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積立FXは失敗する?SBIつみたて外貨を10通貨・81通りで検証
SBI FXトレードの積立FX(現在の愛称は「つみたて外貨」)は、公式サイトで「毎月1万円・20年でスワップ約95万円」と試算していますが、この数字は為替の値動きを含んでいません。そこで、同社が公開しているつみたて外貨のスワップ実績(2019年1月からの日次)と実際の為替レートを使い、毎月1万円を積み立てた場合の損益を、開始月81通り×10通貨×レバレッジ別に計算しました。
この記事の結論
- 2019年1月〜2025年9月の毎月に積立を始めた81通り(メキシコペソは2023年9月〜の25通り)を、2026年9月25日の時点で比べると、レバレッジ1倍で元本割れしたのは10通貨のうちNZドル(4通り)・カナダドル(1通り)・トルコリラ(29通り)だけでした。米ドルは81通りすべてプラスで、中央値は+16.1%です。
- ただしこの7年は、米ドル/円が107.8円から158.8円へ+47%動いた円安の時期です。2004年以降の米ドルで「始めてから5年後」を数えると、1倍でも213通り中62通り(29%)が元本割れで、2004〜2007年に始めた48通りは全部マイナスでした。
- 積立FXの「失敗」は、ロスカットより先に積立が止まる形で来ます。必要証拠金は「購入平均価格×数量÷レバレッジ」で固定されるため、1倍でも含み損が入金の余りとスワップを上回ると証拠金維持率が100%を割り、定期購入が自動停止します。再開は手続きが必要です。
- トルコリラは2019年からの7年で84%下落しました。2019年1月から1倍で積み立てた場合、スワップは28.0万円受け取れましたが、為替の損が37.3万円で、残高は入金92.0万円に対して81.8万円です。2倍ではトルコリラが急落した2021年12月20日に9〜30通りがロスカットされ、入金の7割以上を失っています。
- ロスカットは証拠金維持率30%で、平均取得価格から1倍なら70%、2倍なら35%、3倍なら約23%下がると起きます(SBI公式の計算例と一致)。「1倍ならロスカットされない」わけではありません。
積立FX(つみたて外貨)とは?SBI FXトレードのルール
積立FXは、FX(外国為替証拠金取引)の仕組みで外貨を毎日・毎週・毎月、自動で買い付けるサービスです。SBI FXトレードでは現在「つみたて外貨」の名前で提供されていて、公式サイトにも「つみたて外貨」は「積立FX」の愛称であり、外貨預金ではないと注記されています。主なルールは次のとおりです。
| 項目 | つみたて外貨(SBI FXトレード)のルール |
|---|---|
| 取扱通貨 | 10通貨(すべて対円):米ドル・英ポンド・豪ドル・NZドル・カナダドル・メキシコペソ・南アフリカランド・トルコリラ・中国人民元・香港ドル |
| レバレッジ | 1倍・2倍・3倍から選択。ランド・トルコリラ・人民元・香港ドルは2倍まで |
| 定期購入 | 毎日(毎営業日)・毎週(水曜日)・毎月(26日)の午前9時55分に、売値と買値の中心の「仲値レート」で購入。最小1通貨から |
| コスト | 定期購入の買付コストは0円。売却時は米ドルで1通貨あたり2.5銭(ポンド・NZドル・カナダドル15銭、豪ドル10銭、トルコリラ7.5銭など) |
| スワップ | 「貯める」「再投資」「分配(1万円以上で自動出金)」から選択。通常のFX口座より一律5%、一部の人気通貨は最大20%増額 |
| 積立の停止 | 口座全体の証拠金維持率が100%を下回ると、定期購入の受付が一時停止。外貨購入の指値注文も取り消され、再開は取引画面での手続きが必要 |
| ロスカット | 証拠金維持率が30%を下回ると全ポジションを強制売却(原則60秒ごとに判定)。アラームは50%・35%で通知 |
※SBI FXトレード「つみたて外貨の取引ルール」「取引コスト」「スワップポイントを活用する」、FAQ「つみたて外貨のロスカットについて教えてください。」より(2026年9月28日時点)。
必要証拠金は「買ったときの価格」で固定される
