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トム・スケリットさん死去、93歳 死因は?トップガン・エイリアンの歩み
映画『トップガン』の教官“ヴァイパー”、『エイリアン』のダラス船長、テレビドラマ『ピケット・フェンス』の保安官などで知られる米国の俳優トム・スケリット(Tom Skerritt)さんが、米国時間の10月21日(水)に亡くなりました。93歳でした。家族の声明によると、死因は自然死(natural causes)です。60年以上にわたるキャリアを、北米の興行記録と日本での興行成績、エミー賞の公式記録からたどります。
この記事のポイント
- CBS News(AP配信)によると、スケリットさんは米国時間10月21日(水)に自然死で亡くなったと家族が声明で明らかにしました。93歳でした。亡くなった場所や詳しい経過は、確認できた報道では明らかにされていません。
- テレビ芸術科学アカデミー(エミー賞)の公式記録では、『ピケット・フェンス』の保安官ジミー・ブロック役で1993年にドラマ部門の主演男優賞を受賞、1994年にも同じ役でノミネートされています(ノミネート2回・受賞1回)。
- Box Office Mojoで主な出演映画8本の北米興収(初公開時)を並べると、最大は『トップガン』の176.8百万ドルで、1986年の北米年間1位でした。
- ただし米国の消費者物価で2024年の価値に直すと、1970年の『M★A★S★H マッシュ』(約659.3百万ドル)が『トップガン』(約505.9百万ドル)を上回ります。当ブログの試算です。
- 日本では『トップガン』が1987年の配給収入39億円で、邦画・洋画を通じてその年のトップでした(日本映画製作者連盟)。続編『トップガン マーヴェリック』は2022年の洋画1位(135.7億円、同年末時点)です。

トム・スケリットさんの死去と死因|家族が発表した内容
米国の俳優トム・スケリットさんの訃報は、米国時間の10月22日(木)に相次いで伝えられました。日本時間では23日の早朝にあたります。各社の報道で確認できた内容は次のとおりです。
- 亡くなった日:10月21日(水、米国時間)。年齢は93歳(1933年8月25日生まれ)。
- 死因:自然死(natural causes)。CBS News(AP配信)とロサンゼルス・タイムズは家族の声明として、バラエティは広報担当者への確認として伝えています。
- 家族の声明:世間は俳優としてのトムを知っていたが、家族にとってはユーモアや好奇心、思いやりにあふれた人だった、という趣旨です。ロサンゼルス・タイムズによると、家族は静かに見送りたいとしてプライバシーへの配慮を求め、追悼の場については後日知らせるとしています。
確認できていないこと
亡くなった場所や、病気・療養の有無などは、10月23日朝の時点で確認できた報道(CBS/AP、ロサンゼルス・タイムズ、バラエティ、ガーディアン)では明らかにされていません。この記事では、報道で確認できた範囲だけを書いています。
ロサンゼルス・タイムズは、出演作が映画とテレビを合わせて170作を超えると伝えています。最後の出演作は2025年の映画『Broke』だとガーディアンなどが報じています。
トム・スケリットさんの経歴|60年以上のキャリア
CBS News(AP配信)によると、スケリットさんはデトロイトの中流家庭に育ち、米空軍で4年間勤めた後、大学で映画づくりを学びました。俳優として舞台に立ったのをきっかけに、1962年の映画『War Hunt』で映画デビューします。同じ作品でデビューしたのが、のちに監督としても成功するロバート・レッドフォードでした。主役を争った2人はその後も親交を続け、レッドフォードは監督作『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992年)でスケリットさんに厳格な牧師ジョン・マクリーンという重要な役を任せています。
- 1933年デトロイトに生まれる8月25日生まれ。米空軍で4年間勤務した後、大学で映画づくりを学んだ(CBS/AP)
- 1962年映画デビュー朝鮮戦争を描いた低予算映画『War Hunt』。ロバート・レッドフォードもこの作品がデビュー作だった
- 1970年『M★A★S★H マッシュ』ロバート・アルトマン監督作。ガーディアンはこれを出世作としている
- 1979年『エイリアン』リドリー・スコット監督。宇宙船ノストロモ号のダラス船長を演じた
- 1986年『トップガン』トニー・スコット監督。トム・クルーズ演じるマーヴェリックらを指導する教官“ヴァイパー”
