年金は「貯金」ではなく、世代で支え合う「仕送り」と「保険」。そして、破綻ではなく「目減り」するしくみです
給料明細から毎月引かれる厚生年金の保険料。「どうせ自分たちの時代には破綻している」「払うだけ損」という声もよく聞きます。この記事では、日本の公的年金の仕組みを、厚生労働省と日本年金機構の公開資料からわかりやすく整理します。2階建ての構造、保険料ともらえる額、年金が破綻しないと言われる理由と、その代わりに起きる「目減り」の大きさ、そして国民年金は何年受け取れば払った分と同じになるのかを、2026年度の数字で計算しました。
金額は2026年度(令和8年度)、人数は2024年度末の数字です。将来の見通しは国の試算で、約束ではありません
2026年度
のうち保険料の割合
払った分と同じになるまで
基礎年金が目減りする幅
結論:年金は「貯金」ではなく「仕送り」と「保険」
年金について、よくある思いこみは次の3つです。「年金は国に預けた貯金」「年を取ったときのためだけのもの」「少子高齢化でいずれ破綻する」。公開資料で確かめると、3つとも実際とは違います。
| よくある思いこみ | 実際の仕組み |
|---|---|
| 年金は国に預けた「貯金」 | いまの現役世代の保険料で、いまの受給者の年金を払う「仕送り」(賦課方式) |
| 年を取ったときのためだけ | 老後・障害・遺族(家族の死亡)に備える「保険」 |
| 少子高齢化で「破綻」する | 保険料の上限を固定し、年金の伸びを抑えて調整する「目減り」の仕組み |
年金の仕組みを図解|2階建て(3階建て)と第1号・第2号・第3号
日本の公的年金は、よく2階建ての家にたとえられます。1階が、20歳以上60歳未満の日本に住むすべての人が入る国民年金(基礎年金)。2階が、会社員や公務員が上乗せで入る厚生年金です。その上に、企業年金やiDeCo(個人型確定拠出年金)、国民年金基金など、自分で選んで入る「3階」があります。
約1,368万人第2号会社員・公務員
約4,748万人第3号会社員の配偶者
約641万人
※人数は2024年度末(厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」)。第2号の人数は厚生年金の加入者数で、65歳以上で働いている人を含みます。3階は任意加入です。
どの階まであるかは、働き方で決まります。自営業や学生、無職の人は第1号被保険者で、1階だけです。会社員や公務員は第2号被保険者で、1階と2階の両方に入っています。会社員や公務員に扶養されている配偶者は第3号被保険者で、1階だけですが、自分で保険料を払う必要はありません(配偶者が入っている厚生年金の制度全体で負担しています)。
公的年金に加入している人は全体で約6,757万人、年金を受け取っている人(重複を除く)は約3,941万人です。1年間に支払われる年金は、受給者の年金総額で約58兆3,311億円にのぼります(いずれも2024年度末)。
また、年金には老後にもらう老齢年金のほかに、病気やけがで障害が残ったときの障害年金、家計を支える人が亡くなったときの遺族年金があります。それぞれに1階(基礎年金)と2階(厚生年金)の部分があります。
年金の保険料はいくら?国民年金は月1万7,920円、会社員は給料の18.3%
| 保険料(2026年度) | 払い方 | |
|---|---|---|
| 第1号(自営業・学生など) | 月1万7,920円(定額) | 自分で納付。収入にかかわらず同じ額 |
| 第2号(会社員・公務員) | 給料(標準報酬)の18.3% | 会社と本人で半分ずつ。給料から天引き |
| 第3号(扶養されている配偶者) | 自分では払わない | 配偶者の厚生年金の制度全体で負担 |
国民年金の保険料は、2027年度には月1万8,290円になります。会社員の厚生年金保険料率18.3%は、2017年9月から固定されています。たとえば月30万円の給料なら、保険料は5万4,900円で、本人が2万7,450円、会社も同じ2万7,450円を払っています。給料明細に載っているのは本人の分だけです。
健康保険や雇用保険も含めた給料明細の天引き全体の内訳は、社会保険料はどこへ行く?額面30万円で消える月4万4,070円の内訳で詳しく計算しています。
年金はいくらもらえる?満額は月7万608円、平均は月15.1万円
