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バヌアツ地震M7.2で日本に津波は?周辺のM7以上は50年で43回

2026 10/24
ニュース 国際
2026年10月24日
バヌアツ・エスピリトゥサント島の海岸(バヌアツ地震M7.2で日本に津波は?周辺のM7以上は50年で43回)

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ニュース|国際

バヌアツ地震M7.2で日本に津波は?周辺のM7以上は50年で43回

日本時間の10月24日11時31分ごろ、南太平洋のバヌアツ諸島で大きな地震がありました。気象庁はマグニチュード(M)7.2と発表し、日本への津波の影響はないとしています。アメリカ地質調査所(USGS)の値はM6.9です。なぜ数字が違うのか、なぜ日本に津波が来ないと言えるのか、そしてバヌアツ周辺で大地震がどれくらい起きているのかを、USGSの地震カタログ50年分などから自分で集計しました。

M7.2は速報値、USGSはM6.9日本への津波の影響なし(気象庁)周辺のM7以上は50年で43回日本で観測されたのは1999年の最大17cm

2026年10月24日時点の情報です。被害の状況は今後の発表で変わる可能性があります。

7.2/6.9マグニチュード(気象庁の発表/USGS)
43回バヌアツ周辺のM7以上(1976年10月〜、USGS)
15回本震のあとに起きたM5以上(USGS、24日19時59分時点)
17cmバヌアツ発の津波で日本の最大(1999年・宮城県鮎川)

この記事のポイント

  • 地震はバヌアツ北部、エスピリトゥサント島の北西沖で起きました。震源の深さは10kmと浅く、気象庁はM7.2、USGSはM6.9としています。M7.2は太平洋津波警報センター(PTWC)の速報値で、PTWCものちに6.9へ修正しました。
  • 気象庁は11時54分に「遠地地震に関する情報」を出し、日本への津波の影響はないと発表しました。日本向けの津波予報も出ていません。
  • USGSのカタログで数えると、バヌアツ周辺のM7以上はこの50年で43回、年に平均0.86回。2020年以降だけでも5回あり、今年3月にもM7.3が起きています。
  • NOAAの津波データベースで、バヌアツで起きた津波が日本で記録されたのは1999年の1回(最大0.17m)だけでした。
目次

バヌアツ地震はいつ・どこで?規模と津波警報の経過

バヌアツ・エスピリトゥサント島のシャンパンビーチ
震源の南東にあるエスピリトゥサント島のシャンパンビーチ(2016年撮影)/写真:Simon_sees(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)

気象庁によると、地震は日本時間10月24日11時31分ごろに発生しました。現地のバヌアツは日本より2時間進んでいるため、現地時間では13時31分ごろ、土曜日の昼過ぎです。USGSは震源をバヌアツ北部の町ポートオルリーの西北西197km、深さ10kmの海底としています。

項目 内容
発生時刻 日本時間10月24日11時31分ごろ(協定世界時2時31分、現地13時31分)
震源 バヌアツ諸島(エスピリトゥサント島の北西沖)、深さ10km(USGS)
マグニチュード 気象庁7.2(PTWCの速報値)/USGS 6.9(Mww)
津波 PTWCが「震源から300km以内の沿岸で危険な津波の可能性」→ 日本時間12時28分に「津波の脅威はなくなった」と最終発表
日本への影響 気象庁が11時54分に「遠地地震に関する情報」を発表。日本への津波の影響はなし
被害 発生後の報道では、被害の報告はすぐには入っていない(AP通信・1News)

出典:気象庁「地震情報」(遠地地震に関する情報、10月24日11時54分発表)、USGS「M 6.9 – 197 km WNW of Port-Olry, Vanuatu」、PTWC津波メッセージ第1報・第2報(最終)。

PTWCが日本時間11時37分に出した第1報は、M7.2・深さ10kmとして「震源から300km以内の沿岸で危険な津波が起きる可能性がある」とし、対象をバヌアツとしました。エスピリトゥサント島への第1波の到達予想は日本時間12時01分でした。テレ朝NEWSによると、バヌアツの気象当局は一時津波警報を出して沿岸の住民に高台への避難を呼びかけ、およそ1時間後に解除しました。PTWCも12時28分の最終報で、M6.9に修正したうえで「津波の脅威はなくなった」としています。オーストラリアABCによると、オーストラリア気象局は同国への津波の脅威はないとしています。

