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台風28号ノロの進路は日本に来る?越境台風75年34個の行き先を集計
2026年10月5日9時、ハワイの西でハリケーン「NOLO(ノロ)」が日付変更線を越え、台風28号になりました。東側の海で生まれた嵐が台風として入ってくる「越境台風」は、2023年の台風8号(ドーラ)以来3年ぶりです。日本に来るのか。気象庁の最新予報からの距離を計算し、気象庁ベストトラック75年分(1951〜2025年)から越境台風34個の行き先と、10月に南鳥島近海を通った台風24個のその後を集計しました。
この記事の結論
- 台風28号(ノロ)は5日18時の時点でミッドウェー諸島近海にあり、中心気圧950hPa、最大風速50m/sの「非常に強い」勢力です。西へ進みながら弱まり、8〜9日に南鳥島近海、10日(土)15時に「日本の東」へ進む予報です。
- 10日15時の予報円の中心は八丈島から約750km、東京から約820km東の海上で、本州に直接来る予報にはなっていません。ただし予報円は半径400kmと大きく、進路のぶれが大きい段階です。
- 日付変更線の東で生まれて入ってきた越境台風は75年で34個。そのうち台風の勢力のまま日本の300km以内に来たのは1997年19号(オリワ)の1個だけで、半数以上の18個は西へ進んだあと東へ引き返しています。
- 10月に南鳥島から300km以内を通った台風は75年で24個。台風のまま本州・四国・九州・沖縄の300km以内まで来たものは0個でした。
- 同じ5日に台風29号(コグマ)も発生し、27号と合わせて台風が3つ同時に存在しています。2026年の発生数は10月5日時点で29個となり、1951年以降で3位タイの速いペース(1994年以来)です。
台風28号(ノロ)は今どこ?最新の進路予報
この記事の予報は、気象庁が10月5日19時5分に発表した台風情報(5日18時の実況と10日15時までの5日先予報)にもとづきます。予報は随時更新されます。
台風28号は、5日18時の時点でミッドウェー諸島近海(北緯25.5度・東経177.0度)にあり、西北西へ毎時25キロで進んでいます。中心気圧は950hPa、中心付近の最大風速は50m/s、最大瞬間風速は70m/sです。中心から半径130km以内が風速25m/s以上の暴風域、半径390km以内が風速15m/s以上の強風域になっています。
気象庁の予報を時刻順に並べると、次のとおりです。
| 日時 | 中心の位置 | 気圧・最大風速 | 予報円の半径 |
|---|---|---|---|
| 5日(月)18時 実況 | ミッドウェー諸島近海北緯25.5度・東経177.0度 | 950hPa・50m/s最大瞬間70m/s/非常に強い | ―(実況) |
| 6日(火)6時 | ミッドウェー諸島近海北緯25.7度・東経174.0度 | 950hPa・50m/s最大瞬間70m/s/非常に強い | 55km |
| 6日(火)18時 | ウェーク島近海北緯25.6度・東経170.4度 | 965hPa・45m/s最大瞬間60m/s/非常に強い | 80km |
| 7日(水)15時 | ウェーク島近海北緯25.8度・東経162.1度 | 985hPa・35m/s最大瞬間50m/s/強い | 130km |
| 8日(木)15時 | 南鳥島近海北緯27.3度・東経154.3度 | 985hPa・30m/s最大瞬間40m/s | 220km |
| 9日(金)15時 | 南鳥島近海北緯29.5度・東経149.3度 | 985hPa・30m/s最大瞬間45m/s | 280km |
| 10日(土)15時 | 日本の東北緯32.5度・東経147.8度 | 985hPa・30m/s最大瞬間45m/s | 400km |
読み取れるのは2つです。1つ目は勢力が早めに落ちることです。いまは「非常に強い」ですが、7日(水)15時には985hPaの「強い」に、8日(木)以降は最大風速30m/sまで弱まる見込みです。2つ目は進路が北へ曲がり始めることです。8日までは真西に進みますが、9日は西北西、10日は北北西へと向きを変え、本州の東の海上を北へ上がる形になっています。
予報円は「台風の大きさ」ではありません
表の「予報円の半径」は、その時刻に台風の中心が入る確率が70%の範囲です。10日15時の予報円は半径400kmあり、これは中心の位置がまだ大きくぶれうることを表しています。民間気象会社も、予測のばらつきが大きく、国内への影響は「まだ否定はできない」としています(ウェザーニュース)。
台風28号は日本に来る?予報位置からの距離で読む
