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中国はなぜ高市首相を呼び捨て?外務省会見223回の呼び方を数えた
中国外務省の報道官が2026年9月30日の定例記者会見で、高市早苗首相を「日本首相」の肩書なしで「高市早苗」と呼んだと、共同通信や日本経済新聞が10月2日に報じました。同じ週には、岩屋毅前外相が北京で王毅外相らと会談し、10月2日に地元・大分で訪中を報告しています。本当に異例なのか。中国外務省が公式サイトに載せている会見記録を石破内閣の発足から2年分・471回さかのぼり、首相をどう呼んできたかを1件ずつ数えました。
この記事の結論
- 9月30日、郭嘉昆報道官は小泉進次郎防衛相の核をめぐる発言について問われ、答えの中で「高市早苗」と肩書なしで首相に触れました。中国政府が日本の首相に肩書を付けないのは珍しいと報じられています。
- ただし、公式の会見記録を数えると、報道官が肩書なしの「高市早苗」「高市」から話を始めた答えは、9月30日より前に9回ありました。初出は2025年11月13日です。9月30日の言い回しは、7月20日の答えとほぼ同じ文でした。
- はっきり変わったのは別の呼び方です。「高市首相」という言い方は、2025年12月31日を最後に記録から消えています。2026年7〜9月に首相に触れた4回答のうち3回は肩書なしでした。
- 比べると、石破茂前首相の在任中(会見239回)に報道官が石破氏に触れた6回答は、すべて「石破首相」などの肩書つきでした。
- 岩屋前外相は9月28日に王毅外相、29日に何立峰副首相と会談しました。10月2日の会見では「一歩前進」と述べる一方、中国側の立場は「総じて厳しい」と説明しています。呼び方の変化が何を意味するかは、中国側が説明していないため断定できません。
中国外務省は9月30日の会見で何と言った?「高市早苗」と呼んだ場面
中国外務省は平日の午後に定例の記者会見を開き、その記録を公式サイトに中国語で掲載しています。9月30日の会見記録を読むと、首相の名前が出てくるのは、日本の防衛相の発言についての質問に答えた部分の1か所だけです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日時 | 2026年9月30日(水)の定例記者会見(中国の国慶節連休の前日) |
| 答えた人 | 中国外務省の郭嘉昆(かく・かこん)報道官(日本の報道では副報道局長) |
| 質問 | 香港のフェニックステレビ(鳳凰衛視)の記者が、小泉進次郎防衛相が9月28日に「安保3文書」の改定で核兵器や原子力潜水艦の保有の議論を排除すべきでないと述べたことへの評価を質問 |
| 首相に触れた部分 | 核兵器の保有は日本が議論するかどうかの問題ではないとしたうえで、首相が2月に「非核三原則」の堅持を改めて表明していたことを挙げた。ここで「高市早苗」と肩書を付けなかった |
| 小泉氏の呼び方 | 答えでは名前を出さず、「日本の現職の防衛部門の責任者」と表現(質問の側は「日本防卫大臣小泉进次郎」と呼んでいた) |
| 報道 | 香港紙・星島日報が10月2日に「意図的」との見方を報じ、共同通信が配信。日本経済新聞は「異例の呼び捨て」と報じた |
高市早苗今年2月重申坚持“无核三原则”高市早苗は今年2月、「非核三原則」の堅持を改めて表明した――郭嘉昆報道官(2026年9月30日の会見記録から。和訳は筆者)
中国語の会見記録では、日本の首相に触れるとき、「日本首相高市早苗(日本の首相・高市早苗)」のように肩書と氏名をセットにするのが基本です。9月30日の一文は、その肩書が付いていませんでした。共同通信によると、星島日報はこれを意図的だと分析しています。日本経済新聞は、中国政府が日本の首相に敬称などを付けないのは珍しく、高市氏への「敵視姿勢」が際立つと伝えました。
中国語の「呼び捨て」とは
中国語では、ニュースや公式文書で人名を肩書なしのフルネームで書くこと自体は、日本語の「呼び捨て」ほど失礼な響きはありません。ただ、外務省の報道官が外国の首脳に触れるときは「美国总统(米国大統領)」「日本首相」などの肩書を付けるのが通例です。そのため、肩書の有無が「どう位置づけているか」のサインとして読まれることになります。