揺れと被害:USGSの推計は「緑」

USGSが地震直後に出す被害推計(PAGER)は、死者・経済被害とも4段階で最も低い「緑」でした。揺れの推計では、改正メルカリ震度階級IV(屋内の多くの人が揺れを感じる程度)の範囲に約5万3,000人、V(ほぼ全員が感じる程度)の範囲に約130人が住んでいるとされ、それより強い揺れにさらされた人はいない計算です。ウェザーニュースは、陸地での最大の揺れを日本の震度に換算すると「震度4程度」としています。

震源から最も近い大きな町は、エスピリトゥサント島のルーガンビル(USGSの推計で人口約1万8,000人、震央から約240km)です。AP通信やニュージーランドの1Newsは、被害の報告はすぐには入っていないと伝えています。ただし、USGSはこの地域の建物について「揺れに弱い造りが多い」とも書いており、離島の被害の確認には時間がかかることもあるため、続報を待つ必要があります。

マグニチュード7.2と6.9、なぜ数字が違う?

報道では「M7.2」と「M6.9」の両方が出ています。どちらかが間違いというわけではなく、計算した機関とタイミングの違いです。

  • M7.2:PTWCが地震の数分後に出した速報値です。USGSのイベントページにも、PTWCの系列(at)の値として「Mwp 7.2」が残っています。Mwpは地震波の最初の部分(P波)から素早く求める方式です。
  • M6.9:USGSが観測データを見直して決めた値で、種類は「Mww」です。もっと長い時間の地震波を使って求めるため、時間はかかりますが規模を安定して表せます。PTWCも最終報で6.9に修正しました。

気象庁の発表は、震源の欄に「PTWC」と書かれており、PTWCの速報値M7.2を使っています。気象庁は海外の地震について、M7.0以上などの場合に、発生から概ね30分以内に「遠地地震に関する情報」を出すと解説ページで説明しています。今回は11時54分の発表で、地震から23分後でした。テレ朝NEWSも「USGSは当初7.2としていたが、その後6.9に修正した」と伝えています。

0.3の差は、エネルギーでは約2.8倍

マグニチュードは1大きいと地震のエネルギーが約32倍になる目盛りです。0.3の違いは、エネルギーにすると約2.8倍の差になります。速報値は地震の直後に避難の判断をするための数字なので、少し大きめに出ることもあります。

M6.3など大きめの地震が続いている

この地震のあと、同じ海域で地震が相次いでいます。USGSのカタログで震源の半径250km以内・M4以上・深さ70km未満を数えると、日本時間24日19時59分の時点で24回、うちM5以上が15回ありました。最も大きいのは4分後のM6.3です。

発生(日本時間) マグニチュード 深さ
11時31分(本震) 6.9 10km
11時35分 6.3 10km
13時05分 5.7 10km
13時12分 5.8 10km
14時23分 5.8 10km
17時56分 5.9 10km

出典:USGSの地震カタログ(ComCat)をもとに当サイトが集計。M5.5以上のみ掲載。深さはUSGSの暫定値です。

浅い場所でM5〜6級の地震が何時間も続くのは、バヌアツ北部ではこれまでにもあったパターンです。後で見るように、2009年10月にはバヌアツ北部の沖でM7.7とM7.8が15分おきに起きています。今後も強い揺れや津波を伴う地震が起きる可能性はあり、現地当局の発表に注意が必要です。

日本に津波は来る?気象庁が「影響なし」とした理由と過去の記録

気象庁は11時54分の情報で、「震源の近傍で津波発生の可能性があります」としたうえで「この地震による日本への津波の影響はありません」と発表しました。気象庁の津波情報の一覧を見ても、24日は日本の沿岸に向けた津波予報は出ていません。

気象庁の解説によると、津波注意報は予想される津波の高さが0.2m以上で、災害のおそれがある場合に出します。0.2m未満でも海面の変動が予想されるときは「若干の海面変動」という津波予報を出し、被害の心配はないことを伝えます。10月10日の中米パナマ沖の地震(気象庁M8.0)では、この「若干の海面変動」の予報が出ました。今回はそれも出ていないので、日本の沿岸では目立った海面の変化も見込まれていないことになります。気象庁は別に、11時52分に海外向けの「北西太平洋津波情報」も出しています。

バヌアツの津波が日本で記録されたのは1回だけ【独自集計】

米海洋大気庁(NOAA)の世界津波データベースには、バヌアツで起きた津波が1900年以降42件登録されています。それぞれの観測記録を調べると、日本で津波が観測されたのは1999年11月26日の地震(M7.5)だけでした。このときは日本の21地点で記録され、最大は宮城県石巻市鮎川の0.17m、次いで和歌山県串本の0.16m、高知県室戸岬の0.15mです。震源からの距離は6,400〜7,000kmありました。

