インフルエンザ予防接種
2026年はいつから?料金は?
2026年度のインフルエンザ定期接種は、多くの自治体で10月1日に始まります。ただし今シーズンは例年と違う点が1つあります。10月1日から75歳以上に導入されるはずだった「高用量ワクチン」が、供給の都合で見送りになったのです。供給量5,190万回分という国の見込みや、今季の3つの製造株もあわせて、厚生労働省とメーカーの一次資料で整理します。
この記事でわかること
- 65歳以上などの定期接種は多くの自治体で10月1日開始。ただし2026年度は流行が早く、9月18日開始に前倒しした自治体もある(期限は年末〜1月末が一般的)
- 定期接種の自己負担は無料〜2,500円前後、任意接種(全額自己負担)は3,000〜5,000円前後が目安
- 2026/27シーズンの供給見込みは約5,190万回分(うち定期接種に使えるのは約5,010万回分)
- 75歳以上向けの高用量ワクチン「エフルエルダ」は今季の定期接種で使えない。発売延期のため
- 今季も3価ワクチン。製造株はA型2株とB型(ビクトリア系統)1株
- 今季の流行入りは2026年第34週(8月17〜23日)で、比較できる5年で最も早い。第36週の定点当たり3.29は前年同週の6.6倍
2026年のインフルエンザ予防接種はいつから?
インフルエンザワクチンには、法律にもとづく定期接種と、希望者が自費で受ける任意接種の2つがあります。開始日はどちらも自治体・医療機関の判断ですが、10月1日をスタートとするところが多いのが実情です。
| — | 定期接種(B類疾病) | 任意接種 |
|---|---|---|
| 対象 | 65歳以上/60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器などに障害があり日常生活が極度に制限される人(身体障害者手帳1級相当) | 上記以外のすべての人 |
| 開始 | 多くの自治体で10月1日。2026年度は9月18日〜9月25日に前倒しする自治体が相次いでいる | 医療機関の判断(10月頃から) |
| 期限 | 12月末〜1月末が一般的 | — |
| 自己負担 | 0円〜2,500円前後(自治体が助成) | 3,000〜5,000円前後 |
| 回数 | 1回 | 13歳未満は2回(2〜4週間あけて)、13歳以上は1回 |
定期接種の自己負担額と実施期間は市区町村ごとに決められています。同じ都道府県内でも1,000円以上の差が出ることは珍しくありません。「〇〇市 インフルエンザ 定期接種」で検索し、公式ページの金額と期限を確認してください。任意接種の料金も医療機関が自由に設定できるため、幅があります。
いつ打つのがよいか
ワクチンの効果が出るまでには接種からおよそ2週間かかり、効果は5か月ほど持続するとされます。国内の流行は例年12月から3月がピークですから、10月から12月上旬までに済ませておくと、流行期をカバーしやすくなります。13歳未満で2回接種が必要な子どもは、2回目まで含めて考えると10月から動き始めるのが安全です。
今季は8月中旬に流行入り。定点データがそろう5年で最も早い
2026/27シーズンは、例年のカレンダーがそのまま通用しません。厚生労働省が公表している感染症発生動向調査の週別データを2021年までさかのぼって当サイトで並べ直したところ、インフルエンザが流行入りの目安とされる「定点当たり報告数1.0」を超えたのは2026年の第34週(8月17日〜23日)でした。これは同じデータで比較できる範囲で最も早い流行入りです。
| シーズン | 定点1.0を超えた週 | おおよその時期 |
|---|---|---|
| 2022/23 | 2022年 第51週 | 12月中旬 |
| 2023/24 | 該当なし | 2023年は年間を通じて1.0を下回らなかった |
| 2024/25 | 2024年 第44週 | 10月下旬 |
| 2025/26 | 2025年 第39週 | 9月下旬 |
| 2026/27 | 2026年 第34週 | 8月中旬(8月17日〜23日) |
立ち上がりの速さも例年と違います。直近の定点当たり報告数を前年・前々年の同じ週と並べると、差がはっきり出ます。
| 週 | 2026年 | 2025年 | 2024年 |
|---|---|---|---|
| 第31週 | 0.37 | 0.29 | 0.39 |
| 第32週 | 0.52 | 0.30 | 0.37 |
| 第33週 | 0.69 | 0.27 | 0.28 |
| 第34週 | 1.11 | 0.31 | 0.29 |
| 第35週 | 1.76 | 0.35 | 0.38 |
| 第36週 | 3.29 | 0.50 | 0.45 |
第36週(8月31日〜9月6日)の定点当たり3.29は、前年同週0.50の6.6倍、前々年同週0.45の7.3倍です。患者報告数でも12,299人で、2025年の同じ週の1,941人に対して6.3倍になっています。定点当たりが3を超えた週で比べると、2026年は第36週、2025年は第42週、2024年は第48週で、前年より6週、前々年より12週早いペースです。
