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松江の給食ヒスタミン食中毒はなぜ?ハマチで307人、20年で最多規模
島根県松江市で2026年10月29日、学校給食を食べた小学校3校の児童と教職員が、顔の赤みやかゆみ、口やのどの違和感、嘔吐などを訴えました。松江市教育委員会は30日、給食の「はまちの柚子胡椒焼き」からヒスタミンが検出され、ヒスタミンによる集団食中毒だったと発表しました。患者は中学生と調理員を含めて307人と報じられています。厚生労働省の食中毒発生事例を2005年から2026年まで集計すると、魚が原因の「化学物質」による食中毒で患者が300人を超えた例は見当たりません。ヒスタミン食中毒の仕組みと、過去の事例との比較を整理しました。
この記事の結論
- 10月29日、東出雲学校給食センター(松江市東出雲町)が調理した給食を食べた出雲郷・揖屋・意東の3小学校で、児童と教職員293人が体調不良を訴え、出雲郷小の児童10人が救急搬送(2人入院)されました。3校は30日に休校しています。
- 30日、松江保健所が給食を原因とする集団食中毒と断定し、センターに30日から11月3日まで5日間の営業停止を命じました。東出雲中学校の生徒6人と調理員8人を加え、患者は307人です(TSKさんいん中央テレビ)。入院した2人も退院しています。
- 厚労省の集計では、ヒスタミン食中毒は2015〜2025年の11年間で108件・2,436人。1件あたり平均23人なので、今回の307人はその約14倍にあたります。
- 2005〜2026年の厚労省「食中毒発生事例」で、病因物質が化学物質・原因食品が魚の事件は206件。これまでの最多は2009年の札幌市(279人)、学校給食では2025年の富山県(260人)で、今回はどちらも上回ります。
- ヒスタミンは加熱しても分解されません。魚を常温に置くなど温度管理が崩れたときに増えるため、予防は「買ったらすぐ冷やす」「鮮度が落ちた魚は食べない」が基本です。今回なぜヒスタミンが増えたのかは、市教委が「調査中」としています。
松江の給食で何があった?3小学校と中学校で307人がヒスタミン食中毒
報道各社が伝えた松江市・松江市教育委員会の発表内容を、項目ごとに整理しました。松江保健所は、松江市と島根県が共同で設置している保健所で、松江市と安来市を管轄しています(松江市)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生 | 2026年10月29日(木)の給食。症状が出たのは午後1時すぎ以降(BSS山陰放送) |
| 調理施設 | 松江市立 東出雲学校給食センター(松江市東出雲町)。東出雲町内の小中学校4校へ、およそ1,600食を提供(BSS山陰放送) |
| 献立 | 麦ごはん、はまちの柚子胡椒焼き、和風ポテトサラダ、ニンジン大根ごぼう汁、牛乳 |
| 症状 | 顔の赤み・かゆみ、口やのどの違和感、嘔吐など |
| 患者数 | 3小学校(出雲郷・揖屋・意東)の児童と教職員293人+東出雲中学校の生徒6人+給食センターの調理員8人=307人(10月30日夕方時点) |
| 搬送・入院 | 出雲郷小学校の児童10人が救急搬送、8人は当日帰宅、2人が入院。2人もすでに退院し、患者は全員快方に向かっている |
| 原因 | 「はまちの柚子胡椒焼き」からヒスタミンを検出。松江保健所が給食を原因とする集団食中毒と断定 |
| 行政処分 | 東出雲学校給食センターに10月30日〜11月3日の5日間の営業停止 |
| 学校の対応 | 3小学校は10月30日に臨時休校 |
| 市教委の説明 | ヒスタミンが発生した詳しい原因は調査中。当日の調理工程に問題はなかったとしている |