中国外務省の会見223回で高市首相をどう呼んだか|呼び方4種類を集計
では、9月30日の呼び方は本当に「初めて」なのでしょうか。高市内閣が発足した2025年10月21日から2026年9月30日までに、中国外務省の公式サイトに記録が載っている定例会見は223回あります。この全記録を読み、報道官の答えの中で日本の首相に触れた部分を抜き出しました。
1つの答えの中で何度も名前が出ることがあるため、ここでは答えの中で最初に首相を指した呼び方で分類しています。報道官の答えだけを数え、記者の質問は数えていません。「高市政権」「高市政府」のように政権を指す言い方も除きました。
| 最初の呼び方 | 2025年10〜12月 | 2026年1〜6月 | 2026年7〜9月 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 「日本首相高市早苗」日本の首相・高市早苗 | 25 | 9 | 1 | 35 |
| 「高市首相」「高市早苗首相」高市首相 | 16 | 0 | 0 | 16 |
| 「高市早苗」「高市」(肩書なし)高市早苗(肩書なし) | 2 | 5 | 3 | 10 |
| 「日本领导人」(氏名なし)日本の指導者 | 6 | 3 | 0 | 9 |
| 合計(首相に触れた答え) | 49 | 17 | 4 | 70 |
表から分かることは3つあります。
1つ目は、いちばん多いのは今も「日本首相高市早苗」だということです。70回答のうち35回答がこの形で、9月15日の会見でも郭報道官はこの呼び方を使っています。中国外務省が肩書を完全にやめたわけではありません。
2つ目は、「高市首相」という呼び方が2025年のうちに消えたことです。発足直後の10月29日、郭報道官は日本側の電話会談での発言を紹介する形で「高市首相は日中関係を高度に重視している」と述べていました。この「高市首相」「高市早苗首相」は2025年10〜12月に16回答で最初の呼び方になりましたが、答えの途中に出てくるものも含めて、2025年12月31日の会見を最後に一度も使われていません。
3つ目は、肩書なしの割合が増えていることです。2025年10〜12月は49回答中2回答でしたが、2026年1〜6月は17回答中5回答、7〜9月は4回答中3回答になりました。ただし、7〜9月は首相に触れた答えそのものが4回答しかないので、割合だけで傾向を言い切るのは早いでしょう。
首相に触れる回数は11月がピーク
首相に触れた答えの数を月別に並べると、2025年11月の28回答、12月の20回答に集中しています。11月7日の衆院予算委員会で、首相が台湾有事について「存立危機事態」になり得ると答弁したことに、中国側が強く反発した時期です。2026年に入ると月に1〜4回答に減りました。報道官が答えの中で首相の発言の「撤回」を求めた回数も合わせて数えると、次のようになります。
| 月 | 首相に触れた答え | うち「撤回」を求めた答え |
|---|---|---|
| 2025年10月 | 1 | 0 |
| 2025年11月 | 28 | 15 |
| 2025年12月 | 20 | 11 |
| 2026年1月 | 3 | 2 |
| 2026年2月 | 3 | 2 |
| 2026年3月 | 4 | 2 |
| 2026年4月 | 3 | 0 |
| 2026年5月 | 2 | 2 |
| 2026年6月 | 2 | 0 |
| 2026年7月 | 1 | 0 |
| 2026年8月 | 1 | 0 |
| 2026年9月 | 2 | 0 |
「撤回(撤回・收回)」を求める表現は、首相の台湾発言に関する答えで計34回出てきますが、2026年5月7日を最後に使われていません。9月28日の王毅外相と岩屋氏の会談について中国外務省が出した発表でも、求めたのは「纠正(是正)」でした。言い方が変わったことが立場の変化を意味するかどうかについて、岩屋氏は「断定する根拠はない」と述べています(後述)。
集計の注意点