「台風28号は日本に来るのか」に答えるには、予報円の中心と地上の距離を見るのがいちばん確実です。父島・八丈島・東京までの距離を緯度経度から当サイトで計算しました。
| 予報時刻 | 父島まで | 八丈島まで | 東京まで |
|---|---|---|---|
| 8日(木)15時南鳥島近海 | 約1,200km | 約1,540km | 約1,660km |
| 9日(金)15時南鳥島近海 | 約750km | 約990km | 約1,130km |
| 10日(土)15時日本の東 | 約810km | 約750km | 約820km |
いちばん近づく10日(土)15時でも、予報円の中心は八丈島から約750km、東京から約820km離れています。予報円の半径400kmをそのまま西へずらしても、八丈島まで約350km残る計算です。現時点の予報では、関東や伊豆諸島に台風の中心が来るコースにはなっていません。
ただし、10日15時はまだ北北西へ進んでいる途中で、その先の予報はまだ出ていません。週末以降に西へ寄るか、東へ離れていくかで影響は変わるため、6日以降の予報の更新を確認してください。
台風28号はなぜハリケーン?「越境台風」とは
台風28号は、もともとアメリカが監視する東部・中部太平洋で生まれた嵐です。ウェザーニュースによると、9月14日にメキシコ沖で熱帯低気圧として発生し、24日にハワイの南でトロピカルストーム「NOLO」、25日にハリケーンへ発達しました。最盛期にはカテゴリー4まで強まり、いったん弱まったあと再び発達しています。
台風とハリケーンは、呼ぶ地域が違うだけで同じ熱帯低気圧です。気象庁は「北西太平洋(赤道より北、東経180度より西)」にあって最大風速が約17m/s以上のものを台風と呼ぶため、ハリケーンが東経180度(日付変更線)を西へ越えた時点で台風に数えられ、番号が付きます。これが「越境台風」です。
名前が「ノロ」なのはなぜ?
台風には通常、日本など14の国と地域が出した140個のアジア名が順番に付きます。しかし越境台風は、すでにアメリカの中部太平洋ハリケーンセンターが付けた名前があるため、その名前をそのまま使います。「ノロ(Nolo)」はハワイ語の名前のリストから付いたものです。そのため、順番どおりなら28号に付くはずだった日本提案の「コグマ(こぐま座)」は、同じ日に発生した29号に回りました。
越境台風は75年で34個、10月は4個目
気象庁ベストトラック(1951〜2025年)で、最大風速34ノット(約17m/s)以上になった最初の位置が東経180度以東だった台風を数えると34個ありました。75年で平均すると2年に1個弱です。多いのは8月(15個)と9月(9個)で、10月に入ってきたのは1992年・1994年・2016年の3個だけ。台風28号は10月の越境台風として75年で4個目にあたります。
1997年以降の主な越境台風と、その行き先は次のとおりです(最低気圧と最も西の経度は当サイトがベストトラックから集計)。
| 年・号(名前) | 最低気圧 | 最も西の経度 | 日本との関係 |
|---|---|---|---|
| 1997年19号オリワ | 915hPa | 東経129.6度 | 鹿児島県に上陸(9月16日) |
| 2002年17号エレ | 940hPa | 東経165.3度 | 東へ戻る |
| 2002年24号フーコ | 985hPa | 東経162.5度 | 東へ戻る |
| 2006年12号イオケ | 920hPa | 東経147.2度 | ウェーク島・南鳥島のすぐ近くを通り、日本の東を北上 |
| 2013年13号ペワ | 990hPa | 東経165.3度 | 日本に来ず |
| 2014年13号ジェネビーブ | 915hPa | 東経164.7度 | 日本に来ず |
| 2015年12号ハロラ | 955hPa | 東経129.1度 | 九州の西で熱帯低気圧に(7月26日) |
| 2015年17号キロ | 945hPa | 東経147.2度 | 温帯低気圧になって北海道の東へ |
| 2018年17号ヘクター | 998hPa | 東経165.7度 | 日本に来ず |
| 2023年8号ドーラ | 975hPa | 東経165.9度 | 日本に来ず |
| 2026年28号ノロ | 950hPa(5日18時) | 予報は東経147.8度 | 10日に「日本の東」の予報 |
越境台風34個の行き先は?日本に来たのは1個だけ
越境台風34個について、全経路のうち日本の13地点(那覇・鹿児島・福岡・高知・大阪・名古屋・東京・銚子・仙台・新潟・札幌・釧路・八丈島)にどこまで近づいたかを計算しました。
