2026年9月19日時点|気象庁の紅葉日73年分+民間2社の見頃予想
2026年の紅葉は「平年並みか、平年より遅い」が民間2社の共通した見立てです。東京の見頃は11月29日頃、大阪は12月4日頃。気象庁が1953年から記録してきた「かえでの紅葉日」を全地点ぶん数え直すと、1950〜60年代より平均で16.5日遅くなっており、28地点すべてで遅れていました。
「今年の紅葉はいつ見頃?」を調べると、民間気象会社の予想が並びますが、根拠になっている気象庁の観測データそのものを見た記事はほとんどありません。この記事では、①民間2社の2026年見頃予想、②気象庁「かえでの紅葉日」の平年値と2025年の実績、③1953年からの累年表を自分で集計した「紅葉が遅くなり続けている」証拠、④紅葉が進む気温の条件、の4点を数字で整理します。
この記事の結論
- 2026年の見頃は全国的に平年並みか遅い。日本気象(9月2日発表)は東京11月29日頃・大阪12月4日頃、ウェザーニューズ(9月3日発表)は「平年より遅いかやや遅い所が多い」としています。
- 気象庁の3か月予報(9月18日発表)は10月・11月とも全国で「高い」が50%。色づきの引き金になる冷え込みが遅れやすい年です。
- 気象庁の「かえでの紅葉日」平年値は札幌10月28日・仙台11月21日・東京11月28日・京都12月5日・福岡12月1日。2025年は50地点中30地点が平年より遅く、平均で1.8日遅れでした。
- 1953〜1970年に観測のある28地点を集計すると、直近10年(2016〜2025年)の紅葉日は当時より平均16.5日遅い。早くなった地点は1つもありません。最大は長崎の36.0日、福岡の33.5日です。
- 紅葉は日最低気温が8℃前後を下回ると進むといわれます。平年値で8℃を切る日は札幌10月16日・東京11月20日・大阪11月29日で、紅葉日の順番とぴったり重なります。
1. 2026年の紅葉見頃予想(民間2社)
2026年は9月2日に日本気象株式会社が、9月3日にウェザーニューズが、それぞれ第1回の見頃予想を発表しました。日本気象協会(tenki.jp)の紅葉情報は9月下旬から提供予定です。
| 地域 | 見頃の時期 | 傾向 |
|---|---|---|
| 北海道 | 9月中旬〜11月上旬 | 山岳は例年どおり早く、平地は遅め |
| 東北 | 10月上旬〜11月下旬 | 平年より遅いかやや遅い |
| 関東 | 10月中旬〜12月中旬 | 平地は11月下旬〜12月 |
| 甲信 | 10月上旬〜11月下旬 | 標高差で幅が大きい |
| 北陸 | 9月中旬〜11月下旬 | 立山など高所は9月から |
| 東海 | 10月下旬〜12月中旬 | 平年より遅いかやや遅い |
| 近畿 | 10月下旬〜12月中旬 | 京都の平地は12月上旬 |
| 中国・四国 | 10月下旬〜12月上旬 | 平年より遅いかやや遅い |
| 九州 | 11月上旬〜12月中旬 | 葉の鮮やかさは九州のみ「やや心配」 |
日本気象株式会社は、地域別に「北日本は紅葉が平年並み・黄葉は平年並みか遅い」「東日本は紅葉・黄葉とも平年並みか遅い」「西日本は平年並み」と整理し、札幌や長野など一部では平年より9日以上遅れると見ています。ウェザーニューズも「全国的に平年より遅いかやや遅くなる所が多い」としており、2社の方向は一致しています。
予想の根拠になっている気温見通し
- 気象庁の3か月予報(9月18日発表):10月は北日本・東日本・西日本とも「高い」50%、11月も全国で「高い」50%。
- 気象庁の1か月予報(9月17日発表):9月19日からの1週目は北・東・西日本で「高い」70%、10月3日からの2週間も「高い」50〜60%。
- つまり秋の入口で冷え込みが遅れるため、色づきの開始がずれ込む、という理屈です。
2. 気象庁「かえでの紅葉日」の平年値と2025年の実績
気象庁は各地の気象台で、イロハカエデ(一部はヤマモミジなどの代替種目)の葉の大部分が紅色に変わった日を「かえでの紅葉日」として観測しています。民間の「見頃」より数日〜1週間ほど後の日付になる傾向がある点に注意して読んでください。
| 地点 | 平年値 | 2025年の観測日 | 平年差 |
|---|---|---|---|
| 札幌 | 10月28日 | 11月6日 | +9日 |
| 仙台 | 11月21日 | 11月20日 | -1日 |