通常のFXと大きく違うのが、保有中の必要証拠金の計算です。SBI証券の積立FX(外貨積立)の操作ガイドは、必要保証金を「購入平均価格×取引数量÷投資効率(レバレッジ)」と説明していて、SBI FXトレードの取引ルールも決済時の取引必要証拠金を同じ式で示しています。値下がりしても必要証拠金は減らないため、証拠金維持率は次のように動きます。
証拠金維持率=(入金額+スワップ+評価損益)÷(購入平均価格×数量÷レバレッジ)
この式から、ロスカットになる下落率はレバレッジごとに決まります。SBI FXトレードの「選べるレバレッジ」のページでも、1ドル=150円で買った場合のロスカット価格を1倍45円・2倍97.50円・3倍115円と例示していて、計算と一致します。
| レバレッジ | ロスカット(維持率30%割れ) | SBI公式の例(150円で購入) |
|---|---|---|
| 1倍 | 平均取得価格から70.0%下落 | 45.00円 |
| 2倍 | 平均取得価格から35.0%下落 | 97.50円 |
| 3倍 | 平均取得価格から23.3%下落 | 115.00円 |
積立が止まる100%のラインは、レバレッジに関係なく「含み損が、使っていない入金とスワップの合計を上回ったとき」です。入金した額がちょうど必要証拠金に使われている状態では、少しでも含み損が出ると100%を割る計算になります。レバレッジが高いほど同じ値下がりで含み損が大きくなるため、止まりやすくなります。レバレッジの基本はFXのレバレッジとは?で解説しています。
2019年以降の実データで検証:10通貨×81通りの結果
SBI FXトレードのスワップポイントカレンダー(つみたて外貨)が公開している2019年1月〜2026年9月の日次のスワップ実績(1万通貨あたり)と、Yahoo!ファイナンス(米国)の日次レートを使いました。毎月26日(休業日は翌営業日)に1万円を入金して「1万円×レバレッジ」分を購入し、スワップは「貯める」を選んだとして、2026年9月25日に全額売却した場合の残高を比べています。売却時のコスト(米ドル2.5銭など)は差し引き、購入時は0円です。証拠金維持率が100%未満の月は購入せず入金だけ残し、100%以上に戻った月からすぐ再開したと仮定しています(実際は再開の手続きが必要なので、これより止まる期間は長くなりえます)。中国人民元は米ドル/人民元(オンショア)と米ドル/円から計算した近似値、メキシコペソは取扱開始(2023年8月)後の25通りです。税金は含みません。
通貨別:毎月1万円を積み立てた損益(2026年9月25日時点)
| 通貨(開始月) | 1倍の損益(中央値) | 1倍の最悪〜最良 | 2倍・3倍の中央値 | 元本割れ(1倍/2倍/3倍) |
|---|---|---|---|---|
| 米ドル(2019年1月〜81通り) | +16.1% | +2.4%〜+38.3% | 2倍 +32%/3倍 +46% | 0/0/0 |
| 英ポンド(2019年1月〜81通り) | +20.5% | +0.8%〜+40.8% | 2倍 +41%/3倍 +62% | 0/0/0 |
| 豪ドル(2019年1月〜81通り) | +20.8% | +4.6%〜+37.0% | 2倍 +40%/3倍 +60% | 0/0/0 |
| NZドル(2019年1月〜81通り) | +7.8% | −1.3%〜+21.0% | 2倍 +16%/3倍 +23% | 4/4/4 |
| カナダドル(2019年1月〜81通り) | +9.2% | −0.5%〜+26.7% | 2倍 +17%/3倍 +26% | 1/1/1 |
| メキシコペソ(2023年9月〜25通り) | +15.1% | +2.6%〜+16.2% | 2倍 +29%/3倍 +41% | 0/0/0 |
| 南アフリカランド(2019年1月〜81通り) | +29.3% | +4.7%〜+44.6% | 2倍 +57% | 0/0 |
| トルコリラ(2019年1月〜81通り) | +4.1% | −11.1%〜+11.5% | 2倍 +7% | 29/32 |
| 香港ドル(2019年1月〜81通り) | +11.4% | +1.0%〜+31.1% | 2倍 +23% | 0/0 |
| 中国人民元(2019年1月〜81通り) | +15.5% | +4.0%〜+32.1% | 2倍 +31% | 0/0 |
