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滋賀銀行と池田泉州が経営統合へ|なぜ?口座はどうなる?関西最大に
滋賀銀行(大津市)と、池田泉州銀行を傘下に持つ池田泉州ホールディングス(大阪市)が経営統合を検討していることが、2026年10月23日にわかりました。両社は同日夕方、「検討していることは事実」としつつ「具体的に決定した事実はない」とする文書を公表しています。日本経済新聞は29日にも正式発表すると報じました。両社の決算短信から統合した場合の規模を計算し、関西のほかの地銀と比べました。預金者の口座やATMがどうなるのかも整理します。
この記事の結論
- 両社は10月23日、日本経済新聞電子版の報道を受けて「経営統合を検討していることは事実」と公表しました。ただし「現時点で具体的に決定した事実はありません」としており、統合の時期や形はまだ発表されていません。
- 2026年3月末の連結で、総資産は滋賀銀行が7.67兆円、池田泉州HDが6.60兆円。単純に足すと14兆2,651億円で、いま関西の地銀グループで最大の京都フィナンシャルグループ(11兆8,257億円)を約21%上回ります。
- 両社は2026年4月に資本業務提携を結んだばかりです。提携の説明資料によると、池田泉州銀行は大阪・兵庫、滋賀銀行は滋賀・京都が地盤で、店舗網の重なりが少ないのが特徴です。
- 報道では、銀行どうしは合併せず、持ち株会社の下に2つの銀行が並ぶ形が軸です。10月24日時点で、口座やキャッシュカード、通帳について両行から変更の案内はありません。平日昼間のATM手数料の相互無料は、すでに実施されています。
滋賀銀行と池田泉州の経営統合、何が起きた?両社の発表を確認
きっかけは、10月23日の日本経済新聞電子版の報道です。日経は、滋賀銀行と池田泉州ホールディングス(HD)が経営統合する方向で調整しており、「総資産で関西最大の地方銀行が誕生する」と伝えました(日本経済新聞)。
両社は同じ日の18時15分、それぞれ「一部報道について」という文書を開示しました(滋賀銀行・池田泉州HD)。中身はほぼ同じで、報道は自社が発表したものではないとしたうえで、相手との経営統合を検討していることは事実ですが、現時点で具体的に決定した事実はありませんと書いています。今後、開示すべきことが決まれば速やかに公表するとしています。
「否定」ではなく「検討は事実」
このような報道が出たとき、企業は「当社が発表したものではない」とコメントすることがよくあります。今回はそれに加えて、両社とも統合の検討そのものを認めています。一方で、統合の時期・形・比率などは何も発表されていません。この記事で触れる統合の形や日程は、すべて報道ベースの情報です。
4月の提携から半年で「統合検討」へ
- 1933年10月1日滋賀銀行が設立提携の説明資料に記載された設立日です。本店は滋賀県大津市にあります。
- 2009年10月1日池田泉州ホールディングスが設立池田泉州銀行を傘下に持つ持ち株会社です(同社の会社概要)。銀行としての設立は1951年9月1日です。
- 2017年ATMの相互無料化を開始両社の提携発表によると、この年からATMの相互無料化を始めています。
- 2026年4月16日日経が提携を報道池田泉州HDは同日、滋賀銀行との「資本提携・業務提携を検討しています」と公表しました。
- 2026年4月17日資本業務提携を締結名称は「池田泉州・滋賀アライアンス」。株式を0.5〜1%程度ずつ持ち合う想定としました。
- 2026年10月23日経営統合の検討が判明日本経済新聞電子版が報道。両社は18時15分に「検討していることは事実」とする文書を開示しました。
- 10月29日にも正式発表の見通し(報道)日経は、月内に開く両行の取締役会で決定し、29日にも正式発表すると伝えています。
両社は2026年4月17日に資本業務提携を結んだばかりです(両社の発表)。このときは株式を0.5〜1%程度ずつ持ち合い、法人、個人、サステナビリティ、人材・デジタルの4分野で連携するという内容で、経営統合には触れていませんでした。そこから約半年で、統合の検討が明らかになったことになります。
時事通信は、統合の狙いを「顧客基盤の拡大を通じて、競争力を高める」ことだと伝えています。形については、日経が「持ち株会社に池田泉州銀行と滋賀銀行がぶら下がる形態を軸に調整」、時事通信が「傘下銀行の合併は予定せず、持ち株会社を設立した上で統合する案を軸に検討」と報じています(時事通信)。

統合したら関西でどのくらいの規模?地銀7社と比較【独自集計】
「関西最大」とはどのくらいの規模なのか。各社が2026年5月に発表した2026年3月期の決算短信から、総資産・預金・貸出金・純利益を抜き出して並べました。滋賀銀行と池田泉州HDの行は、2社の数字を足しただけの単純合算です。