| 長野 | 11月12日 | 11月19日 | +7日 |
| 金沢 | 11月24日 | 11月25日 | +1日 |
| 東京 | 11月28日 | 11月23日 | -5日 |
| 横浜 | 12月14日 | 12月15日 | +1日 |
| 名古屋 | 11月28日 | 11月25日 | -3日 |
| 京都 | 12月5日 | 12月10日 | +5日 |
| 大阪 | 12月1日 | 12月4日 | +3日 |
| 広島 | 11月22日 | 11月27日 | +5日 |
| 福岡 | 12月1日 | 12月1日 | 0日 |
| 熊本 | 12月2日 | 12月15日 | +13日 |
2025年は観測のあった50地点のうち30地点が平年より遅く、平均すると1.8日の遅れでした。東京が5日早かったのは11月中旬の冷え込みが効いたためで、全国的には「やや遅い秋」だったことになります。
3. 73年分を数えると、紅葉は平均16.5日遅くなっていた
気象庁は「生物季節観測累年表」として、1953年以降の紅葉日をPDFで公開しています。これを地点ごとに読み取り、1953〜1970年に10年以上の観測がある28地点について、当時の平均日と、1991〜2020年の平均(現在の平年値)、直近10年(2016〜2025年)の平均を比べました。
| 地点 | 遅れ幅 | 現在の平年値 | メモ |
|---|---|---|---|
| 長崎 | 36.0日 | 12月7日 | 1950〜60年代は11月上旬に色づいていた |
| 福岡 | 33.5日 | 12月1日 | 1950年代の平均は11月2日 |
| 盛岡 | 31.8日 | 11月13日 | 東北の内陸でも1か月ずれた |
| 札幌 | 25.6日 | 10月28日 | 1950年代は10月中旬 |
| 函館 | 25.1日 | 11月2日 | |
| 山形 | 21.2日 | 11月25日 | |
| 仙台 | 20.2日 | 11月21日 | |
| 熊本 | 19.8日 | 12月2日 | 2025年は12月15日で最も遅い部類 |
| 金沢 | 17.2日 | 11月24日 |
東京・京都・福岡・札幌の「10年ごとの平均紅葉日」
| 期間 | 東京 | 京都 | 福岡 | 札幌 |
|---|---|---|---|---|
| 1953〜62年 | 11月11日 | 11月23日 | 11月2日 | 10月15日 |
| 1983〜92年 | 11月29日 | 12月4日 | 11月21日 | 10月25日 |
| 2003〜12年 | 11月29日 | 12月7日 | 12月3日 | 10月27日 |
| 2013〜22年 | 11月28日 | 12月8日 | 12月7日 | 11月5日 |
| 2023〜25年 | 11月28日 | 12月14日 | 12月2日 | 11月9日 |
東京は1980年代までに大きく遅れ、その後は11月末で横ばいです。一方、京都・福岡・札幌は2010年代以降もじわじわ遅くなり続けています。東京は1980年代までに遅れが出尽くした形で、その後はほぼ11月末で安定しています。
注意:気象庁は2021年に生物季節観測の対象を大幅に縮小しましたが、かえでの紅葉・落葉といちょうの黄葉・落葉は継続されています。一部地点(札幌・函館・帯広など)はイロハカエデが育たないため、ヤマモミジやオオモミジといった代替種目で観測しており、地点同士の日付を直接比べるときは種類の違いも頭に入れてください。
4. 紅葉が遅れる仕組み:最低気温8℃のライン
一般に、紅葉は日最低気温が8℃前後を下回る日が続くと進み、5℃を下回ると一気に色づくといわれます。気象庁の平年値(1991〜2020年)で「日最低気温が8℃を切る日」を主要都市ごとに拾うと、紅葉日の順番とほぼ一致します。
| 地点 | 最低気温8℃未満 | 最低気温5℃未満 | 紅葉日の平年値 |
|---|---|---|---|
| 札幌 | 10月16日 | 11月1日 | 10月28日 |
| 仙台 | 11月4日 | 11月19日 | 11月21日 |
| 金沢 | 11月16日 | 12月以降 | 11月24日 |
| 名古屋 | 11月18日 | 12月以降 | 11月28日 |
| 東京 | 11月20日 | 12月以降 | 11月28日 |
| 広島 | 11月20日 | 12月以降 | 11月22日 |