年月 震源 日本の観測 日本の最大
1980年7月 ソロモン諸島南部(サンタクルーズ諸島付近) 30地点 0.11m
1997年4月 サンタクルーズ諸島〜バヌアツ 31地点 0.16m
1999年11月 バヌアツ(ペンテコスト島付近) 21地点 0.17m
2013年2月 ソロモン諸島(サンタクルーズ諸島) 8地点 0.38m

出典:NOAA NCEI 世界津波データベース(バヌアツと、バヌアツ北隣のソロモン諸島サンタクルーズ諸島で起きた津波のうち、日本で観測記録があるもの)から当サイトが集計。

北隣のサンタクルーズ諸島(ソロモン諸島)の地震も含めると、日本で観測されたのは4回で、最大は2013年2月の0.38m(宮崎県油津)でした。いずれも津波注意報の基準(0.2m)前後かそれ以下でした。1980・1997・1999年の地震はM7.5〜7.9(USGS)と、今回より大きな地震です。今回の震源から東京までは約6,200kmあり、M6.9の地震で日本に影響する津波が来る可能性は低いと考えられます。

一方、地元では話が違います。1999年の地震(震源はペンテコスト島付近)では、NOAAのデータベースで最大6.6mの津波が記録され、地震と津波で10人が亡くなりました。震源に近い島では、揺れを感じたらすぐ高台へ逃げる必要があります。

バヌアツ周辺のM7以上は50年で43回【独自集計】

USGSの地震カタログ(ComCat)で、バヌアツの島々とまわりの海(南緯12.5〜21.5度・東経164〜171.5度)で起きたM7以上の地震を、1976年10月24日から2026年10月24日の地震の直前までの50年分数えました。今回の地震はUSGSの値がM6.9なので、この数には入っていません。

1980年代:7回1990年代:11回2000年代:9回2010年代:11回2020年代:5回(2026年10月まで)

出典:USGS ComCat(M7以上)をもとに当サイトが集計。1976年10月〜1979年は該当がありませんでした。

結果は50年で43回、平均すると年0.86回で、1年に1回弱のペースでM7級が起きている計算です。M6以上まで広げると343回、年に約7回になります。M7以上が起きた年は50年のうち27年で、最も多かったのは2011年の4回でした。

年月日(協定世界時) M 深さ 場所(USGSの表記)
1980年7月17日 7.9 33km ソロモン諸島ラタの南199km
1997年4月21日 7.7 33km ソラの北北西171km
1999年11月26日 7.5 33km ラカトロの東南東92km(日本で津波観測)
2009年10月7日 7.7 45km ソラの北西148km
2009年10月7日 7.8 35km ソラの北西196km(50年でバヌアツ表記の最大)
2024年12月17日 7.3 54km ポートビラの西北西24km(14人死亡)
2026年3月30日 7.3 121km ルーガンビルの東北東51km

出典:USGS ComCat。M7.5以上の全5回と、最近の主な地震を掲載。ソラはバヌアツ最北部バンクス諸島の町です。

この範囲の最大は1980年のM7.9ですが、USGSの地名ではソロモン諸島(サンタクルーズ諸島の南)に分類されています。地名が「バヌアツ」のものだけに絞ると39回で、最大は2009年10月7日のM7.8です。この日は15分の間にM7.7とM7.8が続き、約1時間後にもM7.4が起きました。

2020年以降も、2022年・2023年(2回)・2024年・2026年3月と5回起きています。2024年12月17日のポートビラ近くのM7.3では、少なくとも14人が亡くなり、265人がけがをしたとUSGSはまとめています。今年3月30日のM7.3(深さ約120km)でも、ルーガンビル周辺で数人のけが人や建物・空港の滑走路の被害が出ました。

今回の震央から150km以内に絞ると、1900年以降のM7以上は9回です。最も近いのは1985年11月28日に約1時間20分おきに起きた2回のM7.0(震央から約70km)で、このあたりも大きな地震が続けて起きやすい場所だと分かります。

なぜバヌアツは地震が多い?プレートが年8cmで沈み込む

バヌアツは、オーストラリアプレートと太平洋プレートの境目にあります。USGSの解説によると、オーストラリアプレートは太平洋プレートに対して東北東へ年約8〜8.5cmの速さで動き、バヌアツの西側にあるニューヘブリディーズ海溝(バヌアツ海溝)で東向きに沈み込んでいます。日本の太平洋側の海溝と同じ「沈み込み帯」で、USGSは「世界で最も地震活動が活発な場所の一つ」と書いています。

