くらし|冬の備え
水道管の凍結は何度から?−4℃の日数を47都市で集計、防ぎ方も
水道管は気温がおおむね−4℃以下になると凍ったり破裂したりしやすくなります。では、あなたの街では1年に何日そんな朝があるのでしょうか。気象庁の観測データで47都道府県庁所在地の直近5冬(2021〜2026年)を1日ずつ数え、凍結しやすい場所・防ぎ方・凍ったときと破裂したときの対処を、イラストで順番にまとめました。
この記事の結論
- 千葉県営水道は気温が−4℃以下になると水道管の凍結・破裂が起きるとし、島根県も最低気温−4℃以下を特に注意する目安に挙げています。大阪府は氷点下から注意を呼びかけています。
- 47都市の直近5冬で、最低気温−4℃以下の日が1日でもあったのは26都市。最多は札幌の年61.2日、次いで盛岡41.8日、長野33.8日でした。
- 東京・大阪・福岡など21都市は5冬で一度も−4℃以下になっていません。ただし観測地点は市街地です。北側の日陰・風当たりの強い場所・郊外では、もっと冷えます。
- 防ぎ方の基本は保温材を巻く・水を少し出しておく・(寒冷地は)水抜きの3つ。凍ったらタオルをかぶせてぬるま湯、破裂したらまず止水栓を閉める。熱湯は破裂のもとです。
水道管は何度で凍る?目安は「−4℃」、氷点下から注意
水道管の凍結について、自治体の水道部局が出している目安ははっきりしています。千葉県営水道は「気温が−4℃以下になりますと、水道の水が凍ったり、水道管が破裂したりします」と案内しています(千葉県「水道管の凍結にご注意ください!」)。島根県も、特に注意が必要な場合として「最低気温がマイナス4℃以下になるとき」を挙げています(島根県「水道管の凍結に注意してください」)。
一方で大阪府は、気温が氷点下になると水が出なくなったり破裂したりする場合がある、と一段手前から注意を促しています(大阪府「水道管の凍結にご注意ください」)。むき出しの管や風の強い場所では、−4℃より高くても凍ることがあるからです。
つまり「氷点下の予報が出たら備え始め、−4℃以下の予報なら必ず対策」と覚えておくとわかりやすいでしょう。寝る前や旅行で長く水を使わないときは、管の中の水が動かないぶん凍りやすくなります(島根県)。
寒い地域では毎冬の「事故」
札幌市水道局のチラシ(2024年1月作成)によると、前の冬の札幌市内の水道凍結による修繕件数は年間約8千件。チラシは「修理に多くの費用がかかってしまいます」「階下に被害がおよび賠償問題に発展するケースも」と注意しています(札幌市水道局「水道凍結に注意」PDF)。
47都市で「−4℃以下の朝」は年に何日?直近5冬を数えた
気象庁の「過去の気象データ検索」から、47都道府県庁所在地の気象台などの日最低気温を、2021/22年から2025/26年までの5冬(各年11月〜3月)について1日ずつ取り出し、−4℃以下の日と氷点下(0℃未満)の日を数えました(例:札幌 2023年1月の日ごとの値)。
| 都市 | −4℃以下の日 (年平均) |
氷点下の日 (年平均) |
5冬でいちばん低かった朝 | −4℃以下になった時期 |
|---|---|---|---|---|
| 札幌(北海道) | 61.2日 | 105.2日 | −13.2℃(2023年1月30日) | 11月25日〜3月20日 |
| 盛岡(岩手) | 41.8日 | 102.8日 | −11.7℃(2026年1月21日) | 12月6日〜3月23日 |
| 長野(長野) | 33.8日 | 93.2日 | −11.6℃(2023年1月26日) | 12月6日〜3月22日 |
| 青森(青森) | 25.2日 | 86.2日 | −9.9℃(2023年1月25日) | 12月4日〜3月19日 |
