大型の台風25号「ドゥージェン」、5連休のまん中に関東沖を通過へ
2026年のシルバーウィークは9月19日(土)から23日(水・秋分の日)までの5連休です。そこへ大型の台風25号が北上してきました。気象庁の予報円どおりに進めば、最接近は9月21日(月・敬老の日)。この記事では、公表されている予報位置から主要都市までの距離を自分で計算し、さらに気象庁のベストトラック(台風の全記録)75年分を集計して「連休に台風が来る」のは本当はどのくらいの頻度なのかを数えました。
記事内の予報は2026年9月17日15時発表時点の数値です
大きさは「大型」
銚子までの距離
日本へ接近する頻度
同じ頻度
台風25号はいまどこにいて、5連休のどこで最接近するのか
台風25号(アジア名ドゥージェン)は、2026年9月16日21時にマリアナ諸島で発生しました。17日15時の時点で中心は南鳥島近海にあり、中心気圧985hPa、最大風速25m/s、大きさの階級は「大型」です。大型とは、風速15m/s以上の強風域の半径が500km以上ある台風を指します。中心から遠く離れていても風が強まるということです。
気象庁が発表している予報位置はそのまま読んでも距離感がつかみにくいので、緯度経度から主要地点までの大円距離を計算しました。下の表の「東京まで」「銚子まで」は、発表された予報円の中心から各地の気象台までを当サイトで計算した値です。
| 予報時刻 | 中心の位置 | 中心気圧 | 東京まで | 銚子まで |
|---|---|---|---|---|
| 18日(金)15時 | 父島の南南東220km | 985hPa | 約1,200km | 約1,180km |
| 19日(土)15時 | 父島の西260km | 985hPa | 約950km | 約960km |
| 20日(日)15時 | 日本の南 | 980hPa | 約550km | 約585km |
| 21日(月・敬老の日)15時 | 関東の東 | 980hPa | 約264km 最接近 | 約164km |
| 22日(火)15時 | 日本のはるか東 | 980hPa | 約1,430km | 約1,340km |
連休の前半、19日(土)と20日(日)はまだ本州から500km以上離れています。台風そのものの影響が出るのは20日(日)の夜からで、山場は21日(月・敬老の日)。そして22日(火)には一気に東へ抜け、温帯低気圧に変わる見込みです。5連休のうち、台風がまともに絡むのは実質1日半ということになります。
21日は気象庁が言う「接近」に入る見込み
気象庁は、台風の中心が国内の気象官署から300km以内に入ったときを「接近」と定義しています。年間に日本へ接近する台風はおよそ12個、上陸するのはおよそ3個です。この「300km」というものさしを、21日15時の予報位置に当ててみます。
| 地点 | 21日15時の予報位置からの距離 | 300kmの内か外か |
|---|---|---|
| 銚子(千葉) | 約164km | 接近に該当 |
| 水戸(茨城) | 約217km | 接近に該当 |
| 東京 | 約264km | 接近に該当 |
| 横浜(神奈川) | 約273km | 接近に該当 |
| 仙台(宮城) | 約337km | わずかに外 |
| 静岡 | 約393km | 外 |
| 名古屋(愛知) | 約519km | 外 |
| 大阪 | 約658km | 外 |
予報円の中心どおりに進めば、関東南部から千葉・茨城にかけては統計上の「接近」に該当します。一方で西日本は500km以上離れており、台風そのものの影響はほとんど受けません。同じ「5連休に台風」でも、東京と大阪では話がまったく違うということです。
上の距離は、発表された予報円の中心を使った計算です。予報円は「70%の確率で中心が入る範囲」を示すもので、21日ごろの予報円の半径は数百kmにおよびます。中心が予報円の西寄りを進めば陸地に近づき、東寄りなら遠ざかります。連休に入ってからも、最新の台風情報を必ず確認してください。
9月19〜23日に台風が来るのは、本当は何年に1回か
「せっかくの連休なのに、また台風か」と感じる人は多いはずです。ではこれは気のせいなのか、それとも実際に多いのか。気象庁が公開しているベストトラック(1951年以降のすべての台風の6時間ごとの中心位置の記録)を使って数えました。
集計の条件はシンプルです。1951年から2025年までの75年間について、9月19日から23日(2026年のシルバーウィークにあたる5日間)に、台風階級(熱帯低気圧ではなく台風のまま)の中心が、全国47の地方気象台のいずれかから300km以内に入った例を拾いました。気象庁の「接近」の定義をそのまま機械的に当てはめたものです。
日本へ接近した台風
(75年中)
300km以内に入った年
年の割合
75年で18年ですから、平均すると約4.2年に1回。関東に限れば13年で、約5.8年に1回です。4年に1回と聞くと「案外少ない」と感じるかもしれませんが、これはあくまで75年全体をならした数字です。ここからが本題になります。
直近30年では「2.5年に1回」まで増えている
同じ集計を前半と後半に割ると、はっきりした差が出ます。
| 期間 | 該当した年 | 接近した台風 | 頻度 |
|---|---|---|---|
