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グロリオサをヤマイモと誤食、なぜ起きる?浜松の食中毒と見分け方
静岡県浜松市で、自宅の庭に生えていた有毒植物「グロリオサ」の地下部をヤマイモと間違えて調理して食べた70代と60代の2人が食中毒になりました(2026年10月16日、浜松市発表)。この記事では、市の発表で事実関係を整理したうえで、厚生労働省の食中毒統計の個票を当サイトで集計し、グロリオサの食中毒がいつ・どこで起きているのか、なぜ危険なのか、ヤマイモとどう見分けるのかを解説します。
この記事の結論
- 浜松市の事例は、10月9日に庭のグロリオサの根茎をヤマイモと思って調理・喫食し、2人が嘔吐や下痢などを発症したものです。残品などから有毒成分コルヒチンが検出され、市は食中毒と断定しました。
- 厚生労働省の集計では、グロリオサの食中毒は過去10年(2016〜2025年)で6件・患者8人・死者2人。患者の25%が亡くなっており、件数は少なくても有毒植物の中で致死率が高いグループです。
- 同じコルヒチンを含むイヌサフランと合わせると、有毒植物による死者17人のうち15人(88%)を占めます(件数では13%)。
- 国の個票を当サイトで集計すると、2016年以降のグロリオサの事例は浜松市を含めて9件、すべて家庭で、5〜8月の発生は0件。植物名がわかる有毒植物の事例の56%が4〜5月に集中するのと対照的に、秋から春先にかけて起きています。
- 見分け方の目安は「粘り」。ヤマイモはすりおろすとよく粘りますが、グロリオサは粘りがありません。ただし最も確実なのは、植えた覚えのない植物や、食用と確実に判断できない植物は食べないことです。
浜松市のグロリオサ食中毒、何が起きた?市の発表を整理
浜松市保健所は2026年10月16日、「食中毒発生速報第(4)号」として、有毒植物による家庭内食中毒の発生を発表しました。市の報道発表資料によると、概要は次のとおりです。
| 項目 | 浜松市の発表内容 |
|---|---|
| 発生の概要 | 10月9日(金)に、自宅の庭に生えているグロリオサをヤマイモと間違えて調理・喫食した2名が、嘔吐、下痢等の食中毒様症状を呈し、医師の診察で食中毒と診断された |
| 発生の探知 | 10月11日(日)、医療機関から |
| 発生年月日 | 10月10日(土) |
| 患者数 | 2名(男性70代、女性60代)。1名は軽症で回復済み、1名は発表時点で入院中 |
| 原因食品・病因物質 | グロリオサ/植物性自然毒(コルヒチン)。原因施設は家庭 |
| 食中毒と断定した理由 | 医師から食中毒の届出があったこと、患者が庭から採取した「ヤマイモ様根茎」とその調理品の残品の両方からコルヒチンが検出されたこと |
浜松市健康福祉部保健所 生活衛生課「食中毒発生速報第(4)号について」(2026年10月16日)より。日付の曜日は資料の表記どおりです。
報道で伝えられた経緯
静岡放送(SBS、TBS NEWS DIG、10月16日配信)によると、夫婦は庭の花壇に生えていたヤマイモに似た根茎を角切りにして小麦粉などと混ぜ、お好み焼きにして食べたとされます。テレビ静岡(10月20日配信)は、2人は当時庭の整備をしていて、グロリオサの葉の部分は見ておらず、根茎だけを見てヤマイモと勘違いしたと伝えています。同局によると、お好み焼きを4分の1ほど食べた夫は軽症で回復し、2分の1ほど食べた妻は入院して、治療を受け回復傾向にあるということです。
- 10月9日(金)庭の根茎を調理して食べるグロリオサをヤマイモと間違えて調理・喫食(浜松市)。
- 10月10日(土)嘔吐・下痢などを発症市の資料上の発生年月日。
- 10月11日(日)医療機関から保健所へ食中毒の疑いとして探知。残品と庭の根茎を調べ、コルヒチンを検出。
- 10月16日(金)浜松市が発表2026年の市内の食中毒は本件を含め4件187名に(昨年同期は8件445名)。
- 10月20日(火)妻は回復傾向と報道テレビ静岡の配信による。
グロリオサとは?なぜヤマイモと間違えるのか
グロリオサ(別名ツルユリ、ユリグルマ、キツネユリなど)は、アフリカ原産の園芸植物です。赤と黄色の、花びらが反り返った独特の花を咲かせ、切り花としても出回っています。厚生労働省の「自然毒のリスクプロファイル」によると、時には長さ3mにもなるつる性の植物で、葉の先が細長い巻きひげになるのが特徴です。
