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メキシコペソ円はなぜ暴落?10%下落の過去20回から今後を検証
メキシコペソ円が10月15日に今年初めて8.50円を割り込み、9月1日の高値から一時10%を超える下落になりました。スワップ目当てで持っている人が多い通貨だけに、「暴落はどこまで続くのか」が気になるところです。この記事では、下げた理由を一次資料で確かめたうえで、1995年以降に「10%下落」が起きた20回のその後と、話題の週足デッドクロスの成績を、FRBの為替データから自分で集計しました。
この記事の結論
- メキシコペソ円は9月1日の9.442円前後から10月15日に一時8.479円前後まで10.2%下落し、19日昼も8.535円前後です。9月1日から10月9日の下げを分解すると、88%は円高ではなく「ペソ安ドル高」によるものでした。
- 主な理由は①FRBの利上げで米国との金利差が縮んだこと、②メキシコ銀行の議事要旨で5人中3人が利下げの可能性に触れていたこと、③投機筋のペソ買いが4週で約9割減ったことです。
- 1995年以降、ペソ円が直近6か月の高値から10%下がった局面は20回ありました。そのうち12回は1年以内に高値から−20%以上まで下げが広がり、高値を1年以内に取り戻せたのは5回だけです。ただし1か月後に下がっていたのは10回で、ちょうど半分でした。
- 週足の「ミニデッドクロス」(13週線が26週線を下抜け)は過去36回、13週後に下がっていたのは16回で、売りサインとしての成績は良くありません。52週線とのデッドクロスは19回中13回で1年後に下落していましたが、下落幅の中央値は1.4%と小さめです。
- 今の高値からの下げ(1万通貨あたり約9,020円)をスワップ(SBIのつみたて外貨で1日13円)で取り戻すには約694日かかります。次の分岐点は10月22日のメキシコ物価統計と11月5日のメキシコ銀行の会合です。
メキシコペソ円はなぜ暴落した?3つの理由
まず、ペソ円の下げが「ペソが弱くなった」からなのか、「円が強くなった」からなのかを分けてみます。FRBが公表している為替レート(H.10、ニューヨーク正午の値)で、9月1日から10月9日までを比べると、ペソ円は9.437円から8.606円へ8.8%下がりました。この間、ドル円は160.03円から158.34円と1.1%の円高にとどまる一方、1ドルあたりのペソは16.96ペソから18.40ペソへ8.5%のペソ安でした。下げの88%はペソ安ドル高によるもので、円高はわずかです。つまり、今回の主役は円ではなくペソです。
理由1:FRBの利上げで米国との金利差が縮んだ
FRB(米連邦準備制度理事会)は9月の会合で、3年ぶりに政策金利を0.25ポイント引き上げました。メキシコ銀行の議事要旨にも「FRBは0.25ポイント利上げし、年内にもう一度同じ幅の利上げを見込んでいる」と記録されています。ドルの金利が上がると、高金利のペソをわざわざ持つ魅力が薄れます。FRBの9月の決定はFRBが3年ぶり利上げ|日米金利差3.0%と9月18日の日銀会合で、10月14日の米国の物価統計は米CPIでドル円はどう動く?で解説しています。
理由2:メキシコ銀行の議事要旨で「5人中3人が利下げに言及」
決定打になったのは、メキシコ銀行(Banco de México、通称バンシコ)が10月8日に公表した9月24日の会合の議事要旨です。9月の会合は政策金利6.50%の据え置きを全員一致で決めましたが、声明からは「金利を今の水準に保つ」という表現が消えていました。議事要旨の原文(スペイン語)を読むと、5人の委員の発言は次のとおりです(筆者が要約。議事要旨では委員の名前は伏せられています)。
| 委員 | 発言の要旨 |
|---|---|
| 1人目 | 物価の下落が続けば、今後の会合で一度だけの利下げ(disminución puntual)を検討できる |
| 2人目 | 物価の上振れリスクがあり、慎重に据え置くべき |
| 3人目 | 条件が整えば、利下げの可能性を検討しうる(物価の改善と市場の安定が条件) |
