動物ニュース|一次資料を数えた
金魚が外来種リスト入りはなぜ?11年ぶり改定596種と猫の扱い
環境省と農林水産省が2026年9月11日、「生態系被害防止外来種リスト」を11年ぶりに改定しました。掲載は429種類から596種類(167種類増)へ。新たにキンギョやヒメダカ、ドバトまで加わった一方、夏に騒動になった猫の「イエネコ」表記は見送られました。公表されたExcel版のリスト596行を自分で数え直し、何が増えたのか、飼っている人は何をすればいいのかを整理します。
この記事の結論
- 外来種リストは429種類→596種類に増えました。いちばん増えたのは魚類(59→118種類)で、増加分167種類の約35%を占めます。
- キンギョが載った理由は、野外に放されたものが在来の魚と競合したり交雑したりするおそれがあるためです。区分は「防除検討外来種」。ヒメダカなどのメダカ改良品種は、野生のメダカと交雑するとして、より重い「防除推進外来種」に入りました。
- リストに法的な拘束力はありません。596種類のうち外来生物法の規制がかかる特定外来生物は153種類で、残り74%は飼うのも売るのも自由です。求められているのは「野外に放さない」ことです。
- リストの動物348種類を数えると、159種類(46%)は「日本での利用状況」欄にペットや観賞用としての記述がありました。魚類に限れば72%です。外来種問題の多くは、飼われていた生き物が外に出たことから始まっています。
- 猫は、改定案の段階で「ノネコ」から種名の「イエネコ」に広げる予定でしたが、反対署名が7万筆を超え、8月に撤回。最終版も「ノネコ(イエネコの野生化したもの)」のままです。ただ、同じ改定でヤギとブタは「ノヤギ」「ノブタ」から家畜の名前に変わりました。
外来種リスト2026年改定とは?何が変わったか
「生態系被害防止外来種リスト」は、日本の自然や暮らしに被害を与える、または与えるおそれがある外来種を、国がまとめて示した一覧です。2015年に初めて作られ、今回が初めての本格的な改定になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(第2版)。通称「生態系被害防止外来種リスト」 |
| 公表 | 2026年9月11日(環境省・農林水産省の同時発表)。第1版は2015年3月 |
| 掲載数 | 596種類(第1版429種類から167種類増、約1.4倍)。科・属・種など単位がまちまちなので「種類」で数える |
| 区分の見直し | 「緊急対策」「重点対策」「その他の総合対策」の3段階を、「防除推進外来種」と「防除検討外来種」の2つに整理。「定着予防外来種」は「侵入・定着防止外来種」に改称 |
| 追加された項目 | 「関係する感染症」「防除事例」「他法令での位置付け」など |
| 法的な効力 | なし。特定外来生物と未判定外来生物以外は、外来生物法の規制の対象にならない |
| 飼っている個体 | 基本方針は「飼養・栽培されているものは防除の対象とはならない」と明記。ただし逃がさない・放さないことが求められる |
| パブリックコメント | 2026年4月2日〜5月1日。意見を出したのは33人・55件(有効52件) |
5つの区分と掲載数
今回のリストは、対策の方向性で5つに分かれています。Excel版の「カテゴリ」欄を数えた結果です。
| 区分 | 掲載数 | 意味 |
|---|---|---|
| 侵入予防外来種 | 27種類 | まだ日本に入っていない。侵入を防ぐ |
| 定着防止外来種 | 108種類 | 入ったことはあるが定着していない。定着を防ぐ |
| 防除推進外来種 | 212種類 | 定着して被害が大きい。積極的に防除する |
| 防除検討外来種 | 229種類 | 定着しているが被害は推進外来種ほどではない、または不明。場所や状況に応じて防除 |
| 産業管理外来種 | 20種類 | 産業上重要で代わりがない。逃がさない管理を徹底して使う |
「外来種」には国内の生き物も含まれる
このリストでいう外来種は、海外から来た生き物だけではありません。本来いない地域に人が持ち込んだ生き物はすべて外来種です。たとえば「関東地方のタカハヤ」「北海道、伊豆諸島及び佐渡島のアズマヒキガエル」のように、同じ日本の生き物でも、地域を限って載っているものがあります。
何が増えた?分類群別に見ると魚類が2倍