問題は地下部です。グロリオサは全草に有毒アルカロイドのコルヒチンを含み、とくに地下部に多いとされます。そしてその地下部は、ヤマノイモ(ヤマイモ)の地下部によく似ています。高知市の資料によると、グロリオサは地上部が枯れた後、球根が土の中で冬を越します。葉やつるが枯れて地上に何もない時期に土を掘ると、根茎だけを見ることになるため、取り違えが起きやすいと考えられます。今回の浜松市の事例でも、葉を見ずに根茎だけで判断したと報じられています。


グロリオサとヤマイモの見分け方
グロリオサの食中毒が過去に複数回起きている高知市は、実物を比べた写真つきの資料を公開しています。ポイントを表にまとめます。
| 比べる点 | グロリオサの地下部 | ヤマイモ |
|---|---|---|
| 表面 | 滑らかで、ひげ根がない。表皮は剥がれやすい | ゴツゴツして、ひげ根がある。表皮は剥がれにくい |
| 色 | 表皮の茶色が濃い。表皮の下は乳白色 | ― |
| 折ったとき | 折るのに少し力がいる。糸をひかない | 簡単に折れる。糸をひく |
| すりおろしたとき | ぬめりを全く感じず、水分が多く白濁。すりおろしリンゴや大根おろしのようで粘りは全くない | 皮をむくとぬめりがあり、すりおろすとよく粘り、水っぽさはない |
| 地上部 | つる性。葉の先が細長い巻きひげになる。赤や黄の花 | ― |
高知市「有毒植物(グロリオサ)の誤食による食中毒について」、厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:グロリオサ」より作成。「―」は資料に記載がない項目です。
見分け方に頼りすぎない
リスクプロファイルは、近年の死亡例はどちらもすりおろして生で食べたもので、グロリオサは粘りがないため「容易に区別される」としています。ただし今回のように刻んで小麦粉と混ぜ、加熱する料理では、粘りの違いに気づきにくいと考えられます。見た目や手ざわりの違いはあくまで目安です。植えた覚えのないイモや球根、食用と確実に言い切れない植物は、口に入れないことが一番の対策です。
【独自集計】グロリオサ食中毒は10年で6件、患者の4人に1人が死亡
厚生労働省は「有毒植物による食中毒に注意しましょう」のページで、過去10年間(平成28年〜令和7年=2016〜2025年)の有毒植物による食中毒を植物別に公表しています。この表に、当サイトで致死率(死者数÷患者数)を計算して加えました。
| 植物 | 間違えやすい植物 | 件数 | 患者 | 死者 | 致死率 |
|---|---|---|---|---|---|
| イヌサフラン | ギボウシ、ギョウジャニンニク、ジャガイモ、タマネギ | 22件 | 30人 | 13人 | 43.3% |
| グロリオサ | ヤマノイモ | 6件 | 8人 | 2人 | 25.0% |
| スイセン | ニラ、ノビル、タマネギ | 74件 | 227人 | 1人 | 0.4% |
| トリカブト | ニリンソウ、モミジガサ | 11件 | 18人 | 1人 | 5.6% |
| バイケイソウ | オオバギボウシ、ギョウジャニンニク | 22件 | 35人 | 0人 | 0.0% |
| クワズイモ | サトイモ | 18件 | 50人 | 0人 | 0.0% |
| ユウガオ | ヒョウタン | 12件 | 27人 | 0人 | 0.0% |
| ジャガイモ | (芽や緑色の皮の部分) | 11件 | 184人 | 0人 | 0.0% |
| チョウセンアサガオ | ゴボウ、オクラ、モロヘイヤ、アシタバ、ゴマ | 6件 | 18人 | 0人 | 0.0% |
| ヨウシュヤマゴボウ | ヤマゴボウ | 4件 | 4人 | 0人 | 0.0% |
| コバイケイソウ | オオバギボウシ、ギョウジャニンニク | 2件 | 3人 | 0人 | 0.0% |
| ハシリドコロ | フキノトウ、ギボウシ | 1件 | 2人 | 0人 | 0.0% |
| キダチタバコ | カラシナ、カラシ | 1件 | 3人 | 0人 | 0.0% |
| ヒガンバナ | ニラ、ノビル、タマネギ | 1件 | 2人 | 0人 | 0.0% |
| タガラシ | セリ | 1件 | 1人 | 0人 | 0.0% |
| その他(観賞用ヒョウタン等) | ― | 23件 | 54人 | 0人 | 0.0% |
| 不明 | ― | 3件 | 22人 | 0人 | 0.0% |
