FX・IMMポジション
IMMポジションの円買い越しが半減|投機筋は売りに戻る?40年で検証
シカゴの通貨先物市場で、投機筋の円の買い越しが減っています。米商品先物取引委員会(CFTC)が10月2日に公表した9月29日時点のIMMポジションは、円の買い越しが5万5440枚。2週間前のピーク(12万0359枚)から半分以下になり、ヘッジファンドなどのレバレッジド・ファンドは売り越しに戻りました。10月9日に公表された最新値(10月6日時点)は6万2325枚とやや戻しましたが、ヘッジファンドの売り越しは2万5043枚に広がっています。CFTCの1986年以降の全データを使い、買い越しが半分になった後に何が起きてきたかを数えました。
この記事の結論
- 9月29日時点のIMMポジション(非商業部門)は円の55,440枚の買い越し。前週から16,542枚減り、9月15日のピーク120,359枚の半分を下回りました。金額にすると約6,930億円(1枚=1,250万円)です。
- 9月1日の92,227枚の売り越しから15日の買い越しまで、2週間で212,586枚も円買い方向に動きました。統計がある1986年以降で最大です。7月30〜31日の為替介入、9月1日の米財務省の「円の過小評価」発言が続き、投機筋が円売りを一気に買い戻した形です。
- ただ9月16日にFRBが全会一致で利上げした一方、18日の日銀は反対2票つきの利上げで、日米の「タカ派の温度差」が意識されました。レバレッジド・ファンドは14,161枚の売り越しに転換し、年金などのアセットマネジャー(51,634枚の買い越し)とは向きが分かれています。
- 最新の10月6日時点は62,325枚の買い越し(前週比+6,885枚)。レバレッジド・ファンドの売り越しは25,043枚に広がり、アセットマネジャーの買い越しは67,795枚に増えて、短期筋と長期資金の向きの違いがはっきりしました。
- 1986年以降、ピーク3万枚以上の買い越し局面は19回。買い越しが半分以下になってから4週間以内に売り越しへ戻ったのが13回、8週間以内なら15回です。その後のドル円は、4週間後に円安だったのが19回中12回(中央値+0.99円)で、3か月後は11回と五分五分に近づきます。
最新の10月6日時点は6万2325枚|短期筋は売り、長期資金は買い
CFTCが10月9日(日本時間10日早朝)に公表した10月6日時点のIMMポジション(非商業部門)は、円の62,325枚の買い越しでした。前週から6,885枚増え、9月15日のピーク以来3週ぶりの増加です。買い越しは5週連続で、半減から1週間の時点では「売り越しへ戻る」動きはまだ出ていません。
| 週(火曜日) | 非商業部門 | レバレッジド・ファンド | アセットマネジャー | ドル円 |
|---|---|---|---|---|
| 9月22日 | +71,982 | +7,423 | +41,629 | 157.55 |
| 9月29日 | +55,440 | −14,161 | +51,634 | 157.50 |
| 10月6日 | +62,325 | −25,043 | +67,795 | 158.15 |
CFTC「Commitments of Traders」(Legacy・TFF、CMEの円先物)から作成。ドル円は各週火曜日のNY正午ごろ(9月22日はFRB H.10、9月29日・10月6日はYahoo Finance)。
中身を見ると、向きの違いがさらにはっきりしました。ヘッジファンドなどのレバレッジド・ファンドは売り越しが25,043枚に拡大(2週連続の売り越し)した一方、年金などのアセットマネジャーは買い越しを67,795枚に積み増しています。非商業部門の買い越しが増えたのは主に長期資金の円買いによるもので、短期筋はむしろ円売りを強めています。ドル円は158円台と、ピークの9月15日(155.11円)より3円円安の水準です。
過去19回の局面では、半減から4週間以内(今回は10月27日の集計まで)に売り越しへ戻ったのが13回でした。今回はアセットマネジャーの買いが下支えしており、2016年・2025年のように買い越しが粘る展開になるかが焦点です。次の公表は10月16日(金)、日本時間17日早朝です。
IMMポジションの円は半減|9月29日は5万5440枚の買い越し
IMMポジションは、CFTCが毎週公表する建玉明細のうち、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物について、投機筋(非商業部門)が買いと売りをどれだけ持っているかを示すデータです。円の「買い越し」は、円高になると得をする持ち高が売りより多い状態を指します。
下のグラフは、6月から10月6日までの毎週火曜日の差し引き(買い−売り)です。7月まで円の売り越しが続き、7月28日には16万3412枚と、2007年・2024年に次ぐ規模まで膨らんでいました。それが9月に一気にひっくり返っています。