| 4人目 | 今の金融政策の姿勢を長く保つべき。物価が目標に近づかなければ、FRBの利上げに合わせる議論が必要になるかもしれない |
| 5人目 | 小幅な利下げ(ajuste fino a la baja)の是非を議論する材料がある。ただし決定を前もって約束するものではない |
利下げに触れた委員が3人いた一方で、逆に「FRBに合わせた利上げ」の議論を持ち出した委員も1人います。議事要旨の結論部分は「メキシコと米国の経済状況は違うので、FRBの金利調整に機械的に反応する必要はない」です。市場は「メキシコだけが利下げに向かい、米国との金利差がさらに縮む」方向に受け取り、ペソは議事要旨の公表から翌日にかけて大きく売られました。
メキシコの物価は、INEGI(国立統計地理情報院)の発表で9月の総合が前年比3.45%(8月3.26%)と少し上がった一方、変動の大きい品目を除くコアは3.75%(8月3.88%)に下がりました。メキシコ銀行の目標は3%で、コアの鈍化は利下げを後押しする材料になります。
理由3:投機筋のペソ買いが4週で約9割減った
米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週公表している建玉(シカゴのメキシコペソ先物、投機筋=非商業部門)を見ると、ペソの買い越しは9月8日の94,732枚から、10月6日には10,701枚へ4週で約89%減りました(1枚=50万ペソ)。高金利のペソを買っていた投資家が、一斉に手じまいしたことがうかがえます。
| 時点(火曜) | 買い | 売り | 差し引き(買い越し) |
|---|---|---|---|
| 2026年9月1日 | 174,649枚 | 81,402枚 | 93,247枚 |
| 2026年9月8日 | 169,798枚 | 75,066枚 | 94,732枚 |
| 2026年9月15日 | 134,607枚 | 46,825枚 | 87,782枚 |
| 2026年9月22日 | 127,595枚 | 52,428枚 | 75,167枚 |
| 2026年9月29日 | 115,431枚 | 63,029枚 | 52,402枚 |
| 2026年10月6日 | 98,697枚 | 87,996枚 | 10,701枚 |
| 2026年10月13日 | 89,527枚 | 74,285枚 | 15,242枚 |
最新の10月13日時点では、売りの買い戻しが進んで買い越しは15,242枚とやや戻しました。投機筋の持ち高の偏りがどう変わると相場が動きやすいかは、円の例をIMMポジションの円買い越しが半減|投機筋は売りに戻る?40年で検証で検証しています。
メキシコペソ円の10%下落は過去に何回?1995年以降の20回を検証
外為どっとコムの神田卓也氏は10月19日のレポートで、10%に及ぶ下げで「弱気トレンドに入りつつある」と判断せざるを得ないと書いています。では、過去に同じくらい下げたとき、ペソ円はその後どうなったのでしょうか。
集計のしかた
FRBの為替レート(H.10)から、1993年11月以降のペソ円を毎営業日計算しました(ニューヨーク正午の値=円/ドル÷ペソ/ドル)。直近6か月(126営業日)の最高値から10%以上下がった最初の日を「10%下落の日」とし、その後に高値を更新するまでは次を数えません。メキシコが変動相場制に移った1994年12月より後の20回が対象です。今回は、正午レートで8.49円を下回るとこの条件に当てはまります(10月16日の終値は8.518円で、高値からは約9.7%安)。
| 10%下落の日 | 直前の高値 | 1か月後 | 1年内の最大下落 | 高値の回復 |
|---|---|---|---|---|
| 1995年10月10日テキーラ危機後の再急落 | 16.54円 | −10.3% | −24.3% | 1998年1月(27か月後) |
| 1997年5月20日 | 16.08円 | 0.0% | −13.1% | 1997年12月(7か月後) |
| 1998年1月28日アジア通貨危機 | 16.66円 | −1.1% | −35.8% | 未回復 |