| 合計 | ― | 218件 | 688人 | 17人 | 2.5% |
厚生労働省「過去10年間の有毒植物による食中毒発生状況(平成28年〜令和7年)」より。「間違えやすい植物」は同表(自然毒のリスクプロファイルより)の記載。致死率は当サイトが死亡数÷患者数で計算し、小数第2位を四捨五入。死者の多い順、同数は件数の多い順に並べ替えています。
件数ではスイセン、命の危険ではコルヒチンを含む植物
件数が最も多いのはスイセン(74件・患者227人)ですが、死者は1人で、致死率は0.4%です。これに対し、イヌサフランは患者30人のうち13人(43.3%)、グロリオサは患者8人のうち2人(25.0%)が亡くなっています。
この2つは、どちらもコルヒチンを含む植物です(リスクプロファイルは、グロリオサのコルヒチンの分析は「イヌサフランに準じる」としています)。2つを合わせると、件数は218件中28件(12.8%)にすぎませんが、死者は17人中15人(88.2%)に達します。コルヒチンを含む2種を除いた有毒植物の致死率は0.31%で、桁が2つ違います。
コルヒチン中毒の症状
リスクプロファイルによると、グロリオサの中毒は摂取後、数時間以降に発症し、口腔・咽頭の灼熱感、発熱、嘔吐、下痢、背部の痛みなどが出ます。臓器の機能不全などで死亡することもあり、致死量は0.8mg/kgとされています。助かった例でも、呼吸困難、急性腎不全、出血、脱毛などが報告されています。
【独自集計】全国のグロリオサ食中毒一覧|9件すべて家庭、夏は0件
厚生労働省は、自治体から報告された食中毒を1件ずつ載せた「食中毒発生事例」を毎年公表しています。当サイトで2016〜2025年分と2026年の速報(10月1日までの報告分)を読み込み、原因食品に「グロリオサ」とある事例を抜き出しました。2016〜2025年の抽出結果は6件・患者8人・死者2人で、厚労省の植物別の集計と一致します。これに、まだ国の速報に載っていない浜松市の事例を加えた一覧です。
| 発生日 | 自治体 | 原因食品(表記どおり) | 患者 | 死者 |
|---|---|---|---|---|
| 2020年1月31日 | 鹿児島県 | グロリオサ球根(推定) | 1人 | 1人 |
| 2021年3月4日 | 高知県 | グロリオサの球根 | 1人 | 0人 |
| 2022年4月6日 | 宮崎県 | グロリオサ | 1人 | 1人 |
| 2022年9月13日 | 鹿児島市 | グロリオサの球根 | 2人 | 0人 |
| 2024年12月14日 | 高知市 | グロリオサの球根 | 2人 | 0人 |
| 2025年2月8日 | 秋田県 | 煮物(グロリオサの球根) | 1人 | 0人 |
| 2026年1月27日 | 高知市 | グロリオサの球根 | 1人 | 0人 |
| 2026年3月14日 | 宮崎県 | 家庭で調理された食品(グロリオサ) | 2人 | 1人 |
| 2026年10月10日 | 浜松市 | グロリオサ(ヤマイモ様根茎) | 2人 | 0人 |
厚生労働省「食中毒発生事例」(2016〜2025年)、「令和8年食中毒発生事例(速報)」(2026年10月1日までに報告のあった事例)、浜松市発表より当サイト集計。自治体は報告した都道府県・保健所設置市。原因施設はいずれも「家庭」。2026年の数値は速報のため、今後修正される可能性があります。
集計からわかる3つの傾向
- すべて家庭で起きている:9件とも原因施設は家庭です。庭や鉢で育てたものを、自分や家族が食べたケースです。
- 5〜8月は0件:発生月は9月・10月・12月・1月(2件)・2月・3月(2件)・4月。9件中8件が9月〜翌3月に集中しています。原因食品に植物名が書かれた有毒植物の事例(2016〜2025年、187件)では4〜5月だけで105件(56%)と春の山菜の季節に偏っており、グロリオサは時期の傾向が違います。地上部が枯れて地下部だけになる時期と重なっているとみられます。
- 西日本の暖かい地域が多い:高知県3件(高知市を含む)、鹿児島県2件、宮崎県2件。ただし秋田県や、今回の静岡県(浜松市)でも起きており、地域を問わず注意が必要です。
また、2026年は1月の高知市、3月の宮崎県(死者1人と記録)に続き、浜松市ですでに3件・患者5人です。2016〜2025年の10年間で6件だったことを考えると、例年より多いペースです。
静岡県では2007年にも死亡例