売り越し(円安で得をする持ち高)買い越し(円高で得をする持ち高)。ドル円は各週火曜日のNY正午レート(FRB H.10。9月29日・10月6日はYahoo Financeの同時刻)
9月29日の買い建ては176,266枚、売り建ては120,826枚です。買い越し自体はまだ続いていますが、9月15日から2週間で64,919枚減り、ピークの半分以下になりました。この2週間でドル円は155.11円から157.50円へ、2円あまり円安に戻っています。
9月に何が起きた?2週間で21万枚の円買いは1986年以降最大
円の売り越しが一気に買い越しへ変わった背景には、日米の当局が続けて「円安を止める」姿勢を見せたことがあります。順に並べます。
- 7月28日円の売り越し16万3412枚ドル円は163円台。投機筋の円売りは2026年の最大に。
- 7月30〜31日日本の円買い介入、31日は日米協調円買いの協調介入は1998年以来28年ぶり。8月4日の売り越しは4万5473枚に縮小。
- 9月1日米財務省が「円の大幅な過小評価」ベッセント長官と植田総裁の会談要旨。この日の時点では売り越し9万2227枚。
- 9月7日ドル円が一時154円06銭9月1日の160円台から6円の円高。8日の集計で買い越しに転換。
- 9月15日買い越し12万0359枚買い建て23万7951枚、建玉残高54万2802枚はいずれも過去最大。
- 9月16〜18日FRBは全会一致、日銀は反対2票で利上げ「次の日銀の利上げは遠い」と受け止められ、157円台へ円安。
- 9月29日買い越し5万5440枚に半減レバレッジド・ファンドは売り越しへ。10月2日(日本時間3日早朝)に公表。
9月1日から15日までの2週間の振れ幅212,586枚は、CFTCのデータがある1986年以降で最大です(ロイターも同じ指摘)。2位以下と比べると、今回の大きさがわかります。
| 順位 | 2週間(火曜日) | 円買い方向の振れ | 差し引き |
|---|---|---|---|
| 1位 | 2026/9/1→2026/9/15 | +212,586枚 | −92,227→+120,359 |
| 2位 | 2026/7/28→2026/8/11 | +121,327枚 | −163,412→−42,085 |
| 3位 | 2026/7/21→2026/8/4 | +106,652枚 | −152,125→−45,473 |
| 4位 | 2024/7/30→2024/8/13 | +96,564枚 | −73,460→+23,104 |
| 5位 | 2024/7/23→2024/8/6 | +95,754枚 | −107,108→−11,354 |
2位と3位も2026年8月の介入直後で、4位・5位は2024年8月の「円キャリートレードの巻き戻し」の時期です。7月28日から9月15日の7週間で見ると283,771枚で、2024年夏の約20万枚を大きく上回ります。
「過去最大の建玉残高」は割り引いて見る
9月15日の建玉残高54万2802枚は過去最大ですが、この週は9月限から12月限への乗り換え(ロールオーバー)の時期でした。乗り換えの週は古い限月と新しい限月の両方に建玉が残るため、残高がふくらみます。6月のロールの時期にも50万枚を超えていました。翌週は37万8701枚に戻っています。
なぜ円買いは後退した?日米の「タカ派の温度差」とヘッジファンド
CFTCは、同じ通貨先物を参加者の種類ごとに分けた「金融先物建玉報告(TFF)」も出しています。円の持ち高をこの分類で見ると、9月の円買いと、その後の後退の担い手が違うことがわかります。
| 週(火曜日) | レバレッジド・ファンド | アセットマネジャー | ディーラー(銀行など) | 非商業部門(参考) |
|---|---|---|---|---|
| 7月28日 | −101,990 | −83,057 | +139,337 | −163,412 |
| 9月1日 | −102,188 | −24,521 | +79,321 | −92,227 |
| 9月8日 | −49,098 | −570 | −39,477 | +10,796 |
| 9月15日 | +23,170 | +53,845 | −168,570 | +120,359 |
| 9月22日 | +7,423 | +41,629 | −108,284 | +71,982 |
| 9月29日 | −14,161 | +51,634 | −86,702 | +55,440 |
単位は枚(買い−売り)。プラスが円の買い越し。TFFと非商業部門は分類の仕方が違うため、合計は一致しません。
ヘッジファンドは「日米の温度差」で円買いを手じまい
ヘッジファンドなど短期の売買が中心のレバレッジド・ファンドは、9月15日に+23,170枚の買い越しまで円を買い戻しましたが、22日に+7,423枚、29日には−14,161枚の売り越しに戻りました。9月16日にFRBが12対0で利上げし、18日の日銀は反対2票つきの利上げでした。ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏は、ロイターの取材に「日米のタカ派姿勢の温度差」に着目した手じまいとの見方を示しています。