米ドル・英ポンド・豪ドル・南アフリカランド・メキシコペソ・香港ドル・人民元は、どの月に始めても1倍でプラスでした。NZドルとカナダドルも元本割れは最大−1.3%とわずかです。一方でトルコリラは1倍で29通り(36%)、2倍で32通りが元本割れしました。レバレッジを上げると、円安だったこの期間は利益もそのまま2倍・3倍に近づいていますが、それは次の章で見るとおり、逆の局面では損も同じだけ大きくなるということです。
2019年1月に1倍で始めた場合の内訳
| 通貨 | 入金の合計 | スワップ | 為替の損益 | 売却した場合の残高 |
|---|---|---|---|---|
| 米ドル(2019年1月〜) | 92.0万円 | +13.3万円 | +22.0万円 | 127.3万円(+38.3%) |
| 英ポンド(2019年1月〜) | 92.0万円 | +12.9万円 | +24.6万円 | 129.5万円(+40.8%) |
| 豪ドル(2019年1月〜) | 92.0万円 | +10.7万円 | +23.4万円 | 126.1万円(+37.0%) |
| 南アフリカランド(2019年1月〜) | 92.0万円 | +19.8万円 | +21.1万円 | 132.6万円(+44.2%) |
| メキシコペソ(2023年9月〜) | 36.0万円 | +3.7万円 | +2.2万円 | 41.8万円(+16.1%) |
| トルコリラ(2019年1月〜) | 92.0万円 | +28.0万円 | −37.3万円 | 81.8万円(−11.1%) |
米ドルは、入金92.0万円に対してスワップが13.3万円、円安による為替の利益が22.0万円で、利益の6割強は為替から来ています。SBIの試算のように「スワップが主役」とはいえない結果でした。トルコリラは逆に、スワップは表の6通貨で最大の28.0万円でも、為替の損がそれを上回っています。
失敗パターン①トルコリラは「スワップで取り返せない」
トルコリラ/円は、2019年1月4日の19.67円から2026年9月25日の3.16円まで、84%下がりました。つみたて外貨のスワップは直近1年で1万通貨あたり10,764円、今のレートで割ると年利34%相当と10通貨で飛び抜けて高い水準ですが、それでも7年間の値下がりは埋まりませんでした。
1倍で元本割れした29通りは、2019年1月〜2021年5月に始めた人で、最悪は2019年1月開始の−11.1%です。2021年6月以降に始めた人は、すでに大きく下がった後の安い価格で買えたため、スワップの分だけプラスになっています。「トルコリラの積立が成功するかどうかは、始めた時期でほぼ決まった」といえます。
2倍では2021年12月20日にロスカット
トルコリラ/円は2021年11月から急落し、12月20日には日中に一時6.1円台まで下げました(翌21日は8円台に急反発)。2倍で積み立てていた場合、1日1回の朝のレートで判定しても2020年4月、2020年7月、2020年8月、2020年9月、2021年2月、2021年3月、2021年4月、2021年9月、2021年10月に始めた9通りがこの日にロスカットされ、入金の72〜79%を失った計算です。日中の安値で判定すると、ロスカットは12月17日・20日の2日間で30通り(37%)に増えます。2019年に始めた人が助かったのは、それまでに止まっていた月の入金が口座に残り、維持率を支えたためでした。
スワップの年利は、通貨の値下がりとセットで見る必要があります。金利が高い国はインフレ率も高く、通貨が長期的に下がりやすい傾向があるためです。
今のスワップ(つみたて外貨・直近1年の実績)
| 通貨 | 1万通貨あたり(2025/9/27〜2026/9/26) | 年利換算(1倍) | 2019年1月からの値動き |
|---|---|---|---|
| トルコリラ | 10,764円 | 34.03% | −83.9% |
| メキシコペソ | 5,963円 | 6.73% | (2023年8月取扱開始) |
| 南アフリカランド | 5,479円 | 5.67% | +28.4% |
| 英ポンド | 69,537円 | 3.31% | +54.1% |
| 米ドル | 51,793円 | 3.26% | +47.3% |
| 豪ドル | 36,164円 | 3.25% | +47.3% |