- 1992〜96年『ピケット・フェンス』CBSのドラマで保安官ジミー・ブロックを演じ、1993年にエミー賞主演男優賞
- 1992年『リバー・ランズ・スルー・イット』レッドフォードの監督作で、厳格な牧師ジョン・マクリーンを演じた
- 2012年退役軍人の支援活動PTSDに悩む退役軍人が体験を書いて語る「Red Badge Project」を共同で設立(ガーディアン)
- 2013年ブロードウェイ初出演ジョン・グリシャム原作『評決のとき(A Time to Kill)』の舞台版
- 2026年10月21日に死去93歳。家族の声明で自然死と発表
ガーディアンによると、スケリットさんは『エイリアン』の出演依頼を一度は低予算を理由に断っていたといいます。『トップガン』でも、役柄に合わないのではないかという声が制作側にあったと本人が2021年のインタビューで振り返っています。代表作とされる2本は、どちらもすんなり決まった役ではありませんでした。
俳優業のかたわらで続けたこと
ABC7(AP配信)が伝えた家族の声明によると、スケリットさんはシアトルで映画学校「TheFilmSchool」の設立に関わり、次の世代の映画づくりを支えました。さらに、退役軍人が自分の体験を書いて分かち合うことで心の傷と向き合う「Red Badge Project」を共同で立ち上げています。自身も空軍出身であり、家族は声明で、退役軍人への奉仕や自然を大切にしていたことにも触れています。
トム・スケリットさんの主な出演作と興行収入
主な出演映画8本について、米国の興行データサイトBox Office Mojoから北米(米国・カナダ)の興行収入を取り出して並べました。再上映の分を除いた「初公開時(Original Release)」の数字です。あわせて、同サイトの年別ランキングでその年の順位を調べ、米労働統計局の消費者物価指数(CPI-U)で2024年の物価に換算した目安も付けています。
| 公開年 | 作品 | 役どころ | 北米興収(初公開) | その年の北米順位 | 2024年の物価で換算 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1970年 | 『M★A★S★H マッシュ』 M*A*S*H |
ロバート・アルトマン監督。出世作になった(ガーディアン) | 81.6百万ドル | — | 約659.3百万ドル |
| 1977年 | 『愛と喝采の日々』 The Turning Point |
シャーリー・マクレーンの夫役 | 25.9百万ドル | 6位 | 約134.2百万ドル |
| 1979年 | 『エイリアン』 Alien |
宇宙船ノストロモ号のダラス船長 | 78.9百万ドル | 5位 | 約341.2百万ドル |
| 1983年 | 『デッドゾーン』 The Dead Zone |
デヴィッド・クローネンバーグ監督作に出演 | 20.8百万ドル | 38位 | 約65.4百万ドル |
| 1986年 | 『トップガン』 Top Gun |
教官マイク・“ヴァイパー”・メトカーフ中佐 | 176.8百万ドル | 1位 | 約505.9百万ドル |
| 1989年 | 『マグノリアの花たち』 Steel Magnolias |
サリー・フィールドの夫役 | 83.8百万ドル | 29位 | 約211.9百万ドル |
| 1992年 | 『リバー・ランズ・スルー・イット』 A River Runs Through It |
厳格な牧師ジョン・マクリーン | 43.4百万ドル | 47位 | 約97.1百万ドル |
| 1997年 | 『コンタクト』 Contact |
ジョディ・フォスター演じる主人公の前に立ちはだかる人物 | 100.9百万ドル | 13位 | 約197.2百万ドル |
出典:Box Office Mojo(各作品ページの Original Release の Domestic、年別ランキング)。『M★A★S★H マッシュ』は年別ランキングに掲載がないため順位は「—」。物価換算は米労働統計局 CPI-U(都市部消費者、季節調整なし)の月次値12か月の平均を当ブログで計算し、「興収×2024年平均÷公開年平均」で求めた目安です(2024年平均313.689)。年をまたいで上映された作品も公開年の物価で換算しています。役どころは CBS News(AP配信)、ロサンゼルス・タイムズ、ガーディアンの報道によります。
数字から分かること