| 山形(山形) | 19日 | 84.4日 | −8.4℃(2023年1月25日) | 12月25日〜3月23日 |
| 甲府(山梨) | 13日 | 60.4日 | −8.6℃(2023年1月26日) | 12月19日〜2月25日 |
| 秋田(秋田) | 10.8日 | 64.2日 | −8.6℃(2023年1月24日) | 12月18日〜2月24日 |
| 宇都宮(栃木) | 10.2日 | 65.8日 | −7.5℃(2023年1月26日) | 12月19日〜2月25日 |
| 水戸(茨城) | 9.6日 | 59.2日 | −6.5℃(2026年1月31日) | 12月19日〜2月25日 |
| 福島(福島) | 4.6日 | 63日 | −6.9℃(2022年1月6日) | 12月26日〜2月24日 |
| 仙台(宮城) | 3.6日 | 53.4日 | −7.5℃(2023年1月25日) | 12月27日〜2月19日 |
気象庁「過去の気象データ検索」日ごとの値(日最低気温)から当サイトで集計。対象は2021年11月〜2026年3月の各冬11〜3月。年平均は5冬の合計÷5。「時期」は5冬のうち最も早く−4℃以下になった日と、最も遅く−4℃以下になった日。観測地点は各県庁所在地の気象台など(埼玉は熊谷、滋賀は彦根)。
年3日未満だった15都市(年平均):岡山1.6日・熊谷1.6日・山口1.4日・前橋1.4日・富山1日・熊本0.8日・新潟0.6日・金沢0.6日・福井0.4日・岐阜0.4日・彦根0.4日・広島0.4日・鳥取0.2日・京都0.2日・静岡0.2日。
5冬で一度も−4℃以下にならなかった21都市:千葉・東京・横浜・名古屋・津・大阪・神戸・奈良・和歌山・松江・徳島・高松・松山・高知・福岡・佐賀・長崎・大分・宮崎・鹿児島・那覇。このうち那覇以外の20都市では、5冬のうちに氷点下の朝がありました(東京は年9.4日、5冬の最低は−3.5℃(2022年1月7日))。
北と内陸は12月から、関東の内陸は年末年始から
−4℃以下になる時期を見ると、札幌は早い年で11月25日から。盛岡・青森・長野も早い年は12月上旬に始まります。甲府は5冬中4冬が12月19〜27日に始まり、宇都宮・水戸は早い年で12月19日、5冬中3冬は1月に入ってからでした。北日本では11月中、関東の内陸でも12月中旬までに保温材の準備を済ませておくと安心です。
西日本でも「10年に1度の寒波」で−4℃以下に
見落とせないのが、ふだん暖かい地域の“まれな一日”です。5冬の最低気温を記録した日が2023年1月24〜26日だった都市は47都市中29都市にのぼりました。このとき岡山・広島・山口・熊本・京都・静岡・鳥取なども−4℃以下に下がっています。「うちの地域は凍らない」と思い込まず、強い寒波の予報が出たら対策をしましょう。
観測地点より、あなたの家の北側は寒い
気象台の観測点は多くが市街地にあり、郊外や山沿い、川沿いの低い土地よりも気温が下がりにくい場所です。さらに水道管が凍るかどうかは、日陰か・風が当たるか・管がむき出しかで大きく変わります。表の0日は「凍らない」という意味ではありません。
凍結しやすい場所はここ|家の外の4か所
千葉県営水道と大阪府はそろって、むき出しになっている水道管・北向きの日陰にある管・風当たりの強い屋外の管が凍結しやすいと案内しています。一般的な戸建て住宅に当てはめると、次の4か所です。

- 屋外の蛇口(散水栓・立水栓):外壁から出ている蛇口と、地面から立ち上がる管。むき出しで、いちばん凍りやすい場所です。
- 給湯器の下の配管:給湯器の本体には凍結予防の機能があっても、下に出ている給水・給湯の管はむき出しのことが多く、凍ると「お湯が出ない」原因になります。
- 水道メーターボックスの中:メーターの前後の管と止水栓。ふたの割れや土が少ないボックスは冷えやすくなります。