環境省の概要資料にある分類群別の数字を、2015年版と並べました。増えた167種類のうち59種類、約35%が魚類です。
| 分類群 | 2015年版 | 2026年版 | 増減 | 主な新顔・変更点 |
|---|---|---|---|---|
| 魚類 | 59 | 118 | +592.0倍 | キンギョ、ヒメダカなどのメダカ改良品種、コイ(飼育型)、ライギョ(カムルチー)、シルバーアロワナ |
| 植物 | 200 | 248 | +481.2倍 | 園芸種などに「特段の防除取り組みが要請される区域」を新たに明記 |
| 甲殻類・軟体動物・その他無脊椎動物 | 42 | 61 | +191.5倍 | コウライエビ、チュウゴクスジエビ、アジアベッコウ、エリマキコウガイビル |
| 昆虫類 | 22 | 36 | +141.6倍 | ツヤハダゴマダラカミキリ、ムネアカハラビロカマキリ、クロスズメバチ大陸亜種 |
| 鳥類 | 15 | 23 | +81.5倍 | サンジャク、ドバト(カワラバト)、アヒル、アイガモ、ハッカチョウ |
| 哺乳類 | 41 | 48 | +71.2倍 | アカゲザル×ニホンザル、ポリネシアネズミ、アカシカ |
| 爬虫類 | 26 | 32 | +61.2倍 | 自然分布域外のクサガメ、ニホンヤモリ、ニオイガメ属 |
| 両生類 | 15 | 18 | +31.2倍 | オオサンショウウオ属の交雑個体、ホンコンシロアゴガエル |
| 陸生節足動物 | 9 | 12 | +31.3倍 | ゴケグモ属の全種(特定外来生物分)、イトグモ |
| 合計 | 429 | 596 | +1671.4倍 | — |
甲殻類と軟体動物は、2015年版では「その他無脊椎動物」にまとめられていたため合算しています。数字は環境省「添付資料1」と「掲載種数一覧」によります。
魚が増えた理由は「国内の移植」
魚類で目立つのは、国内由来の外来種が4種類から25種類へ、5倍以上に増えたことです。環境省は「国内での近縁種の移入が在来生態系に与える影響が明らかになってきた」と説明しています。釣りの放流や、ほかの魚の放流に混じって運ばれた魚が、もともといない川や湖で在来の魚を追いやったり、交雑したりしているという見立てです。
リストには「琵琶湖以外のホンモロコ」「東北地方、四国南部、九州南部以南などのオイカワ」「青森県及び秋田県から兵庫県までの日本海側のミナミメダカ」のように、同じ魚でも「どこにいるか」で外来種かどうかが決まる書き方が並びます。
ほかの分類群の主な変更
- 鳥類:1999年ごろ愛媛県の観光施設から逃げたとされるサンジャクが、四国で定着したとして掲載されました。根絶されたカナダガンは「定着防止外来種」に移りました。
- 昆虫類:桜などを枯らすクビアカツヤカミキリは、分布が広がったとして「防除推進外来種」に格上げ。2021年に沖縄島で初めて見つかったクロスズメバチ大陸亜種も加わりました。
- 哺乳類:特定外来生物に指定された「アカゲザルとニホンザルの交雑種」が防除推進外来種に入りました。
金魚はなぜ外来種リスト入り?身近な生き物11種の扱い
キンギョは「防除検討外来種」として新たに載りました。リストの記述は短く、理由は「在来種との競合と駆逐の可能性、在来種との交雑による遺伝的かく乱の可能性」。生息環境は「ため池や水路等」、定着の段階は「分布拡大期~まん延期」とされています。
キンギョはフナの仲間で、リストでは「国内に自然分布域を持つ国外由来の外来種」という区分に入っています。同じ区分には「外国産ギンブナ」「外国産ドジョウ」など4種類だけが並びます。日本の川にも近い仲間がいるからこそ、放されると交雑の心配が出てくるというわけです。
金魚すくいの金魚を池や川に放さない
リストの「利用上の留意事項」は、キンギョもヒメダカも「逸出には十分な注意を払い、放流しないこと」です。飼えなくなったからと近所の池や川に放すのは、まさにリストが止めたい行動です。
ヒメダカの方が「重い」区分
意外なのは、ヒメダカなどのメダカ改良品種が、キンギョより重い「防除推進外来種」に入ったことです。改良メダカは野生のミナミメダカから作られたもので、在来のミナミメダカやキタノメダカと「容易に交雑」します。見た目が違っても同じ種に近いため、放流すると野生のメダカの遺伝子が混ざってしまう、という理由です。
身近な生き物はどう書かれている?