- 名目で最大のヒットは『トップガン』:初公開時の北米興収は176.8百万ドル。1986年の北米年間1位で、2位の『クロコダイル・ダンディー』を大きく引き離していました。北米で1億ドルを超えたのは8本のうち『トップガン』と『コンタクト』の2本です。
- 物価で直すと『M★A★S★H マッシュ』が最大:1970年の81.6百万ドルは、2024年の物価では約659.3百万ドルに相当し、『トップガン』の約505.9百万ドルを上回ります。チケット代の上がり方は消費者物価と同じではないため、あくまで目安です。
- 『エイリアン』は1979年の北米5位:初公開時78.9百万ドル。ガーディアンによると、スケリットさんは当初、低予算を理由に出演を断っていました。
- 8本の北米興収を合計すると名目で約612百万ドル、2024年の物価換算では約2,212百万ドルになります。主役ではなく、主人公を支える役や物語を動かす役で大ヒット作に名を連ねたことが分かります。
「主役の体を持った名脇役」
CBS News(AP配信)によると、スケリットさんは1997年のシアトルの新聞のインタビューで、ある記者に「主演俳優の体に閉じ込められた性格俳優」と評されたことを気に入っていると語っています。テレビと映画の境目を行き来できたことも誇りにしていたといいます。上の表は、その言葉を数字で裏付けるような並びになっています。
『トップガン』教官ヴァイパー役と40周年の再上映
ロサンゼルス・タイムズによると、スケリットさんが『トップガン』で演じたのは、ベトナム戦争を経験した教官マイク・“ヴァイパー”・メトカーフ中佐です。厳しくも面倒見のよい指導役として、トム・クルーズ演じるマーヴェリックに自信の問題を指摘する場面などが知られています。CBS(AP配信)は、訓練生を前に「君たちは海軍パイロットの上位1%だ」と語りかける場面を代表的なせりふとして紹介しています。
Box Office Mojoによると、『トップガン』は初公開(1986年)のあと、2013年の3D版、2021年、そして2026年5月の「40周年」再上映と、北米で計4回公開されています。北米の累計は183,522,341ドルで、40周年の再上映だけで世界約50市場・15,128,326ドルを記録しました。公開から40年たっても劇場に人を集める作品だったことが分かります。
続編『トップガン マーヴェリック』(2022年)は、同サイトで世界興収15億ドル超(1,503,260,455ドル)の大ヒットになりました。ヴァイパーは1作目の登場人物で、スケリットさんの訃報を伝える各社の記事も、1作目での教官役を代表作の一つに挙げています。
エミー賞を受賞した『ピケット・フェンス』
テレビでの代表作は、デヴィッド・E・ケリーが手がけたCBSのドラマ『ピケット・フェンス』(1992〜96年)です。ウィスコンシン州の小さな町ローマを舞台に、奇妙な事件が次々に起きる町を守る保安官ジミー・ブロックを演じました。妻で医師の役はキャシー・ベイカーです。CBS News(AP配信)によると、作品は4年間の放送でエミー賞を計14個受賞し、ゴールデングローブ賞も受けています。
| 年 | 部門 | 役・作品 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 1993年 | ドラマ部門 主演男優賞(Outstanding Lead Actor In A Drama Series) | ジミー・ブロック/『ピケット・フェンス』(CBS) | 受賞 |
| 1994年 | ドラマ部門 主演男優賞 | ジミー・ブロック/『ピケット・フェンス』(CBS) | ノミネート |
出典:Television Academy「Tom Skerritt」(プライムタイム・エミー賞のデータベース。ノミネート2回・受賞1回)
テレビではほかに、『チアーズ』の第6シーズンの複数の回や、『ブラザーズ&シスターズ』(ウィリアム・ウォーカー役)、『レバレッジ』などにも出演しました(CBS/AP、テレビ芸術科学アカデミー)。2022年にはサテライト賞の生涯功労賞を受け、観客のために最善を尽くす責任がある、という仕事への姿勢を語っています(ロサンゼルス・タイムズ)。
日本での『トップガン』の興行成績|1987年の年間トップ
日本の読者になじみが深いのは、やはり『トップガン』でしょう。日本では1986年12月に公開され、日本映画製作者連盟(映連)の1987年の記録では配給収入39億円で洋画1位でした。同じ年の邦画1位『ハチ公物語』は20億円で、邦画・洋画を通じても1987年でいちばんの数字です。
| 作品 | 集計年 | 指標 | 金額 | その年の順位 |
|---|---|---|---|---|