数えたのは、中国外務省が公式サイトに掲載した中国語の会見記録です。記録は文字に起こして整えたもので、会見での実際の発言と細部が異なる場合があります。また「日本领导人(日本の指導者)」のように、首相を指していても名前を出さない言い方は別の分類にしました。数え方の基準を変えれば数字は多少動きますが、「高市首相」の消滅と、肩書なしの呼び方が9月30日より前にもあったことは、どの基準でも変わりません。
肩書なしの「高市早苗」は9月30日が初めて?記録では10回目
報道官が肩書なしの「高市早苗」「高市」で話を始めた答えを、日付順に並べたのが次の表です。9月30日は10回目にあたります。
| 会見日 | 報道官 | きっかけの質問 |
|---|---|---|
| 2025年11月13日 | 林剣 | 米国務省の台湾発言への反応を問われて |
| 2025年12月2日 | 林剣 | 日中友好議連や経団連の訪中希望を問われて |
| 2026年1月16日 | 郭嘉昆 | 日本の元官房長官の訪台を問われて |
| 2026年2月9日 | 林剣 | 衆院選の結果を問われて |
| 2026年2月10日 | 林剣 | 首相の「対話に前向き」発言を問われて |
| 2026年3月23日 | 林剣 | 首相の訪米をめぐる日本国内の反応を問われて |
| 2026年4月22日 | 郭嘉昆 | 首相の靖国神社への供物・祭祀料を問われて |
| 2026年7月20日 | 林剣 | 地方議会の非核三原則の意見書を問われて |
| 2026年8月17日 | 林剣 | 全国戦没者追悼式の式辞を問われて |
| 2026年9月30日 | 郭嘉昆 | 小泉防衛相の核保有議論発言を問われて |
最初の例は2025年11月13日です。林剣報道官は、米国務省の報道官が台湾海峡について述べたことへの反応を問われ、「高市早苗の誤った言論について、中国はすでに厳正な立場を示した」と答えています。2026年に入ってからは、「日本は高市の台湾に関する誤った言論を撤回すべきだ」という形で、短く「高市」とだけ言う例が続きました。
9月30日とよく似ているのが、7月20日と8月17日です。
高市早苗今年2月还重申坚持“无核三原则”高市早苗は今年2月にも「非核三原則」の堅持を改めて表明していた――林剣報道官(2026年7月20日の会見記録から。和訳は筆者)
7月20日の答えは、9月30日とほぼ同じ文です。8月17日には、全国戦没者追悼式の式辞について問われた林剣報道官が、答えの1文目から「高市早苗は式辞の中で…」と肩書なしで始めていました。記者の質問はどちらも「日本首相高市早苗」と肩書を付けていたのに、答えでは外していることになります。
では9月30日の何が違ったのか
記録から言えるのは、9月30日の質問は小泉防衛相についてのもので、首相の名前は質問に出ていなかったという点です。報道官が自分から首相を持ち出し、そのときに肩書を付けなかったことになります。同じ答えで小泉氏を名前で呼ばず「日本の現職の防衛部門の責任者」と表現したことと合わせて、香港紙が「意図的」と受け止めた背景には、こうした文脈もあるとみられます。一方で、肩書なしの呼び方そのものは、少なくとも公式記録の上では2025年11月から使われていました。
石破前首相はどう呼ばれていた?在任中の会見と比べると
比べる相手として、石破茂前首相の在任中(2024年10月1日〜2025年10月20日)の会見も同じ方法で数えました。会見は239回で、高市内閣の期間とほぼ同じです。
| 会見日 | 最初の呼び方 | きっかけの質問 |
|---|---|---|
| 2024年12月24日 | 「石破首相」「石破茂首相」 | 岩屋外相(当時)の訪中の予定 |
| 2024年12月26日 | 「石破首相」「石破茂首相」 | 王毅外相と岩屋外相(当時)の会談 |
| 2025年1月2日 | 「石破首相」「石破茂首相」 | 首相の「訪中は極めて重要」発言 |
| 2025年3月24日 | 「日本首相石破茂」 | 王毅外相の訪日(日中韓外相会議など) |
| 2025年6月4日 | 「石破首相」「石破茂首相」 | 首相の「アジアの未来」での歴史認識の発言 |
| 2025年9月24日 | 「石破首相」「石破茂首相」 | 首相の国連総会での一般討論演説 |
