訃報|声優
バッグス・バニー声優のバウザ氏死去、46歳 死因は?歴代の声と功績
『ルーニー・テューンズ』のバッグス・バニーやダフィー・ダックの声で知られるカナダ出身の声優、エリック・バウザ氏が亡くなりました。46歳でした。家族が本人のInstagramで「突然」亡くなったと発表し、米Varietyはロサンゼルス郡検視局の記録として、死因は高血圧性心血管疾患と報じています。初代メル・ブランクから続くバッグス・バニーの声の系譜、エミー賞の記録、出演映画の興行収入を、公式資料で確かめました。
この記事のポイント
- Varietyによると、バウザ氏は現地時間10月25日(日)にロサンゼルスの自宅で亡くなりました。ロサンゼルス郡検視局の記録では、死因は高血圧性心血管疾患とされています。
- BBCによると、オンタリオ州生まれのフィリピン系カナダ人。2022年から2025年にかけてエミー賞を3回受けました(子ども・ファミリー部門)。
- バッグス・バニーの声は、1938年からのメル・ブランクに始まり、ブランクの死後は複数の声優が分担してきました。バウザ氏は2018年以降の中心的な担い手の一人です。
- Box Office Mojoで、声を確認できた出演映画5本の世界興行収入を足すと約26.5億ドル。うち約9割はキノピオ将軍を演じた『マリオ』の映画2本です(当ブログ集計)。

エリック・バウザ氏の死去と死因|家族と検視局の記録で分かったこと
訃報は、バウザ氏の家族が本人の公式Instagramに投稿した短い声明で伝えられました。Varietyが伝えた声明は、バウザ氏を「エミー賞を受けた声優で、バッグス・バニーとダフィー・ダックの現代の声」と紹介し、突然亡くなったこと、詳しいことは追って知らせることを書いています。報道で確認できた内容は次のとおりです。
- 亡くなった日と場所:現地時間の10月25日(日)、ロサンゼルスの自宅(Variety、NBC News)。時刻は伝えられておらず、日本時間では25日夕方から26日夕方のいずれかにあたります。
- 年齢:46歳。1979年12月7日、カナダ・トロントのスカボロー生まれ(Variety)。
- 死因:Varietyはロサンゼルス郡検視局の記録として「高血圧性心血管疾患」と報じました。NBC Newsも、検視局が高血圧性心血管疾患の診断があったと記していると伝えています。
- 関係者のコメント:CBS Newsによると、マネジャーは「突然の死は私たち全員にとって衝撃」とコメントしました。ワーナー・ブラザース・テレビジョン・グループのチャニング・ダンジー会長は、15年にわたりワーナー・ブラザース・アニメーションでバッグスやダフィーの声を務めたと振り返り、「メル・ブランクのような巨人の足跡をたどった」と悼んでいます(Variety、BBC)。
高血圧性心血管疾患とは
長く続く高血圧によって心臓や血管に負担がかかり、心臓の壁が厚くなったり、心不全や不整脈につながったりする状態をまとめた呼び方です。今回の報道は検視局の記録を伝えたもので、持病の経過や療養の有無などは、10月26日時点で家族から公表されていません。
最初に報じたのはVarietyで、記事の配信は米太平洋時間の10月25日午後9時7分(日本時間26日午後1時7分)でした。BBCは日本時間26日午後3時すぎに報じています。
エリック・バウザ氏の経歴|デザイナーからルーニー・テューンズの声へ
バウザ氏は、子どものころから『ルーニー・テューンズ』のキャラクターの声をまねていたと、2021年にNBC Newsの取材で語っています。仕事の始まりは声ではなく絵で、アニメの制作現場でキャラクターデザインを担当していました。主な出来事を年表にまとめます。
- 1979年12月カナダ・トロントで生まれるオンタリオ州スカボロー出身。フィリピン系(BBC)
- 2001年声優として初クレジットカナダのアニメ『The Ripping Friends』。もともとはハリウッドの制作会社でキャラクターデザイナーとして働いていた(Variety)
- 2020年5月『Looney Tunes Cartoons』配信開始バッグス・バニー、ダフィー・ダック、トゥイーティーなどを1人で演じる
- 2021年7月『スペース・プレイヤーズ』ダフィー、ポーキー・ピッグ、エルマー・ファッド、フォグホーン・レグホーンを担当(BBC)
- 2022年12月初のエミー賞第1回 子ども・ファミリー部門エミー賞で、アニメ番組の声の演技賞
- 2023年4月『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』キノピオ将軍(Toad General)の声。2026年の続編でも同じ役(BBC)
- 2023年12月2回目のエミー賞『Bugs Bunny Builders』で未就学児向け番組の声の演技賞(NATAS公式発表)
- 2025年3月3回目のエミー賞授賞式の司会を務め、『ティーン・タイタンズGO!』のダフィーとバッグスで受賞(Variety)