| トップガン(1986年12月公開) | 1987年 | 配給収入 | 39億円 | 洋画1位(邦画1位は20億円) |
| トップガン マーヴェリック(2022年5月公開) | 2022年 | 興行収入 | 135.7億円 | 洋画1位(邦画を含めると4番目) |
出典:日本映画製作者連盟「過去配給収入上位作品 1987年」「2022年 興行収入10億円以上番組」。2022年の数字は同年末時点で、資料では「現在上映中」の印が付いています。
配給収入と興行収入は比べられない
映連は1999年までは「配給収入」(劇場の売り上げから配給会社に入る分)、2000年からは「興行収入」(劇場の売り上げ全体)で発表しています。指標が違うため、39億円と135.7億円をそのまま比べることはできません。
訃報(X)
米芸能誌Varietyは10月22日(現地時間)、トム・スケリットさんが93歳で亡くなったと伝えました。
Tom Skerritt, 'Picket Fences' and 'Alien' Star, Dies at 93 https://t.co/13H8QfV3vE
— Variety (@Variety) October 22, 2026
トム・スケリットさんについてのよくある質問
Q. トム・スケリットさんはいつ亡くなりましたか?
A. 米国時間の2026年10月21日(水)に亡くなりました。93歳でした。家族が声明で明らかにし、22日に米国の各メディアが報じました。日本時間では23日の早朝に伝わっています。
Q. トム・スケリットさんの死因は何ですか?
A. CBS News(AP配信)やロサンゼルス・タイムズによると、家族の声明で自然死(natural causes)とされています。それ以上の詳しい経過は、確認できた報道では明らかにされていません。
Q. 『トップガン』では何の役でしたか?
A. トム・クルーズ演じるマーヴェリックたちを指導する教官、マイク・“ヴァイパー”・メトカーフ中佐を演じました。『トップガン』は1986年の北米興収1位で、日本でも1987年の配給収入39億円で年間トップでした。
Q. 『エイリアン』では何の役でしたか?
A. 宇宙船ノストロモ号のダラス船長です。ガーディアンによると、当初は低予算を理由に出演を断っていたといいます。作品は1979年の北米興収5位でした。
Q. エミー賞は受賞していますか?
A. テレビ芸術科学アカデミーの記録では、ドラマ『ピケット・フェンス』の保安官ジミー・ブロック役で1993年にドラマ部門の主演男優賞を受賞し、1994年にも同じ役でノミネートされています。
Q. 代表作は何ですか?
A. 映画では『M★A★S★H マッシュ』『エイリアン』『トップガン』『マグノリアの花たち』『リバー・ランズ・スルー・イット』『コンタクト』、テレビでは『ピケット・フェンス』などです。出演作は映画とテレビで170作を超えると報じられています。
あわせて読みたい
出典・参考資料
- Television Academy:Tom Skerritt(Emmy Awards and Nominations)
- Box Office Mojo:M*A*S*H、The Turning Point、Alien、The Dead Zone、Top Gun、Steel Magnolias、A River Runs Through It、Contact、Top Gun: Maverick、1986年 北米年間ランキング(ほか各年の年別ページ)
- 日本映画製作者連盟:過去配給収入上位作品 1987年/2022年(令和4年)興行収入10億円以上番組
- 米労働統計局(BLS):消費者物価指数 CPI-U(CUUR0000SA0)
- 報道:CBS News(AP配信、2026年10月22日)、Los Angeles Times(2026年10月22日)、Variety(2026年10月22日)、The Guardian(2026年10月22日)、ABC7(AP配信、2026年10月22日)
数値は2026年10月23日時点(日本時間)で公表されていたものです。出演作の興収表・物価換算・日本の興行成績の表は、上記の資料をもとに当ブログが作成しました。写真:Chris Roth「Alien C2E2 2024 8」、アイキャッチ:Gage Skidmore「Tom Skerritt (16002026686)」(いずれも Wikimedia Commons、CC BY-SA 2.0、一部トリミング・明るさ調整・文字入れ)。


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