| グループ・銀行 | 総資産 | 預金 | 貸出金 | 純利益 | 集計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 滋賀銀行+池田泉州HD(合算) | 14.27兆円 | 11.80兆円 | 9.43兆円 | 386億円 | 連結の単純合算 |
| 京都フィナンシャルグループ | 11.83兆円 | 9.58兆円 | 7.59兆円 | 967億円 | 連結 |
| 関西みらい銀行(りそなHD傘下) | 9.48兆円 | 7.97兆円 | 7.42兆円 | 266億円 | 単体 |
| 滋賀銀行 | 7.67兆円 | 5.95兆円 | 4.59兆円 | 213億円 | 連結 |
| 南都銀行 | 6.68兆円 | 5.91兆円 | 4.60兆円 | 171億円 | 連結 |
| 池田泉州HD | 6.60兆円 | 5.85兆円 | 4.84兆円 | 173億円 | 連結 |
| 紀陽銀行 | 6.12兆円 | 4.83兆円 | 4.34兆円 | 218億円 | 連結 |
| みなと銀行(りそなHD傘下) | 4.69兆円 | 3.86兆円 | 3.38兆円 | 133億円 | 単体 |
出典:各社の2026年3月期決算短信(滋賀銀行・池田泉州HD・京都FG・南都銀行・紀陽銀行・りそなHD(関西みらい銀行・みなと銀行の単体計数))。2026年3月末の残高、純利益は親会社株主に帰属する当期純利益(関西みらい・みなとは単体の当期純利益)。預金に譲渡性預金は含めていません。兆円は小数第3位を四捨五入。合算は当サイトの計算です。
2社を足した総資産は14兆2,651億円で、時事通信の「14兆円を超え」と一致します。いま関西の地銀グループで最も大きい京都フィナンシャルグループ(京都銀行の持ち株会社)の11兆8,257億円を約2.4兆円(約21%)上回り、預金(11.80兆円)・貸出金(9.43兆円)でも京都FGを上回ります。
ただし、純利益では京都FGが967億円と大きく、2社合算の386億円を上回ります。京都FGの決算短信は、2025年度の利益に任天堂株式の売却益が含まれていると注記しており、一時的な要因でふくらんだ面があります。規模(残高)と稼ぐ力(利益)は分けて見る必要があります。
りそな傘下の2行は「グループ」ではなく銀行単体の数字
関西みらい銀行とみなと銀行は、どちらもりそなホールディングスの子会社です。2行の単体の総資産を足すと14兆1,722億円で、滋賀・池田泉州の合算に近い規模になります。ただし、両行はりそなグループの一員で、独立した地銀グループではありません。りそなHDの決算短信によると、2026年5月1日にJR西日本が関西みらい銀行の株式20%を900億円で取得する資本業務提携も決めています。
滋賀銀行と池田泉州HDはどんな銀行?数字と店舗網で比べる
2社はほぼ同じ規模です。総資産は滋賀銀行がやや大きく、合算に占める割合は約54%。貸出金は池田泉州HDのほうが多くなっています。
| 2026年3月末 | 滋賀銀行 | 池田泉州HD | 合算 |
|---|---|---|---|
| 総資産(連結) | 7.67兆円 | 6.60兆円 | 14.27兆円 |
| 預金 | 5.95兆円 | 5.85兆円 | 11.80兆円 |
| 貸出金 | 4.59兆円 | 4.84兆円 | 9.43兆円 |
| 純利益 | 213億円 | 173億円 | 386億円 |
| 預貸率 | 77.1% | 82.9% | 80.0% |
| 従業員(連結) | 2,290人 | 2,287人 | 4,577人 |
| 国内拠点 | 107拠点 | 110拠点 | 217拠点 |
出典:両社の2026年3月期決算短信(連結)。預貸率は貸出金÷預金で当サイトが計算。従業員数・拠点数は提携の説明資料(2025年9月末時点)で、合算は当サイトの計算です。
店舗網は「ほとんど重ならない」
4月の提携の説明資料には、府県別の拠点数が載っています。池田泉州銀行は大阪府と兵庫県、滋賀銀行は滋賀県と京都府に集中していて、資料も「店舗網は重複が少なく、補完関係にあり」と書いています。
| 府県 | 池田泉州銀行 | 滋賀銀行 | 合算 |
|---|---|---|---|
| 大阪府 | 81 | 5 | 86 |
| 滋賀県 | - | 85 | 85 |
| 京都府 | 1 | 12 | 13 |
| 兵庫県 | 26 | - | 26 |
出典:池田泉州・滋賀アライアンスの説明資料(2025年9月末、単位は拠点)。表は主な4府県のみで、国内の全拠点数(池田泉州銀行110・滋賀銀行107)とは一致しません。
同じ府県で店舗が重なると、統合後に店舗の統廃合が進みやすくなります。今回は滋賀県に池田泉州銀行の拠点がなく、兵庫県に滋賀銀行の拠点がありません。大阪府で滋賀銀行の拠点は5、京都府で池田泉州銀行の拠点は1と少数です。報道どおり銀行を合併しない形なら、店の看板や窓口はそのまま残るとみられます。