出典:TSKさんいん中央テレビ(10月29日20時52分、10月30日19時44分)、BSS山陰放送(10月30日17時37分配信・19時3分更新)、日本海テレビ(10月30日12時8分、同19時10分)。「約1,600食に対する割合」は、調理員8人を除いた患者299人を報道の提供食数で割った筆者の概算です。実際に給食を食べた人数は公表されていません。
症状は給食を食べて間もなく出ています。共同通信によると、搬送された児童が通う出雲郷小学校は、医師からヒスタミンが疑われると指摘されたと説明していました。ヒスタミン食中毒は「食べてすぐ口の周りが赤くなる」「舌がピリピリする」といった、アレルギーに似た症状が特徴です。
経緯は?10月29日の給食から30日の食中毒断定まで
- 10月29日 昼給食で「はまちの柚子胡椒焼き」などを提供東出雲学校給食センターが調理し、3小学校と東出雲中学校に配食。
- 29日 午後3小学校で児童・教職員が体調不良顔の赤み、かゆみ、口やのどの違和感、嘔吐など。出雲郷小の児童10人が救急搬送され、2人が入院。
- 29日 夜市が293人の体調不良を公表病院から「ヒスタミン中毒」の可能性があると説明を受けたことが、学校関係者の話として報じられる。
- 10月30日3小学校が臨時休校保健所が給食センターに立ち入り、原因を調べる。
- 30日 夕方市教委が会見、ヒスタミン食中毒と発表はまちの柚子胡椒焼きからヒスタミンを検出。保健所が食中毒と断定し、センターに5日間の営業停止。患者は307人に。
- 11月3日まで給食センターは営業停止営業停止の期間は10月30日から11月3日までの5日間。再開後の給食の提供方法は、発表を待つ必要があります。
TSKさんいん中央テレビ(10月29日・10月30日19時4分・同19時44分)、日本海テレビ(10月30日・同19時10分)、共同通信(10月30日)をもとに作成。
ヒスタミン食中毒とは?なぜ焼いた魚でも起きるのか
魚のアミノ酸が、菌の働きでヒスタミンに変わる
厚生労働省によると、ヒスタミン食中毒は、ヒスタミンが高濃度にたまった食品、特に魚やその加工品を食べて起きる「アレルギー様」の食中毒です。マグロやカジキ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、アジなどの赤身魚には、ヒスチジンというアミノ酸が多く含まれています。魚を常温に置くなど温度管理が不十分だと、ヒスタミン産生菌が増え、その酵素がヒスチジンをヒスタミンに変えます(厚生労働省「ヒスタミンによる食中毒について」)。ハマチはブリの若い魚の呼び名です。
食品安全委員会のファクトシートは、ヒスタミンのもとになる遊離ヒスチジンの量を「白身魚では数mg〜数十mg/100g」「赤身魚では700〜1,800mg/100g」と比べています。赤身魚ほどヒスタミンができやすいのはこのためです(食品安全委員会ファクトシート)。
加熱では分解されない、においでも分からない
ヒスタミンは熱に強く、一度できてしまうと焼いても煮ても分解されません。厚労省は「調理加工工程で除去できないため、一度生成されると食中毒を防ぐことはできません」と説明しています。今回の「柚子胡椒焼き」のように火を通した料理でも起きるのは、このためです。
「傷んだにおい」がしなくても危ない
食品安全委員会は、腐敗臭などの見た目・においの状態とヒスタミンの量には「相関がない」としています。においがなくてもヒスタミンが多いことがあり、調理する側が見た目で気づくのは難しい食中毒です。厚労省は、10℃で管理していても長く保存するとヒスタミンが増えることがあるとも注意しています。
症状は早く出て、多くは半日ほどで回復
食品安全委員会によると、症状は食後数分〜30分ほどで顔(特に口の周りや耳たぶ)が赤くなり、頭痛、じんましん、発熱などが出ます。たいてい6〜10時間で回復し、重症になることは少なく、日本・EU・米国の食中毒報告で死亡例は報告されていません。発症の目安は一般に「食品100gあたりヒスタミン100mg以上」とされますが、実際には食べた量が問題になります。
