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トヨタとウェイモの自動運転タクシー、日本でいつどこを走る?2027年
トヨタ自動車と米グーグル系のWaymo(ウェイモ)は2026年10月30日、Waymoの自動運転タクシーに使うトヨタのEV「bZ4X」の初期運行を2027年に日本で始めると発表しました。ただし発表文には、走る地域・台数・誰が運行するのかは書かれていません。発表で分かること・分からないことを表で整理し、Waymoの米国での実績の推移、日本のレベル4の許可制度と実装地域の数、東京で先に進むGO・日本交通との計画を並べました。
この記事の結論
- いつ:2027年に、bZ4Xを使った試験・検証を含む「初期運行」を日本で始めます。一般の人がいつから乗れるかは、発表には書かれていません。
- どこで:10月31日時点で地域は未発表です。Waymoは別に、GO・日本交通と組んで2027年に東京で一般向けの無人タクシーを始める計画を9月に発表しています(当初の車両はジャガー「I-PACE」)。
- 車両:bZ4Xをトヨタの高岡工場(愛知県豊田市)で組み立て、Waymoの自動運転装置の搭載まで同じ工場で行います。日本のあと英国などにも順次導入する予定です。
- 実績:Waymoの米国での乗車は、2024年8月の週5万回超から2026年9月には週50万回超へ、約2年で10倍になりました。一方、日本でレベル4の運行が始まった地域は2025年11月時点で9か所です。
トヨタとウェイモの自動運転タクシー、発表で分かったこと
トヨタが10月30日に出した発表「トヨタ自動車とWaymo、安全な交通社会とすべての人の移動の自由に向け、自動運転分野における協業を拡大」と、Waymo側の公式ブログの中身を項目ごとにまとめました。「書かれていない」項目も、そのまま書いています。
| 項目 | トヨタ・Waymoの発表(2026年10月30日) |
|---|---|
| 何をする | Waymoの自動運転タクシーに使うトヨタbZ4Xの、試験・検証を含む初期運行 |
| いつ | 2027年(月は書かれていない) |
| どこで | 日本。都市や地域は書かれていない。その後数年で英国など、Waymoがサービスを展開するほかの市場にも順次導入 |
| 車両 | トヨタのEV「bZ4X」がベース。後席の足元を広くし、自動開閉ドア・電動開閉式バックドア・室内間接照明を採用 |
| 生産 | トヨタ高岡工場(愛知県豊田市)。ベース車両の組み立てからWaymoの自動運転用ハードウェアの搭載まで同工場で行う |
| 自動運転のレベル | レベル4(SAEの区分で、限定された条件下でシステムがすべての運転操作を担う「高度運転自動化」) |
| 運行する会社・台数・運賃 | 書かれていない |
| 位置づけ | 「国内で生産される量産車を活用した、日本初の完全自動運転タクシーサービスの実現に向けた大きな一歩」 |
| 今後の検討 | トヨタの市販車向け自動運転技術の将来を引き続き検討。Woven by Toyotaとともに、Waymoの運行で得た知見を交通安全にどう生かすかも検討 |
今回の発表は、2025年4月30日の基本合意から約1年半(548日)で、中身が「協業を検討する」から「どの車を、どこの工場で作り、いつ日本で走らせるか」まで具体的になったものです。NHK(10月30日16時45分)も、トヨタの電気自動車を活用した自動運転タクシーの運行を「来年、日本国内で始める計画」と伝えています。
「完全自動運転」と「レベル4」の関係
発表文の「完全自動運転タクシー」は、注記でSAEのレベル4(限定された条件下での高度運転自動化)を指すと説明されています。どこでも走れるレベル5ではなく、決められた地域・条件の中で運転者なしで走る、という意味です。Car Watch(10月30日)は、ドライバーレスでのサービスを予定していると伝えていますが、2027年の初期運行は「試験・検証を含む」とされており、最初から一般客を乗せる無人運行になるかどうかは、発表からは読み取れません。

東京のGO・日本交通の無人タクシーとは別の話?