| 1998年8月27日ロシア危機 | 16.27円 | −5.9% | −34.2% | 未回復 |
| 1999年8月5日 | 13.37円 | −1.9% | −21.7% | 2001年4月(20か月後) |
| 2001年9月14日米同時多発テロ | 13.89円 | +6.1% | −15.8% | 2001年12月(3か月後) |
| 2002年5月17日 | 14.82円 | −2.8% | −29.6% | 未回復 |
| 2006年4月24日 | 11.60円 | −4.1% | −15.2% | 未回復 |
| 2007年8月16日サブプライム危機 | 11.49円 | +2.6% | −21.8% | 未回復 |
| 2008年9月15日リーマン・ショック | 10.99円 | −19.2% | −44.4% | 未回復 |
| 2010年5月20日欧州債務危機 | 7.74円 | +6.6% | −17.5% | 2013年3月(34か月後) |
| 2011年8月3日米国債の格下げ | 7.24円 | −3.5% | −24.8% | 2013年2月(18か月後) |
| 2012年5月9日ギリシャ危機の再燃 | 6.61円 | −4.0% | −17.6% | 2012年12月(7か月後) |
| 2013年6月11日FRBの量的緩和縮小観測 | 8.41円 | +2.2% | −13.6% | 2014年11月(17か月後) |
| 2015年3月10日原油安・米利上げ観測 | 8.68円 | +3.5% | −32.9% | 2023年8月(102か月後) |
| 2017年12月26日 | 6.42円 | +2.1% | −16.7% | 2022年5月(52か月後) |
| 2019年8月7日米中貿易摩擦 | 5.97円 | +1.8% | −27.9% | 2020年2月(6か月後) |
| 2020年3月5日コロナ・ショック | 5.98円 | −18.2% | −28.0% | 2022年3月(25か月後) |
| 2022年12月20日日銀の長期金利上限引き上げ | 7.54円 | +4.8% | −12.1% | 2023年3月(2か月後) |
| 2024年6月12日メキシコ総選挙後 | 9.43円 | +6.8% | −26.5% | 2026年9月(27か月後) |
「1か月後」は10%下落の日から21営業日後の変化率、「1年内の最大下落」は直前の高値から1年以内(252営業日)の最安値までの下落率です。背景は主な出来事の目安で、空欄は特定の出来事と結びつけにくい回です。
表から分かることは3つです。1つ目は、10%で止まらないことが多い点です。20回中17回は高値から−15%以上、12回は−20%以上まで下げが広がり、1年以内の最大下落の中央値は約−23%でした。2000年以降に絞っても15回中8回が−20%を超えています。
2つ目は、元の高値に戻るまでが長い点です。1年以内に高値を取り戻せたのは5回だけで、戻った回でも中央値は約19か月かかっています。1990年代や2000年代の高値(10円以上)のように、6回は今も戻っていません。
1か月後は五分五分、1年後は6割で下落
3つ目は、目先の方向は読めない点です。10%下落の1か月後に、さらに下がっていたのは20回中10回で、ちょうど半分でした。6か月後・1年後に下落の日より安かったのはいずれも12回(6割)です。「10%下がったから明日も下がる」とは言えませんが、時間をかけて見ると下げが続いた回のほうが多い、という結果です。
前回(2024年6月)は高値を取り戻すまで2年2か月
今回の状況にいちばん近いのは、表の最後の2024年6月です。このときは5月20日に9.43円の高値を付けた後、6月2日のメキシコ総選挙後に与党の圧勝で制度改革への懸念が広がり、6月12日に10%下落の条件に当てはまりました。その後、8月には世界的な円キャリートレードの巻き戻しも重なり、1年以内に約6.93円(高値から−26.5%)まで下げています。そして、その高値をFRBのデータで再び上回ったのが2026年9月1日、つまり今回の天井の日でした。高値を取り戻すまでに2年2か月かかり、取り戻した直後にまた10%近く下げたことになります。円キャリートレードの巻き戻しの仕組みは円キャリートレードとは?巻き戻しの怖さを過去3局面のデータで検証で詳しく扱っています。
