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簗和生農水相の問題とは?予算カット発言・裏金・LGBT発言を整理
2026年9月17日に初入閣した簗和生(やな・かずお)農林水産大臣について、就任前の5月に「地元2市町の道路予算を大幅にカットした」と話したとする音声を、9月30日に週刊文春と週刊新潮が報じました。政府は「事実の有無を含めて調査中」、本人は「就任前の活動については回答を控えたい」としています。報道の中身と、以前から指摘されてきた裏金・LGBTをめぐる発言を整理したうえで、栃木県選挙管理委員会の市町別得票と国土交通省の配分資料を使って、報じられた数字を検証します。
この記事の結論
- 簗氏は2026年5月24日、自民党大田原支部の総会後に開かれた非公開の懇親会で、那須烏山市と那珂川町の2026年度の道路予算を「大幅にカットをしました」と話したと、週刊文春と週刊新潮が音声データをもとに報じました。木原稔官房長官は「関係省庁で調査中」、簗氏は「大臣就任前の一議員としての活動に関わる事柄については、回答は控えたい」と述べています。
- 2市町に国が示した交付金(道路分)は実際に減っています。両自治体の回答では、那須烏山市が約6,535万円→約2,427万円(−62.9%)、那珂川町が約4,934万円→約2,262万円(−54.1%)。ただし国交省は「簗氏の働きかけで配分を変えた事実はない」と週刊新潮に答えており、減額に簗氏が関わったかどうかは確認されていません。
- 【独自集計】栃木県選管の市町別得票を見ると、2市町は2026年2月の衆院選で簗氏の得票率が選挙区内で最も低かった2つ(那須烏山市21.7%、那珂川町32.2%)でした。那須烏山市1市だけで5,882票の差がつき、選挙区全体の負け幅4,508票を上回っています。
- 【独自集計】国交省の配分資料では、2026年度の社会資本整備総合交付金は全国で6.1%減った一方、栃木県全体では0.4%増でした。県全体はほぼ前年並みなのに、2市町の道路分は合わせて59%減ったことになります。
- このほか簗氏には、派閥パーティー収入1,746万円の不記載(党の役職停止6か月、検察審査会は「不起訴相当」)、2021年のLGBTをめぐる「種の保存に背く」趣旨の発言、元秘書によるパワハラの証言(週刊新潮)が指摘されています。10月5日に召集される臨時国会で、野党は追及する構えです。
政府の調査結果や国会での答弁など、新しい情報が出たらこの記事に追記します。
簗和生農水相とは?プロフィールと就任の経緯
簗和生氏は、栃木3区を地盤とする自民党の衆院議員です。旧安倍派の出身で、2026年9月17日に発足した第2次高市改造内閣で、農林水産大臣として初めて入閣しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前・読み方 | 簗 和生(やな・かずお)。「簗(やな)」は、川に竹などを並べて魚をとる仕掛けを表す漢字です |
| 年齢 | 47歳(1979年生まれ) |
| 学歴 | 慶應義塾大学商学部卒業、東京大学大学院(経済学)修了 |
| 選挙区 | 衆院栃木3区(大田原市・矢板市・那須塩原市・那須烏山市・那須郡)。2026年2月の衆院選は小選挙区で敗れ、比例北関東ブロックで復活当選 |
| 当選回数 | 6回(2012年に初当選) |
| 主な経歴 | 国土交通大臣政務官、文部科学副大臣、自民党農林部会長、党筆頭副幹事長 |
| 派閥 | 旧安倍派 |
| 現職 | 農林水産大臣(2026年9月17日、第2次高市改造内閣で初入閣。前任は鈴木憲和氏) |
農業政策に詳しく、週刊新潮によると、高市早苗首相は2月の衆院選で栃木3区に応援に入った際、簗氏を「私の知恵袋」と紹介したといいます。首相が自ら選んだ起用とみられています。
