | 114.8円 | ▲3.8円 |
| 第二種(はがき) | 49.1億通 | 70.6円 | 71.3円 | ▲0.7円 |
| 第三種(雑誌・新聞) | 1.38億通 | 44.9円 | 104.9円 | ▲60.1円 |
| 第四種(通信教育など) | 0.12億通 | 50.5円 | 143.0円 | ▲92.5円 |
第三種郵便物は1通運ぶごとに60円、第四種は92円の赤字です。この2つは2024年10月の郵便料金改定でも料金が据え置かれた区分で、公益性を理由に安く据え置かれてきました。ただし物数が少ないため、金額でいちばん重いのは第一種(封書)の234億円の赤字です。1通あたりの赤字は4円弱でも、62億通を運べばそうなります。
10月1日以降、負担を抑える方法
ゆうパックの割引制度は今回の発表では変更されていません。値上げ後も次の割引は使えます。
| 割引 | 割引額 | 条件 |
|---|---|---|
| ゆうパックスマホ割 | 基本運賃から180円引き | 郵便局アプリから発送。持込割引などとは併用不可 |
| 郵便局受取割引 | さらに100円引き | スマホ割の利用時に、受取場所を郵便局に指定 |
| 継続利用割引 | 割引後の運賃から10%引き | 前月までの1年間に10個以上発送している場合 |
| 持込割引 | 1個につき120円引き | 郵便局・ゆうパック取扱所へ持ち込む |
| 同一あて先割引 | 1個につき60円引き | 1年以内の同じあて先。前回の「ご依頼主控」が必要 |
| 複数口割引 | 1個につき60円引き | 同じあて先へ同時に2個以上差し出す |
東京から大阪へ60サイズを送る場合で、値上げ前後と割引の効き方を並べるとこうなります。
| 出し方 | 現行(9月30日まで) | 10月1日から | 差 |
|---|---|---|---|
| 窓口・割引なし | 990円 | 1,090円 | +100円 |
| 持込割引(120円引き) | 870円 | 970円 | +100円 |
| スマホ割(180円引き) | 810円 | 910円 | +100円 |
| スマホ割+郵便局受取(280円引き) | 710円 | 810円 | +100円 |
差額はどの出し方でも同じ100円ですが、10月1日以降にスマホ割と郵便局受取を組み合わせた810円は、値上げ前に窓口へ持ち込んだ870円より安いという関係になります。これまで窓口に持ち込んでいた人がアプリ発送に切り替えれば、今回の値上げ分は吸収できる計算です。
よくある質問
Q. 2026年10月1日から値上げされるのは何ですか?
A. ゆうパックの基本運賃(平均約10%)、重量ゆうパックなどの加算額、ゆうパケット(厚さにかかわらず一律360円)、クリックポスト(185円→240円)、ゆうパック包装用品の価格です。日本郵便が2026年7月3日に公表しました。
Q. 手紙・はがき・レターパックも値上げされますか?
A. 今回の発表には含まれていません。これらは2024年10月1日に改定済みで、定形郵便物110円、通常はがき85円、レターパックライト430円、レターパックプラス600円が現在の料金です。2026年9月20日時点で、新たな改定は発表されていません。
Q. 9月中に差し出せば現行の運賃ですか?
A. はい。新運賃は2026年10月1日から適用されるため、9月30日までに差し出した荷物には現行の運賃が適用されます。
Q. いちばん値上げ幅が大きいのはどのケースですか?
A. 率でいえば、ゆうパックでは北海道と沖縄のあいだの170サイズで5,090円→7,130円の+40.1%。サービス単位ではゆうパケットの厚さ1cm以内が250円→360円の+44.0%です。一方、同じ県内あてのゆうパックは+20〜60円(約2%)にとどまります。
Q. クリックポストは郵便局の窓口で出せますか?
A. 2026年10月1日からは郵便ポストへの投函のみになり、窓口での差し出しはできなくなります。その代わり重量上限が1kgから2kgへ、サイズも3辺合計60cm・長辺34cm(かつポストに投函できるもの)に変わります。
Q. なぜ3年でまた値上げするのですか?
A. 郵便物数の減少と人件費・集配運送費の増加が続いているためです。2025年度の郵便事業は322億円の営業損失で、日本郵政は2027年3月期に郵便・物流事業で1,040億円の営業赤字を見込んでいます。前回のゆうパック改定は2023年10月1日で、このときも平均約10%でした。
あわせて読みたい
日本郵便「ゆうパックおよびゆうパケットの基本運賃などの改定」(2026年7月3日)および別紙の新運賃表
日本郵便「ゆうパック都道府県別基本運賃表」(現行運賃)
日本郵便「郵便事業の収支の状況(2025年度)」(2026年7月28日)
日本郵便「2025年度郵便物・荷物の引受物数」(2026年5月11日)
日本郵政「2026年3月期 日本郵政グループ決算の概要」(2026年5月15日、決算のポイント)
日本郵便「郵便料金の改定および新料額の普通切手の発行などについて」(2024年6月13日)
日本郵便「ゆうパックの新運賃のお知らせ」(2023年6月8日)、「運賃割引について」「ゆうパックスマホ割」の各案内ページ
※1通あたりの損益と910通りの改定率は、上記の公表資料をもとに当サイトで計算したものです。


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