ペットや街なかでなじみのある生き物を、Excel版のリストから11種類拾いました。このうち7種類が今回の新規掲載です。
| 生き物 | 区分 | 2015年版 | リストが挙げる問題点 |
|---|---|---|---|
| キンギョ | 防除検討外来種 | 今回新規法規制:なし | 在来種との競合・駆逐、交雑による遺伝的かく乱の可能性。ため池や水路などで「分布拡大期~まん延期」 |
| ヒメダカなどのメダカ改良品種 | 防除推進外来種 | 今回新規法規制:なし | 在来のミナミメダカ・キタノメダカと容易に交雑し、遺伝的かく乱を起こす |
| コイ(飼育型) | 防除検討外来種 | 今回新規法規制:なし | 底をかき回して水を濁らせ、水草の成長を妨げる。琵琶湖など一部を除き在来のコイと交雑が進んでいる |
| グッピー | 防除検討外来種 | 前から掲載法規制:なし | 温泉の排水が流れ込む川などに局所的に定着(北海道・長野・岡山・大分など) |
| アカミミガメ(ミドリガメ) | 防除推進外来種 | 前から掲載法規制:条件付特定外来生物 | 全国で定着・野外繁殖。飼うことは規制されないが、輸入・販売は禁止 |
| アメリカザリガニ | 防除推進外来種 | 前から掲載法規制:条件付特定外来生物 | 水草を切って水生植物群落を壊滅させ、小動物を食べる |
| 自然分布域外のクサガメ | 防除推進外来種 | 今回新規法規制:なし | 千葉・福井・愛知などでニホンイシガメとの交雑による遺伝的かく乱 |
| ニホンヤモリ | 防除検討外来種 | 今回新規法規制:なし | 固有種のタワヤモリ・ニシヤモリと交雑・競合して置き換わる(淡路島の例) |
| ドバト(カワラバト) | 防除検討外来種 | 今回新規法規制:なし | オウム病の原因菌の保菌率が20%程度と高い。ふんによる建物の汚損 |
| アヒル | 防除検討外来種 | 今回新規法規制:なし | マガモ・カルガモとの交雑、水草の食害(兵庫・山口・福岡・沖縄で確認) |
| フェレット | 定着防止外来種 | 前から掲載法規制:なし | 日本では未定着。ニュージーランドでは在来の鳥類の存続を脅かしている |
「リストが挙げる問題点」は、第2版Excelの「備考」「日本での分布」欄を筆者が要約したものです。「今回新規」は、第1版のリストに同じ和名・学名の掲載がないことを確認したものです。
掲載動物の46%はペット・観賞用|リスト348行を数えた
リストのExcel版には、生き物ごとに「日本での利用状況」という欄があります。動物348種類について、この欄に「ペット」「観賞」「愛がん」のいずれかの記述がある(過去の利用を含む)ものを数えると、159種類、46%になりました。
| 分類群 | 掲載数 | ペット・観賞の記述あり | 割合 |
|---|---|---|---|
| 魚類 | 118種類 | 85種類 | 72% |
| 爬虫類 | 32種類 | 23種類 | 72% |
| 鳥類 | 23種類 | 17種類 | 74% |
| 哺乳類 | 48種類 | 15種類 | 31% |
| 両生類 | 18種類 | 7種類 | 39% |
| 昆虫類 | 36種類 | 7種類 | 19% |
| 甲殻類 | 20種類 | 5種類 | 25% |
| 動物全体 | 348種類 | 159種類 | 46% |
陸生節足動物・軟体動物・その他無脊椎動物は該当0件のため省略。「観賞魚としての利用はほとんどない」「一般的ではない」と書かれた2件は除外しました。「過去にペットとして飼養されていた」(アライグマなど)も含みます。
魚類は118種類中85種類、72%に観賞魚などとしての記述があります。爬虫類も32種類中23種類。カメやトカゲの多くはペットとして輸入されたものです。