リスクプロファイルには、2007年(平成19年)10月下旬に静岡県の男性が、自宅に植えていたグロリオサをヤマノイモと間違えて採取し、すりおろして食べ、コルヒチン中毒で死亡した事例が載っています。2006年8月下旬には高知市でも、ヤマノイモと一緒に誤ってグロリオサを掘り、すりおろして食べた男性が亡くなっています。
グロリオサだけじゃない、間違えやすい有毒植物の組み合わせ
浜松市は今回の発表資料で、グロリオサのほかに食用と間違えやすい有毒植物を4つ挙げています。厚労省の10年分の件数と合わせて整理します。
| 有毒植物 | 間違えやすい植物 | 主な症状 |
|---|---|---|
| グロリオサ(10年6件) | 根をヤマイモ | 口腔・咽頭灼熱感、発熱、嘔吐、下痢、背部疼痛 |
| スイセン(10年74件) | ニラ、ノビル、タマネギ | 嘔吐、下痢、頭痛 |
| バイケイソウ(10年22件) | オオバギボウシ、ギョウジャニンニク | 嘔吐、下痢、手足のしびれ |
| イヌサフラン(10年22件) | 葉をギョウジャニンニク、ギボウシ/球根をジャガイモ、タマネギ | 嘔吐、下痢、呼吸困難、皮膚の知覚減退など |
| クワズイモ(10年18件) | 根をサトイモ | 悪心、嘔吐、下痢 |
間違えやすい植物・症状は浜松市の報道発表資料(参考2)、件数は厚生労働省の過去10年(2016〜2025年)の集計より。
このほか厚労省の表では、トリカブトをニリンソウやモミジガサと(10年11件・死者1人)、チョウセンアサガオをゴボウやオクラ、モロヘイヤ、アシタバ、ゴマと(6件)間違える例が挙がっています。
秋はイヌサフランの球根にも注意
厚生労働省の広報記事は、イヌサフランについて「春は葉をギョウジャニンニクやギボウシなどと間違える食中毒が起こりやすく、秋になると球根が出回るので、ニンニクやタマネギ、ジャガイモなどと間違えられることが多い」と説明しています。グロリオサと同じコルヒチンを含み、10年の死者は13人と最多です。2026年も、国の速報には4月の札幌市・岩手県、5月の旭川市で、イヌサフラン(推定を含む)による死者がそれぞれ1人記録されています。庭で掘り上げた球根やイモ類は、野菜と同じ場所に置かないことが大切です。
誤食を防ぐには?食べてしまったときの対応
浜松市と厚生労働省が呼びかけているのは、食用と確実に判断できない植物は「採らない」「食べない」「売らない」「人にあげない」の4つです。そのうえで、家庭でできる具体的な対策を、厚労省・高知市の資料から整理します。
- 観賞用植物は菜園や畑から離して植える。グロリオサをヤマイモの近くに植えると、間違えて掘り起こすおそれがあります(高知市)。浜松市も「園芸用の草花は、食用の野菜の近くに植えないように」と呼びかけています。
- 何を植えたか札を立て、家族にも伝える(厚労省)。植えた本人以外が掘ることもあります。
- 植えた覚えのない植物は食べない。種が飛んできたり、以前植えたものが再び生えたりすることがあります(厚労省)。
- 掘り上げた球根は野菜と区別して保管する。有毒であることを書き、子どもや認知機能が低下した人の手が届く場所や台所には置かない(リスクプロファイル)。
- 調理前にもう一度確認する。香りが違う、あるはずの粘りがない、強い苦みやえぐみがある、など少しでもおかしいと思ったら食べない(厚労省)。
食べてしまった、体調が悪くなったときは
野草などを食べて体調が悪くなったら、すぐに医師の診察を受けてください(厚労省)。グロリオサの症状は食べてから数時間以降に出るため、食べた量が少なくても油断は禁物です。食べ残しや、掘った植物の残りは捨てずにおくと、原因の特定に役立ちます(今回の浜松市の事例でも、残品からコルヒチンが検出されて原因がわかりました)。判断に迷うときは、日本中毒情報センターの「中毒110番」(一般専用、365日24時間、情報提供料は無料)に相談する方法もあります。大阪中毒110番は072-727-2499、つくば中毒110番は029-852-9999です。
食中毒の報道(X)
静岡放送と静岡新聞は10月16日、浜松市の夫婦が庭のグロリオサをヤマイモと間違えて食べ、食中毒になったと伝えました。事実関係は浜松市の報道発表に基づいて本文で整理しています。
【食中毒】「ヤマイモ」と間違えて…高齢夫婦が庭に自生していた「グロリオサ」をお好み焼きにして食べ、食中毒に=静岡・浜松市 https://t.co/uLtHD5meGU