Waymoは2026年9月、タクシーアプリのGO、日本交通と、2027年に東京で一般の人向けに完全無人のタクシーを始める準備に合意したと発表しています(Waymo公式ブログ)。今回のトヨタとの発表と、時期はどちらも2027年ですが、発表の中身は次のように違います。
| 項目 | トヨタ×Waymo(10月30日) | GO×日本交通×Waymo(9月発表) |
|---|---|---|
| 内容 | bZ4Xの試験・検証を含む初期運行 | 一般の利用者向けの完全無人タクシーの商用サービス |
| 場所 | 日本(地域は未発表) | 東京 |
| 車両 | トヨタbZ4X(高岡工場で生産) | 当初はジャガー「I-PACE」(MONOist) |
| 規模 | 未発表 | 初期の車両から、主な地区で段階的に約100台へ |
| 乗り方 | 未発表 | GOアプリとWaymoアプリの両方 |
| 条件 | 記載なし | 国と地方の当局の許認可、技術と共同運行の検証の完了が前提 |
3社は2025年から東京都内7区の公道で、日本交通の乗務員が乗った状態で試験走行を続けてきました(Car Watch、9月15日)。MONOist(9月16日)によると、許認可がそろったら、まずWaymoの社員向けに試験運用し、そのあと一般客向けの無人サービスに移る段取りで、運賃はタクシーの自動認可運賃に基づいて決まる見込みです。
bZ4Xが東京のサービスに使われるかは未発表
トヨタとWaymoの発表には「東京」「GO」「日本交通」という言葉は出てきません。MONOist(10月30日)は、bZ4XベースのWaymo車両は第6世代の自動運転技術を積むとみられると伝えていますが、bZ4Xが東京のGO・日本交通のサービスに加わるのか、別の場所で走るのかは、10月31日時点で両社とも明らかにしていません。

ウェイモの米国での実績は?週あたり乗車回数の推移
日本で走らせる前提になるのが、Waymoが米国で積み上げてきた実績です。Waymoの公式ブログに出てくる「1週間あたりの有料乗車回数」を、発表日の順に並べました(米国の現地日付)。
| 発表日 | 週あたりの乗車 | 地域 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 2024年8月6日 | 50,000回超 | サンフランシスコ・ロサンゼルス・フェニックス | Waymo公式ブログ |
| 2024年10月25日 | 100,000回超 | 同上 | Waymo公式ブログ |
| 2025年3月25日 | 200,000回超 | 4都市(オースティン追加) | Waymo公式ブログ |
| 2025年5月5日 | 250,000回超 | 4都市 | Waymo公式ブログ |
| 2026年2月2日 | 400,000回超 | 6都市圏 | Waymo公式ブログ |
| 2026年9月14日 | 500,000回超 | 米国15都市 | Waymo公式ブログ |
各ブログ記事の表現は「over」「more than」「well over」など。2026年9月の数字は東京の計画を発表した記事の「over half a million trips each week」。2025年4月30日のトヨタとの基本合意の発表文にも「毎週25万回以上」とあります。
表から当ブログが計算したこと
- 2024年8月6日の週5万回超から2026年9月14日の週50万回超まで、769日で10倍。同じペースで増え続けたとすると、約231日(約7か月半)ごとに倍になってきた計算です。
- 週50万回は、1日あたりにすると約7.1万回です。
- 走行距離は、2026年2月の発表で1億2,700万マイル(約2.04億km)、10月16日の発表で4億km超。この間の256日で割ると、1日あたり約76万km、地球19周分ほどを毎日走っている計算です。
- Waymoは2026年2月、年末までに週100万回超を目指すと話しています。9月14日からの108日で倍にする必要があり、これまでの「約231日で倍」のペースのままなら年末は週69万回前後にとどまる計算です(あくまで過去のペースを当てはめた目安です)。
都市の数も増えています。Waymoの発表では、2026年2月に商用の都市圏が10になり、9月には米国15都市で運行しているとしています。2026年は東京やロンドンを含む20以上の都市で配車サービスの準備を進めるとしており、10月にはトロント(カナダ)やマドリード地域(スペイン)への進出準備も発表しました。
「人間より安全」の数字は会社の発表です