厚生労働省の資料は「インフルエンザは例年12月〜3月頃に流行する」としたうえで、ワクチンが十分な効果を維持する期間は接種後およそ2週間から約5か月であることから「接種は一般的には10月から12月中旬までの間に行われる」と説明しています。つまり10〜12月という目安は、12月に流行が始まることを前提に逆算した数字です。今シーズンのように8月に流行入りしている年は、その前提が成り立ちません。
参考までに前シーズンの進み方を当てはめると、2025/26シーズンは流行入りの第39週から5週後の第44週に定点14.9まで上がりました。2026/27シーズンの流行入りは第34週なので、同じ5週後は第39週(9月下旬)にあたります。実際にそうなるとは限りませんが、10月に入ってから動き始めると、効果が出るまでの2週間のあいだに立ち上がりを迎える可能性はあります。接種の時期は、かかりつけ医と自治体の案内にしたがって判断してください。
【追記 2026年10月9日】第39週(9月21〜27日)の定点当たり報告数は7.17で、昨年同期の約7倍でした。過去10シーズンと比べた流行入り・ピークの時期はインフルエンザ2026はいつピーク?8月流行入りを過去10年と比較にまとめています。
自治体は前倒しを始めている。都内9自治体の開始日を調べた
「定期接種は10月1日から」というのがこれまでの通り相場でしたが、2026年度は9月開始に前倒しする自治体が相次いでいます。東京都内の9自治体について、それぞれの公式ページに書かれている開始日と自己負担額を確認しました(2026年9月17日時点)。
| 自治体 | 開始日 | 自己負担 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 北区 | 9月18日 | 2,500円 | 例年10月1日開始を前倒し。昭和30年4月1日以前生まれの人などは免除 |
| 江東区 | 9月18日以降、予診票の到着次第 | 2,500円 | 9月30日までは区内の指定医療機関のみ。75歳以上は免除 |
| 八王子市 | 9月18日 | 2,500円 | 都内の流行が1か月以上早まっていることを受けて前倒し |
| 品川区 | 9月24日 | 無料 | 開始日を1週間前倒し。9月中は区内契約医療機関のみ |
| 豊島区 | 9月24日 | 2,500円 | 生活保護受給者などは無料 |
| 中野区 | 9月25日 | 2,500円 | 早期流行を受けて前倒し。9月25〜30日は区内の医療機関で接種 |
| 中央区 | 10月1日 | 60〜74歳は2,500円/75歳以上は無料 | ― |
| 練馬区 | 10月1日 | 2,500円 | 9月など期間外に接種すると助成の対象外で全額自己負担 |
| 町田市 | 10月1日(予定) | 2,500円(予定) | 2025年度は10月6日開始だった |
同じ東京都内でも、開始日が9月18日から10月1日まで13日ぶんばらついています。そして、ここには気をつけたい落とし穴が2つあります。
江東区は「予診票には令和8年10月1日からと記載されていますが、区内の指定医療機関では9月18日以降、予診票がお手元に届き次第、接種できます」と案内しています。中野区も「予診票同封の案内に、開始時期が10月1日と記載されております」と断ったうえで、9月25日開始としています。手元の紙に10月1日と書いてあっても、実際にはもっと早く打てる自治体があります。
練馬区は実施期間を10月1日から令和9年1月31日までとしたうえで、「9月など、上記期間外に接種を受けた場合は、区の助成は受けられず全額自己負担となります」と明記しています。流行が早いからと自己判断で9月に受けると、助成が受けられないことがあります。自分の自治体の実施期間を必ず先に確認してください。
自己負担額そのものは2,500円で横並びの自治体が多いのですが、「何歳から無料になるか」は自治体でバラバラです。品川区は対象者全員が無料、中央区は75歳以上が無料、江東区も75歳以上が免除、北区は昭和30年4月1日以前に生まれた人(令和8年度中に72歳以上になる人)が免除、といった具合です。同じ年齢でも、住んでいる区によって払う金額が変わります。
出典:厚生労働省「季節性インフルエンザの患者報告数(感染症発生動向調査(定点報告))」/厚生労働省「季節性インフルエンザワクチンについて」/各自治体の公式ページ(2026年9月17日確認)
今季の最大の変更点——高用量ワクチンの導入が見送りに
2026/27シーズンは、75歳以上を対象に「高用量インフルエンザHAワクチン」を定期接種へ導入する方針が、厚生科学審議会で了承されていました。開始予定日は2026年10月1日。高齢者は加齢に伴う免疫の衰えで重症化しやすいため、抗原量を通常の4倍にしたワクチンで守ろうという狙いでした。
ところが2026年7月21日、製造販売元のサノフィが発売時期の変更を発表します。理由は「国内製造委託先における一部製造プロセスの確立・検証に、想定を上回る期間を要した」こと。同じ日に厚生労働省も事務連絡を出し、2026年度の定期接種では高用量ワクチンを使用しないことが周知されました。
- 2024/12国内で製造販売承認高用量4価インフルエンザHAワクチン「エフルエルダ筋注」として、60歳以上の成人を対象に承認されました。北米では「Fluzone High-Dose」の名称で65歳以上に使われているワクチンです。