今回のパブリックコメントでも、リスザルやイエネコ、ヤギなどが動物カフェのような「動物園以外の展示施設」で使われていると追記を求める意見があり、環境省は「御指摘のとおり追記します」と回答しました。外来種問題の入り口は、多くの場合「人が飼っていたもの」です。
猫はなぜ「イエネコ」にならなかった?撤回までの経緯
今回の改定で最も注目を集めたのは猫の扱いです。2015年版から、猫は「ノネコ(イエネコの野生化したもの)」として、最も対策の優先度が高い区分に載っていました。改定案では、これを種名の「イエネコ」に広げる予定でした。
- 2015年3月第1版を公表猫は「ノネコ」として緊急対策外来種、犬は「ノイヌ」として重点対策外来種に
- 2026年4〜5月改定案のパブリックコメント意見提出は33人・55件。結果の一覧では、猫と犬は「イエネコ」「イヌ」の表記で登場している
- 6月28日「イエネコ追加へ」と共同通信が報道野良猫や飼い猫も含めて「イエネコ」とし、防除推進外来種に位置付ける方向と報じられる。屋内で適切に飼われている猫は防除の対象外とされた
- 7月4日・6日動物愛護団体が署名と要望書公益財団法人どうぶつ基金がChange.orgで署名を始め、環境大臣あてに要望書を提出
- 7月14日環境相が再検討を指示石原宏高環境相が閣議後会見で、国民に誤解を与えないことが重要だとして再検討を指示
- 7月30日署名が累計70,561筆にどうぶつ基金が追加署名と意見書を提出。犬の「イヌ」表記にも反対を表明
- 8月4日環境省が「イエネコ」案を撤回従来どおり野生化した猫だけを「ノネコ」として載せる方針に。大臣指示による最終段階での方針転換は「極めて異例」と報じられた
- 9月11日第2版を公表「ノネコ(イエネコの野生化したもの)」「ノイヌ(イヌの野生化したもの)」の表記で、区分は防除推進外来種
意見は33人、署名は7万筆
改定案の段階では、パブリックコメントで猫の表記変更そのものに反対する意見は見当たりません。意見を出したのは33人です。状況が動いたのは、報道で内容が広く知られた後でした。署名は1か月足らずで7万筆を超え、方針が変わりました。国のリストの中身が、パブリックコメントの後で大きく変わった珍しい例です。
ヤギとブタは家畜の名前に変わった
2015年版と2026年版のExcelを並べると、もう一つの事実がわかります。ヤギとブタは、今回の改定で「ノヤギ」「ノブタ」から家畜の名前に変わっていました。猫と犬だけが、2015年版と同じ「ノ」付きの表記に戻されたことになります。
| 2015年版の表記 | 2026年版の表記 | 変化 |
|---|---|---|
| ノヤギ(ヤギの野生化したもの)緊急対策外来種 | ヤギ防除推進外来種 | 家畜の名前に |
| ノブタ・イノブタ(ブタ・イノブタの野生化したもの)重点対策外来種 | ブタ(イノブタを含む)防除推進外来種 | 家畜の名前に |
| ノネコ(イエネコの野生化したもの)緊急対策外来種 | ノネコ(イエネコの野生化したもの)防除推進外来種 | 「ノ」付きのまま |
| ノイヌ(イヌの野生化したもの)重点対策外来種 | ノイヌ(イヌの野生化したもの)防除推進外来種 | 「ノ」付きのまま |
2015年版の区分「緊急対策外来種」「重点対策外来種」は、今回の改定でどちらも「防除推進外来種」に統合されています。
リストは「ノネコ」の何を問題にしているか
第2版の備考には、奄美大島でのアマミノクロウサギ、沖縄島やんばる地域でのヤンバルクイナやノグチゲラの捕食、御蔵島でのオオミズナギドリの捕食、ツシマヤマネコへの猫免疫不全ウイルス(FIV)の感染などが挙げられています。そのうえで対策は、ペットの屋内飼養の普及啓発、希少種がいる地域での捕獲、TNR(捕獲・不妊去勢手術・元の場所に戻す)などを組み合わせるとしています。「利用上の留意事項」は「屋内飼養に努めること」です。
リストに載った生き物を飼っている人はどうすればいい?