- 2026年8月『コヨーテ vs. アクメ』米公開バッグス、ダフィー、ロード・ランナーなど多くの役を担当。BBCは「この夏のヒット作」と紹介
- 2026年10月25日(現地)に死去46歳。準備中の作品が2本あった(Variety)
Varietyによると、出演クレジットは400を超えます。『ルーニー・テューンズ』のほか、『アバター 伝説の少年アン』『チャウダー』『ベン10 オムニバース』、『The Adventures of Puss in Boots』(長ぐつをはいたネコ役)、『マペット・ベイビーズ』(赤ちゃんのフォジー)などにも出ていました。アナドル通信は、キャリアは約25年に及ぶと伝えています。2026年だけでも『Minions & Monsters』『Forgotten Island』『リック・アンド・モーティ』などに参加していました(Variety)。
バッグス・バニーの声優は誰?初代メル・ブランクからの系譜
バッグス・バニーは1930年代末にワーナー・ブラザースのアニメスタジオで生まれたキャラクターです。声は長くメル・ブランク1人が担い、ブランクが1989年に亡くなってからは、作品やメディアごとに複数の声優が分担してきました。Wikipedia英語版の整理(10月26日閲覧)をもとに、主な担当者を一覧にしました。
| 声優 | 担当した年 | 主な作品・メモ |
|---|---|---|
| メル・ブランク | 1938〜1989年 | 初代。1989年7月10日に81歳で死去するまで担当 |
| ジェフ・バーグマン | 1990〜93年、97〜98年、2002〜04年、07年、11年〜 | ブランク没後の中心的な担当者。映画『スペース・プレイヤーズ』(2021年)のバッグスも担当 |
| グレッグ・バーソン | 1990〜2000年 | 2008年死去 |
| ビリー・ウェスト | 1996〜2006年 | ― |
| ジョー・アラスカー | 1997〜2011年 | 2016年に63歳で死去 |
| サム・ヴィンセント | 2001〜06年 | 『ベイビー・ルーニー・テューンズ』の赤ちゃん版のみ |
| エリック・バウザ | 2018〜2026年 | テレビシリーズ『Looney Tunes Cartoons』(2020年〜)、映画『コヨーテ vs. アクメ』(2026年)など |
担当年はWikipedia英語版「Bugs Bunny」の記載によります(ゲーム・CM・レコードなどの単発の担当者は省きました)。生没年は各人のページの記載です。年は重なっており、同じ時期でも作品ごとに声優が違います。
1人で全部を演じていたわけではない
表のとおり、ブランクが単独で約51年担当したあとは「1人が全作品の声」という形ではなくなりました。バウザ氏の時代も同じで、たとえば2021年の映画『スペース・プレイヤーズ』では、バッグス・バニーはジェフ・バーグマン氏が演じ、バウザ氏はダフィーやポーキーなどを担当しています。一方、2020年に始まったシリーズ『Looney Tunes Cartoons』や2026年の映画『コヨーテ vs. アクメ』では、バウザ氏がバッグスとダフィーを両方演じました。家族の声明が「現代の声(modern voice)」と書いたのは、こうした近年の中心作品を指していると見られます。
「メル・ブランクは設計図」
バウザ氏はブランクへの敬意を何度も口にしています。2022年に初めてエミー賞を受けたときは、スピーチで「メル・ブランクがいなければ、私はここに立っていない」と述べました(Radio-Canada)。2026年8月のCBSの取材でも、自分の仕事はすべてブランクがもとになっていて、彼をキャラクターの「設計図」と呼んでいると話しています。いちばん好きな役はバッグスだが、年を重ねてダフィーに近づいた気がする、とも語っていました。NBC Newsによると、バウザ氏は2021年の取材で、自分はバッグス・バニーを演じた初めての非白人の声優だと話しています。
エミー賞の記録|子ども・ファミリー部門で3回受賞
バウザ氏が受けたのは、米テレビ芸術科学アカデミー(NATAS)が2022年に新設した「子ども・ファミリー部門エミー賞(Children’s & Family Emmy Awards)」です。第2回はNATASの公式発表(PDF)で、第1回と第3回は受賞者一覧を載せた報道で確かめました。
| 回(授賞式) | 結果 | 部門・作品と役 | 確認した資料 |
|---|---|---|---|
| 第1回(2022年12月11日) | 受賞 | アニメ番組の声の演技賞 『Looney Tunes Cartoons』バッグス・バニー、マーヴィン・ザ・マーシャン、ダフィー・ダック、トゥイーティー |
ET Online、Radio-Canada |
| 第2回(2023年12月17日) | 受賞 | 未就学児向け番組の声の演技賞 『Bugs Bunny Builders』バッグス・バニー、ダフィー・ダック、トゥイーティー、マーヴィン・ザ・マーシャン |