一方で、簗氏は2023年末に発覚した自民党派閥の裏金問題で、党の処分を受けた議員の一人です。今回の改造では、簗氏と関芳弘文部科学相(処分は戒告)の旧安倍派2人が入閣し、裏金問題で党の処分を受けた議員の入閣は初めてと報じられました(毎日新聞)。2人のうち、簗氏の処分(党の役職停止6か月)のほうが重く、起用の時点から注目されていました。改造内閣の顔ぶれは内閣改造2026の閣僚名簿で、19人の大臣の選挙区は大臣の選挙区一覧2026でまとめています。
簗農水相の問題は何?指摘されている4つの点
簗氏について、報道や国会でこれまでに指摘されてきた問題は大きく4つあります。処分まで終わっているものと、報道の段階で本人が説明していないものが混ざっているので、状態を分けて整理しました。
| 問題 | いつ | 何が問題とされているか | 本人の説明・現状 |
|---|---|---|---|
| 地元自治体の道路予算「大幅カット」発言 政府が調査中 |
2026年5月24日の発言(9月30日に報道) | 衆院選で自分を支援しなかった首長がいる自治体の予算を削った、と受け取れる発言。公金を選挙の見返りに使ったのではないかという疑い | 「大臣就任前の一議員としての活動」を理由に回答を控えている。官房長官は「事実の有無も含めて関係省庁で調査中」 |
| 派閥パーティー収入の不記載(裏金) 処分済み |
2018〜2022年の5年間(2024年に判明) | 旧安倍派から受け取った計1,746万円を、政治資金収支報告書に実態と異なる形で記載していた | 党の役職停止6か月。刑事処分は起訴猶予で、検察審査会も「不起訴相当」。本人は「不記載には当たらない」と主張 |
| LGBTをめぐる「種の保存」発言 報道 |
2021年5月20日(党の非公開会合) | 性的少数者について「生物学上、種の保存に背く」という趣旨の発言をしたと報じられた | 「党の会議は非公開」として、発言の有無や内容に触れていない(2026年9月17日の入閣時も同じ説明) |
| 秘書へのパワハラ・大量離職の証言 報道 |
平成の時期から(2026年9月30日に報道) | 元秘書が週刊新潮に、人格を否定するような言葉で責められた、多くの秘書が辞めていたと証言 | 2026年10月2日1時時点で、この証言に対する本人の説明は確認できていない |
いま最も大きく取り上げられているのは、1つ目の「予算カット」発言です。大臣に就任する前の発言ですが、農水相という予算を配る立場の閣僚が、選挙と予算を結びつけて語ったとされることから、政府も調査に乗り出しています。以下、この発言から詳しく見ていきます。
予算カット発言とは?報じられた内容と実際の減額
問題の発言があったとされるのは、2026年5月24日です。栃木県大田原市で開かれた自民党大田原支部の総会の後、非公開の懇親会で、簗氏は地元議員や支持者ら約30人を前にあいさつしました。週刊文春は16分29秒の音声データを、週刊新潮も音声データを入手したとしています。当時の簗氏は党の筆頭副幹事長で、まだ大臣ではありませんでした。
報じられた主な発言
- 那須烏山市と那珂川町の2026年度の道路予算について「大幅にカットをしました」と述べ、那須烏山市は前年比64%減、那珂川町は54%減にしたと具体的な数字も挙げた。週刊新潮
- カットの理由として、首長が衆院選で自民党の国会議員はいらないという行動を取ったと説明し、2市町での自分の得票数への不満も口にした。自分が選挙区からいなくなれば予算は完全に切られる、とも語った。週刊文春(時事通信の要約による)
- 当時の筆頭副幹事長という立場について、幹事長室に役人を呼べばこうしたことができる、という趣旨の発言もあった。週刊新潮
- 削ったのは命に支障がない道路で、河川の関係には手をつけていない、と説明した。週刊新潮
2市町の交付金は実際にいくら減った?