Waymoは、重大な負傷を伴う衝突事故について、人間の運転と比べて「最大20倍安全」(トヨタとの発表)、「15倍以上安全」(9月の東京の発表)などと説明しています。いずれもWaymo自身の分析による数字で、比べる期間や地域によって倍率が変わっています。
日本で無人の自動運転タクシーを走らせるには?レベル4の許可制度
日本では、運転者がいない状態での自動運転(レベル4)を、道路交通法で「特定自動運行」と呼んでいます。この許可制度を作った法改正は警察庁によると2023年(令和5年)4月に施行されました。10月31日時点で施行から1309日がたっています。
| しくみ | 内容(道路交通法・警察庁の資料) |
|---|---|
| 誰の許可 | 特定自動運行を行う場所を管轄する都道府県公安委員会の許可が必要(道路交通法75条の12) |
| 出す書類 | 使う車、自動運行装置の使用条件、走る経路、日と時間帯、運ぶ人や物などを書いた「特定自動運行計画」 |
| 地元の意見 | 公安委員会は、経路のある市町村の長などから意見を聴いたうえで判断 |
| 走っている間 | 映像と音声で車と周りの状況を確認できる装置を置いて「特定自動運行主任者」が遠隔で監視するか、主任者が車に乗る(75条の20) |
| 車の側 | 車両は道路運送車両法で国土交通省が安全基準への適合を審査(レベル4の保安基準は2023年1月施行) |
つまり、無人タクシーは「全国どこでも走れる免許」をもらうのではなく、経路や時間帯ごとに許可を取るしくみです。Waymoの東京の計画でも、正式な開始時期は道路交通法や道路運送法などの許認可がそろってから決めるとされています。東京の計画の説明でも道路運送法が挙がっているとおり、お金を取って人を運ぶタクシー事業としての手続きも別に必要になります。
国内でレベル4の運行が始まった地域は9か所
国土交通省の資料(令和8年1月29日)は、2023年5月の福井県永平寺町を皮切りに、2025年11月時点でレベル4の運行が始まった地域を次の9か所としています。
| 順 | 地域(資料の記載順) |
|---|---|
| 1 | 福井県永平寺町 |
| 2 | 東京都大田区(羽田) |
| 3 | 北海道上士幌町 |
| 4 | 三重県多気町 |
| 5 | 愛媛県松山市 |
| 6 | 長野県塩尻市 |
| 7 | 茨城県日立市 |
| 8 | 大阪市(万博) |
| 9 | 千葉県柏市 |
政府の目標は「2027年度までに無人自動運転移動サービスを100か所以上で実現」です。2025年11月時点の9か所は、その約9%にあたります。同じ資料は2030年度の目標として、バスやタクシーなどの自動運転サービスの車両を1万台としており、東京の計画の約100台は、その1%に相当する計算です。資料は、これまでの運行が海外製の小型カートや小型バス中心で、低速の決まったルートだけだったとし、次の段階として国内メーカー(トヨタ、日産、いすゞ)の参入や、2027年度以降の自動運転車の量産化を挙げています。
9か所は国交省が示した「実装地域」の数で、公安委員会の許可件数そのものではありません。2025年12月以降に始まった地域があるかどうかは、この資料からは分かりません。
日本の自動運転タクシーまでの流れ
- 2023年4月特定自動運行の許可制度が施行道路交通法の改正で、運転者のいないレベル4の自動運転が制度上できるようになる。
- 2023年5月国内初のレベル4運行福井県永平寺町で、国内初のレベル4自動運転移動サービスが始まる。
- 2024年12月GO・Waymo・日本交通が協業を発表Waymoが東京でのテストに向けて動き出す。2025年から都内7区で公道の試験走行。
- 2025年4月30日トヨタとWaymoが基本合意新しい自動運転の車両プラットフォームの開発や、トヨタの市販車への技術の活用を検討。
- 2025年11月レベル4は9か所に国交省の資料で、レベル4の運行が始まった地域は9か所(2025年11月時点)。
- 2026年9月15日東京で2027年に無人タクシーへGO・日本交通・Waymoが、2027年に東京で一般向けの完全無人タクシーを始める準備に合意。段階的に約100台。
- 2026年10月30日トヨタとWaymoがbZ4Xを発表2027年に日本でbZ4Xの初期運行を始め、その後英国などへ。車両は高岡工場で生産。
- 2027年初期運行・東京のサービス開始予定いずれも許認可や検証の完了が前提。具体的な月や地域は未発表。
2024年12月はGOの中島社長のコメント(Waymo公式ブログ)、都内7区はCar Watch(9月15日)、9月15日は日本時間の発表日(Waymoのブログは米国時間9月14日付)。