結論から言えば、特定外来生物でなければ、これまでどおり飼ってかまいません。リストの基本方針は「飼養・栽培されているものは防除の対象とはならない」と明記しています。気をつけたいのは次の3点です。
- ルール1逃がさない・放さないキンギョ・メダカ・カメは、池や川、田んぼの水路に放さない。飼えなくなったら、譲渡先を探すのが基本です
- ルール2特定外来生物は別ルールアカミミガメとアメリカザリガニは「条件付特定外来生物」。いま飼っている個体は飼い続けられますが、野外に放すこと、売ること、買うことは禁止されています
- ルール3猫は屋内でリストは猫について「屋内飼養に努めること」と書いています。環境省の「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」も、病気の感染や事故を防ぐ観点から、猫の屋内飼養に努めるよう定めています
リストと法律の違い
外来生物法で「特定外来生物」に指定されると、飼育・運搬・輸入・野外への放出などが原則禁止になり、違反には罰則があります。一方、生態系被害防止外来種リストは「適切な取扱いを呼びかけるための」資料で、罰則はありません。596種類のうち特定外来生物は153種類です。
今後の焦点|特定外来生物の指定と自治体リスト
リストそのものに罰則はありませんが、影響は小さくありません。基本方針は、このリストを参考に特定外来生物を選ぶとしています。今回「防除推進外来種」になった生き物は、将来の規制の候補になり得るということです。
また、自治体が独自の外来種リストや条例を作る際の参考にすることも期待されています。実際、アヒルやシルバーアロワナの記述には、福岡県・兵庫県・沖縄県の地方版リストでの扱いが引用されています。
- 環境省は2026年度中に普及啓発用のパンフレットを作る予定です。英語版のパンフレットも予定されています。
- リストは今後も「継続的・定期的に掲載種の追加、削除及び関連情報の更新を行う」とされています。
- 猫と犬の扱いは、動物愛護団体が「ノネコ」「ノイヌ」も含めた除外を求めており、議論は続きそうです。
外来種リスト2026についてよくある質問
Q. 金魚が外来種リストに載ったら、飼うのは違法になりますか?
A. なりません。キンギョは特定外来生物ではないため、飼うのも売るのも自由です。リストの基本方針も「飼養・栽培されているものは防除の対象とはならない」としています。求められているのは、池や川に放流しないことです。
Q. 金魚すくいの金魚を近くの池に放してもいいですか?
A. やめましょう。リストはキンギョについて「逸出には十分な注意を払い、放流しないこと」と書いています。在来の魚との競合や交雑のおそれがあるためです。飼えなくなったときは、引き取ってくれる人を探してください。
Q. 飼い猫や野良猫は外来種リストの対象ですか?
A. リストに載っているのは「ノネコ(イエネコの野生化したもの)」です。改定案では種名の「イエネコ」に広げる予定でしたが、2026年8月に撤回されました。飼われている猫は防除の対象外で、リストは「屋内飼養に努めること」を求めています。
Q. 外来種リストと特定外来生物は何が違いますか?
A. 特定外来生物は外来生物法で指定され、飼育や放出などが原則禁止になり、罰則があります。外来種リストは注意を呼びかけるための資料で、法的な拘束力はありません。2026年版の596種類のうち、特定外来生物は153種類です。
Q. メダカも外来種なのですか?
A. ヒメダカなどのメダカ改良品種が「防除推進外来種」として載りました。野生のミナミメダカやキタノメダカと簡単に交雑するためです。また、青森県・秋田県から兵庫県までの日本海側にいるミナミメダカも、本来の分布域の外に持ち込まれたものとして「防除検討外来種」に載っています。
Q. 外来種リストの全文はどこで見られますか?
A. 環境省のウェブサイト「生態系被害防止外来種リスト」のページで、分類群ごとのExcelファイルとPDFが公開されています。Excel版は和名や学名で検索できます。
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出典・参考資料
- 環境省:「生態系被害防止外来種リスト(2026年改訂版)」の公表について/添付資料1 概要/添付資料2 パブリック・コメントの結果(2026年9月11日)
- 環境省:生態系被害防止外来種リスト/作成の基本方針(2026年9月)(分類群別Excel・第1版リストを含む)
- 共同通信(秋田魁新報):生態系対策、イエネコ追加へ/外来種リスト、猫の対象範囲再考 石原環境相が指示/猫の生態系対策案撤回へ 被害防止リスト変更せず(2026年6月28日・7月14日・8月4日)
- 公益財団法人どうぶつ基金:イエネコの「防除推進外来種」指定に反対――環境大臣に要望書を提出/署名累計7万筆を突破(PR TIMES)(2026年7月6日・7月31日)
- 環境省:家庭動物等の飼養及び保管に関する基準(平成14年環境省告示第37号)
分類群別・区分別の掲載数のうち、2015年版との比較は環境省の概要資料の数字です。区分別の掲載数、特定外来生物の数、「日本での利用状況」欄の集計、名前の変化、身近な生き物の表は、環境省が公開したExcel版リスト(2026年9月11日版、11ファイル)と第1版リスト(2015年3月26日版)を筆者が集計・照合したものです。特定外来生物の数には「一部」「条件付」「要緊急対処」の注記があるものを含みます。アイキャッチ背景:Stevenliuyi「Hong Kong Goldfish Market」(Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0)をトリミング・明るさ調整・文字入れ。
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