対象とされたのは、国の社会資本整備総合交付金のうち道路の分です。国交省が各自治体に示した金額(内示額)を、両自治体が毎日新聞と週刊新潮の取材に答えています。その数字を表にしました。
| 自治体 | 2025年度 | 2026年度 | 増減 | 発言で挙げた数字 |
|---|---|---|---|---|
| 那須烏山市「とちぎの道づくり」の項目 | 約6,535万円 | 約2,427万円要望は約4,784万円 | −62.9% | 64%減(3分の1に) |
| 那珂川町社会資本整備総合交付金 | 約4,934万円要望は約6,585万円 | 約2,262万円要望は約7,208万円 | −54.1% | 54%減 |
| 2市町の合計筆者が合算 | 約1億1,469万円 | 約4,689万円 | −59.1% | — |
金額は国交省が示した内示額で、両自治体が毎日新聞・週刊新潮に答えたもの。増減率と合計は筆者が計算しました。
発言で挙げた数字と、実際の減り方はほぼ一致しています。那珂川町の場合、要望に対して認められた割合は2025年度の74.9%から、2026年度は31.4%に下がりました。那須烏山市の2026年度も、要望の50.7%にとどまっています。週刊新潮によると、那珂川町では町道の工事を発注できなくなるなどの影響が出ているといいます。
「簗氏が削った」とはまだ確認されていません
交付金の配分を決めるのは国交省で、国会議員に配分を決める権限はありません。国交省は週刊新潮に対し、簗氏からの働きかけで配分を変えた事実はないと答えています。簗氏本人も週刊新潮の直撃に、議員はそういうことができる立場にない、行政がやることだと答え、音声に残る発言は覚えていないとしたと報じられています。
つまり今の時点では、①働きかけで実際に配分が変わったのか、②別の理由で減った予算を、自分の力で削ったかのように語っただけなのかは分かっていません。政府の調査結果を待つ必要があります。
【独自集計】削られた2市町は簗氏の得票率が最も低かった
週刊文春によると、簗氏は懇親会で2市町での自分の得票にも不満を述べていました。そこで、栃木県選挙管理委員会が公表している市町別の開票結果から、2026年2月8日の衆院選・栃木3区の票を市町ごとに並べ、簗氏の得票率を計算しました。
| 市町 | 渡辺真太朗(無所属) | 簗和生(自民) | 伊賀央(中道改革連合) | 簗氏の得票率 |
|---|---|---|---|---|
| 大田原市 | 13,936 | 14,173 | 4,506 | 43.5% |
| 矢板市 | 6,535 | 5,995 | 2,306 | 40.4% |
| 那須塩原市 | 20,671 | 22,962 | 9,160 | 43.5% |
| 那須烏山市 | 8,642 | 2,760 | 1,299 | 21.7% |
| 那須町 | 4,320 | 5,604 | 2,488 | 45.1% |
| 那珂川町 | 4,379 | 2,481 | 852 | 32.2% |
| 栃木3区 全体 | 58,483(当選) | 53,975(比例復活) | 20,611 | 40.6% |
出典:栃木県選挙管理委員会「衆議院小選挙区 開票結果(令和8年2月8日)第三区」。得票率は有効投票数に対する割合で、筆者が計算しました。色付きの行が、予算が削られたと報じられた2市町です。
簗氏の得票率は、大田原市・矢板市・那須塩原市・那須町では40.4〜45.1%で、渡辺氏と競り合っていました。この4市町だけを足すと、簗氏が3,272票リードしています。ところが那須烏山市では21.7%、那珂川町では32.2%と大きく落ち込みました。予算が削られたとされる2市町は、得票率の低い順にちょうど1位と2位です。那須烏山市1市だけで5,882票、那珂川町で1,898票の差がつき、4市町でのリードをひっくり返されました。