| NZドル | 15,563円 | 1.73% | +24.6% |
| 香港ドル | 2,891円 | 1.43% | +47.1% |
| カナダドル | 16,011円 | 1.43% | +40.4% |
| 中国人民元 | 846円 | 0.36% | +50.8% |
※SBI FXトレードのスワップポイントカレンダー(つみたて外貨)の日次実績を合計し、2026年9月25日のレートで割った値。スワップは金利情勢で変わり、マイナスになることもあります。スワップの仕組みはスワップポイントとは?を参照してください。
失敗パターン②維持率100%割れで「積立が止まる」
積立FXの広告では「円高のときは多く、円安のときは少なく買える(ドル・コスト平均法)」と説明されます。ところが実際のルールでは、相場が下がって証拠金維持率が100%を割ると定期購入が止まるため、いちばん安く買えるはずの局面で買付が止まります。SBI FXトレードの取引ルールは、100%を下回った場合に「定期購入に係る注文の受付を一時停止」し、再開は取引画面で手続きするよう定めています。
通貨・レバレッジ別:積立が止まった月があった開始月
| 通貨 | 1倍 | 2倍 | 3倍 |
|---|---|---|---|
| 米ドル | 0通り(0.0%) | 10通り(0.2%) | 28通り(0.7%) |
| 英ポンド | 0通り(0.0%) | 4通り(0.1%) | 10通り(0.3%) |
| 豪ドル | 5通り(0.1%) | 29通り(0.7%) | 39通り(1.2%) |
| NZドル | 3通り(0.1%) | 13通り(0.4%) | 24通り(0.7%) |
| カナダドル | 0通り(0.0%) | 21通り(0.5%) | 33通り(0.9%) |
| メキシコペソ | 3通り(0.5%) | 8通り(1.8%) | 9通り(2.7%) |
| 南アフリカランド | 16通り(0.5%) | 38通り(1.4%) | — |
| トルコリラ | 51通り(9.9%) | 51通り(16.5%) | — |
| 香港ドル | 0通り(0.0%) | 17通り(0.4%) | — |
| 中国人民元 | 0通り(0.0%) | 18通り(0.4%) | — |
※81通り(メキシコペソは25通り)のうち、毎月26日の購入時点で維持率が100%を下回った月が1回以上あった開始月の数。かっこ内は、全体の購入予定月のうち止まった月の割合。
米ドルの1倍は2019年以降一度も止まっていませんが、3倍では28通りで止まった月がありました。トルコリラは1倍でも81通り中51通りで止まり、購入予定の9.9%の月が買えていません。2019年1月に1倍で始めた場合は、92回のうち17回が止まっています。
毎月の自動入金(SBI FXトレードNEOBANK・ドコモSMTBネット銀行からは手数料0円、1万円以上)を購入額より多めに設定して、使わない入金を口座に残しておくと、維持率100%割れまでの余裕ができます。維持率50%・35%のアラームだけでなく、定期購入が止まっていないかを月に1回は取引画面で確認するのが安全です。
失敗パターン③円高の前に始めると5年たっても元本割れ
2019年以降の検証では米ドルは全勝でしたが、これは米ドル/円が108円台から159円台へ上がった期間だからです。そこで、つみたて外貨のルールを2004年以降の米ドルに当てはめ、開始から5年後の損益を213通り(2004年1月〜2021年9月開始)で数えました。
2018年以前は、つみたて外貨のスワップ実績が公開されていないため、ニューヨーク連銀の実効FF金利から日銀の政策金利を引いた金利差で近似しました。2019年・2022〜2024年は、この近似値とつみたて外貨の実績が1.02〜1.09倍で一致しています(金利差がほぼない2020〜2021年は実績のほうが多め)。為替レートはYahoo!ファイナンス(米国)の日次レートです。
| レバレッジ | 5年後に元本割れ | 最悪の開始月 | 2007年6月開始(5年後) |
|---|---|---|---|
| 1倍 | 62通り(29%) | 2006年9月開始:−18.1% | −10.5%・8か月停止 |
| 2倍 | 65通り(31%) | 2006年9月開始:−32.7% | −19.8%・15か月停止 |