1階の基礎年金は、20歳から60歳までの40年間、保険料を全部納めると満額になります。2026年度の満額は月7万608円(年84万7,300円・昭和31年4月2日以後生まれ)です。払わなかった期間があると、1年につき満額の40分の1(月約1,765円)ずつ減ります。年金を受け取るには、保険料を納めた期間などが10年以上必要です。
2階の厚生年金は、働いていたときの給料と期間で決まります。2003年4月以降の期間については、ざっくり次の式で1年分の額の目安がつかめます。
例)平均年収500万円で40年 → 500万円 × 0.005481 × 40 = 年約110万円(月約9.1万円)
これに基礎年金(満額で月約7.1万円)が加わり、合計は月約16万円が目安です。
※給付乗率5.481/1000で単純化した目安。実際は過去の給料を今の水準に直す「再評価」や、毎年の改定で変わります。
実際に受け取っている人の平均はどうでしょうか。厚生労働省の統計では、2024年度末の平均は次のとおりです。
| 平均の年金月額(2024年度末) | |
|---|---|
| 厚生年金(基礎年金を含む・老齢年金) | 約15万1,142円 |
| 国民年金(老齢年金) | 約5万9,431円 |
| (参考)夫婦のモデル年金(2026年度) | 月23万7,279円 |
1階だけの国民年金の人は、平均で月6万円弱です。自営業やフリーランスの人には2階がないぶん、iDeCoや国民年金基金、NISAなどで自分で上乗せを考えておく必要があります。
年金は貯金ではない|賦課方式(仕送り)と積立金の役割
日本の公的年金は、賦課方式(ふかほうしき)を基本にしています。その年に現役世代が払った保険料を、その年の年金の支払いにあてる方式で、厚生労働省も「現役世代から年金受給世代への仕送りに近いイメージ」と説明しています。親に直接仕送りする代わりに、社会全体で仕送りをしているイメージです。
では、年金のお金はどこから出ているのでしょうか。2024年の財政検証(国が5年ごとに行う年金財政の点検)では、この先およそ100年間の財源と給付を、いまの価値に直して示しています。過去30年と同じくらいの経済が続くケースでは、次のとおりです。
| 財源 | 金額(2024年度価格) | 割合 |
|---|---|---|
| 保険料 | 約1,500兆円 | 約65% |
| 税金(国庫負担:基礎年金の半分) | 約490兆円 | 約21% |
| 積立金(取り崩しと運用収入) | 約300兆円 | 約13% |
財源の約3分の2は保険料で、積立金は1割あまり。厚生労働省自身が、積立金は「補助的な役割」だと説明しています。払った保険料が自分の口座に貯まっていく、という仕組みではありません。
なぜ積立方式にしないのか:インフレに強いから
自分の分を自分で積み立てる積立方式の弱点は、物価です。厚生労働省の資料によると、カレーライスの値段は1965年に105円、2020年には714円で、55年で6.8倍になりました。若いころに積み立てたお金は、物価が何倍にもなると価値が目減りしてしまいます。仕送り方式なら、その時々の給料から保険料を集めるので、物価や給料の上がり方に合わせやすいのです。
いまから積立方式に切り替えるのも簡単ではありません。いまの受給者への年金を払いながら、自分の将来の分も積み立てる「二重の負担」が生じ、国の試算ではその額は約600兆〜650兆円(2024年度価格)にのぼります。
積立金は約318兆円、GPIFが運用
それでも積立金はあります。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用していて、2026年6月末の運用資産は約317兆7,596億円。1年間に支払われる年金の約5年分です。2001年度からの運用で増えた分は累計で約221兆円(年率4.95%)。この積立金を、おおむね100年かけて計画的に取り崩していきます。
仕送り方式の弱点:支える人が減る
| 年 | 65歳以上1人を支える15〜64歳の人数 |
|---|---|
| 1950年 | 12.1人 |
| 2025年 | 2.0人 |
| 2070年(見込み) | 1.3人 |
仕送り方式の弱点は、支える人の数です。12人で1人を支えていた時代から、いまは2人で1人。このままでは破綻するのでは、と心配になるのは当然です。そこで2004年に入ったのが、次の仕組みです。
年金は破綻しない?破綻しない理由と「目減り」の正体