年金・投信は円買いを維持
一方、年金や投資信託などのアセットマネジャーは、9月29日に51,634枚の買い越しと、前週より10,005枚増やしました。7月末には8万枚を超える売り越しだったので、ここでも向きがはっきり変わっています。足の速い資金が引き、足の遅い資金が残っている形です。
レバレッジド・ファンドが円の買い越しから売り越しに転じた場面は、TFFの集計がある2006年以降に26回ありました(4週間以内の出入りは1回と数える)。4週間後のドル円は円高が15回、円安が11回で、中央値は−0.52円。「ヘッジファンドが売りに転じたから円安が進む」とは言い切れない結果でした。
買い越しが半減したら?過去19回中13回は4週間以内に売り越しへ
「半分に減った買い越しは、このまま売り越しに戻るのか」。1986年以降のデータから、買い越しのピークが3万枚以上あった局面を取り出すと、今回を除いて19回ありました。それぞれ、買い越しがピークの半分以下になった週から、何週間で売り越しに戻ったかを数えます。
| ピーク(その日のドル円) | ピークの買い越し | 半分以下になった週 | 売り越しに戻るまで | 4週間後のドル円 | 3か月後のドル円 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1999/8/31109.30円 | 53,902枚 | 1999/10/5 | 14週間後 | −2.81円 | −3.87円 |
| 2001/9/4119.49円 | 32,511枚 | 2001/10/2 | 2週間後 | +1.29円 | +10.26円 |
| 2003/3/11117.07円 | 36,219枚 | 2003/3/25 | 同じ週 | −0.35円 | −2.07円 |
| 2004/2/3105.36円 | 64,499枚 | 2004/2/24 | 同じ週 | −1.48円 | +4.10円 |
| 2004/11/16105.35円 | 44,596枚 | 2004/12/14 | 8週間後 | −2.17円 | −1.05円 |
| 2008/3/25100.07円 | 65,920枚 | 2008/6/3 | 3週間後 | +0.44円 | +3.56円 |
| 2008/7/15104.78円 | 50,105枚 | 2008/7/22 | 1週間後 | +2.57円 | −6.68円 |
| 2009/2/389.09円 | 50,518枚 | 2009/3/3 | 2週間後 | +0.99円 | −2.44円 |
| 2009/12/186.62円 | 56,907枚 | 2009/12/15 | 1週間後 | +1.04円 | +0.52円 |
| 2010/3/288.95円 | 32,552枚 | 2010/3/16 | 2週間後 | +2.35円 | +0.82円 |
| 2010/8/1085.88円 | 52,478枚 | 2010/9/21 | 21週間後 | −3.76円 | −1.60円 |
| 2011/3/181.86円 | 41,274枚 | 2011/3/8 | 4週間後 | +1.96円 | −2.48円 |
| 2012/1/1076.84円 | 59,657枚 | 2012/2/14 | 2週間後 | +4.27円 | +1.70円 |
| 2012/9/1177.78円 | 32,773枚 | 2012/9/18 | 5週間後 | +0.33円 | +5.41円 |
| 2016/4/19109.16円 | 71,870枚 | 2016/5/24 | 27週間後 | −5.44円 | −9.80円 |
| 2019/8/27105.80円 | 33,607枚 | 2019/9/24 | 3週間後 | +1.24円 | +2.06円 |
| 2021/1/12104.09円 | 50,520枚 | 2021/3/2 | 2週間後 | +3.44円 | +2.68円 |
| 2024/9/24143.77円 | 66,011枚 | 2024/10/22 | 1週間後 | +3.23円 | +4.38円 |
| 2025/4/29142.29円 | 179,212枚 | 2025/7/29 | 20週間後 | −1.27円 | +3.57円 |
| 2026/9/15155.11円 | 120,359枚 | 2026/9/29 | まだ買い越し | まだ | まだ |
CFTC建玉明細(非商業部門、1986年1月〜2026年9月)から筆者集計。ドル円の変化は「半分以下になった週」の火曜日のNY正午レートとの差(FRB H.10)。1990年代前半までは集計が月2回の時期があります。
半分まで減った買い越しは、たいてい長続きしません。19回中13回は4週間以内に売り越しへ戻り、そのうち2003年と2004年の2回は、半分を割った週にそのまま売り越しになっていました。買い越しを保ったのは1999年、2010年、2016年、2025年の4回だけです。
