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医療費控除はいくらから?年収別にいくら戻るか2026年版早見表
医療費控除は、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費から保険金などで補われた分を引き、10万円を超えた部分を所得から差し引ける制度です。ただし所得が200万円未満の人は、10万円ではなく所得の5%を超えた部分が対象になります。給与だけの人なら、その境目は年収297万2,000円です。2026年(令和8年)分の基礎控除・給与所得控除の改正を織り込んで、年収別に「実際にいくら戻るか」を計算しました。
結論:医療費が10万円を超えたら申告を検討。所得200万円未満(給与だけなら年収297万2,000円未満)の人は、所得の5%を超えれば対象です。
たとえば年収400万円(独身・社会保険料15%で試算)で医療費が20万円なら、所得税と住民税を合わせて約15,105円戻ります(軽くなります)。会社の年末調整では受けられないため、2027年2月16日〜3月15日の確定申告か、2027年1月1日から出せる還付申告で手続きします。
この記事でわかること
- 医療費控除の計算式と、「10万円」が「所得の5%」に下がる人の条件
- 年収200万〜1,000万円で、医療費15万・20万・30万・50万円のときに戻る税額
- 年収250万円の人は、年収500万円の人より多く戻ることがある理由
- セルフメディケーション税制とどちらが得か(2026年分の対象薬と、2027年からの見直し)
- 対象になる医療費・ならない医療費、明細書とマイナポータル連携、5年さかのぼる還付申告
医療費控除はいくらから?計算式は「医療費−保険金など−10万円」
医療費控除のルールは所得税法73条に書かれています。条文と国税庁のタックスアンサーNo.1120を合わせると、控除できる金額は次の式で決まります。
医療費控除の計算式(上限200万円)
(その年に実際に支払った医療費 − 保険金などで補てんされる金額)− 10万円
※その年の総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく「総所得金額等×5%」
「保険金などで補てんされる金額」とは、生命保険の入院給付金や、健康保険の高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などです。補てんされる金額は、その給付の目的になった医療費から差し引きます。引ききれなくても、ほかの医療費からは差し引きません。
注意したいのは、5%ルールの基準は「年収」ではなく「総所得金額等」だという点です。給与だけの人なら、総所得金額等は年収から給与所得控除を引いた「給与所得」になります。当サイトが2026年分の給与所得控除(国税庁の表と所得税法別表第五)で計算すると、給与所得が200万円に届くのは年収297万2,000円からでした。それより年収が低い人は、足切りが10万円より低くなります。
| 年収(給与のみ) | 給与所得(2026年分) | 足切り額 | 考え方 |
|---|---|---|---|
| 150万円 | 76万円 | 3万8,000円 | 所得の5% |
| 200万円 | 126万円 | 6万3,000円 | 所得の5% |
| 250万円 | 167万円 | 8万3,500円 | 所得の5% |
| 290万円 | 195万円 | 9万7,500円 | 所得の5% |
| 300万円 | 202万円 | 10万円 | 10万円(所得200万円以上) |
| 500万円 | 356万円 | 10万円 | 10万円(所得200万円以上) |
当サイト試算。給与所得は国税庁No.1410の令和8年分の表と、660万円未満に使う所得税法別表第五(収入を4,000円刻みにして計算)によります。年収297万2,000円未満は給与所得が200万円未満です。
たとえば年収250万円の人の足切りは8万3,500円。医療費が9万円でも、6,500円分を控除できます。パートやアルバイト、年金生活の家族など、所得が少ない人ほど「10万円を超えていないから関係ない」と思い込みやすいので注意が必要です。
また、医療費は自分の分だけでなく、生計を一にする配偶者や親族の分も合算できます。対象になるのは、その年の1月1日から12月31日までに実際に支払った医療費です。未払いの医療費は、支払った年の分になります。
