子どもの頃、川や田んぼで捕まえて遊んだアメリカザリガニ。実はこのアメリカザリガニ、2023年6月から法律で規制される「条件付特定外来生物」に指定されました。「もう飼えないの?」「捕まえたらダメなの?」と不安に思う方も多いはず。この記事では、アメリカザリガニがなぜ規制されたのか、何が禁止されて何がOKなのかを、わかりやすく解説します。
この記事でわかること
- アメリカザリガニが規制された理由
- 「条件付特定外来生物」とは何か
- 禁止されること・引き続きできること
- 今飼っている場合、これからどうすればよいか
アメリカザリガニはなぜ規制されたのか
アメリカザリガニは、もともと日本にいなかった外来種です。1927年にウシガエルの餌として持ち込まれたのをきっかけに全国へ広がり、今では身近な生き物になっています。しかし、この繁殖力の強さと食欲が、日本の自然環境に深刻な影響を与えていることが問題視されてきました。
アメリカザリガニによる環境への影響は、大きく次の3つに整理できます。
- 在来種を脅かす:もともとその場所にいた生き物の餌や住みかを奪い、直接の競争相手となります。
- 生態系のバランスを崩す:水草を切断・捕食して水辺の環境そのものを変えてしまい、多くの生き物が暮らせなくなります。
- 病気を持ち込む:外来の病原体を在来種に広げてしまう可能性があります。
特に、水草を切ってしまう習性は深刻で、メダカや水生昆虫、両生類などが暮らす豊かな水辺を丸ごと壊してしまうことがあります。逆に、アメリカザリガニを集中的に駆除して密度を下げると、カエルや魚、水草などの生き物がめざましく回復することも報告されており、いかに大きな影響を与えているかがわかります。
「条件付特定外来生物」とは?
アメリカザリガニは、2023年6月1日から「条件付特定外来生物」に指定されました(同時にミシシッピアカミミガメも指定)。これは外来生物法にもとづく新しい区分です。
ポイントは、「飼うこと自体は禁止しない」という点です。アメリカザリガニは、すでに全国で非常に多くの人がペットとして飼っています。もしこれを一律に「特定外来生物」として飼育禁止にすると、行き場を失った大量のザリガニが川や池に捨てられ、かえって環境被害が広がってしまいます。そうした事態を避けるため、飼育は認めつつ、拡散につながる行為だけを規制するという特別な仕組みが「条件付」なのです。
禁止されること・できること
では、具体的に何がダメで何がOKなのでしょうか。整理してみましょう。
禁止されること
- 野外に放す・逃がす(放出):飼っていたものを川や池に逃がすのは禁止です。
- 販売・購入すること:お金を取っての売買はできません。
- 他人へ譲渡・頒布する(有償・無償問わず広く配る行為):不特定多数への配布は禁止です。
- 輸入すること
引き続きできること
- ペットとして飼うこと:許可も届出も不要で、これまで通り飼えます。
- 捕まえること:川や田んぼで捕獲して自宅で飼うのは問題ありません。
- 無償で少数を譲ること:家族や知人に手渡しで譲る程度は認められています(販売や広い頒布はNG)。
つまり、「捕まえて飼う」という昔ながらの楽しみ方はこれまで通りできます。禁止されるのは、自然に逃がしたり、売り買いしたりして数を広げる行為だ、と理解しておけば間違いありません。
今飼っている場合はどうすればいい?
すでにアメリカザリガニを飼っている人は、あわてる必要はありません。大切なのは、次のことを守ることです。
- 最後まで責任を持って飼う:寿命をまっとうするまで、きちんと世話をしましょう。
- 絶対に野外に逃がさない:これが最も重要なルールです。飼えなくなっても川や池に放してはいけません。
- 逃げ出さない環境で飼う:ザリガニは意外と力が強く脱走します。ふたのある水槽などで管理しましょう。
- どうしても飼えなくなったら:引き取り手を個人的に探す(無償・少数の手渡しはOK)か、自治体の相談窓口に問い合わせましょう。
「逃がさない」「売らない」「配らない」——この3つを守れば、これまで通りアメリカザリガニとの暮らしを楽しめます。
アメリカザリガニの規制に関するよくある質問
Q. アメリカザリガニはもう飼えないのですか?
飼えます。「条件付特定外来生物」の指定では飼育自体は禁止されておらず、許可や届出も不要です。これまで通りペットとして飼えます。
Q. 川でアメリカザリガニを捕まえてもいいですか?
捕まえて自宅で飼うことは問題ありません。ただし、捕まえた場所とは別の場所に放したり、売ったり、多くの人に配ったりすることは禁止されています。
Q. なぜ「飼育禁止」にしなかったのですか?
すでに非常に多くの人が飼っているため、一律禁止にすると大量に捨てられ、かえって環境被害が広がる恐れがあるからです。そこで飼育は認め、放出や売買など拡散につながる行為だけを規制する「条件付」の仕組みが取られました。
Q. 飼っていたザリガニが死んだらどう処分すればいいですか?
一般的な家庭ごみとして自治体のルールに従って処分できます。生きたまま野外に逃がすことだけは絶対に避けてください。
Q. 違反するとどうなりますか?
野外への放出や販売などの禁止行為には、外来生物法にもとづく罰則が定められています。ルールを守って楽しむことが大切です。
まとめ:飼い方は変わらない、大事なのは「逃がさない」こと
アメリカザリガニは、生態系への深刻な影響から2023年に「条件付特定外来生物」に指定されました。ただし飼育は引き続き可能で、捕まえて飼う昔ながらの楽しみ方も変わりません。禁止されるのは、野外への放出・販売・頒布・輸入といった「数を広げる行為」です。「逃がさない・売らない・配らない」を守り、最後まで責任を持って付き合うことが、自然環境と身近な生き物の両方を守ることにつながります。
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