なぜ今、経営統合を検討するのか?「金利のある世界」と預金の争奪
統合の理由について、両社はまだ説明していません。4月の提携の発表では、背景として人口減少や産業構造の変化、デジタル化、脱炭素への対応を挙げ、地域金融機関には「地域金融力」の発揮が一層求められていると書いていました。
数字の面では、日本銀行の利上げで、銀行の収支の中身が大きく変わっています。決算短信の損益計算書から、貸出金の利息収入と、預金者に払う預金利息の1年の変化を抜き出しました。
| 連結(億円) | 貸出金利息 | 預金利息 | 預金利息の増え方 |
|---|---|---|---|
| 滋賀銀行 | 493 → 598 | 57 → 142 | 2.5倍 |
| 池田泉州HD | 432 → 565 | 38 → 126 | 3.3倍 |
| 2社合算 | 926 → 1,164 | 95 → 268 | 2.8倍 |
出典:両社の2026年3月期決算短信の連結損益計算書(矢印の左が2025年3月期、右が2026年3月期。百万円の数字を億円に換算し四捨五入)。倍率は当サイトの計算。
2社合算で、貸出金利息は1年で238億円増えました。一方、預金利息も172億円増え、約2.8倍になっています。金利が上がると貸し出しの利息で稼ぎやすくなりますが、預金を集めるコストも上がり、預金の獲得競争が激しくなります。預金の多い大きなグループのほうが、安定した資金で貸し出しを続けやすくなります。
もう一つは、関西の地銀の勢力図です。現在の関西最大は京都FGです。2社が組めば総資産でこれを上回り、大阪・兵庫と滋賀・京都をまたぐ広い営業エリアを持つことになります。こうした規模の拡大が、時事通信が伝えた「競争力を高める狙い」の中身だと見られます。
地銀再編の流れの中で
2026年には、青森みちのく銀行・岩手銀行・秋田銀行の統合協議など、県境を越えた地銀の統合の動きが各地で続いています。今回は大阪・京都という都市部の地銀どうしの統合検討で、日経は「広域連合を組む動きが人口が集中する都市部にも波及する」と伝えています。
口座やATMはどうなる?預金者・利用者が知っておきたいこと
結論からいうと、いま利用者がすぐにやるべき手続きはありません。経営統合は検討段階で、時期や形も正式には決まっていません。決まった場合も、実際の統合までは通常、株主総会や当局の認可などを経るため時間がかかります。
| 項目 | 10月24日時点でわかっていること |
|---|---|
| 口座・通帳・カード | 10月24日時点で変更の案内はありません。報道どおり持ち株会社の下に2行が並ぶ形なら、それぞれの銀行は残るため、口座番号や支店名がすぐ変わることはないと見られます。 |
| ATM | すでに滋賀銀行のATMで池田泉州銀行のカードを使う場合(逆も同じ)、平日8:45〜18:00は手数料が無料です。それ以外の時間は110円かかります(滋賀銀行の案内)。 |
| 預金保険 | 銀行が別々に残る間は、預金保険(元本1,000万円とその利息まで)もそれぞれの銀行ごとです。将来、銀行どうしが合併した場合は、その後1年間に限り保護の上限を合併に関わった金融機関の数だけ増やす特例があります(財務省 中国財務局)。 |
| 住宅ローン・融資 | 10月24日時点で、既存の契約内容が変わるという案内はありません。今後の扱いは、正式発表と各行からの案内を待つ必要があります。 |
| 株主 | 統合の比率や持ち株会社の株式の割り当ては発表されていません。投資判断は正式発表の内容を確認してから行う必要があります。 |
「統合に伴う手続き」をかたる連絡に注意
銀行の統合や合併のニュースが出ると、手続きが必要だと思わせる電話やメール、SMSが送られてくることがあります。暗証番号やパスワードを電話・メールで伝えるのは避けてください。気になる連絡が来たら、通帳やキャッシュカードに書かれた銀行の正規の窓口に自分で問い合わせてください。
今後の焦点は?10月29日にも正式発表の見通し
日経の報道どおりなら、月内の両行の取締役会で統合が決まり、29日にも発表されます。発表で注目したいのは次の点です。
- 1. 持ち株会社の形と名前:新しく持ち株会社をつくるのか、本社をどこに置くのか。報道では、銀行は合併せず、持ち株会社の下に2行が並ぶ形が軸とされています。
- 2. 統合の時期:いつ持ち株会社が発足するのか。株主総会の決議や当局の認可が必要になるため、日程が示されるかが焦点です。
- 3. 統合比率:池田泉州HDと滋賀銀行の株主に、新しい会社の株式がどの割合で割り当てられるか。
- 4. 4月の提携との関係:0.5〜1%程度の相互出資や、4分野の連携がどう引き継がれるか。
なお、日経の報道は23日の夕方(16時54分)に出ており、東京証券取引所の取引時間が終わったあとでした。報道を受けた株価の動きが出るのは、週明け26日の取引からになります。