— SBS NEWS【SBSテレビ公式】 (@SBSnewsbot) October 16, 2026
ヤマイモと誤認 自宅の庭でグロリオサ誤食 夫婦が食中毒 浜松市|静岡新聞DIGITAL 静岡県のニュース https://t.co/HkcfJEMODw
— 静岡新聞DIGITAL(編集部からおすすめ記事をお届けします) (@shizushin) October 16, 2026
グロリオサの食中毒に関するよくある質問
Q. 浜松市のグロリオサ食中毒はいつ、何があったのですか?
A. 2026年10月9日、浜松市内の自宅の庭に生えていたグロリオサをヤマイモと間違えて調理して食べた70代男性と60代女性の2人が、嘔吐や下痢などの症状を出しました。市は10月16日に食中毒と発表し、発表時点で1人は回復、1人は入院中でした。
Q. グロリオサの毒は何ですか?どんな症状が出ますか?
A. 全草に含まれるアルカロイドのコルヒチンで、とくに地下部に多いとされます。食べて数時間以降に、口や喉の焼けるような感じ、発熱、嘔吐、下痢、背中の痛みなどが出て、臓器の機能不全で死亡することもあります。
Q. グロリオサの食中毒はどれくらい起きていますか?
A. 厚生労働省の集計では、2016〜2025年の10年間で6件・患者8人・死者2人です。患者の25%が亡くなっており、有毒植物の中ではイヌサフランに次いで致死率が高くなっています。2026年は浜松市を含め、すでに3件起きています。
Q. グロリオサとヤマイモはどう見分けますか?
A. 高知市の資料によると、グロリオサの地下部は表面が滑らかでひげ根がなく、折っても糸をひかず、すりおろしても粘りが全くありません。ヤマイモは表面がゴツゴツしてひげ根があり、すりおろすとよく粘ります。ただし加熱調理すると違いに気づきにくいため、植えた覚えのないイモは食べないことが大切です。
Q. グロリオサの食中毒はどの季節に多いですか?
A. 当サイトが厚生労働省の個票を集計したところ、2016年以降の9件(浜松市を含む)は9月〜翌4月に起きており、5〜8月は0件でした。地上部が枯れて地下部だけになる時期に、掘り出したものをヤマイモと間違えるとみられます。
Q. 有毒植物を食べてしまったらどうすればいいですか?
A. 体調が悪くなったらすぐに医療機関を受診してください。食べ残しや植物の残りがあれば、原因の特定に役立ちます。判断に迷うときは、日本中毒情報センターの中毒110番(一般専用・365日24時間・無料)に相談できます。
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出典・参考資料
- 浜松市:食中毒等の公表(第4号)/報道発表資料「食中毒発生速報第(4)号について」(PDF)(2026年10月16日)
- 厚生労働省:有毒植物による食中毒に注意しましょう(過去10年間の有毒植物による食中毒発生状況)
- 厚生労働省:自然毒のリスクプロファイル:高等植物 グロリオサ
- 厚生労働省:食中毒統計資料(食中毒発生事例 2016〜2025年、令和8年速報。当サイト集計)
- 厚生労働省:食中毒予防:有毒植物による食中毒に注意しましょう!
- 高知市:有毒植物(グロリオサ)の誤食による食中毒について
- 公益財団法人日本中毒情報センター:中毒110番
- 静岡放送(TBS NEWS DIG):「ヤマイモ」と間違えて…高齢夫婦が庭に自生していた「グロリオサ」をお好み焼きにして食べ、食中毒に(2026年10月16日)
- テレビ静岡(Yahoo!ニュース配信):「ヤマイモ」と間違えて有毒植物食べる 高齢夫婦が食中毒…妻は入院も(2026年10月20日)
写真とアイキャッチの背景はWikimedia Commonsのフリーライセンス画像を使用しています(一部リサイズ・明るさ調整あり)。アイキャッチ:Vaikoovery「Gloriosa superba 8962.jpg」(CC BY 3.0)。データは2026年10月21日時点で取得したものです。


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