トヨタとウェイモの自動運転タクシーについてよくある質問
Q. トヨタとウェイモの自動運転タクシーはいつから走る?
A. 2027年に、bZ4Xを使った試験・検証を含む初期運行を日本で始めると発表されています。月や、一般の人が乗れる時期は発表されていません。
Q. どこで走るの?東京?
A. 10月31日時点で、トヨタとWaymoの発表に地域は書かれていません。Waymoは別に、GO・日本交通と2027年に東京で一般向けの無人タクシーを始める計画を発表していますが、こちらは当初ジャガー「I-PACE」を使う計画です。
Q. トヨタがタクシー会社を運営するの?
A. 発表文には、運行する会社は書かれていません。トヨタは車両を高岡工場で生産し、Waymoの自動運転装置の搭載まで行うとしています。
Q. レベル4とは?運転手はいないの?
A. レベル4は、決められた条件の中でシステムがすべての運転操作を担う自動運転です。日本では道路交通法の「特定自動運行」にあたり、都道府県公安委員会の許可を受け、遠隔監視などをする特定自動運行主任者を置く必要があります。
Q. 日本でレベル4はどれくらい走っている?
A. 国土交通省の資料では、2025年11月時点でレベル4の運行が始まった地域は、福井県永平寺町や東京都大田区(羽田)など9か所です。政府は2027年度までに100か所以上を目標にしています。
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出典・参考資料
- トヨタ自動車「トヨタ自動車とWaymo、安全な交通社会とすべての人の移動の自由に向け、自動運転分野における協業を拡大」(2026年10月30日)、「トヨタとWaymo、自動運転の普及を加速する戦略的パートナーシップの枠組みに合意」(2025年4月30日)
- Waymo「Toyota and Waymo Advance Autonomous Driving Collaboration for Safer Streets and Freedom of Movement for All」(2026年10月30日)、「Opening our doors to Tokyo riders in 2027 with Nihon Kotsu and GO」(2026年9月14日・米国時間)
- Waymo公式ブログ(乗車回数・都市・走行距離):2024年8月6日、2024年10月25日、2025年3月25日、2025年5月5日、2026年2月2日、2026年2月24日、2026年8月25日、2026年10月16日
- e-Gov法令検索「道路交通法」75条の12・75条の20/警察庁「自動運転」、「特定自動運行に係る許可制度の創設について」
- 国土交通省 物流・自動車局「自動運転の普及・拡大に関する取組」(令和8年1月29日)
- NHK「トヨタ ウェイモと自動運転タクシー運行へ 来年日本で」(2026年10月30日16時45分)、Car Watch(10月30日・9月15日)、MONOist(10月30日・9月16日)
- 写真:アイキャッチと本文の東京の写真は RuinDig/Yuki Uchida(CC BY 4.0、トリミング・ナンバーと車内のぼかし・文字入れあり)、bZ4Xは TTTNIS(CC0)。Wikimedia Commonsのフリーライセンス画像
- 倍率・日数・1日あたりの回数と距離・目標に対する割合は、上記の資料から当ブログが計算


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