| 1951〜1995年(45年) | 6年 | 6個 | 約7.5年に1回 |
| 1996〜2025年(30年) | 12年 | 14個 | 約2.5年に1回 |
前半45年では7.5年に1回だったものが、直近30年では2.5年に1回。およそ3倍の頻度です。9月下旬の連休に台風が絡む年は、体感どおり増えていると言っていいでしょう。
1951年ごろは気象衛星がなく、洋上の台風の把握は船舶や航空機の観測に頼っていました。後半のほうが記録が多いのには、観測と解析の精度が上がったという事情も含まれます。したがってこの3倍という数字は「台風そのものが3倍になった」ことの証明ではありません。ただ、記録として残っている接近が直近30年に集中しているのは事実です。
実際に9月19〜23日に日本へ接近した20個を並べると、次のようになります。「最接近した気象台」と「その距離」は、ベストトラックの中心位置から当サイトで計算した値です。
| 年 | 台風 | 最接近した気象台 | 距離 | 関東まで |
|---|---|---|---|---|
| 1977 | 11号 | 銚子 | 約78km | 約78km |
| 1982 | 19号 | 那覇 | 約158km | 約1,300km |
| 1989 | 22号 | 宮崎 | 約39km | 約169km |
| 1990 | 19号 | 山形 | 約30km | 約143km |
| 1991 | 18号 | 銚子 | 約50km | 約50km |
| 1995 | 14号 | 大分 | 約22km | 約571km |
| 1996 | 17号 | 銚子 | 約72km | 約72km |
| 1997 | 20号 | 銚子 | 約211km | 約211km |
| 1998 | 7号・8号 | 富山・奈良 | 約10km | 約172km |
| 1999 | 18号 | 熊本 | 約28km | 約771km |
| 2001 | 17号 | 銚子 | 約201km | 約201km |
| 2003 | 15号 | 那覇 | 約31km | 約231km |
| 2008 | 13号 | 静岡 | 約93km | 約127km |
| 2011 | 15号 | 熊谷 | 約32km | 約32km |
| 2016 | 16号 | 津 | 約32km | 約243km |
| 2019 | 17号 | 下関 | 約78km | 約570km |
| 2020 | 12号 | 静岡 | 約298km | 約301km |
| 2022 | 14号・15号 | 下関・徳島 | 約13km | 約269km |
とくに2011年9月21日の台風15号は、静岡県の浜松付近に上陸したあと関東を縦断し、首都圏の鉄道が軒並み止まって大量の帰宅困難者が出た日です。表のとおり、中心は熊谷のわずか32kmまで近づいていました。9月下旬の台風は「もう秋だから弱い」とは限らない、というのがこの20件から読み取れることです。
今年の25号は発生が早すぎるのか
もうひとつ話題になっているのが、9月16日という時期に25号が出ていることです。これも同じベストトラックで確かめました。1951年以降、その年の25個目の台風が発生した日を並べ、日付の早い順に整理します(日本時間)。
| 順位 | 年 | 25号の発生日(日本時間) |
|---|---|---|
| — | 2026年 | 9月16日 今年 |
| 1 | 1994年 | 9月18日 |
| 2 | 2018年 | 9月29日 |
| 3 | 1989年 | 10月2日 |
| 4 | 1988年 | 10月8日 |
| 5 | 2013年 | 10月9日 |
| 6 | 2015年 | 10月14日 |
| 7 | 1978年 | 10月16日 |
そもそも75年のうち、25号まで到達した年自体が28年しかありません。その28年の中でも、9月中に25号が出たのは1994年と2018年の2回だけです。今年の9月16日という日付は、ベストトラックをこの方法で数えるかぎり1994年を上回って最も早いことになります。
報道では「発生の早さは統計史上4位」とする表現も見られます。台風の発生時刻をどの時点で取るか、階級の扱いをどうするかで順位は動きます。この記事の順位は「気象庁ベストトラックで台風階級に達した最初の時刻」を基準にした当サイトの集計です。数え方を変えれば結果が変わりうる、という前提でお読みください。
なお、台風の平年値(1991〜2020年平均)では、9月の発生数は5.0個、日本への接近数は3.3個、上陸数は1.0個です。年間では発生25.1個・接近11.7個・上陸3.0個ですから、9月は1年でもっとも上陸が多い月にあたります。9月の台風は「シーズンの終わり」ではなく、むしろ本番だということです。
5連休をどう動くか、判断の順番
予報を前提にすると、今年のシルバーウィークは次のような組み立てになります。
- 19日土曜 — 台風はまだ遠い中心は父島の西あたりで、本州からは約950km。移動や屋外の予定を入れるなら、5日間でもっとも動きやすいのはこの日です。ただし秋雨前線の影響は別にあります。
- 20日日曜 — 夕方からうねりと雨距離は約550kmまで縮まります。大型の台風なので、中心が遠くても関東や東海の沿岸ではうねりが高くなり始めます。海のレジャーはこの日から見送りが無難です。