背景には首長の動きがあります。那須烏山市の川俣純子市長と那珂川町の益子純恵町長は、2月の衆院選で簗氏ではなく、無所属の渡辺真太朗氏を支援していました(毎日新聞)。渡辺氏は那須烏山市の出身で、自民党の党籍を持ったまま無所属で立候補しました(産経新聞)。自民党の公認候補だった簗氏にとっては、同じ保守系どうしの「分裂選挙」でした。
2024年の衆院選でも2市町は渡辺氏が上回っていた
2人は2024年10月の衆院選でも対決しています。このときは簗氏がわずか178票差で勝ちましたが、那須烏山市と那珂川町ではすでに渡辺氏が上回っていました。
| 市町 | 簗氏の得票率 2024年10月 | 簗氏の得票率 2026年2月 | 勝った候補(2026年) |
|---|---|---|---|
| 大田原市 | 40.6% | 43.5% | 簗氏 |
| 矢板市 | 36.0% | 40.4% | 渡辺氏 |
| 那須塩原市 | 37.9% | 43.5% | 簗氏 |
| 那須烏山市 | 23.4% | 21.7% | 渡辺氏 |
| 那須町 | 44.5% | 45.1% | 簗氏 |
| 那珂川町 | 35.7% | 32.2% | 渡辺氏 |
| 栃木3区 全体 | 37.4%178票差で勝利 | 40.6%4,508票差で敗北 | 渡辺氏 |
出典:栃木県選挙管理委員会「衆議院小選挙区 開票結果(令和6年10月27日)第三区」「同(令和8年2月8日)第三区」から筆者が計算。
ここで注目したいのが、2024年の選挙の後に決まった那珂川町の2025年度の交付金です。要望に対して認められた割合は74.9%で、大きな削減はありませんでした。それが2026年2月の衆院選の後に決まった2026年度は、31.4%に下がっています。2026年の選挙では、2市町の首長がそろって渡辺氏を支援したと報じられ、簗氏は小選挙区で敗れました。
数字が重なっても「関与の証拠」にはなりません
交付金は、道路工事の進み具合などによって年度ごとに大きく増えたり減ったりします。1年分の数字だけでは、誰かの意図があったかどうかは判断できません。それでも、発言で挙げた減少率・削減の対象になった自治体・選挙での得票の分布の3つがここまで重なっているため、政府の調査で経緯を明らかにすることが求められています。
【独自集計】国の交付金は全国6.1%減、栃木県は0.4%増
2市町の減り方が特別なのかを確かめるため、国交省が毎年4月に公表している「社会資本総合整備事業関係 予算配分概要」で、都道府県別の配分額を前の年度と比べました。
| 区分 | 2025年度 | 2026年度 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 全国:社会資本整備総合交付金(事業費) | 9,817億円 | 9,215億円 | −6.1% |
| 全国:社会資本整備総合交付金(国費) | 4,860億円 | 4,584億円 | −5.7% |
| 栃木県:社会資本整備総合交付金 | 226.0億円 | 226.8億円 | +0.4% |
| 栃木県:防災・安全交付金 | 270.7億円 | 287.9億円 | +6.3% |
| 栃木県:2つの交付金の合計 | 496.7億円 | 514.6億円 | +3.6% |
| 那須烏山市+那珂川町:道路分 | 約1億1,469万円 | 約4,689万円 | −59.1% |
出典:国土交通省「令和7年度/令和8年度 社会資本総合整備事業関係 予算配分概要」。事業費は国費をもとに国交省が推計した額。増減率は筆者が計算しました。2市町の行は上の表と同じ内示額です。
全国では交付金の総額が6.1%減りましたが、栃木県への配分はむしろ0.4%増えています。県全体では前年並みの配分が確保されている中で、2市町の道路分だけが約6割減ったことになります。
ただし、県への配分額には県自身の事業やほかの市町の事業も含まれます。市町ごとの配分は事業の段階によっても変わるので、県全体と市町を単純に比べることには限界があります。那須烏山市の幹部は毎日新聞に、道路予算には前年度からの基準があり、県を通じて国とも打ち合わせているので、大きく下がって驚いたと話しています。
交付金はどうやって配られる?