307人はどれくらいの規模?厚労省の事例22年分と比べる
厚生労働省は、毎年の食中毒を1件ずつ「食中毒発生事例」として公表しています(厚生労働省「食中毒統計資料」)。この一覧には病因物質の欄に「ヒスタミン」という区分がなく、ヒスタミン食中毒は「化学物質」に分類されます。そこで2005年から2026年(10月1日までの速報)の一覧から、病因物質が化学物質で、原因食品に魚の名前や魚の加工品が書かれた事件を抜き出しました。漂白剤の誤飲などは除いています。
| 発生日 | 報告自治体 | 原因食品 | 施設 | 患者数 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年10月29日 | 松江市(今回) | はまちの柚子胡椒焼き | 学校給食 | 307人 |
| 2009年1月21日 | 札幌市 | まぐろのごまフライ | 飲食店 | 279人 |
| 2025年9月11日 | 富山県 | フクラギ(ブリの幼魚) | 学校給食 | 260人 |
| 2015年6月9日 | 徳島県 | あじのフライ | 学校給食 | 231人 |
| 2011年5月24日 | 熊本市 | 鯵の塩焼き | 飲食店 | 157人 |
| 2022年1月12日 | 鹿児島県 | ブリの照焼き | 学校給食 | 143人 |
| 2009年3月31日 | 宮城県 | 戻り鰹のこうじ漬 | 製造所 | 109人 |
| 2013年9月18日 | 東京都 | イワシのつみれ汁 | 保育所 | 109人 |
| 2018年9月27日 | 山梨県 | まぐろの味噌がらめ | 保育所 | 89人 |
厚生労働省「食中毒発生事例」(平成17年〜令和7年、令和8年は10月1日までに報告のあった速報)から筆者が集計。病因物質が「化学物質」で、原因食品に魚の名前・魚の加工品(つみれ、干物など)が書かれたものを抽出。施設は一覧の「原因施設」欄(「不明」でも原因食品に学校給食と書かれたものは学校給食とした)。今回の松江市の患者数は報道ベースの速報値です。
今回の307人は、22年分の一覧のどの事件よりも多い数字です。これまでの最多は2009年1月に札幌市が報告した飲食店の「まぐろのごまフライ」(279人)で、学校給食に限ると2025年9月の富山県の「フクラギ(ブリの幼魚)」(260人、摂食者2,194人)、2015年6月の徳島県の「あじのフライ」(231人)が続きます。化学物質×魚の206件のうち、患者が100人を超えたのは7件だけでした。
患者数が増えた背景には、1つの給食センターが複数の学校に同じ献立を一度に届ける仕組みがあります。原因の料理が1品でも、食べた全員が同じ魚を口にするため、患者が数百人単位になりやすいのです。
ヒスタミン食中毒は年に何件?2015〜2025年の推移
厚労省は「ヒスタミンによる食中毒について」のページで、ヒスタミン食中毒だけの件数と患者数を公表しています。11年分を並べ、その年の最大の事例を前の章と同じ一覧から添えました。
| 年 | 事件数 | 患者数 | その年の最大の事例(報告自治体・原因食品) |
|---|---|---|---|
| 2015年 | 13件 | 405人 | 徳島県「あじのフライ」231人(学校給食) |
| 2016年 | 15件 | 283人 | 福島県「さんまのぽうぽう焼き」87人(販売店) |
| 2017年 | 8件 | 74人 | 宮崎市「シイラの変わり衣まぶし」28人(不明) |
| 2018年 | 20件 | 355人 | 山梨県「まぐろの味噌がらめ」89人(保育所) |
| 2019年 | 8件 | 228人 | 沖縄県「シイラフライ」67人(学校給食) |
| 2020年 | 13件 | 219人 | 東大阪市「うるめいわし」46人(保育所) |
| 2021年 | 4件 | 81人 | 福岡市「サバのみそ煮」25人(不明) |