- 外壁に沿って2階へ上がる露出管:建物の北側や角に通っている管は、日が当たらず風を受けるため要注意です。
集合住宅でも油断はできません。札幌市水道局のチラシは、部屋の中がどんなに暖かくても、車庫など外気温と変わらない場所に管や水抜き栓があれば凍結対策が必要だとし、空き室の管やシャッターの閉め忘れも凍結の原因に挙げています。
水道管の凍結を防ぐ3つの方法
1. 保温材を巻く(いちばん基本)

- 保温材を用意する:ホームセンターで売っている筒状の保温チューブ(縦に切れ目が入ったもの)と、ビニールテープ。手近なものなら布・タオル・フェルトでも代用できます(千葉県営水道)。
- 管にはめ込む:切れ目を開いて管にかぶせ、地面の近くから蛇口の根元まですき間なく覆います。曲がり角は保温材を斜めに切って合わせます。
- テープを下から上へ、半分ずつ重ねて巻く:上から下へ巻くと重なり目に雨水が入りやすくなります。
- 蛇口の部分は布を巻いてビニールで覆う:千葉県営水道は、布などを巻いた上からビニールなどを巻いて保温するよう案内しています。布が濡れると、かえって冷えるもとになります。
保温材は日光や雨で数年すると傷みます。ひび割れ・はがれ・テープの浮きがないか、毎年冬の前に一度見ておきましょう。自分で巻くのが難しい場合は、指定給水装置工事事業者(有料)に頼むこともできます(千葉県営水道)。
2. 寒い夜は蛇口から水を少し出しておく

大阪府は「蛇口から水を少し出しておくと凍結しにくくなります」とし、たまった水は洗濯などに使うよう添えています(大阪府)。管の中の水が動いていれば凍りにくくなるためです。−4℃以下の予報が出た夜や、寝る前・長く家を空ける前に有効です。
出す量は、途切れずに細い線になる程度で十分です。ポタポタとしずくを垂らす程度だと、途中で止まって凍ることがあります。水道料金がかかるので、バケツや浴槽にためて翌日使うと無駄がありません。
3. 寒冷地は「水抜き」がいちばん確実
北海道や東北の内陸など、毎冬−4℃以下が何十日もある地域の住宅には、管の水を抜く水抜き栓が付いています。札幌市水道局は「凍結対策には水抜きが最も効果的です」としています。注意点は2つで、水抜き栓を操作するだけでなく蛇口も開けないと水が抜けきらないこと、そして水を抜いた後に蛇口を閉め忘れると、次に水抜き栓を開けたとき水が出っぱなしになることです(札幌市水道局)。島根県も、排水できる管はあらかじめ水を抜いておくよう案内しています。
給湯器は「電源プラグを抜かない」
ガス給湯器の多くは、気温が下がると自動で働く凍結予防の機能(ヒーターや、追いだき配管に水を回す運転)を持っています。電気が来ていないと働かないため、冬は電源プラグを抜かないのが基本です。追いだき機能付きは、浴槽の残り湯を循環口より上まで残しておくと配管の凍結予防が働きます。ただし、この機能が守るのは給湯器本体と追いだき配管で、給湯器につながる水道管までは守れません。下の管には保温材を巻いておきましょう。細かな手順は機種ごとに違うので、取扱説明書で確認してください。
凍って水が出ないときの直し方|熱湯は絶対にNG

- 蛇口は閉めておく:解けたときに水が出っぱなしにならないようにします。
- 凍った部分にタオルや布をかぶせる:蛇口や露出した管の、いちばん冷えていそうな所から。
- その上から「ぬるま湯」をゆっくりかける:千葉県営水道・大阪府・島根県とも同じ方法を案内しています。
- 水が出たら、少しずつ流して様子を見る:漏れていないか、管や継ぎ目をよく見ます。急がない場合は、自然に解けるのを待つ方法もあります(大阪府・島根県)。
熱湯はかえって壊す