| 3倍 | 66通り(31%) | 2006年9月開始:−44.0% | −27.8%・20か月停止 |
1倍で5年後に元本割れしたのは、2004年1月〜2007年12月、2013年2月〜2013年3月、2014年6月〜2014年9月、2015年6月〜2016年1月に始めた場合でした。とくに2007年6月(1ドル=約124円)に始めた人は、2008年のリーマン・ショックから2011年10月の75円台までの円高で、5年後に1倍でも−10.5%、3倍では−27.8%です。この間は米国の利下げで金利差もほぼなくなり、5年間のスワップは1倍で2,645円しかありませんでした。
ロスカットは1倍〜3倍のどれでも起きませんでしたが(1日1回のレートで判定)、それは下がっている間は積立が止まり、入金だけが口座にたまったからです。2007年6月開始・3倍の場合、60か月のうち20か月は買えていません。なお、同じ人が2026年9月まで続けていれば、円安で1倍でも入金231.0万円が384.0万円になっています。積立FXの成否は、円高の局面を途中でやめずに越えられるかにかかっているといえます。
※2007年6月22日の米ドル/円は約124円、2011年10月31日は75.74円(Yahoo!ファイナンスの日次レート)。円高・円安の局面と金利の関係は円キャリートレードとは?でも検証しています。
SBIの公式シミュレーションとの違い
SBI FXトレードの「つみたて外貨」のページは、毎月1万円をレバレッジ1倍で20年間積み立てた場合、投資総額240万円に対してスワップ収入が約95万円(再投資なら約123万円)と試算しています。ただし注記のとおり為替変動による損益は加味しておらず、レートとスワップが20年間変わらない前提の計算です。
| 比べる点 | 公式の試算 | 実データ(この記事) |
|---|---|---|
| 為替の損益 | 含まない | 含む(米ドルは2019年以降+、トルコリラは大きく−) |
| スワップ | 直近の実績が20年続く前提 | 日次の実績。米ドルは2021年に1万通貨あたり年2,891円まで減り、2024年は79,946円 |
| 積立の停止 | 考慮なし | 維持率100%未満の月は購入しない |
| 売却コスト・税金 | 考慮なし | 売却コストは含む。税金は含まない |
米ドルのスワップは、つみたて外貨の実績で2019年に1万通貨あたり年26,232円、2021年は2,891円、2024年は79,946円と、金利差しだいで年によって27倍以上変わっています。20年間同じ額を受け取れる前提の試算は、目安のひとつとして見ておくのがよいでしょう。
※SBI FXトレード「つみたて外貨」トップページの試算より。スワップの年額はスワップポイントカレンダー(つみたて外貨)の日次実績を暦年で合計。
積立FXで失敗しないための4つのルール
- 通貨スワップの高さだけで選ばない7年間の検証で元本割れが集中したのは、年利換算のスワップが最も高いトルコリラでした。高金利通貨を入れるなら、米ドルなど値動きの落ち着いた通貨と組み合わせ、1通貨に集中させないほうが無難です。
- 倍率1倍〜2倍を基本に、3倍は下落率23%でロスカット3倍のロスカットは平均取得価格から約23%の下落です。米ドル/円でも2007〜2011年に約39%下げた局面があり、積立の途中でも起こりえます。
- 入金自動入金を購入額より多めにして「止まり」を防ぐ使わない入金が口座に残っていれば、維持率100%割れまでの余裕が増えます。止まったら取引画面で「再開」の手続きをしない限り、自動では買付に戻らない点に注意してください。
- 出口売る時期と税金を先に決めておく積立FXの利益は、通常のFXと同じく「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税(所得税15%・住民税5%に復興特別所得税を加えて20.315%)の対象です。円高の局面で売ると為替の損が確定するため、「何年続けるか」「いくら以上の円安で売るか」を始める前に決めておくと、慌てて売る失敗を避けられます。
税金の計算と申告のしかたはFXの税金はいくらから?にまとめています。外貨預金との違いが気になる場合は、外貨預金はなぜ元本割れする?もあわせて読むと、手数料と為替リスクの違いがわかります。