社会資本整備総合交付金は、自治体が道路や下水道などの整備計画をつくり、国(国交省)が予算の範囲内で配分する仕組みです。市町村の道路事業は県を通じて国と調整し、国交省が毎年度、金額を「内示」として示します。
配分の権限は国交省にあり、国会議員が金額を決める仕組みはありません。一方で、地元選出の議員が予算の確保を国に要望すること(陳情)は日常的に行われています。今回問われているのは、議員の影響力が、選挙の結果に応じて「削る」方向に使われたのかどうかです。
なぜ問題視される?3つの論点
1. 事実なら、公金を選挙の見返りに使ったことになる
道路の予算は、その地域に住む人のためのお金です。もし「選挙で応援しなかった自治体だから削る」ということが本当に行われていたなら、住民が首長の選挙での行動の責任を負わされることになります。那須烏山市の川俣純子市長は、報道の内容が事実なら大変遺憾だとのコメントを出しました。那珂川町の益子純恵町長はコメントを控えています(毎日新聞)。
2. 事実でなくても、自治体への圧力と受け取られる
仮に簗氏が配分に関わっていなかったとしても、支援者の前で「支援しなかった自治体の予算を削った」と語れば、次の選挙で首長や住民が「誰を応援するか」を考えるときの重しになります。週刊新潮の記事では、自民党関係者が、自分に投票しなければどうなるかを知らしめる恫喝と言われても仕方がない、と話しています。
3. 「就任前のこと」を理由に説明していない
簗氏は、大臣就任前の一議員としての活動を理由に回答を控えています。2021年のLGBTをめぐる発言でも「党の会議は非公開」として説明していません。野党側では、民主改革の会の階猛幹事長が首相の任命の基準を問い、臨時国会での追及を視野に入れていると表明しました(下野新聞)。一方、衆院会派「志士の会」の泉健太氏は、疑惑の追及に質問時間を使うより、国民生活に関する質疑に徹するべきだと野党側に提言しています(東スポWEB)。
農水省はいま、コメの値下がりや備蓄米の買い戻しといった大きな課題を抱えています。新米の価格動向は新米2026はなぜ安い?で解説していますが、農政のかじ取り役の説明不足が長引けば、政策の議論にも影響しかねません。
裏金1,746万円とLGBT発言|以前からの問題をおさらい
裏金:5年間で1,746万円、党の役職停止6か月
2023年末に発覚した自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題で、簗氏は旧安倍派から2018〜2022年の5年間に計1,746万円の還流(キックバック)を受けていました。下野新聞によると、簗氏は政治資金収支報告書にこのお金を個人名義の寄付として、実態と異なる形で記載していました。
自民党は2024年4月4日、簗氏を党の役職停止6か月の処分にしました。簗氏は当時、中抜きや私的な使用は一切なく、使い道もすべて公開しており、不記載には当たらないと説明しています(下野新聞)。刑事処分では東京地検特捜部が起訴猶予とし、これを不服とする申し立てを受けた東京第5検察審査会も、2025年9月26日付で「不起訴相当」と議決しました。簗氏は「潔白が証明された」とコメントしています(下野新聞)。
9月17日の入閣時に記者から問われた簗氏は、過去2回の選挙を経て、地元でしっかりと説明責任を果たしてきたと述べました(産経新聞)。裏金問題の仕組みは自民党の裏金問題とは?キックバックの仕組みで解説しています。
LGBT発言:「種の保存に背く」という趣旨
2021年5月20日、LGBTへの理解を広げる法案を議論した自民党の会合で、簗氏が性的少数者について「生物学上、種の保存に背く」という趣旨の発言をしたと、共同通信などが報じました。簗氏は当時から「会議は非公開」として発言内容への言及を避けています。