石破氏の在任中、報道官が首相に触れたのは6回答だけで、すべて肩書つきでした。2025年9月24日には、石破氏の国連演説の歴史認識について問われた郭報道官が「石破首相」と呼んで答えています。高市氏の期間は、首相に触れる回数が70回答と10倍以上に増えたうえに、呼び方の種類も4つに広がったことになります。
なお、石破内閣で外相を務めたのが岩屋毅氏です。2024年12月の訪中のときは、会見の質問も答えも「日本外相岩屋毅」と肩書付きで扱われていました。その岩屋氏が今回は、民間団体「日本国際貿易促進協会(国貿促)」の会長として北京を訪れています。
なぜ肩書を外すのか?中国側の説明と報道の見方
中国外務省は、呼び方を変えた理由を説明していません。ここでは、会見記録に書かれている中国側の主張と、日本・香港の報道の見方を分けて整理します。
中国側の主張:「関係悪化の根源は首相の台湾発言」
会見記録で繰り返されているのは、日中関係が難しくなった「根源」は首相の台湾をめぐる発言にあり、日本側がそれを改めるべきだという主張です。たとえば9月15日、郭報道官は日中友好議員連盟の若手議員と外務省の劉彬部長助理の会見を紹介し、首相の台湾に関する言動が「最大の症結(問題の核心)」だと述べています。
9月28日に王毅外相が岩屋氏と会ったときの中国外務省の発表では、首相の名前は出てきません。日本側にとって急ぐべきことは「尽快纠正本国领导人在台湾问题上的错误言行」、つまり自国の指導者の台湾問題での誤った言動をできるだけ早く正すことだとしています。発表は、来年が日中国交正常化55周年にあたること、現在の関係は「再び厳しい局面にあり、改めて正常化が必要だ」とも伝えています。
報道の見方:「敵視」「非高市勢力との対話」
日本経済新聞は、呼び捨てによって習近平指導部の高市氏への「敵視姿勢」が際立つと報じました。岩屋氏の訪中についても、中国は高市首相と距離を取る「非高市勢力」と対話し、高市政権に対応を求めて揺さぶりをかけているとみられる、と分析しています。時事通信も、中国側には対中関係を重視する岩屋氏と会うことで高市政権をけん制する思惑があるとみられる、と伝えました。
記録から言えること・言えないこと
会見記録の集計から言えるのは、「高市首相」という呼び方が2026年に入って一度も使われていないこと、そして肩書なしの呼び方が少しずつ増えていることまでです。個々の報道官が意図して肩書を外したのか、文脈で省いただけなのかは、記録からは判断できません。日本政府がこの呼び方に反応したという公式発表も、10月2日夜の時点では確認できませんでした。
岩屋前外相の訪中で何が話された?10月2日の報告会見
呼び方が話題になった週、日中の間では久しぶりに要人どうしの会談が続きました。時事通信によると、首相の答弁をきっかけに関係が冷え込んでから、中国政府が日本の政治家との会談を公式に発表するのは初めてです。
- 9月27日国貿促の代表団が北京に到着岩屋氏が会長を務める日本国際貿易促進協会の代表団。前会長の河野洋平元衆院議長が6月に亡くなったため、6月の予定から延期されていた。
- 9月28日王毅外相と会談中国外務省の発表では、王氏は国貿促の友好の伝統をたたえる一方、首相の台湾問題での言動の「是正」と、歴史問題での「正しい態度」を求めた。岩屋氏は、両国関係を日中間の4つの政治文書の「原点」に戻すよう努めると述べた。
- 9月29日何立峰副首相と会談時事通信によると、何氏は日本の一部の政治家が台湾問題で中国のボトムラインに挑もうとしていると懸念を示す一方、日本企業の中国進出を一貫して歓迎すると述べた。
- 9月30日中国外務省の会見で「高市早苗」郭報道官が小泉防衛相の発言への質問に答える中で、首相に肩書なしで触れた。
- 10月2日岩屋氏が大分県別府市で訪中を報告中国側の対応は「厳しいと感じた」としつつ、王氏とは関係改善が必要だという点で一致したと説明。中国政府には日中間の「窓口を開けて欲しい」とお願いし、日本政府には関係改善の努力を続けてほしいと述べた(TOSテレビ大分)。
岩屋氏の説明:「一歩前進」と「総じて厳しい」