よくある質問
Q. 積立FXは失敗しますか?
A. 始めた時期と通貨で結果が分かれます。SBI FXトレードのつみたて外貨の実績で、2019年1月〜2025年9月に毎月1万円・1倍で始めた81通りを2026年9月25日時点で比べると、米ドルは全部プラスでしたが、トルコリラは29通りが元本割れしました。2004年以降の米ドルで開始から5年後を見ると、1倍でも213通り中62通り(29%)が元本割れで、円高の前に始めると数年単位でマイナスが続くことがあります。
Q. 積立FXはレバレッジ1倍でもロスカットされますか?
A. されることがあります。つみたて外貨の必要証拠金は「購入平均価格×数量÷レバレッジ」で固定され、証拠金維持率30%でロスカットになるため、1倍でも平均取得価格から約70%下がるとロスカットです。SBI FXトレードも、150円で買った米ドルの1倍のロスカット価格を45円と例示しています。2倍なら35%、3倍なら約23%の下落が目安です。
Q. 積立FXの定期購入が止まったのはなぜですか?
A. 口座全体の証拠金維持率が100%を下回ったためと考えられます。つみたて外貨では、維持率が100%を割ると定期購入の受付が一時停止し、外貨購入の指値注文も取り消されます。1倍でも、含み損が入金の余りとスワップを上回ると100%を割ります。再開するには、取引画面で「再開」の手続きが必要です。
Q. 積立FXのおすすめの通貨は?
A. 特定の通貨をすすめることはできませんが、2019年以降の実績では、1倍で元本割れがなかったのは米ドル・英ポンド・豪ドル・南アフリカランド・メキシコペソ・香港ドル・人民元でした。スワップの年利換算(直近1年)は、トルコリラが約34%、メキシコペソ約6.7%、ランド約5.7%、米ドル約3.3%ですが、スワップが高い通貨ほど値下がりのリスクも大きい点に注意が必要です。
Q. 積立FXと外貨預金の違いは?
A. つみたて外貨は外国為替証拠金取引で、外貨預金ではありません。定期購入の買付コストが0円(売却時は米ドルで1通貨2.5銭)と低く、スワップが原則毎日付与される一方、預金保険の対象ではなく、証拠金維持率によって積立の停止やロスカットがあります。利益は申告分離課税(20.315%)の対象です。
Q. 積立FXは何年続ければいいですか?
A. 決まった正解はありませんが、2004年以降の米ドルでは、5年後に元本割れした開始月が29%あった一方、2007年6月に始めた人も2026年まで続けていれば1倍で入金の約1.7倍になっていました。円高の局面を途中でやめずに越えられるかが結果を左右するため、生活資金とは分けて、長く続けられる金額とレバレッジで設定するのが基本です。
まとめ
SBI FXトレードの積立FX(つみたて外貨)を実データで検証すると、2019年以降に始めた人は、トルコリラを除いてほとんどがプラスでした。ただしその多くは円安による為替の利益で、スワップだけで積み上がったわけではありません。円高の前に始めた場合は、米ドル・1倍でも5年後に元本割れが29%ありました。
積立FXの失敗は、①高金利通貨の値下がり、②維持率100%割れによる積立の停止、③円高局面での長いマイナスの3つの形で起きています。通貨を分け、1〜2倍に抑え、入金に余裕を持たせて、止まっていないかを確認することが、積立を続けるための現実的な対策です。
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出典・参考資料
- SBI FXトレード:つみたて外貨/つみたて外貨の取引ルール/選べるレバレッジ/取引コスト/スワップポイントを活用する/自動購入でかんたん積立/スワップポイントカレンダー(つみたて外貨)
- SBI FXトレードFAQ:つみたて外貨のロスカットについて教えてください。
- SBI証券:積立FX(外貨積立)サービスとは(必要保証金・保証金不足時の取り扱い)
- ニューヨーク連邦準備銀行:Effective Federal Funds Rate
- 国税庁:No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係
本記事はSBI FXトレードの公開情報(2026年9月28日時点)と、編集部による過去のレート・スワップ実績の集計にもとづく解説で、特定の通貨や取引をすすめるものではありません。過去の結果は将来の成果を保証しません。検証は1日1回のレートで判定した目安で、実際の約定価格(午前9時55分の仲値)やロスカットのタイミングとは異なります。取引は契約締結前交付書面をよく読み、ご自身の判断で行ってください。
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