入閣した9月17日にも記者団からこの発言について問われ、国会答弁でも述べてきたとおり党の会議は非公開の形式で行われたので言及を控えてきた、と同じ説明を繰り返しました(産経新聞)。発言の撤回や謝罪はしていません。
これまでの経緯(時系列)
- 2012年12月衆院選で初当選栃木3区で敗れたものの、比例北関東ブロックで復活当選しました。
- 2021年5月20日LGBTをめぐる「種の保存」発言が報じられる党の非公開会合での発言とされ、本人は「会議は非公開」として説明していません。
- 2024年2月裏金1,746万円が判明自民党の集計で、5年間の還流額が明らかになりました。
- 2024年4月4日党の役職停止6か月の処分本人は「不記載には当たらない」と説明しました。
- 2024年10月27日衆院選で渡辺氏に178票差で辛勝那須烏山市・那珂川町では渡辺氏が上回りました。
- 2025年9月26日検察審査会が「不起訴相当」と議決東京地検の起訴猶予処分について。本人は「潔白が証明された」とコメント。
- 2026年2月8日衆院選で渡辺氏に敗れ、比例で復活4,508票差。那須烏山市長・那珂川町長は渡辺氏を支援しました。
- 2026年3月22日大田原市長選で渡辺氏が推した現職が再選下野新聞は、衆院栃木3区の「代理戦争」の様相と報じました。
- 2026年5月24日大田原支部の懇親会で「予算カット」発言とされる非公開の場。週刊文春・週刊新潮が音声を入手したとしています。
- 2026年9月17日農林水産大臣に就任(初入閣)裏金問題で党の処分を受けた議員の入閣は、関芳弘文科相とともに初めてと報じられました。
- 2026年9月30日週刊文春・週刊新潮が報道木原官房長官は「関係省庁で調査中」。簗氏は「報道を見ていない」としました(時事通信)。
- 2026年10月1日簗氏「回答は控えたい」大臣就任前の一議員としての活動を理由に、事実関係への言及を避けました。
- 2026年10月5日臨時国会が召集(12月12日まで69日間)5日に首相の所信表明演説、7・8日に衆院で代表質問の予定です(日本経済新聞)。
今後の焦点は?調査結果と臨時国会
今後の注目点は、大きく次の4つです。
- 政府の調査結果:木原官房長官は、道路予算について「事実の有無も含めて関係省庁において調査中」と説明しています。国交省の配分の経緯に簗氏の関与があったかどうかが、最大のポイントです。
- 臨時国会での質疑:10月5日に召集され、7・8日には衆院で代表質問が行われます。大臣として国会で問われた場合に、「就任前のこと」として答えを控え続けられるのかが焦点になります。
- 本人の説明:音声に残る発言をしたのかどうか、したならなぜそう語ったのか。発言の有無そのものについて、簗氏はまだ答えていません。
- 2市町の来年度の予算:2027年度の要望と国の内示がどうなるか。那珂川町では工事の発注に影響が出ていると報じられています。
この記事は、調査結果や国会での答弁など新しい情報が出たら追記します。
簗和生農水相についてよくある質問
Q. 簗和生の読み方は?
A. 「やな・かずお」です。「簗(やな)」は、川に竹などを並べて魚をとる仕掛けを表す漢字です。1979年生まれの47歳で、栃木3区を地盤とする自民党の衆院議員です。
Q. 簗農水相は何をしたのですか?
A. 2026年5月、地元の非公開の懇親会で、衆院選で自分を支援しなかった首長がいる那須烏山市と那珂川町の道路予算を「大幅にカットした」と話したと、週刊文春と週刊新潮が9月30日に報じました。本人は回答を控え、政府が事実関係を調べています。このほか、裏金1,746万円やLGBTをめぐる発言も指摘されています。