千葉県営水道は「急に熱湯をかけると、水道管蛇口が破裂することがありますので特に注意してください」、大阪府も「熱湯をかけると水道管が破裂する恐れがありますので、絶対にしないでください」としています。直火で温めるのも火災のもとなのでやめましょう。ドライヤーの温風を当てる場合も、近づけすぎず、電源コードが濡れないようにしましょう。
屋外の管ではなく地中や壁の中の管が凍っている場合や、何をしても水が出ない場合は、無理をせず水道局や指定給水装置工事事業者に相談します。
水道管が破裂したら|まず止水栓を閉める

- 止水栓(元栓)を閉める:戸建てなら地面の水道メーターボックスの中、メーターの手前にあるハンドルを右(時計回り)に回して閉めます。集合住宅は玄関横のパイプスペースにあることが多いです。
- 破れた所に布やテープをしっかり巻く:千葉県営水道が案内する応急手当てです。
- 修理を頼む:お住まいの水道局が指定する指定給水装置工事事業者へ。修理は有料です(千葉県・大阪府・島根県)。業者がわからなければ水道局に問い合わせます。
- 集合住宅なら管理会社・大家さんにも連絡:下の階へ水が漏れると、札幌市水道局のチラシが注意する「賠償問題」になりかねません。
凍結の季節が来る前に、止水栓の場所と回し方を家族で一度確かめておくのがおすすめです。ボックスのふたが固い、ハンドルがさびて回らない、といったことは、いざというときに初めて気づくものです。
水道管の凍結についてよくある質問
Q. 水道管は何度で凍結しますか?
A. 千葉県営水道は気温が−4℃以下になると凍結や破裂が起きると案内し、島根県も最低気温−4℃以下を特に注意する目安にしています。ただし大阪府は氷点下から注意を呼びかけており、むき出しの管や風の強い場所ではそれより高い気温でも凍ることがあります。
Q. 東京や大阪でも水道管は凍りますか?
A. 気象台の観測では、直近5冬で東京・大阪が−4℃以下になった日はありませんでしたが、氷点下の朝は毎冬あります。郊外や北側の日陰、むき出しの管は観測地点より冷えるため、強い寒波の予報が出たら保温や水を少し出す対策をしておくと安心です。
Q. 凍結防止に水を出しっぱなしにするとき、量はどのくらい?
A. 途切れずに細い線になる程度で十分です。しずくがポタポタ落ちる程度だと途中で止まって凍ることがあります。大阪府はたまった水を洗濯などに使うよう案内しています。
Q. 凍った水道管に熱湯をかけてもいいですか?
A. いけません。千葉県営水道・大阪府はいずれも、熱湯をかけると水道管や蛇口が破裂するおそれがあると注意しています。タオルをかぶせて上からぬるま湯をゆっくりかけるか、自然に解けるのを待ちます。
Q. 水道管が破裂したら、修理はどこに頼めばいいですか?
A. まず止水栓を閉めて水を止め、破れた所に布やテープを巻いて応急手当てをします。修理はお住まいの水道局が指定する「指定給水装置工事事業者」に依頼します(有料)。わからなければ水道局に問い合わせてください。
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出典・参考
- 気象庁「過去の気象データ検索」日ごとの値(47都道府県庁所在地の気象台など、2021年11月〜2026年3月の各冬11〜3月の日最低気温を当サイトで集計)
- 千葉県「水道管の凍結にご注意ください!」(千葉県営水道、2026年1月30日更新)
- 大阪府「水道管の凍結にご注意ください」(2025年3月27日更新)
- 島根県「水道管の凍結に注意してください」(薬事衛生課)
- 札幌市水道局「水道凍結に注意」(チラシPDF、2024年1月作成)
- イラスト:すべてChatGPT(OpenAI)の画像生成で作成した説明用のイメージです。実際の器具の形や止水栓の位置はお住まいによって異なります。


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