- 21日月曜・敬老の日 — 最接近銚子から約164km、東京から約264km。関東と東北の太平洋側では雨と風がピークになる見込みです。高速バスや在来線の計画運休、空の便の欠航が出るとすれば、まずこの日です。帰省や外出の予定は前後にずらせないか検討を。
- 22日火曜・国民の休日 — 東へ抜ける日本のはるか東へ去り、温帯低気圧に変わる見込みです。ただし通過直後は風が残り、海はまだ荒れています。
- 23日水曜・秋分の日 — 影響はほぼ抜ける連休最終日はUターンのピークです。前日までに運休や遅延が出ていた場合、この日に振替輸送や払い戻しの利用が集中しやすくなります。
台風で予定を取りやめる場合、キャンセル料が取られるかどうかは「ツアー」「新幹線・飛行機」「宿の直予約」でルールがまったく違います。旅行業約款で取消料がゼロになるケースもあれば、宿の約款どおり満額請求されるケースもあります。判断の順番は台風で旅行のキャンセル料は取られる?ツアー・新幹線・宿で違う返金にまとめています。
関連する投稿
台風25号と5連休について、気象の専門メディアと自治体が発信している投稿をまとめました。進路は日々更新されるので、最新の情報はそれぞれの公式アカウントで確認してください。
まず、台風25号が発生した直後のウェザーニュースの投稿です。発生の時点で「シルバーウィークの5連休に関東など東日本へ接近するおそれ」と明示されていました。
【台風25号情報】昨夜21時、マリアナ諸島で大型の台風25号(ドゥージェン)が発生しました。
明日18日(金)〜明後日19日(土)に小笠原諸島に接近したあと、シルバーウィークの5連休に関東など東日本へ接近するおそれがあります。今後の進路に注意してください。https://t.co/BeOWkd8JsI pic.twitter.com/Jbe8o8r1Af
— ウェザーニュース (@wni_jp) September 16, 2026
台風だけでなく、秋雨前線の活動が活発になる点にも注意が必要です。千葉県では9月の記録的な大雨の記憶が新しく、連休前の備えを呼びかける投稿が出ています。
【千葉は再び大雨のおそれ 連休前に備えを】
大型の台風25号はシルバーウィークに関東など東日本へ接近するおそれがあります。秋雨前線の活動も活発になり、千葉では再び大雨となる可能性も。千葉豪雨の被害と教訓を振り返り、5連休前に確認したい備えをまとめました。https://t.co/97cNc8vcsG pic.twitter.com/wbTZPGbn40— ウェザーニュース (@wni_jp) September 17, 2026
沿岸部の自治体も、連休中の接近を前提にした注意喚起を始めています。千葉県印西市の防災課による投稿です。
【台風25号 情報】
連休中に関東へ接近する恐れがあります。今後の気象情報に注意し、状況に応じた適切な避難行動をとりましょう。
安全を確保できる場所を早めに確認しておきましょう。
▼風水害のリスクが高まったら https://t.co/x2iNaztPtN
【防災課】— 千葉県印西市(公式) (@inzaishi) September 17, 2026
よくある質問
Q. 台風25号は日本に上陸しますか?
A. 2026年9月17日15時発表の予報では、中心は関東の東の海上を通過する見込みで、上陸の予想は出ていません。ただし予報円の中心が西寄りにずれれば陸地に近づきます。上陸とは台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達することを指し、島や半島を横切るだけの場合は「通過」と呼び分けられます。
Q. 「大型」の台風とはどのくらいの大きさですか?
A. 風速15m/s以上の強風域の半径が500km以上800km未満のものを「大型」と呼びます。800km以上だと「超大型」です。大型の場合、中心が数百km離れていても強い風や高波の影響が出るため、進路から遠いからといって安心はできません。
Q. 9月の連休に台風が来るのは珍しいことですか?
A. 珍しくはありません。気象庁ベストトラックの1951〜2025年を集計したところ、9月19〜23日に台風が日本の気象台300km以内へ接近した年は75年中18年、平均で約4.2年に1回でした。さらに直近30年に限ると12年で、約2.5年に1回まで増えています。
Q. 2026年のシルバーウィークはなぜ5連休なのですか?
A. 敬老の日が9月21日(月)、秋分の日が9月23日(水)となり、その間の9月22日(火)が祝日法の「国民の休日」になるためです。前の土日とつながって9月19日から23日までの5連休になります。この並びが成立する年はまれで、条件と次に起きる年はシルバーウィーク2026は5連休?9月22日が休みになる理由で解説しています。
・気象庁「台風情報」最新の進路予想はこちら
・気象庁「台風の発生、接近、上陸、経路」接近の定義(300km以内)
・気象庁「台風の平年値」月別の発生・接近・上陸数
・気象庁 RSMC東京「ベストトラックデータ」1951年以降の全台風の記録(本記事の集計元)
・内閣府「国民の祝日について」敬老の日・秋分の日・国民の休日


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