【早見表】年収別・医療費控除でいくら戻る?(2026年分)
医療費控除は「所得から差し引く」控除なので、戻ってくるのは控除額そのものではなく、控除額×税率です。所得税(復興特別所得税を含む)は還付され、住民税(標準税率10%)は翌年度の税額が軽くなります。年収と医療費の組み合わせごとに、合計額を計算しました。
| 年収 | 足切り額 | 医療費15万円 | 医療費20万円 | 医療費30万円 | 医療費50万円 |
|---|---|---|---|---|---|
| 200万円 | 6万3,000円 | 所得税0円 (住民税のみ) |
所得税0円 (住民税のみ) |
所得税0円 (住民税のみ) |
所得税0円 (住民税のみ) |
| 250万円 | 8万3,500円 | 10,070円 | 17,623円 | 32,728円 | 54,667円 |
| 300万円 | 10万円 | 7,552円 | 15,105円 | 30,210円 | 60,420円 |
| 400万円 | 10万円 | 7,553円 | 15,105円 | 30,210円 | 60,420円 |
| 500万円 | 10万円 | 7,552円 | 15,105円 | 30,210円 | 60,420円 |
| 600万円 | 10万円 | 10,105円 | 20,210円 | 40,420円 | 80,840円 |
| 700万円 | 10万円 | 15,210円 | 30,420円 | 58,798円 | 99,218円 |
| 800万円 | 10万円 | 15,210円 | 30,420円 | 60,840円 | 121,680円 |
| 1,000万円 | 10万円 | 15,210円 | 30,420円 | 60,840円 | 121,680円 |
当サイト試算(2026年10月28日時点の法令)。給与収入のみ・独身・扶養なし・社会保険料は年収の15%・ほかの所得控除なし。医療費は保険金などを差し引いた後の金額。所得税は国税庁No.1199の令和8年分の基礎控除(合計所得489万円以下は104万円など)と速算表、復興特別所得税2.1%で計算し、住民税は控除額×10%の目安です。年収200万円は所得税がかからないため、医療費控除で軽くなるのは住民税だけです(住民税の金額は前提で変わるため表示していません)。
年収250万円の人は、年収500万円の人より多く戻ることがある
表の網かけの行を見てください。医療費15万円のとき、年収250万円の人は10,070円戻るのに対し、年収500万円の人は7,552円です。所得税の税率はどちらも5%ですが、年収250万円の人は足切りが8万3,500円と低いため、控除額が大きくなるからです。
一方、年収700万円を超えると所得税の税率が20%に上がり、同じ医療費でも戻る額が倍近くになります。医療費控除の効果は「医療費の多さ」だけでなく、「足切り額」と「税率」の2つで決まる、ということが表から読み取れます。
1万円戻すには、医療費がいくら必要?
「いくら以上なら申告する価値があるか」の目安として、所得税と住民税の合計で1万円以上戻る医療費を逆算しました。
| 年収 | 所得税の税率 | 1万円戻すのに必要な医療費 | 医療費20万円のときの内訳 |
|---|---|---|---|
| 250万円 | 5% | 14万9,600円 | 所得税 5,973円+住民税 11,650円 |
| 300万円 | 5% | 16万6,100円 | 所得税 5,105円+住民税 10,000円 |
| 400万円 | 5% | 16万6,100円 | 所得税 5,105円+住民税 10,000円 |
| 500万円 | 5% | 16万6,100円 | 所得税 5,105円+住民税 10,000円 |
| 600万円 | 10% | 14万9,100円 | 所得税 10,210円+住民税 10,000円 |
| 700万円 | 20% | 13万2,700円 | 所得税 20,420円+住民税 10,000円 |
| 800万円 | 20% | 13万2,700円 | 所得税 20,420円+住民税 10,000円 |
| 1,000万円 | 20% | 13万2,700円 | 所得税 20,420円+住民税 10,000円 |