大きな買い越しほど粘る?2016年と2025年の例
例外の4回のうち、ピークが7万枚を超えていたのは2016年(71,870枚)と2025年(179,212枚、過去最大)の2回で、どちらも半減後20週以上、買い越しが続きました。今回の120,359枚は過去2番目の大きさです。大きく積み上がった買い越しは、半減しても簡単には消えない可能性があります。ただし2例だけなので、法則と呼べるほどの数ではありません。
その後のドル円は?1か月は円安寄り、3か月で五分五分
同じ19回で、買い越しが半分以下になった週からのドル円の動きを見ると、4週間後に円安(ドル円上昇)だったのは12回、中央値は+0.99円でした。投機筋の円買いが引いていく局面なので、目先は円安に振れやすいと言えます。
ところが3か月後は円安が11回(中央値+0.82円)、半年後は10回で、ほぼ五分五分です。投機筋の持ち高は、1か月ほどの方向感には表れても、数か月先の相場を当てる材料にはなりにくいことがわかります。
直近2回の例
2024年:9月24日に66,011枚でピーク、10月22日に半分以下。翌週には売り越しに戻り、ドル円は3か月後に+4.38円(米大統領選後のドル高)。その後の半年では−10.24円と大きく円高に戻しました。
2025年:4月29日に過去最大の179,212枚、7月29日に半分以下。売り越しに戻ったのは12月で、その間ドル円は148.57円から4週間後−1.27円、3か月後+3.57円でした。
今回は、9月29日の時点で4週間後・3か月後の答えはまだ出ていません。次の確認ポイントは、4週間後にあたる10月27日の集計(日本時間10月31日の早朝に公表)です。その日までに売り越しへ戻るかどうかで、過去の多数派(4週間以内に売り越し)と少数派(大きな買い越しが粘る)のどちらに近いかが見えてきます。
IMMポジションとは?見方と3つの注意点
IMM(International Monetary Market)は、CMEの通貨先物部門の旧称です。CFTCは毎週火曜日時点の建玉を集計し、原則として金曜日の米東部時間15時30分に公表します。日本時間では、米国の夏時間中は土曜日の4時30分、冬時間は5時30分です。
| 項目 | 内容 | 読み方のポイント |
|---|---|---|
| 非商業部門 | ヘッジ目的でない大口の参加者 | 日本の報道で「投機筋」と呼ぶのはこれ |
| TFF | ディーラー・アセットマネジャー・レバレッジド・ファンドなどに分類 | 2006年から。誰が動いたかがわかる |
| 1枚の大きさ | 1,250万円 | 5万枚で約6,250億円 |
| 集計日と公表日 | 火曜日時点→金曜日に公表 | 公表時には3日遅れのデータ |
注意点1:3日遅れのデータ
9月29日(火)の持ち高が出たのは10月2日(金)の夕方(日本時間3日の早朝)です。その間の相場の動きは入っていません。週末の材料として「先週までに何が起きたか」を確かめるのに向いています。
注意点2:先物だけで、外為市場のごく一部
集計対象はCMEの円先物です。円の取引の大部分は銀行間などの店頭取引で行われており、IMMはその一部にすぎません。ただし毎週同じ基準で長く続いているため、投機筋の偏りを測る物差しとして広く使われています。
注意点3:極端な偏りは「逆向き」のサインになることも
持ち高が一方向に積み上がるほど、反対売買(手じまい)の余地も大きくなります。2024年7月2日の184,223枚の売り越しの後には、8月に急激な円高(円キャリートレードの巻き戻し)が起きました。過去最大の売り越しは2007年6月26日の188,077枚、過去最大の買い越しは2025年4月29日の179,212枚です。
次の発表はいつ?10月の公表日と円相場の注目日程
| 日付(日本時間) | イベント | IMMポジションへの意味 |
|---|---|---|
| 10月10日(土)4:30 | CFTC建玉明細(10月6日時点) | 結果:62,325枚に増加(3週ぶり)。レバレッジド・ファンドの売り越しは拡大 |
| 10月17日(土)4:30 | 同(10月13日時点) | レバレッジド・ファンドの売り越しが広がるか |
| 10月24日(土)4:30 | 同(10月20日時点) | |
| 10月29日(木)3:00 | FOMCの結果発表 | 連続利上げなら円売りの材料 |
| 10月30日(金) | 日銀会合の結果/財務省の介入実績(9月29日〜10月28日) | 利上げ・介入の有無で円買いが戻るか |
| 10月31日(土)4:30 | CFTC建玉明細(10月27日時点) | 半減から4週間後。売り越しに戻ったか |
公表日はCFTCの2026年の予定表(10月2日・9日・16日・23日・30日、米東部時間)にもとづきます。米国の祝日などで1〜2日ずれることがあります。日米の会合の見通しは2026年10月のドル円見通し|5年連続円安の10月を53年分で検証、介入の金額の推計は7月31日の為替介入は5兆円?で整理しています。