週足デッドクロスは売りサイン?過去の成績を検証
神田氏のレポートでは、ペソ円の週足チャートで13週移動平均線が26週線を下抜ける「ミニ」デッドクロスがすでに出ており、52週線を下抜けるデッドクロスも完成間近だと指摘しています。移動平均線は、過去○週間の終値の平均をつないだ線です。短い期間の線が長い期間の線を下抜けると、下落の勢いが強まった目安とされます。
| 時点 | 13週線 | 26週線 | 52週線 |
|---|---|---|---|
| 2026年10月16日の週(終値8.518円) | 9.078円 | 9.136円 | 8.960円 |
FRBのデータで週足(各週の最後の営業日の値)を作ると、13週線(9.08円)はすでに26週線(9.14円)を下回っており、ミニデッドクロスは10月2日の週に成立していました。52週線(8.96円)とはまだ約0.12円の差があります。ただ、このあとペソ円が8.5円前後で横ばいでも10月30日の週に、9.0円まで戻しても11月13日の週には、計算上デッドクロスが成立します。平均線は過去の値の平均なので、今からの値動きではほとんど止められないということです。
過去のデッドクロスの「その後」
1995年以降、ミニデッドクロスは36回ありました(今回を除く)。13週後に下がっていたのは16回(44%)、26週後も16回で、半分にも届きません。ミニデッドクロスだけを理由に「売りサイン」と考えるのは、過去の成績からは難しそうです。
13週線と52週線のデッドクロスは19回で、13週後に下がっていたのは10回とほぼ半々でしたが、52週後には13回(68%)が下落していました。ただし変化の中央値は−1.4%と小さく、2012年のように1年で+31.5%上がった回もあります。直近8回は次のとおりです。
| デッドクロスの週 | 13週後 | 26週後 | 52週後 |
|---|---|---|---|
| 2012年6月15日 | +8.7% | +15.7% | +31.5% |
| 2014年3月28日 | −0.8% | +3.4% | −0.1% |
| 2015年3月20日 | +0.1% | −9.5% | −19.4% |
| 2017年12月29日 | +1.9% | −1.8% | −2.2% |
| 2018年12月14日 | +4.0% | +1.5% | +2.6% |
| 2019年6月21日 | −1.5% | +2.6% | −16.1% |
| 2020年3月20日 | +2.1% | +7.6% | +14.6% |
| 2024年8月16日 | −4.5% | −5.8% | −1.4% |
デッドクロスは「遅れて出る」サイン
移動平均線は過去の平均なので、デッドクロスはすでに大きく下げた後に出ます。今回も、高値から10%近く下げた後にようやく成立する見込みです。過去の成績は「1年単位では弱気が続きやすい」程度の手がかりで、売買のタイミングを決める道具としては精度が高くありません。
暴落をスワップで取り戻すには何日かかる?約694日
メキシコペソ円は、スワップ(2つの通貨の金利差から毎日受け取れる額)を目当てに買っている人が多い通貨です。今回の下げをスワップで取り戻すには、どのくらいかかるのでしょうか。
9月1日の高値(FRBの正午レートで9.437円)で1万通貨を買った場合、10月19日15時台の8.535円では9,020円の含み損です。SBI FXトレードの「つみたて外貨」のメキシコペソ円のスワップは、10月16日付与分が1万通貨あたり1日13円でした。この水準が続くとしても、含み損を埋めるには約694日(1年11か月ほど)かかります。1か月半の下げが、スワップの約2年分に当たるということです。
しかも、メキシコ銀行が利下げを再開したり、日銀が10月29〜30日の会合で利上げしたりすれば、金利差が縮んでスワップはさらに減ります。スワップの水準が2年あまりで半分になった経緯と、始めた月別の損益分岐ラインはメキシコペソ円は今後どうなる?スワップ半減と損益分岐ラインを実測で、スワップそのものの仕組みはスワップポイントとは?仕組み・計算方法・2026年の注意点を解説で解説しています。