当サイト試算。前提は上の早見表と同じ。100円単位で逆算。
年収300万〜500万円の人は、医療費が約16万6,000円で1万円戻る計算です。年収700万〜1,000万円なら約13万3,000円で届きます。逆に、医療費が10万円をわずかに超えた程度だと、戻るのは数百円〜数千円です。それでも住民税まで軽くなるので、領収書がそろっているなら申告して損はありません。
2026年分の計算で変わったこと(基礎控除・給与所得控除)
医療費控除の計算式そのものは変わっていません。ただ、2026年(令和8年)分は令和8年度税制改正で基礎控除と給与所得控除の最低額が引き上げられたため、「所得税がかかるかどうか」「どの税率になるか」が前年と変わります。
| 項目 | 2025年(令和7年)分 | 2026年(令和8年)分 |
|---|---|---|
| 基礎控除(合計所得132万円以下) | 95万円 | 104万円 |
| 基礎控除(132万円超489万円以下) | 88万円・68万円 | 104万円 |
| 基礎控除(489万円超655万円以下) | 63万円 | 67万円 |
| 基礎控除(655万円超2,350万円以下) | 58万円 | 62万円 |
| 給与所得控除の最低額 | 65万円 | 74万円(年収220万円まで) |
出典:国税庁タックスアンサーNo.1199(基礎控除)・No.1410(給与所得控除)。令和8年分の規定は令和8年12月1日に施行されています(国税庁「令和8年度税制改正Q&A」)。
この改正で、独身・社会保険料15%の前提では年収209万5千円まで所得税がかからない計算になりました。所得税がかからない人は、医療費控除をしても所得税は戻りません。国税庁のNo.2030も、源泉徴収された所得税がない人は「申告しても還付される所得税額はありません」としています。それでも住民税の医療費控除は同じ計算式(地方税法314条の2)で受けられるため、住民税が軽くなる可能性はあります。
この記事の早見表は、すべて改正後(2026年分)の基礎控除・給与所得控除で計算しています。改正で年末調整がどう変わるかは、関連記事「年末調整2026の変更点」で詳しく解説しています。
医療費控除の対象になる医療費・ならない医療費
対象になるのは「治療や療養のため」の支出で、病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分です。国税庁のNo.1122などに挙がっている例を、場面別に整理しました。

| 場面 | 対象になる | 対象にならない |
|---|---|---|
| 診察・治療 | 医師・歯科医師の診療や治療の費用 | 健康診断の費用(原則)、医師などへの謝礼 |
| 薬 | 治療のための医薬品(風邪をひいたときの風邪薬など、市販薬を含む) | ビタミン剤など、病気の予防や健康増進のための医薬品 |
| 通院 | 電車・バスの運賃、子どもの通院の付添人の交通費 | 自家用車のガソリン代・駐車場代、公共交通機関が使える場合のタクシー代 |
| 入院 | 入院費、入院中に病院で出る食事 | 自分や家族の都合だけで個室に入った差額ベッド代、寝巻きや洗面具、出前や外食 |
| 歯の治療 | 金やポーセレンを使った治療、子どもの成長のために必要な歯列矯正 | 容ぼうを美化するための歯列矯正、歯科ローンの金利・手数料 |
| 出産 | 妊娠と診断されてからの定期検診・検査・通院費、通常の交通手段が難しいときの入院のタクシー代 | 実家で出産するための帰省の交通費 |
| 施術・器具 | 治療のためのあん摩マッサージ指圧・はり・きゅう・柔道整復、治療に必要な眼鏡・補聴器・義歯・松葉杖 | 疲れを癒す、体調を整えるといった治療に直接関係のない施術 |
出典:国税庁タックスアンサーNo.1122(対象となる医療費)、No.1124(出産費用)、No.1126(入院費用)、No.1128(歯の治療費)。おむつ代は、おおむね6か月以上寝たきりで医師の治療を受けている場合に、医師の「おむつ使用証明書」があれば対象になります。
迷ったら「治療のためか」で判断
同じ薬や施術でも、目的で扱いが変わります。風邪薬は対象でもビタミン剤は対象外、治療のためのマッサージは対象でも疲れを癒すためのものは対象外、という具合です。判断に迷うものは、領収書を残したうえで税務署に確認するのが確実です。
セルフメディケーション税制とどっちが得?