| 大阪 | 11月29日 | 12月以降 | 12月1日 |
| 福岡 | 12月以降 | 12月以降 | 12月1日 |
この表からわかるのは、「8℃を切ってから1〜2週間で紅葉日」というリズムです。気象庁の3か月予報どおり10月・11月の気温が高めに推移すれば、この8℃ラインの到達が遅れ、そのぶん色づきもずれ込みます。逆に11月に一度強い寒気が入れば、東京の2025年(平年より5日早い)のように一気に進むこともあります。
「遅い」だけでなく「鮮やかさ」も気温で決まる
きれいな紅葉の条件としてよく挙げられるのは、①昼夜の気温差が大きい、②日照が十分、③葉が台風や乾燥で傷んでいない、の3つです。ウェザーニューズは2026年について、九州を除き葉の状態は良好とみています。9月の残暑が長いと葉の傷みや落葉が先に来ることがあるため、名所へ出かける前は各地の紅葉情報で「色づき始め」の報告を確認してから予定を組むのが確実です。
5. 2026年の紅葉計画:地域別の目安
- 9月下旬〜10月上旬大雪山・立山など高所北海道・北アルプスの高山帯はすでに色づき始め。平地の予想より1か月以上先行します。
- 10月中旬〜下旬札幌・東北の平地、日光・箱根などの山間部札幌の紅葉日平年値は10月28日。2026年は9日以上遅れる可能性が指摘されています。
- 11月中旬〜下旬仙台・長野・金沢・広島最低気温が8℃を切る時期。関東・東海の平地も11月下旬から色づきます。
- 11月下旬〜12月上旬東京・名古屋・大阪・京都・福岡東京11月29日頃・大阪12月4日頃(日本気象)。京都の紅葉日平年値は12月5日で、名所の見頃はその前後2週間です。
- 12月中旬横浜・熊本など横浜の紅葉日平年値は12月14日と全国でも遅い部類。都市部の街路樹は年末まで楽しめます。
6. よくある質問
Q. 2026年の紅葉は例年より遅いですか?
A. 日本気象株式会社(9月2日発表)とウェザーニューズ(9月3日発表)はいずれも「平年並みか、平年より遅い」と予想しています。気象庁の3か月予報でも10月・11月は全国で気温が「高い」確率が50%です。東京の見頃は11月29日頃、大阪は12月4日頃が目安です。
Q. 気象庁の「紅葉日」と「見頃」は同じですか?
A. 違います。気象庁の紅葉日は標本木の葉の大部分が紅色になった日で、観光でいう「見頃」より数日〜1週間ほど遅い日付になりがちです。平年値は東京11月28日・京都12月5日ですが、名所の見頃はその少し前から始まると考えてください。
Q. 紅葉は本当に昔より遅くなっているのですか?
A. 気象庁の累年表を集計すると、1953〜1970年に観測のある28地点すべてで直近10年の紅葉日が遅くなっており、平均16.5日の遅れでした。長崎36.0日、福岡33.5日、盛岡31.8日と、西日本や北日本で遅れ幅が大きくなっています。
Q. 紅葉が進む気温の目安は?
A. 日最低気温が8℃前後を下回ると色づきが進み、5℃を下回ると一気に進むといわれます。平年値で最低気温が8℃を切る日は札幌10月16日・仙台11月4日・東京11月20日・大阪11月29日で、各地の紅葉日はその1〜2週間後に来ています。
7. まとめ
- 2026年の紅葉は全国的に平年並みか遅め。東京11月29日頃・大阪12月4日頃が民間の見頃予想です。
- 気象庁の紅葉日平年値は札幌10月28日・仙台11月21日・東京11月28日・京都12月5日・福岡12月1日。2025年は50地点中30地点が平年より遅れました。
- 1953年からの記録では、紅葉日は平均16.5日遅くなり、早くなった地点はゼロ。紅葉の「遅れ」は今年だけの話ではなく、70年続くトレンドです。
- 出かける前は「最低気温8℃」を切ったかどうかと、各地の色づき情報を合わせて確認するのが確実です。
参考資料:気象庁「生物季節観測の情報 かえでの紅葉日」「生物季節観測累年表 かえでの紅葉(PDF)」「過去の気象データ 平年値(日ごとの値)」/日本気象株式会社「2026年第1回 紅葉・黄葉見頃予想」(2026年9月2日)/ウェザーニューズ「紅葉情報2026」(第1回見頃予想 2026年9月3日)/気象庁 3か月予報(2026年9月18日)・1か月予報(2026年9月17日)。集計は当ブログ。


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