NATAS公式発表(PDF) |
| 第3回(2025年3月15日) | 受賞 | 子ども・ティーン向け番組の声の演技賞 『ティーン・タイタンズGO!』ダフィー・ダック、バッグス・バニー(この回は授賞式の司会も担当) |
Variety |
| 2026年 | ノミネート | (部門名は報道で未確認) 『Daffy in Wackyland』 |
Variety、CBS |
部門名は当ブログの訳です。第1回の部門名は英語で「Outstanding Voice Performance in an Animated Program」。第3回の授賞式は2025年3月15日にロサンゼルスで開かれました。
新設された部門の第1回の声の演技賞をバッグスたちの声で取り、その後もバッグス・バニーとダフィーの役で2回受けています。これより前には、デイタイム・エミー賞に、2016〜2021年に5回ノミネートされていました(CBS News、Variety。作品は『Looney Tunes Cartoons』『マペット・ベイビーズ』『The Adventures of Puss in Boots』)。
出演映画の興行収入|5本で約26.5億ドル
バウザ氏が声を担当したことを報道で確認できた劇場映画5本について、Box Office Mojoの世界興行収入(10月26日時点)を並べました。
| 作品 | 米国公開 | バウザ氏の役 | 世界興収 |
|---|---|---|---|
| 『スペース・プレイヤーズ』 | 2021年7月 | ダフィー・ダック、ポーキー・ピッグ、エルマー・ファッド、フォグホーン・レグホーン | 1.64億ドル |
| 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』 | 2023年4月 | キノピオ将軍(Toad General) | 13.61億ドル |
| 『The Day the Earth Blew Up: A Looney Tunes Movie』 | 2025年3月 | ポーキー・ピッグ、ダフィー・ダック | 0.16億ドル |
| 『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』 | 2026年4月 | キノピオ将軍 | 10.13億ドル |
| 『コヨーテ vs. アクメ』 | 2026年8月 | バッグス・バニー、ダフィー・ダック、ロード・ランナーほか | 1.01億ドル |
| 5本の合計 | 2021〜26年 | (当ブログ集計) | 26.54億ドル |
役はBBC・Varietyの報道によります。邦題を確認できなかった『コヨーテ vs. アクメ』はカタカナ表記です。『The Day the Earth Blew Up』は日本での公開を確認できなかったため原題のままにしました。『Minions & Monsters』(2026年)もVarietyが参加作に挙げていますが、役名を確認できなかったため表に入れていません。
5本の合計は約26.54億ドル(1ドル=150円で換算すると約3,981億円)です。ただし、そのうち約89.4%はキノピオ将軍で出演した『マリオ』の映画2本が占めます。『ルーニー・テューンズ』の映画3本の合計は約2.81億ドルでした。役の大きさは作品によって大きく違うので、この数字はバウザ氏の声が届いた規模の目安で、本人の貢献の大きさを表すものではありません。
BBCは、『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』を「今年の世界興収で5位」と紹介しています。Box Office Mojoの2026年ランキングでも同作は5位で、世界興収は約10.13億ドルでした。8月に米国で公開された『コヨーテ vs. アクメ』は、米国内が約60.1百万ドルで、世界の合計の約59%を米国が占めています。
準備中だった作品と、日本の視聴者にとっての意味
Varietyによると、バウザ氏は亡くなった時点で2本の作品の準備(プリプロダクション)に入っていました。『Bye Bye Bunny: A Looney Tunes Musical』のダフィー・ダック役と、『The Dragon Masters』の将軍王(The Shogun King)役です。これらの役を今後どうするかは、10月26日時点で発表されていません。
『コヨーテ vs. アクメ』のプロデューサーはVarietyに、バウザ氏の「アニメという表現への疲れを知らない献身」を忘れないと語っています。
日本語吹き替え版との関係
日本で公開・配信される作品の多くは日本語吹き替え版があり、キャラクターには日本の声優が声を当てています。バウザ氏の声を聞けるのは、主に英語の原語版(字幕版)です。日本語版の配役が今回の訃報で変わるといった発表はありません。