Q. 予算カットは本当にあったのですか?
A. 2市町に国が示した交付金(道路分)が2026年度に減ったことは、両自治体が報道機関に答えています(那須烏山市−62.9%、那珂川町−54.1%)。ただし、国交省は簗氏の働きかけで配分を変えた事実はないと説明しており、減額に簗氏が関わったかどうかは確認されていません。
Q. 裏金はいくらで、どんな処分を受けましたか?
A. 旧安倍派から2018〜2022年の5年間に受けた還流は計1,746万円です。2024年4月に党の役職停止6か月の処分を受けました。刑事処分は起訴猶予で、検察審査会も2025年9月に「不起訴相当」と議決しています。本人は「不記載には当たらない」と説明しています。
Q. 簗農水相の選挙区はどこですか?
A. 栃木3区(大田原市・矢板市・那須塩原市・那須烏山市・那須郡)です。2026年2月の衆院選では、無所属の渡辺真太朗氏に4,508票差で敗れ、比例北関東ブロックで復活当選しました。
Q. 簗農水相は辞任するのですか?
A. 2026年10月2日1時時点で、簗氏が辞任を表明したり、首相が交代を検討していると報じられたりはしていません。政府の調査結果と、10月5日に召集される臨時国会での質疑が今後の焦点になります。
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出典・参考資料
- 栃木県選挙管理委員会:衆議院小選挙区 開票結果(令和8年2月8日)/同(令和6年10月27日)
- 国土交通省:令和8年度国土交通省関係予算の配分について(社会資本総合整備事業関係 予算配分概要)/令和7年度国土交通省関係予算の配分について(同 予算配分概要)
- 週刊文春(文春オンライン):【音声入手】“裏金入閣”簗和生新農相が自民党支部の会合で“トンデモ発言”をしていた(2026年9月30日)
- デイリー新潮(Yahoo!ニュース):高市首相が抜擢の「新・農水大臣」に“圧力疑惑”(2026年9月30日)/新潮QUE:高市首相の目は節穴か「内閣改造」で抜擢「簗和生」農水大臣の“恫喝音声”とパワハラ大量離職(同)
- 時事通信:簗農水相、地元予算「カットした」 就任前、選挙絡め発言と報道―木原官房長官「調査中」(2026年9月30日)
- 朝日新聞:簗農相「就任前の事柄は回答控える」 予算「大幅カット」発言報道(2026年10月1日)/NHK:簗農相 道路予算発言報道“就任前の活動 回答控える”(同)
- 毎日新聞:簗農相の「地元予算カット」発言報道 首長や幹部の遺憾と驚き(2026年10月1日)/「責任は一生つきまとう」 政治資金不記載で処分の関・簗両氏が入閣(2026年9月17日)
- 下野新聞:簗農相「回答は控えたい」、大臣就任前を理由に/簗農相「予算大幅カット」発言疑惑など、国会追及視野に(2026年10月1日)/自民裏金事件巡り、簗和生氏は「不起訴相当」(2025年10月14日)/本県の簗氏は役職停止6カ月(2024年4月5日)
- 産経新聞:「党の会議は非公開」農相起用の簗和生氏 報道陣がLGBT「種の保存に背く」発言を質問(2026年9月17日)/栃木3区は高市旋風吹かず 自民籍の無所属新人・渡辺真太朗氏が公認の前職・簗和生氏破る(2026年2月9日)
- 日本経済新聞:臨時国会は10月5日召集、会期69日間(2026年9月29日)/東スポWEB:泉健太氏が野党に提言(2026年10月1日)
報道の内容は2026年10月2日1時時点のものです。発言の内容は各報道の記述をもとに要約しており、簗氏本人は発言の有無を明らかにしていません。得票率・増減率・合計は筆者が公表資料から計算しました。アイキャッチ背景:っ「Norinsuisansho2.jpg」(Wikimedia Commons、CC BY-SA 3.0)をトリミング・明るさ調整・文字入れ。


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