  • 浅い地震が多い:50年分のM7以上43回のうち、深さ70km未満が31回、70km以上が12回でした。今回も深さ10kmの浅い地震です。浅い地震は海底を動かしやすく、近くの島に津波をもたらすことがあります。
  • 深い地震も起きる:沈み込んだプレートの中で起きる「やや深発地震」もあります。今年3月のM7.3(深さ約120km)がその例で、USGSは、同じ規模の浅い地震より地表の被害は小さくなりやすいと説明しています。
  • 同じ場所で続けて起きる:1985年や2009年のように、M7級が短い間に続くことがあります。今回もM6.3を含めM5以上が15回続いています。

「日本は大丈夫」でも、渡航中の人は注意

バヌアツに滞在している場合は、強い揺れや長い揺れを感じたら、警報を待たずに海岸から離れて高い所へ逃げることが基本です。津波の高さは場所によって大きく変わるため、警報が解除されるまで海に近づかないでください。

10月24日の動き(日本時間)

  1. 11時31分地震発生気象庁M7.2・USGS M6.9、深さ10km
  2. 11時35分2回目の大きな地震USGSでM6.3。この後もM5級が続く
  3. 11時37分PTWCが津波の第1報震源から300km以内の沿岸で危険な津波の可能性(対象はバヌアツ)
  4. 11時52分気象庁が北西太平洋津波情報海外向けの津波情報を発表
  5. 11時54分気象庁が遠地地震情報日本への津波の影響はなし
  6. 12時28分PTWCが最終報M6.9に修正、津波の脅威はなくなったと発表
  7. 約1時間後バヌアツの津波警報を解除警報からおよそ1時間後に解除(テレ朝NEWS)

出典:気象庁、PTWC津波メッセージ第1報(2時37分UTC)・第2報(3時28分UTC)、USGS、テレ朝NEWS。

バヌアツの地震についてよくある質問

Q. バヌアツの地震はいつ起きましたか?

A. 日本時間2026年10月24日11時31分ごろ(現地時間13時31分ごろ)です。震源はバヌアツ北部、エスピリトゥサント島の北西沖で、USGSによると深さは10kmです。

Q. 日本に津波は来ますか?

A. 気象庁は10月24日11時54分の「遠地地震に関する情報」で、この地震による日本への津波の影響はないと発表しました。日本の沿岸に向けた津波予報も出ていません。

Q. マグニチュードはなぜ7.2と6.9の2つがあるのですか?

A. M7.2は太平洋津波警報センター(PTWC)が地震の直後に出した速報値で、気象庁はこの値を使っています。USGSはその後データを見直してM6.9とし、PTWCも最終報で6.9に修正しました。

Q. バヌアツではどれくらい大きな地震が起きていますか?

A. USGSの地震カタログで当サイトが数えたところ、バヌアツ周辺(南緯12.5〜21.5度・東経164〜171.5度)のM7以上は1976年10月からの50年で43回、年平均0.86回でした。M6以上は343回で年に約7回です。

Q. 過去にバヌアツの地震で日本に津波が来たことはありますか?

A. NOAAの世界津波データベースでは、バヌアツで起きた津波が日本で観測されたのは1999年11月の地震(M7.5)の1回で、最大は宮城県鮎川の0.17mでした。

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出典・参考資料

  • 気象庁:地震情報(遠地地震に関する情報、10月24日11時54分発表)、地震情報について、津波警報・注意報、津波情報、津波予報について
  • 米地質調査所(USGS):今回の地震(us6000u4j2)、PAGER被害推計、地震カタログ(ComCat)、2024年12月のM7.3、2026年3月のM7.3
  • 太平洋津波警報センター(PTWC):津波メッセージ第1報、第2報(最終)
  • 米海洋大気庁(NOAA)NCEI:世界津波データベース(バヌアツの津波42件と日本の観測記録を集計)
  • 報道:テレ朝NEWS(10月24日16時40分)、ウェザーニュース(10月24日)、AP通信(ABC News掲載)、1News、ABC(オーストラリア)

M7以上の回数・年代別の数・余震の数・日本で観測された津波は、USGSとNOAAのデータをもとに当サイトが集計したものです。内容は2026年10月24日夜時点の情報です。アイキャッチと本文の写真:Simon_sees(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)をトリミング・明るさ調整し、文字を加えています。

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