OBS大分放送によると、岩屋氏は10月2日の会見で、中国共産党の政治局員である王毅氏と何立峰氏が2日続けて会ったこと自体を、対話が途絶えていた状況からすれば「一歩前進」と言えるのではないかと述べました。一方、中国側の表現が「撤回」から「是正」に変わったとの指摘については、中国側の意図を「断定する根拠はない」として、「総じて厳しい立場に変わりはなかった」と慎重な見方を示しています。
岩屋氏は、国内で訪中に批判があることについて「誰も会わないで何か事態が改善するのかというと、決してそうではないと思う」と話し、経済界や超党派の議員など、さまざまなレベルで対話を続けるべきだと訴えました。NHKは、岩屋氏が両国間のハイレベル対話が実現するよう引き続き後押ししていく考えを示したと伝えています。
日本政府の側では、木原稔官房長官が9月29日の会見で「政府としては引き続き適切な対応をおこなっていく」と述べるにとどめています(TBS NEWS DIG)。
日中関係の現状は?首相の台湾答弁から11か月の主な出来事
呼び方の変化は、この1年の日中関係の流れの中で見る必要があります。中国外務省の会見記録と報道から、主な出来事を時系列に並べました(中国側の説明は会見記録にもとづきます)。
- 2025年10月21日高市内閣が発足10月29日の会見で郭報道官は、外相電話会談で日本側が「中国は重要な隣国」と述べたことなどを「積極的なシグナル」として紹介。この時点では「高市首相」と呼んでいた。
- 2025年11月7日首相が国会で台湾有事に言及台湾有事が「存立危機事態」になり得るとの答弁。中国外務省は会見で撤回を求め始めた。
- 2025年11月13日中国外務次官が日本大使を呼び出し11月14日の会見で林剣報道官が、孫衛東外務次官が前夜に日本の駐中国大使を呼び出したと説明。
- 2025年11月中旬中国が日本への渡航を控えるよう呼びかけ11月17日の会見で、自国民への通知について毛寧報道官が首相の発言を理由に挙げた。
- 2025年11月19日日本産水産物の輸入停止を通報毛寧報道官は、日本側が約束した技術資料を出していないことを理由に挙げ、首相の発言にも言及した。
- 2026年1月6日日本向けの軍民両用品の輸出管理を強化中国商務省が発表。翌日の会見で毛寧報道官は措置を「完全に正当」とした。
- 2026年3月30日古屋圭司衆院議員に対抗措置中国外務省が外交部令として公表。台湾訪問を理由に挙げた。
- 2026年4月10日日本の外交青書が中国の位置づけを変更「最も重要な二国間関係の一つ」から「重要な隣国」へ。毛寧報道官は関係の根源は首相の発言にあると反論。
- 2026年9月14日日中友好議連の若手議員が訪中中国外務省の劉彬部長助理と会見。
- 2026年9月28〜29日岩屋前外相が王毅外相・何立峰副首相と会談中国政府が日本の政治家との会談を公式発表するのは関係悪化後初めて(時事通信)。
- 2026年9月30日会見で「高市早苗」肩書なしの呼び方は、公式記録の上では10回目。
時事通信は、首相の答弁以降、中国は政府だけでなく民間の対話や交流にも応じてこなかったものの、2026年8月以降は日本の超党派議員団を2つ受け入れ、今回の岩屋氏への対応はそれを上回る「厚遇」だったと伝えています。王毅氏が求めた「是正」は、答弁直後に求めた「撤回」より幅がある表現とも言える、という見方も示しました。中国側は首相の発言の是正を関係改善の前提とし、日本政府は台湾をめぐる従来の立場に変わりはないと説明しており、双方の主張は平行線のままです。
これからの焦点
- 呼び方の推移:10月以降の会見で「日本首相高市早苗」に戻るのか、肩書なしが続くのか。報道官が自分から首相に触れる場面での呼び方が手がかりになります。
- 民間・議員レベルの訪中:OBS大分放送によると、岩屋氏は経団連など経済3団体や日中友好議員連盟の訪中計画に触れ、多層的な対話の継続を呼びかけました。
- 11月のAPEC首脳会議:時事通信によると、11月に中国で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議には首相が出席する見通しです。中国側が政府間の対話に応じるかどうかが注目されます。
- 国交正常化55周年:中国外務省の発表によると、王毅氏は2027年が日中国交正常化55周年にあたると指摘しています。節目に向けて政府間の対話が再開されるかが注目されます。