| 2022年 | 2件 | 148人 | 鹿児島県「ブリの照焼き」143人(学校給食) |
| 2023年 | 4件 | 77人 | 奈良市「さばの塩焼き」42人(学校給食) |
| 2024年 | 8件 | 135人 | 長野県「フィッシュチリソース(フーライカジキ)」47人(学校給食) |
| 2025年 | 13件 | 431人 | 富山県「フクラギ(ブリの幼魚)」260人(学校給食) |
事件数・患者数は厚生労働省「ヒスタミンによる食中毒について」。最大の事例は同省「食中毒発生事例」の化学物質×魚の事件から筆者が抽出。
11年間の合計は108件・2,436人で、年平均にすると約10件・約221人です。1件あたりの患者は平均22.6人ですが、年ごとの患者数は大きな事件が1件あるかどうかで大きく動きます。2025年の431人は、富山県の学校給食の事例(260人)だけで約6割を占めます。今回の松江市の307人は、1件だけで多くの年の年間患者数を上回る規模です。
学校給食で繰り返されるのはなぜ?子どもの患者が6割
厚労省は、保育園や学校が関係する大規模なヒスタミン食中毒が起きているとして、事業者向けに注意を呼びかけています。同省の資料によると、2006〜2015年(平成18〜27年)のヒスタミン食中毒の患者2,252人のうち、1〜14歳が1,353人(60.1%)を占めていました(厚生労働省「保育園や学校が関係するヒスタミン食中毒」)。
2015年以降の学校給食の事例
| 発生日 | 報告自治体 | 原因食品 | 患者数/摂食者数 |
|---|---|---|---|
| 2015年6月9日 | 徳島県 | あじのフライ | 231人/712人 |
| 2018年8月31日 | 大分県 | サバの塩焼き | 36人/79人 |
| 2019年8月30日 | 沖縄県 | シイラフライ | 67人/7,804人 |
| 2020年1月30日 | 埼玉県 | ぶりの照り焼き風 | 8人/397人 |
| 2020年10月6日 | 東京都区部 | 魚のごまだれ焼き | 8人/267人 |
| 2022年1月12日 | 鹿児島県 | ブリの照焼き | 143人/1,943人 |
| 2023年6月13日 | 奈良市 | さばの塩焼き | 42人/274人 |
| 2024年11月14日 | 大阪市 | なまりぶしのしょうが煮 | 29人/705人 |
| 2024年11月14日 | 大阪市 | なまりぶしのしょうが煮 | 14人/695人 |
| 2024年12月4日 | 長野県 | フィッシュチリソース(フーライカジキ) | 47人/423人 |
| 2025年9月11日 | 富山県 | フクラギ(ブリの幼魚) | 260人/2,194人 |
| 2025年11月12日 | 島根県 | ヒラマサの焼物 | 28人/210人 |
| 2026年5月1日 | 岐阜県 | 春カツオの甘辛煮 | 5人/54人 |
厚生労働省「食中毒発生事例」から筆者が抽出(原因施設が学校、または原因食品に「学校給食」と書かれた化学物質×魚の事件。2026年は10月1日までの速報)。同じ日の大阪市の2件は、一覧で別々の事件として計上されています。
原因食品は、ブリ(ハマチ・フクラギ・ヒラマサを含む)、サバ、カジキ、シイラ、カツオなど、厚労省が挙げる赤身魚ばかりです。給食では一度に大量の魚を扱うため、漁獲から加熱までのどこかで温度が上がる時間があると、まとめて多くの人に影響が出ます。厚労省が事業者に求めているのは、魚の低温管理の徹底、鮮度が落ちた魚を使わないこと、適切な温度管理がされた原料を信頼できる業者から仕入れることです。
今回、市教委は「当日の調理の工程に問題はなかった」としています。ヒスタミンが調理の前、つまり漁獲から納品までのどこかでできていたのか、センターでの保管中にできたのかは、まだ分かっていません。
島根では1年で3件目?県と松江市の記録を確かめる