滋賀銀行と池田泉州の経営統合のよくある質問
Q. 滋賀銀行と池田泉州は経営統合するのですか?
A. 2026年10月24日時点では「検討中」です。両社は10月23日、経営統合を検討していることは事実だと公表しましたが、「現時点で具体的に決定した事実はありません」としています。日本経済新聞は、月内の取締役会で決定し、29日にも正式発表すると報じています。
Q. 統合するといつからですか?
A. 時期は発表されていません。統合が決まった場合も、株主総会の承認や当局の認可などの手続きが必要で、正式発表の内容を待つ必要があります。
Q. 滋賀銀行の口座や通帳は変わりますか?
A. 10月24日時点で、口座・通帳・キャッシュカードについての変更の案内はありません。報道では銀行どうしは合併せず、持ち株会社の下に両行が並ぶ形が軸とされており、その場合、口座番号や支店名がすぐに変わることはないと見られます。
Q. 池田泉州銀行のカードは滋賀銀行のATMで使えますか?
A. 使えます。滋賀銀行の案内によると、池田泉州銀行は無料提携金融機関で、滋賀銀行のATMで池田泉州銀行のカードを使う場合(逆も同じ)、平日8:45〜18:00は手数料が無料、それ以外の時間は110円です。
Q. 統合すると関西で何番目の規模になりますか?
A. 2026年3月末の連結の総資産を単純に足すと14兆2,651億円で、関西の地銀グループで最大の京都フィナンシャルグループ(11兆8,257億円)を上回ります。
Q. 両行に預金があると預金保険はどうなりますか?
A. 持ち株会社の下で2つの銀行が別々に残る間は、預金保険の保護(元本1,000万円とその利息まで)もそれぞれの銀行ごとです。将来、銀行どうしが合併した場合は、合併後1年間に限り、保護の上限を合併に関わった金融機関の数だけ増やす特例があります。
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出典・参考資料
- 適時開示「一部報道について」(2026年10月23日):滋賀銀行(TDnet)、池田泉州ホールディングス
- 池田泉州ホールディングスと滋賀銀行による資本業務提携の締結について(2026年4月17日、説明資料つき)、池田泉州HD「一部報道について」(2026年4月16日)
- 2026年3月期決算短信:滋賀銀行、池田泉州HD、京都フィナンシャルグループ、南都銀行、紀陽銀行、りそなホールディングス
- 池田泉州ホールディングス 会社概要、滋賀銀行「無料提携金融機関(ATM無料相互開放)」、財務省 中国財務局「預金保険制度」
- 報道:日本経済新聞「滋賀銀行・池田泉州HD、経営統合へ」(2026年10月23日)、時事通信(2026年10月23日、Yahoo!ニュース)、共同通信(2026年10月23日、Yahoo!ニュース)
合算・差・比率・倍率は、各社の決算短信をもとに当サイトが計算したものです。内容は2026年10月24日時点の情報で、統合の時期や形などは報道に基づくもので正式な発表ではありません。特定の銀行の株式の売買をすすめるものではありません。アイキャッチの写真:Suikotei(滋賀銀行 八幡支店)・Suikotei(池田泉州銀行 稲野支店)、本文の写真:Suikotei(いずれもWikimedia Commons、CC BY-SA 4.0)。アイキャッチはトリミングして2枚を並べ、文字を加えています。


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