中国外務省の「高市早苗」呼び・日中関係についてよくある質問
Q. 中国外務省は高市首相を何と呼んだのですか?
A. 2026年9月30日の定例記者会見で、郭嘉昆報道官が小泉防衛相の発言に関する質問に答える中で、「日本首相」の肩書を付けずに「高市早苗」と呼びました。共同通信や日本経済新聞が10月2日に「異例の呼び捨て」として報じています。
Q. 肩書なしで呼んだのは今回が初めてですか?
A. 中国外務省の公式会見記録を数えると、報道官が肩書なしの「高市早苗」「高市」から話を始めた答えは、9月30日より前に9回あります。最初は2025年11月13日で、7月20日には9月30日とほぼ同じ文も使われていました。
Q. いちばん多い呼び方は何ですか?
A. 高市内閣下の会見223回で首相に触れた70回答のうち、35回答が「日本首相高市早苗(日本の首相・高市早苗)」で始まっています。肩書を付ける呼び方は今も使われていますが、「高市首相」という言い方は2025年12月31日を最後に使われていません。
Q. 石破前首相のときはどうでしたか?
A. 石破内閣の期間の会見239回で、報道官が首相に触れた答えは6回答だけで、すべて「石破首相」などの肩書つきでした。肩書なしの例はありませんでした。
Q. なぜ中国は肩書を外したのですか?
A. 中国外務省は理由を説明していません。会見では、関係悪化の根源は首相の台湾をめぐる発言にあると繰り返しています。報道では、香港紙が「意図的」と分析し、日本経済新聞は高市氏への敵視姿勢の表れと伝えています。
Q. 岩屋前外相は10月2日の会見で何と言いましたか?
A. 大分県別府市で会見し、王毅外相と何立峰副首相が会談に応じたことを「一歩前進」と評価しました。一方、中国側の立場は「総じて厳しい」と述べ、中国政府には日中間の窓口を開けるよう求め、日本政府には関係改善の努力を続けてほしいと話しました。
あわせて読みたい
出典・参考資料
- 中国外交部:外交部发言人例行记者会(会見記録の一覧)。本記事の集計は2024年9月18日〜2026年9月30日の全471回分
- 中国外交部 会見記録:2026年9月30日/2026年8月17日/2026年7月20日/2026年5月7日/2025年12月31日/2025年11月14日/2025年11月13日/2025年10月29日/2025年9月24日
- 中国外交部:王毅会见日本国际贸易促进协会会长岩屋毅(2026年9月28日)
- 共同通信(nippon.com):中国外務省、高市早苗と呼び捨て 9月30日の記者会見、意図的か(2026年10月2日)
- 日本経済新聞:中国、高市首相を異例の呼び捨て 「日本首相」の呼称使わず敵視鮮明(2026年10月2日)/岩屋毅前外相、中国副首相と会談 中国は「非高市勢力」と対話(2026年9月29日)
- 時事通信:中国、高市氏答弁「是正」求める 経済協力に意欲も―副首相らと会談・岩屋前外相(2026年9月29日)
- TOSテレビ大分(Yahoo!ニュース):岩屋毅前外務大臣「日本政府には関係改善の努力を引き続きしてほしい」訪中受けて地元で記者会見(2026年10月2日)
- OBS大分放送(Yahoo!ニュース):「誰も会わないで事態が改善するのか」岩屋毅前外相が訪中報告(2026年10月2日)
- 時事通信(dメニューニュース):習政権、岩屋氏を厚遇=友好団体との対話再開か―中国(2026年9月29日)
- TBS NEWS DIG(livedoorニュース):訪中した岩屋前外務大臣に異例の“厚遇” 王毅外相ら習近平政権の指導部や何立峰副首相とも会談(2026年9月30日)
- NHK:自民 岩屋前外相 “訪中意義あった ハイレベル対話実現を”(2026年10月2日)
呼び方の集計は、中国外交部の公式サイトに掲載された中国語の会見記録(2026年10月2日時点)を筆者が1件ずつ読み、報道官の答えの中で日本の首相を最初に指した語を分類したものです。記者の質問、「高市政権」など政権を指す語は数えていません。「撤回」の集計は、首相または台湾に関する発言に触れた答えのうち「撤回」「收回」を含むものの数です。中国語の引用の和訳は筆者によるものです。本記事は特定の政府の立場を支持・批判するものではありません。アイキャッチ背景:EditQ「Ministry of Foreign Affairs of the People’s Republic of China headquarters」(Wikimedia Commons、CC0)をトリミング・明るさ調整・文字入れ。


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