エリック・バウザ氏についてのよくある質問
Q. エリック・バウザ氏はいつ亡くなりましたか?
A. 現地時間の2026年10月25日(日)に、ロサンゼルスの自宅で亡くなりました。46歳でした。家族が本人のInstagramで発表し、日本時間の10月26日に各国のメディアが伝えました。
Q. 死因は何ですか?
A. VarietyやNBC Newsなどは、ロサンゼルス郡検視局の記録として、高血圧性心血管疾患と報じています。家族の声明は「突然亡くなった」とし、詳しいことは後日知らせるとしています。
Q. バッグス・バニーの声優は今まで誰が担当してきましたか?
A. 初代はメル・ブランクで、1938年から1989年に亡くなるまで担当しました。その後はジェフ・バーグマン、グレッグ・バーソン、ビリー・ウェスト、ジョー・アラスカーらが作品ごとに担当し、2018年以降はバウザ氏が中心の一人でした(Wikipedia英語版の整理)。
Q. エミー賞は何回受賞しましたか?
A. 子ども・ファミリー部門のエミー賞を3回受けました。2022年の『Looney Tunes Cartoons』、2023年の『Bugs Bunny Builders』、2025年の『ティーン・タイタンズGO!』です。2026年にもノミネートされていました。
Q. マリオの映画では何の役でしたか?
A. 2023年の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』と、2026年の続編『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』で、キノピオ将軍(Toad General)の英語版の声を担当しました(BBC)。
Q. 『スペース・プレイヤーズ』のバッグス・バニーもバウザ氏ですか?
A. いいえ。2021年の『スペース・プレイヤーズ』では、バッグス・バニーはジェフ・バーグマン氏が演じ、バウザ氏はダフィー・ダック、ポーキー・ピッグ、エルマー・ファッド、フォグホーン・レグホーンを担当しました。
あわせて読みたい
出典・参考資料
- NATAS(全米テレビ芸術科学アカデミー):2nd Annual Children’s & Family Emmy Award Winners(2023年12月17日)
- Box Office Mojo:『スペース・プレイヤーズ』、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』、『The Day the Earth Blew Up: A Looney Tunes Movie』、『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』、『コヨーテ vs. アクメ』、2026 Worldwide Box Office
- 報道(訃報):BBC(10月26日)、Variety(10月25日・米太平洋時間)、NBC News(10月26日)、CBS News Los Angeles(10月25日・米太平洋時間)、アナドル通信(10月26日)
- 報道(エミー賞):ET Online(2022年12月)、Radio-Canada(2022年12月20日)、Variety(2025年3月15日)
- Wikipedia英語版「Bugs Bunny」(声優の担当年。2026年10月26日閲覧)
数値は2026年10月26日(日本時間)時点で公表されていたものです。興行収入の合計・割合は、上記のBox Office Mojoの数字をもとに当ブログが計算しました。写真:Gage Skidmore「Eric Bauza (54703283764)」、アイキャッチ:Gage Skidmore「Eric Bauza (54703048696)」(いずれもWikimedia Commons、CC BY-SA 4.0。トリミング・文字入れ)。


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