市販薬をよく買う人は、医療費控除の特例であるセルフメディケーション税制(租税特別措置法41条の17)も選べます。対象の市販薬の購入費が1万2,000円を超えた部分(上限8万8,000円)を控除できる制度です(国税庁No.1129)。
- 通常の医療費控除と併用はできません。どちらか一方を選び、申告後に変更することもできません(No.1131)。
- 申告する本人が、その年に健康診断や予防接種などの「一定の取組」をしている必要があります(勤務先の定期健康診断、インフルエンザの予防接種、特定健診、がん検診など)。取組の費用そのものは控除の対象になりません。
- 対象の市販薬は、レシートや領収書に対象である旨が表示されます。パッケージに共通識別マークがあるものもあります。
年収400万円で比べると
年収400万円(前提は早見表と同じ)の人で、医療費の合計と、そのうちセルフメディケーション税制の対象になる市販薬の額を変えて比べました。通常の医療費控除では、市販薬も治療のためなら医療費に含めて計算します。
| ケース | 医療費の合計(うち対象の市販薬) | 通常の医療費控除 | セルフメディケーション | 得なのは |
|---|---|---|---|---|
| ケースA | 8万円(3万円) | 控除0円 → 0円 |
控除1万8,000円 → 2,719円 |
セルフメディケーション |
| ケースB | 11万円(5万円) | 控除1万円 → 1,511円 |
控除3万8,000円 → 5,740円 |
セルフメディケーション |
| ケースC | 12万円(2万円) | 控除2万円 → 3,021円 |
控除8,000円 → 1,209円 |
通常の医療費控除 |
| ケースD | 30万円(4万円) | 控除20万円 → 30,210円 |
控除2万8,000円 → 4,230円 |
通常の医療費控除 |
当サイト試算。「→」の右は所得税と住民税の合計で戻る(軽くなる)額。
判断のコツは単純で、「対象の市販薬−1万2,000円」が「医療費の合計−足切り額」より大きければセルフメディケーションです。医療費の合計が10万円に届かない年は、セルフメディケーションしか使えない場合が多くなります。ただし控除の上限は8万8,000円なので、年収400万円の人が受けられる効果は最大でも約13,293円です。
2026年分の対象薬と、2027年からの見直し
2026年に買った薬で使えるのは、医療用から転用された「スイッチOTC医薬品」と、かぜ薬・解熱鎮痛薬・鼻炎用薬など一部の効能の「非スイッチOTC医薬品」です。国税庁によると、令和8年4月1日時点でスイッチOTCは100成分、非スイッチOTCは42成分が指定されています。厚生労働省のQ&Aによると、スイッチOTCのうちL-アスパラギン酸カルシウム、フッ化ナトリウム、メコバラミン、ユビデカレノンを含むものは2026年1月1日から対象外になりました。
現行の租税特別措置法41条の17は、適用期間を「令和8年12月31日まで」としています。これについては令和8年度税制改正で見直しが決まっており、厚生労働省が公表している改正後の条文(令和9年1月1日施行)では、スイッチOTC医薬品は期限なし、そのほかは2031年(令和13年)12月31日までとなっています。2027年1月からは、胃腸薬や痔の薬などの非スイッチOTC、新型コロナ・インフルエンザの抗原検査キットや排卵日予測検査薬、薬局製造販売医薬品も対象に加わります(妊娠検査薬などは対象外)。
見直しの期間中はパッケージの識別マークの切り替えが進むため、厚生労働省は「必ずレシート等の表示を確認」するよう呼びかけています。対象品目の一覧は厚生労働省のページで公開されています(2026年10月1日時点版)。
医療費控除の申告手順(明細書・医療費通知・e-Tax)
医療費控除は、会社の年末調整では受けられません。確定申告書に「医療費控除の明細書」を添付して提出します。手順は次のとおりです。
- 領収書を集める:家族の分も含め、1月〜12月に支払った分。通院の交通費は日付と金額をメモしておきます。
- 保険金などを確認:高額療養費や入院給付金などで補てんされた額を、該当する医療費から差し引きます。金額が確定していなければ見込額で計算します。
- 明細書を作る:健康保険組合などから届く「医療費のお知らせ」(医療費通知)を添付すれば、その分の明細の記載を簡略化できます。領収書が多い人は、国税庁の医療費集計フォーム(Excel)で集計すると、確定申告書等作成コーナーに読み込めます。
- e-Taxで提出:マイナンバーカードを使ってe-Taxで申告する場合、マイナポータル連携で医療費のデータを取得し、申告書に自動入力できます。事前にマイナポータルで代理人登録をすれば、家族の医療費データも取得できます。
- 領収書を保管:明細書を出した場合、税務署は確定申告期限から5年間、領収書の提示や提出を求めることがあります(医療費通知を添付した分を除く)。
いつまでに申告する?2026年分のスケジュール
- 2026年12月31日(木)2026年分の医療費の締め・2021年分の還付申告の期限12月中に支払った医療費までが2026年分です(未払いは支払った年の分)。また、還付申告は翌年1月1日から5年間出せるため、2021年分の医療費控除はこの日が期限です。10月28日から数えて残り64日です。
- 2027年1月1日(金)2026年分の還付申告を出せるようになる確定申告の義務がない会社員などの還付申告は、確定申告期間を待たずに提出できます。同じ日にセルフメディケーション税制の見直しが施行されます。
- 2027年2月16日(火)〜3月15日(月)2026年分の確定申告期間副業などで確定申告が必要な人は、この期間に医療費控除もまとめて申告します。
- 2031年12月31日(水)2026年分の還付申告の期限申告を忘れても、5年間はさかのぼって還付申告ができます。
出典:国税庁タックスアンサーNo.2030(還付申告)・No.1120。曜日は当サイトで確認。
データで見る:医療費控除を使っている人は申告納税者の3割
国税庁の「令和6年分 申告所得税標本調査」から、所得控除の利用状況を確認しました。この調査は申告納税額がある人(516万人)が対象で、税金が戻るだけの還付申告の人は含まれていません。
| 控除 | 使った人 | 申告納税者に占める割合 | 1人あたり平均控除額 |
|---|---|---|---|
| 医療費控除 | 1,550,294人 | 30.1% | 約23万9,000円 |
| セルフメディケーション税制 | 10,242人 | 0.2% | 約2万8,000円 |
出典:国税庁「令和6年分 申告所得税標本調査」第3表・概要。平均控除額は控除額(百万円単位)÷人数で当サイトが計算。
医療費控除を使った人は、セルフメディケーション税制の約151倍でした。医療費控除の平均控除額は約24万円で、足切りの10万円を引いたあとでも、かなりの額を差し引いていることがわかります。セルフメディケーション税制は平均約2万8,000円と小さく、使う人も1万人ほどにとどまっています。