※過去の集計は将来の相場を予想・保証するものではありません。
※広告
IMMポジションと円についてよくある質問
Q. IMMポジションとは何ですか?
A. 米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週公表する建玉明細のうち、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物の持ち高のことです。日本では、ヘッジ目的でない「非商業部門」の買いと売りの差を「投機筋のポジション」として見るのが一般的です。
Q. IMMポジションはいつ発表されますか?
A. 火曜日時点の持ち高が、原則として金曜日の米東部時間15時30分に公表されます。日本時間では、米国の夏時間中は土曜日の4時30分、冬時間(11月から)は5時30分です。
Q. いまの円のIMMポジションはどうなっていますか?
A. 最新の2026年10月6日時点で、非商業部門は円の62,325枚の買い越しです。9月15日の120,359枚から9月29日に55,440枚と半分以下に減ったあと、やや戻しました。ヘッジファンドなどのレバレッジド・ファンドは25,043枚の売り越しです。
Q. 円の買い越しが減ると円安になりますか?
A. 1986年以降、買い越しのピークが3万枚以上あった19回では、半分以下になってから4週間後にドル円が上昇(円安)したのが12回でした。ただ3か月後は11回と五分五分に近く、長い期間の方向は決まっていません。
Q. 1枚はいくらですか?
A. CMEの円先物は1枚=1,250万円です。9月29日の買い越し5万5440枚は、約6,930億円にあたります。
Q. 円のIMMポジションの過去最大はいくらですか?
A. 差し引きの買い越しは2025年4月29日の179,212枚、売り越しは2007年6月26日の188,077枚が最大です(1986年以降)。買い建ての枚数と建玉残高は2026年9月15日が最大でした。
Q. レバレッジド・ファンドとアセットマネジャーの違いは?
A. どちらもCFTCの金融先物建玉報告(TFF)の分類です。レバレッジド・ファンドはヘッジファンドなど短期の売買が多い資金、アセットマネジャーは年金・投資信託・保険などの運用会社です。9月29日はレバレッジド・ファンドが円の売り越し、アセットマネジャーが買い越しと、向きが分かれました。
あわせて読みたい
出典・参考資料
- CFTC:Commitments of Traders – Historical Compressed(Legacy Futures Only 1986〜2026年、Traders in Financial Futures 2006〜2026年。日本円 コード097741)/Release Schedule/Explanatory Notes
- CME Group:Japanese Yen Futures Contract Specs(1枚=1,250万円)
- FRB:H.10 Historical Rates for the Japanese Yen(ニューヨーク正午レート、1986年分以降を使用)
- ロイター:投機筋の円買いが後退、レバレッジド・ファンドは売り越しに転換(2026年10月5日)
- 市場データ:Yahoo Finance(JPY=X)の1時間足(2026年10月5日・11日取得)
買い越し局面の抽出、半減後の週数・ドル円の変化、レバレッジド・ファンドの転換の回数は、CFTCとFRBのデータから筆者が計算したものです。英語の資料の日本語は筆者訳です。本記事は2026年10月11日時点の公開情報と市場データにもとづく解説で、特定の通貨や取引を勧めるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。アイキャッチ背景:liz_noise「Chicago Mercantile Exchange」(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)。
あわせて読みたい
FX初心者の勉強法ロードマップ|読む順番がわかる記事総まとめ

コメント