- 2026年75歳以上への定期接種化が了承第64回の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で、2026年10月1日から75歳以上を対象に定期接種化する方針が了承されました。
- 7/21発売延期を発表、定期接種への導入も見送り製造プロセスの確立に時間を要し、計画どおりの供給が困難に。2026/27シーズンの定期接種への導入は見送りとなりました。なお日本以外で供給されるエフルエルダには影響がないとされています。
サノフィは発表のなかで、今回の延期は「臨床試験で評価および検討されたエフルエルダの有効性や安全性に影響を与えるものではありません」と明記しています。あくまで国内での製造・供給体制の問題です。したがって75歳以上の人も、今季は従来どおりの標準用量ワクチンを定期接種で受けることになります。
供給量は約5,190万回分——足りるのか
厚生労働省が2026年8月26日の予防接種・ワクチン分科会で示した資料によると、2026/27シーズンのワクチン供給量は約5,190万回分の見込みです。このうち定期接種に使用できる製剤は約5,010万回分とされています。
(今季は使用せず)
過去のシーズンでも供給量は5,000万回分前後で推移しており、極端に少ないわけではありません。ただし供給は10月から12月にかけて段階的に出荷されるため、10月上旬の時点では在庫が限られる医療機関もあります。「予約が取れない」と感じたときは、慌てずに数週間ずらすのが現実的です。
今季の製造株(3価)
2025/26シーズンから、日本のインフルエンザHAワクチンは4価から3価へ移行しました。世界的に検出されなくなったB型山形系統を外したためで、WHOの指針にもとづく変更です。2026/27シーズンの製造株は次の3つです。
| 型 | 製造株 |
|---|---|
| A型(H1N1) | A/スイス/6849/2025(IVR-278) |
| A型(H3N2) | A/ミシガン/105/2025(SAN-049A) |
| B型(ビクトリア系統) | B/東京/EIS13-175/2025 |
※東京都感染症情報センターの公表による。3株とも前シーズンから変更されています。
よくある質問
Q. 2026年のインフルエンザ予防接種はいつから受けられますか?
A. 65歳以上などの定期接種は、多くの自治体で10月1日に始まります。任意接種も同じころに開始する医療機関が一般的です。ただし開始日・終了日は自治体や医療機関ごとに決まっているため、お住まいの市区町村の公式ページで確認してください。
Q. 料金はいくらですか?
A. 65歳以上の定期接種は自治体が費用を助成するため、自己負担は無料から2,500円前後が目安です。それ以外の人が受ける任意接種は全額自己負担で、3,000円から5,000円前後が相場です。いずれも自治体・医療機関によって幅があります。
Q. 75歳以上向けの高用量ワクチンは打てますか?
A. 2026/27シーズンは打てません。2026年10月1日から75歳以上を対象に定期接種化される方針が了承されていましたが、製造販売元のサノフィが2026年7月21日に発売時期の変更を発表し、厚生労働省も同日、2026年度の定期接種で高用量ワクチンを使用しないことを周知しました。今季は従来どおりの標準用量ワクチンを接種します。
Q. 発売延期はワクチンの安全性に問題があったからですか?
A. いいえ。サノフィは延期の理由を「国内製造委託先における一部製造プロセスの確立・検証に想定を上回る期間を要した」ためと説明し、有効性や安全性に影響を与えるものではないと明記しています。日本以外で供給される同ワクチンにも影響はないとされています。
Q. ワクチンは何価ですか?去年と変わりましたか?
A. 2025/26シーズンから3価ワクチンになっており、2026/27シーズンも3価です。世界的に検出されなくなったB型山形系統が外されたためで、WHOの指針にもとづく変更です。製造株は3株とも前シーズンから変更されています。
Q. 打つのが遅れると意味がないですか?
A. そんなことはありません。効果が現れるまで約2週間かかるため12月上旬までの接種が望ましいとされますが、流行は3月ごろまで続きます。年明けの接種でも、その後の流行に対する備えとしての意味はあります。接種の可否や時期は、持病や体調をふまえて医師に相談してください。
出典・参考リンク
- 厚生労働省|2026/27シーズンの季節性インフルエンザワクチン及び新型コロナワクチンの供給等について(第40回予防接種・ワクチン分科会 研究開発及び生産・流通部会 資料、2026年8月26日)PDF
- サノフィ|高用量インフルエンザHAワクチン「エフルエルダ筋注」発売時期の変更(2026年7月21日)PDF
- 東京都感染症情報センター|2026〜2027年シーズン インフルエンザHAワクチン製造株
- 国立健康危機管理研究機構|インフルエンザワクチン株
- 厚生労働省|インフルエンザ(総合ページ)
※この記事は公的機関・製造販売元の公表資料をまとめたものです。接種の可否や時期の判断は、必ずかかりつけ医にご相談ください。


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