医療費控除についてよくある質問
Q. 医療費控除はいくらから受けられますか?
A. 1年間に支払った医療費から保険金などで補てんされる金額を引き、10万円を超えた部分が控除の対象です。その年の総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく総所得金額等の5%を超えた部分が対象になります(所得税法73条)。
Q. 医療費が10万円以下でも医療費控除は受けられますか?
A. 総所得金額等が200万円未満なら受けられることがあります。給与だけの人なら、2026年分は年収297万2,000円未満が該当し、たとえば年収250万円なら足切りは8万3,500円です。
Q. 家族の医療費はまとめて申告できますか?
A. できます。自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費は合算できます。医療費を実際に支払った人が控除を受けます。
Q. 医療費控除は年末調整でできますか?
A. できません。会社の年末調整では扱われないため、確定申告(還付申告)が必要です。2026年分の還付申告は2027年1月1日から提出できます。
Q. セルフメディケーション税制と両方使えますか?
A. 使えません。通常の医療費控除との選択制で、申告後に変更することもできません。対象の市販薬の購入費が1万2,000円を超えた部分(上限8万8,000円)を控除する制度で、健康診断などの「一定の取組」が条件です。
Q. 領収書は提出する必要がありますか?
A. 提出は不要で、「医療費控除の明細書」を確定申告書に添付します。ただし税務署は確定申告期限から5年間、領収書の提示や提出を求めることがあるため、保管しておきます。医療費通知を添付した分は除かれます。
Q. 過去の医療費控除をさかのぼって申告できますか?
A. できます。還付申告は翌年1月1日から5年間提出できます。2021年分は2026年12月31日が期限です。
Q. 所得税がかからない人も医療費控除をする意味はありますか?
A. 所得税は戻りませんが、住民税にも同じ計算式の医療費控除があるため、住民税が軽くなる可能性があります。2026年分は基礎控除などの引き上げで、独身・社会保険料15%の前提なら年収209万5,000円までは所得税がかからない計算です。
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出典・参考資料
- e-Gov法令検索「所得税法」73条(医療費控除)、租税特別措置法41条の17、地方税法314条の2
- 国税庁タックスアンサー No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)・No.1122 医療費控除の対象となる医療費・No.1124・No.1126・No.1128
- 国税庁タックスアンサー No.1129 セルフメディケーション税制・No.1131 通常の医療費控除との選択適用・No.1132
- 国税庁タックスアンサー No.1199 基礎控除・No.1410 給与所得控除・No.2260 所得税の税率・No.2030 還付申告
- 国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」(令和8年5月)
- 厚生労働省「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について」・セルフメディケーション税制Q&A(令和8年8月7日時点)・改正後の租税特別措置法(令和9年1月1日施行)
- 国税庁「マイナポータルを活用した年末調整及び所得税確定申告の簡便化」・医療費集計フォーム
- 国税庁「令和6年分 申告所得税標本調査」
- 年収別の戻る税額・足切り額・1万円戻すのに必要な医療費:当サイトによる試算(前提は本文の注記のとおり)。実際の税額は所得や控除の状況で変わります
- 写真:ParentingPatch/Wikimedia Commons(ファイルページ、CC BY-SA 3.0)。一部リサイズ・明るさ調整あり


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