島根県の報道発表を確かめると、県内では最近1年でヒスタミン食中毒が続いています。2026年7月には、今回と同じ松江保健所の管内(安来市)のこども園で、給食の「いわしのハンバーグ」による8人の食中毒が起きていました(島根県 2026年7月31日発表)。
| 発生日 | 場所(原因施設) | 原因食品 | 患者数 |
|---|---|---|---|
| 2025年11月12日 | 隠岐郡海士町の小学校2校・中学校1校(海士町学校給食共同調理場) | ヒラマサの焼物 | 26人(生徒11人・教職員15人) |
| 2026年7月29日 | 安来市の城谷こども園(松江保健所の管内) | いわしのハンバーグ | 8人 |
| 2026年10月29日 | 松江市東出雲町の小学校3校・中学校1校(東出雲学校給食センター) | はまちの柚子胡椒焼き | 307人(報道) |
島根県 報道発表(2025年11月17日・海士町、2026年7月31日・安来市)、今回分は報道。海士町の事例は、厚労省の食中毒発生事例では患者28人として計上されています(県の発表は26人)。
松江市の食中毒の記録で最大
松江市は、市内で発生した食中毒を2005年(平成17年)から一覧で公表しています(松江市「食中毒発生状況」)。2005〜2026年の一覧に載る55件の中で患者が最も多かったのは、2006年11月の飲食店の仕出しによるノロウイルス食中毒の179人でした。今回の307人はこれを大きく上回ります。市内のヒスタミン食中毒は、2012年1月の給食(19人)、2013年3月の「イワシ団子の甘辛煮」(18人、いずれも集団給食施設)の2件が載っていました。2026年分の一覧(4月27日更新)は、まだ3件・89人のままです。
家庭でできるヒスタミン食中毒の予防は?
ヒスタミン食中毒は給食や飲食店だけでなく、家庭でも起きます。厚労省と食品安全委員会が消費者向けに挙げている対策をまとめました。
- 買った魚は常温に置かず、すぐ冷蔵庫・冷凍庫へ。持ち帰りに時間がかかるときは保冷剤やクーラーボックスを使います。
- エラや内臓は早めに取り除く。ヒスタミン産生菌はエラや消化管に多くいます。釣った魚も同じです。
- 冷凍魚は冷蔵庫で解凍し、解凍したら早めに調理する。食品安全委員会の資料には、20℃で解凍すると20時間でヒスタミンが急激に増えたという報告が紹介されています。
- 冷蔵でも長く置かない。10℃でも長期間の保存でヒスタミンが増えることがあります。
- 鮮度が落ちたおそれのある魚は、加熱しても食べない。焼いても煮てもヒスタミンは分解されません。
- 口に入れて唇や舌先がピリピリしたら、食べずに処分。ヒスタミンが多い食品の特徴的なサインです。

食べたあとに顔が赤くなったら
ヒスタミン食中毒は多くが数時間で治まり、抗ヒスタミン剤の投与で速やかに治るとされています。ただし、息苦しさや強いじんましんが出たとき、子どもや持病のある人は、早めに医療機関を受診してください。食物アレルギーとは仕組みが違いますが、症状だけでは見分けにくいため、何を食べたかを伝えることが大切です。
今後の焦点は?原因の特定と給食の再開
10月30日時点で、次の点はまだ明らかになっていません。
- ヒスタミンがどの段階でできたのか:市教委は当日の調理工程に問題はなかったとしており、仕入れたハマチの流通・保管の過程を含めて調べるとみられます。
- 検出されたヒスタミンの濃度:濃度や検査の詳細は、10月30日時点の報道では示されていません。
- 患者数の確定:307人は30日夕方時点の数字で、保健所の正式な発表で変わる可能性があります。
- 営業停止明け(11月4日以降)の給食:同じセンターから配食する4校の給食をどう再開するかは、市の発表を待つ必要があります。
島根県内では、2025年11月の海士町、2026年7月の安来市に続く給食でのヒスタミン食中毒です。松江市が献立や魚の仕入れ・保管の方法を見直すかどうかも、今後の注目点です。
