安青錦が巴戦を制して3度目の優勝——大関復帰も同時に決めた千秋楽
2026年7月26日、大相撲名古屋場所の千秋楽はまれに見るドラマとなりました。関脇・安青錦(あおにしき)が、大関・霧島、関脇・熱海富士との「三つどもえ」の優勝決定戦(巴戦)を2連勝で制し、12勝3敗で今年初場所以来3度目の優勝。さらに10勝以上の白星で、わずか1場所での大関復帰も決めました。珍しい巴戦のルールから、ウクライナ出身の安青錦の素顔、大関復帰の仕組みまでをわかりやすく解説します。
「安青錦が巴戦を制して優勝」——2026年名古屋場所の千秋楽は、近年でも屈指の劇的な結末になりました。単独トップで千秋楽を迎えた安青錦が本割で敗れて3人が12勝3敗で並び、優勝の行方は3人による優勝決定戦「巴戦(ともえせん)」に持ち込まれたのです。
巴戦はめったに見られない決着方式で、しかも安青錦にとっては大関復帰がかかった場所での優勝という特別な意味がありました。この記事では、①千秋楽に何が起きたのか、②巴戦のルール、③安青錦とはどんな力士なのか、④なぜ1場所で大関に戻れたのか、⑤今後の綱取りの行方——の順に整理します。
名古屋場所2026の結末——数字で見る千秋楽
大混戦の結末
(今年初場所以来)
連破して優勝
最短スピード
千秋楽の流れを時系列で追うと、この日のドラマ性がよくわかります。
- 千秋楽を単独トップで迎える——安青錦は14日目終了時点で12勝2敗の単独首位。1差で熱海富士と霧島が追う展開でした。
- 本割で熱海富士に敗れる——優勝に王手をかけた安青錦でしたが、千秋楽の本割で1差で追う熱海富士に敗戦。3人が12勝3敗で並びました。
- 3人による巴戦へ——相星の力士が3人となったため、優勝決定戦は珍しい「巴戦」方式に。まず熱海富士が霧島を下します。
- 安青錦が2連勝で優勝——続いて土俵に上がった安青錦が、本割で敗れた熱海富士に雪辱し、さらに霧島も破って2連勝。3度目の賜杯を抱きました。
巴戦(三つどもえの優勝決定戦)とは?ルールをわかりやすく解説
巴戦とは、千秋楽を終えて同じ星(相星)の力士が3人並んだ場合に行われる優勝決定戦です。トーナメントでもリーグ戦でもない、大相撲独特の方式で決着をつけます。
巴戦のルール——「2連勝」した力士が優勝
- 3人がくじ引きで対戦順を決めます。くじで「休み」を引いた1人は最初の取組を土俵下で待ちます。
- 残る2人がまず対戦し、勝った力士が続けて「休み」の力士と対戦します。
- そこでも勝てば2連勝で優勝。敗れた場合は、最初に負けた力士が再び土俵に上がり、誰かが2連勝するまで延々と続きます。
理論上は何番でも続く可能性があるルールで、体力の消耗と緊張感は通常の取組の比ではありません。今回の安青錦は、本割で熱海富士に敗れた直後にもかかわらず、熱海富士→霧島と連破してみせたことになります。
安青錦とはどんな力士?ウクライナ出身・22歳の若き実力者
優勝した安青錦新大(あおにしき・あらた)は、ウクライナ・ヴィーンヌィツャ出身の22歳。2022年、ロシアによる軍事侵攻の戦火を逃れて来日し、大相撲の世界に飛び込んだ経歴の持ち主です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 四股名 | 安青錦 新大(あおにしき・あらた) |
| 本名 | ダニーロ・ヤブグシシン |
| 出身 | ウクライナ・ヴィーンヌィツャ |
| 生年月日 | 2004年3月23日(22歳) |
| 所属 | 安治川部屋 |
| 体格 | 182cm・141kg |
| 幕内優勝 | 3回(2026年名古屋場所時点) |
戦火を逃れて来日、異例のスピード出世
安青錦は2019年、大阪で開かれた世界ジュニア選手権にウクライナ代表として出場したのをきっかけに日本の相撲関係者と出会いました。2022年2月にロシアのウクライナ侵攻が始まると、相撲を続けられる環境を求めて同年4月に来日。安治川部屋に入門すると番付を駆け上がり、2025年11月場所後にはウクライナ出身力士として初めて大関に昇進しました(当時21歳)。低く鋭い立ち合いを武器とする技能派で、今場所も4回目の技能賞を受賞しています。
四股名「安青錦」に込められた意味
四股名の「安」と「錦」は、師匠・安治川親方の現役時代の四股名「安美錦」から。「青」はウクライナ国旗の青と自身の目の色にちなんでいます。下の名前「新大」は、来日当初に生活を支えてくれた当時の関西大学相撲部主将・山中新大さんの名前から取られたもので、力士としての歩みそのものが四股名に刻まれています。
なぜ1場所で大関に戻れた?「大関復帰」の仕組み
安青錦は大関から関脇に陥落した直後の場所で、今回の優勝を果たしました。実は大相撲には、大関から陥落した力士だけに認められた特別ルールがあります。
報道によれば、大関復帰を決めた場所でそのまま優勝したのは史上初とのこと。陥落のショックを引きずるどころか、賜杯を抱いて大関に戻るという最高の形で「復活」を印象づけました。
今後の焦点——「一番上の番付」綱取りはあるか
優勝後の安青錦は「一番上の番付を狙う」と語り、横綱への意欲を隠しませんでした。横綱昇進の目安は「大関で2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績」とされています。
今回の優勝は関脇での成績のため、綱取りの起点としてはカウントが難しいものの、大関に復帰する来場所(9月・秋場所)で優勝すれば、一気に綱取りの流れが本格化する可能性があります。22歳という年齢を考えれば時間はたっぷりあり、ウクライナ出身初の横綱誕生という歴史的瞬間も現実味を帯びてきました。
よくある質問
Q. 名古屋場所2026で優勝したのは誰ですか?
A. 関脇・安青錦(あおにしき)です。12勝3敗で大関・霧島、関脇・熱海富士と並び、3人による優勝決定戦「巴戦」を2連勝で制して、今年初場所以来3度目の幕内優勝を果たしました。
Q. 巴戦とはどんなルールですか?
A. 同じ星の力士が3人並んだときの優勝決定戦です。くじ引きで対戦順を決め、2人が対戦して勝者が3人目と戦い、誰かが2連勝するまで続けます。幕内での巴戦は2025年初場所以来の珍しい出来事でした。
Q. 安青錦はなぜ1場所で大関に復帰できたのですか?
A. 大関から陥落した直後の場所で10勝以上を挙げると無条件で大関に復帰できる特例ルールがあるためです。安青錦は12勝を挙げて条件を満たし、大関復帰を決めた場所での優勝は史上初とされています。
Q. 安青錦はどこの国の出身ですか?
A. ウクライナ・ヴィーンヌィツャの出身です。2022年にロシアの軍事侵攻の戦火を逃れて来日し、安治川部屋に入門。2025年11月場所後にウクライナ出身として初めて大関に昇進しました。
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出典・参考
・NHK「大相撲名古屋場所 安青錦が優勝 ことし初場所以来3回目」
・時事通信「安青錦が3度目V 大関復帰決めた場所で」
・日本相撲協会 公式サイト


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