半数の17個は東経160度より西に来ないまま消えるか向きを変えており、日本から2,000km以上離れた海の上で一生を終えています。300km以内まで近づいたのは3個ありましたが、2015年12号(ハロラ)は九州の西で熱帯低気圧に、2015年17号(キロ)は温帯低気圧に変わったあとでした。台風の勢力のまま日本に来たのは、鹿児島県に上陸した1997年19号(オリワ)の1個だけです。
越境台風は日付変更線から日本まで約4,000kmを移動する必要があり、その間に偏西風に乗って北東へ向きを変えることが多いためです。ウェザーニュースも28号について「Uターンして東に戻っていく可能性が高く」なっていると伝えています。
10月に南鳥島近海を通った台風24個はどこへ
28号は8〜9日に南鳥島近海を通る予報です。そこで、1951〜2025年に10月に南鳥島から300km以内を通った台風24個について、その後の経路を調べました。
- 台風のまま本州・四国・九州・沖縄から300km以内に来たもの:0個
- 東経140度より西まで進んだもの:1個(1977年のジーン。八丈島まで約870kmで東へ)
- 北海道東部(釧路)の300km以内に来たもの:1個(2015年23号チョーイワン。温帯低気圧になったあと)
10月は日本付近の偏西風が強まる季節で、南鳥島付近まで来た台風の多くは日本の東の海上で北東へ向きを変えています。28号の予報もこの形に近いといえます。なお、2015年23号の「チョーイワン」は、いま小笠原近海にある台風27号と同じ名前です。
過去の傾向は「来ない保証」ではありません
ここで示した数字は過去の経路の集計で、今回の進路を予報するものではありません。27号・29号との位置関係や太平洋高気圧の張り出し方によっては、予報が西寄りに修正されることもあります。判断は必ず気象庁の最新の台風情報で行ってください。
台風29号(コグマ)も発生、トリプル台風に
10月5日は台風28号に続いて、マーシャル諸島で台風29号(コグマ)も発生しました。小笠原近海を北上している台風27号(チョーイワン)と合わせて、台風が3つ同時に存在する「トリプル台風」になっています。
| 項目 | 台風27号 | 台風28号 | 台風29号 |
|---|---|---|---|
| 発生 | 10月1日 マリアナ諸島 | 10月5日9時 日付変更線を越えて | 10月5日 マーシャル諸島 |
| 5日の実況 | 小笠原近海・925hPa非常に強い・大型 | ミッドウェー諸島近海・950hPa非常に強い | マーシャル諸島・1000hPa5日18時 |
| この先 | 北上し7日に日本のはるか東へ | 西へ進み、8〜9日に南鳥島近海、10日に日本の東 | 西北西へ進み、9〜10日に「強い」勢力で南鳥島近海 |
29号は5日18時の時点で中心気圧1000hPaですが、西北西へ進みながら発達し、10日15時には南鳥島近海で965hPaの「強い」勢力になる予報です。10日の予報位置は父島から約870kmで、28号と29号の中心の距離は約1,070kmです。日本気象協会は、28号と29号の距離が次第に近づく可能性を指摘しています。2つの台風が近づくと互いの進路に影響することがあり(藤原の効果)、予報が難しくなります。
10月のトリプル台風は5年ぶり
ベストトラックで、台風の強さの熱帯低気圧が同じ時刻に3つ以上あった例を数えると、10月にこれが起きた年は1951〜2025年で10年あり、最近は2021年でした。2026年は8月にも13号・14号・15号のトリプル台風があり、今年2回目です。
2026年の台風は29個、発生ペースは75年で3位タイ
29号の発生で、2026年の台風の数は10月5日までに29個になりました。年間の平年値(1991〜2020年)の25.1個をすでに4個上回っています。ベストトラックで「各年の10月5日までの発生数」を数えると、29個以上だった年は次の4年だけです。
| 年 | 10月5日までの発生数 | 年間の発生数 | 10月6日以降 |
|---|---|---|---|
| 1971年1位 | 32個 | 36個 | 4個 |
| 1967年2位 | 31個 | 39個(最多) | 8個 |
| 1965年3位タイ | 29個 | 32個 | 3個 |
| 1994年3位タイ | 29個 | 36個 | 7個 |
| 2026年3位タイ | 29個 | ? | ? |
| 平年1991〜2020年 | 19.2個 | 25.1個 | ― |