松江の給食ヒスタミン食中毒のよくある質問
Q. 松江市の給食の食中毒の原因は何ですか?
A. 松江市教育委員会によると、10月29日の給食で出た「はまちの柚子胡椒焼き」からヒスタミンが検出され、松江保健所が給食を原因とする集団食中毒と断定しました。ヒスタミンが増えた詳しい原因は調査中です。
Q. 患者は何人ですか?
A. 3小学校(出雲郷・揖屋・意東)の児童と教職員293人、東出雲中学校の生徒6人、給食センターの調理員8人の計307人と報じられています(10月30日夕方時点)。救急搬送された10人のうち入院した2人も退院しています。
Q. ヒスタミンは加熱すれば大丈夫ですか?
A. いいえ。ヒスタミンは熱に強く、一度できると焼いても煮ても分解されません。予防は、魚を常温に置かず低温で管理し、ヒスタミンを作らせないことが基本です。
Q. ヒスタミン食中毒とアレルギーは違うのですか?
A. 違います。症状はじんましんや顔の赤みなどアレルギーに似ていますが、食品にたまったヒスタミンを大量に食べたことによる食中毒です。食べた人の体質に関係なく、多くの人に同時に症状が出るのが特徴です。
Q. ヒスタミン食中毒は年に何件くらいありますか?
A. 厚生労働省の集計では、2015〜2025年の11年間で108件・2,436人でした。2025年は13件・431人で、富山県の学校給食の事例が大きな割合を占めました。
Q. どんな魚で起きやすいですか?
A. マグロ、カジキ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、ブリ(ハマチ)、アジなどの赤身魚とその加工品です。赤身魚はヒスタミンのもとになるヒスチジンを多く含みます。
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出典・参考資料
- 厚生労働省:ヒスタミンによる食中毒について、食中毒統計資料(食中毒発生事例 平成17年〜令和8年速報、年次別食中毒発生状況)、保育園や学校が関係するヒスタミン食中毒(PDF)
- 食品安全委員会:ファクトシート「ヒスタミン」(令和3年3月30日最終更新、PDF)
- 松江市:食中毒発生状況(令和8年、令和7年以前)、松江市・島根県共同設置松江保健所
- 島根県:隠岐保健所管内における食中毒の発生について(第2報、2025年11月17日)、松江保健所管内における食中毒の発生について(第2報、2026年7月31日)
- 報道(Yahoo!ニュース配信版):TSKさんいん中央テレビ「給食後に児童・教職員約290人が体調不良」(10月29日)「「ヒスタミン中毒」か…松江市の小学校3校が臨時休校」「患者307人に 松江市で学校給食が原因の集団食中毒」(10月30日)、BSS山陰放送「給食の「はまちの柚子胡椒焼き」で「ヒスタミン中毒」」(10月30日)、日本海テレビ「「ヒスタミン中毒」の疑いも 3小学校が休校」「松江市教育委員会が会見」(10月30日)、共同通信「給食でハマチのヒスタミン中毒か」(10月30日)
内容は2026年10月30日20時時点の情報です。患者数などは報道ベースの速報値で、今後の発表で変わる可能性があります。厚生労働省の食中毒発生事例の抽出・集計(化学物質×魚の事件、学校給食・保育所の分類、年ごとの最大事例)と松江市の記録の比較は筆者によるもので、事例一覧にはヒスタミン以外の化学物質も含まれるため、漂白剤など魚以外の事件は除きました。本記事は一般的な情報提供を目的としており、体調に異常があるときは医療機関にご相談ください。アイキャッチ背景:pelican「Teriyaki yellowtail」(Wikimedia Commons、CC BY-SA 2.0、料理はイメージで今回の給食ではありません)をトリミング・明るさ調整・文字入れ。


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