メキシコペソ円の今後は?10月22日と11月5日が分岐点
年内の主な日程をまとめました(メキシコ銀行の日程は同行が公表した2026年の予定表、INEGIの日程は物価統計の公表資料に記載の次回予定で確認しています)。
- 10月22日メキシコ 10月前半の消費者物価(INEGI)コアの鈍化が続けば、11月の利下げ観測が強まりやすくなります。
- 10月29日米FOMCの結果発表(日本時間 午前3時)10月27〜28日の会合。追加利上げがあれば、米国とメキシコの金利差はさらに縮みます。
- 10月30日日銀 金融政策決定会合(2日目)10月29〜30日。日銀が利上げすれば、日本とメキシコの金利差が縮み、ペソ円のスワップは減ります。
- 10月30日週足デッドクロスの成立見込み8.5円前後で推移した場合の計算です(この記事の集計)。
- 11月5日メキシコ銀行 政策金利の発表メキシコ市の13時(日本時間6日の午前4時)。4会合ぶりの利下げか、据え置きかが焦点です。
- 11月9日メキシコ 10月の消費者物価(INEGI)
- 11月19日メキシコ銀行 11月会合の議事要旨
- 12月17日メキシコ銀行 年内最後の政策金利の発表日本時間18日の午前4時。
考えられる3つのシナリオ
①下げが続く(メキシコの利下げ観測が強まる) 10月22日の物価でコアの鈍化が続き、11月5日に利下げが再開されれば、米国との金利差はさらに縮みます。FRBが10月にも利上げすれば、両方から差が縮む形です。外為どっとコムは、8.54円を割り込むと8.45円(2025年安値から今年の高値までの上昇幅の38.2%押し)が意識されるとしています。過去20回の多くがたどった「−20%」は、今回なら7.5円前後に当たります。
②下げ止まって横ばい(据え置きが続く) 議事要旨で利上げ追随に触れた委員がいたように、メキシコ銀行の中にも慎重論があります。行き過ぎたペソ安は物価を押し上げるため、利下げを見送る理由にもなります。11月5日が据え置きなら、ペソの売り材料は一服しやすくなります。
③反発する(売りの買い戻し) CFTCの建玉では、ペソの売りが9月中旬から10月初めにかけて大きく増えました。米国の物価が落ち着いてFRBの追加利上げ観測が後退すれば、売っていた投資家の買い戻しで反発する可能性もあります。10月13日時点で売りがやや減ったのは、その兆しとも読めます。
どのシナリオになるかは分かりません。過去の集計から言えるのは、10%下落の後は「1か月後」は五分五分でも、「1年後」は下げが続いた回が多かったということです。10月のFOMCと日銀会合の見通しはFOMCと日銀の10月会合はどうなる?利上げ確率・日程・連続利上げにまとめています。
メキシコペソ円を持っている人・これから買う人の注意点
1. レバレッジが高いと、スワップを受け取る前にロスカットされる
今回は1か月半で約10%下げました。実効レバレッジ(口座の資金に対する取引額の倍率)が10倍なら、資金のほぼ全部が消える下げです。過去20回の多くのように高値から−20%まで下げると、5倍でも資金がほぼなくなります。証拠金維持率の目安はFXの証拠金維持率の目安は何%?国内25倍前提の安全圏を解説を参考にしてください。
2. 「下がったから買い増し」は資金に余裕があるときだけ
過去の10%下落では、1か月後に戻った回と下げ続けた回が半々でした。買い増しをすると平均の買値は下がりますが、その分だけ必要な証拠金も増え、さらに下げたときの損も大きくなります。下げが−20%まで広がった場合でも耐えられるかを、先に計算しておくことが大切です。
3. スワップは毎日変わる
スワップは決まった利息ではなく、金利差や会社の設定で毎日変わります。メキシコの利下げや日銀の利上げがあれば減ります。今の年利換算5〜6%が将来も続くとは考えないほうが安全です。積立方式でも高値圏で買った分は損が出ることは、積立FXは失敗する?SBIつみたて外貨を10通貨・81通りで検証で確かめています。