2026年は1965年・1994年と並んで3位タイで、1994年以来32年ぶりの多さです。75年間の平均では10月6日以降の年末までに6.5個(少ない年で2個、多い年で13個)の台風が発生しています。平均どおりなら年間35個前後となり、年間35個以上は過去4年しかありません。また日本気象協会によると、2026年は1月から10月まで毎月台風が発生しており、これは1951年以降で1965年・2015年に続く3例目です。
台風28号・29号の日本への影響と備え
現時点で、28号・29号の中心が日本の陸地に近づく予報はありません。ただし、台風が遠くにあっても影響が出るのが「うねり」です。
- 小笠原諸島は6日にかけて大しけ台風27号の接近で、小笠原諸島では6日にかけて大しけが予想されています。28号・29号がその後に南鳥島近海へ進むため、週後半も波の高い状態が続くおそれがあります。
- 太平洋沿岸はうねりを伴う高波東北から沖縄の太平洋沿岸では、うねりを伴う高波に注意が必要です(日本気象協会)。台風から遠くても、晴れた日に急に高い波が打ち寄せることがあります。釣りやサーフィン、磯遊びは控えてください。
- 週末(10〜11日)の予定は最新情報で判断28号の予報円は10日に半径400kmあり、週末の天気への影響は今後の予報次第です。旅行や屋外の予定がある人は、6時間ごとに更新される台風情報と5日先までの予報円を確認してください。
台風で旅行をやめる場合のキャンセル料は台風で旅行のキャンセル料は取られる?、会社が休みになった場合の給料は台風で会社が休みなら給料は出る?で解説しています。
台風28号(ノロ)についてよくある質問
Q. 台風28号は日本に来ますか?
A. 気象庁の10月5日19時5分発表の予報では、10日(土)15時に「日本の東」の海上へ進む見込みで、予報円の中心は八丈島から約750km、東京から約820km離れています。本州に直接来る予報ではありませんが、予報円は半径400kmと大きいため、最新の台風情報を確認してください。
Q. 台風28号はなぜハリケーンだったのですか?
A. 東部太平洋で発生したハリケーン「NOLO」が、10月5日9時に日付変更線(東経180度)を西へ越えたためです。気象庁は東経180度より西の北西太平洋にある熱帯低気圧を台風と呼ぶので、越えた時点で台風28号になりました。
Q. 越境台風はどれくらい珍しいのですか?
A. 気象庁ベストトラックで1951〜2025年の75年間に34個、2年に1個弱のペースです。前回は2023年の台風8号(ドーラ)で、3年ぶりです。10月に入ってきたものは28号が75年で4個目です。
Q. 越境台風が日本に上陸したことはありますか?
A. あります。1997年の台風19号(オリワ)は日付変更線を越えて入ってきたあと、9月16日に鹿児島県に上陸しました。ただし越境台風34個のうち、台風の勢力のまま日本の300km以内に来たのはこの1個だけです。
Q. 台風28号の名前「ノロ」はどこの言葉ですか?
A. アメリカの中部太平洋ハリケーンセンターが使うハワイ語の名前のリストから付いた名前です。越境台風はハリケーンのときの名前を引き継ぐため、アジア名は使われません。順番どおりなら28号に付くはずだった日本提案の「コグマ」は、29号の名前になりました。
Q. 2026年は台風が多いのですか?
A. 多い年です。10月5日までに29個発生しており、年間の平年値25.1個をすでに上回っています。10月5日時点で29個以上だったのは1951年以降で1965年・1967年・1971年・1994年の4年だけで、2026年は3位タイです。
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出典・参考資料
- 気象庁:台風情報(台風第27号・第28号・第29号、10月5日発表)/台風位置表 2026年
- 気象庁:RSMC Tokyo-Typhoon Center Best Track Data(1951〜2025年。越境台風・南鳥島近海の台風・発生ペース・トリプル台風は当サイトが集計)
- 気象庁 台風の統計資料:台風の発生数
- アメリカ国立ハリケーンセンター:Tropical Cyclone Names(中部太平洋の名前リスト)
- ウェザーニュース「非常に強い台風28号(ノロ)発生」(2026年10月5日)/日本気象協会 tenki.jp「トリプル台風発生中 今年は台風の発生数多い」(2026年10月5日)
- アイキャッチ背景:NASA Earth Observatory(2006年のハリケーン/台風イオケ。日付変更線付近で撮影された越境台風のイメージで、台風28号の写真ではありません。パブリックドメイン)


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