メキシコペソ円の暴落についてよくある質問
Q. メキシコペソ円はなぜ下落しているのですか?
A. 主な理由は、FRBの利上げで米国との金利差が縮んだことと、メキシコ銀行の9月会合の議事要旨(10月8日公表)で5人中3人の委員が利下げの可能性に触れていたことです。9月1日から10月9日の下げの88%は、円高ではなくペソ安ドル高によるものでした。
Q. メキシコペソ円は今いくらですか?
A. 2026年10月19日15時台(日本時間)で8.535円前後です(Yahoo Finance)。10月15日には今年初めて8.50円を割り込み、一時8.479円前後(外為どっとコム)まで下げました。9月1日の高値は9.442円前後です。
Q. 過去にペソ円が10%下がったときは、その後どうなりましたか?
A. 1995年以降の20回では、12回が1年以内に高値から−20%以上まで下げを広げ、1年以内に元の高値に戻れたのは5回でした。一方、1か月後にさらに下がっていたのは10回で、目先の方向は五分五分です。
Q. 週足のデッドクロスは売りサインですか?
A. 過去の成績から見ると、強いサインとは言えません。13週線と26週線のミニデッドクロスは、13週後に下落していたのが36回中16回でした。13週線と52週線のデッドクロスは52週後に19回中13回が下落していましたが、変化の中央値は−1.4%です。
Q. メキシコの政策金利はいつ発表されますか?
A. 次回は2026年11月5日(木)のメキシコ市13時、日本時間では6日の午前4時です。年内最後は12月17日です。政策金利は現在6.50%で、5月の利下げ以降は据え置きが続いています。
Q. 今回の下げをスワップで取り戻すには何日かかりますか?
A. 9月1日の高値で1万通貨買った場合の含み損は約9,020円です。SBI FXトレードのつみたて外貨のスワップ(1日13円)が続くとして、約694日かかります。利下げなどでスワップが減れば、さらに長くなります。
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出典・参考資料
- Board of Governors of the Federal Reserve System:H.10 Historical Rates for the Mexican Peso/Japanese Yen(1993年11月〜2026年10月9日)
- Banco de México:Minuta número 127(2026年9月24日の決定に関する議事要旨、10月8日公表)/Calendario 2026(政策決定の日程)
- INEGI:Índice Nacional de Precios al Consumidor(2026年9月、10月8日公表)/9月前半(9月24日公表、次回の半月分=10月22日を記載)
- U.S. Commodity Futures Trading Commission:Commitments of Traders(CME、Futures Only)/過去データ
- SBI FXトレード:つみたて外貨 スワップカレンダー(2026年10月19日取得)
- Yahoo Finance:チャートAPI MXNJPY=X(1時間足)(2026年10月19日取得)/Yahoo!ファイナンス:メキシコペソ/円
- 外為どっとコム マネ育チャンネル:メキシコペソ/円見通し「10%の下落で弱気トレンド入りも…週足デッドクロスが間近」(10月19日)/メキシコペソ/円見通し(10月14日)/中銀議事録の発表後に急落(10月13日)
為替レートはFRB H.10のニューヨーク正午の買いレートから、円/ドル÷ペソ/ドルでペソ円を計算しました。10%下落の判定と週足の移動平均はこの値を使い、10月16日の週のみYahoo Financeのニューヨーク終値(8.518円)を足しています。直近の高値・安値はデータ元によって数銭ずれます。議事要旨の発言は原文(スペイン語)を筆者が要約したもので、委員の順番は議事要旨の記載順です。スワップの日数計算は、1日13円が続いた場合の単純計算で、手数料・税金は含みません。この記事は情報提供を目的としたもので、特定の通貨や取引を勧めるものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。アイキャッチ背景:Scott Robinson「Pesos mexicanos.jpg」(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)をトリミング・明るさ調整・文字入れ。
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