2004年の年金制度改正で、年金の考え方は逆になりました。それまではもらう額を先に決め、お金が足りなくなるたびに保険料を引き上げていました。改正後は、払う保険料の上限を先に決め、その範囲に収まるように年金の伸びを抑える方式に変わったのです。
| 2004年改正の柱 | 中身 |
|---|---|
| 保険料の上限を固定 | 厚生年金は給料の18.3%(2017年に到達)、国民年金は2004年度の価格で1万7,000円 |
| 基礎年金の半分を税金で | 2009年度から国庫負担割合を2分の1に |
| 積立金の活用 | おおむね100年かけて取り崩し、最後に1年分程度を残す |
| マクロ経済スライド | 支える人の減少と寿命の延びに合わせて、年金の伸びを自動で抑える |
マクロ経済スライドは、年金額を物価や給料に合わせて改定するときに、「加入者の減り方」と「寿命の延び(一定率0.3%)」の分だけ伸びを差し引く仕組みです。たとえば2026年度の年金額は、次のように決まりました。
| 項目 | 2026年度 |
|---|---|
| 物価の上がり方(2025年平均) | +3.2% |
| 給料の上がり方(名目手取り賃金) | +2.1% |
| → 物価より給料が低いので、給料に合わせる | +2.1% |
| マクロ経済スライドによる調整 | −0.2% |
| 基礎年金の改定率 | +1.9% |
年金の額は増えても、物価の上がり方(3.2%)には届いていません。額は増えても、買えるものは減る。これが「破綻」の代わりに起きていることです。マクロ経済スライドは2015年度に初めて発動し、2026年度までに7回発動しています。
どこまで目減りする?所得代替率の見通し
年金の水準は、所得代替率で測ります。夫婦のモデル年金が、現役男性の平均手取り収入の何%にあたるかという指標です。2024年度は61.2%でした(夫婦の基礎年金13.4万円と夫の厚生年金9.2万円の合計を、現役男性の平均手取り37.0万円で割った値)。2024年の財政検証では、将来の見通しは次のとおりです。
| 経済の前提 | 調整が終わる年度 | 所得代替率 |
|---|---|---|
| 成長型経済移行・継続ケース | 2037年度 | 57.6% |
| 過去30年投影ケース | 2057年度 | 50.4% |
| 1人当たりゼロ成長ケース | 国民年金の積立金が2059年度になくなる | 33〜37%程度 |
いちばん厳しいケースでも、積立金がなくなった後も保険料と税金は入り続けるので、年金がゼロになるわけではありません。一方で、現役の手取りの6割あった水準が3割台まで下がる試算もあります。年金の本当の論点は「破綻するかどうか」ではなく、「どれだけ目減りするか」なのです。
目減りするのは主に1階の基礎年金
過去30年投影ケースで中身を見ると、2階の厚生年金(報酬比例部分)の所得代替率は25.0%から24.9%とほとんど変わらず、2026年度で調整が終わる見込みです。一方、1階の基礎年金は36.2%から25.5%へ、約3割下がります。基礎年金しかない自営業の人ほど、目減りの影響を受けやすいということです。
このため2025年の年金制度改正(令和7年法律第74号)では、パートなどで働く人が厚生年金に入れる範囲を広げることになりました。月8.8万円(年収106万円相当)の賃金要件は法律の公布から3年以内に撤廃し、会社の規模の要件も2027年10月から2035年10月にかけて段階的になくします。詳しくは106万円の壁の撤廃と「週20時間」の壁の記事で解説しています。
若い世代の年金額はどうなる?
「若い世代は年金が半分になる」と言われることもありますが、国の見通しは違います。財政検証の「年金額分布推計」で、物価で割り戻した実質額を見ると、過去30年投影ケースでも次のようになっています。
| 65歳で受け取る平均年金額(月額・実質) | 1959年度生まれ(2024年度に65歳) | 1994年度生まれ(2059年度に65歳) |
|---|---|---|
| 男性 | 14.9万円 | 14.7万円 |
| 女性 | 9.3万円 | 10.7万円 |
基礎年金は目減りしても、働く期間が延び、厚生年金に長く入る人が増えるため、平均額は男性でほぼ横ばい、女性では増える見込みです。ただし、これは今後も女性や高齢者の就労が進むことを前提にした見通しで、約束ではありません。また、現役世代の給料に比べた水準(所得代替率)は下がります。
年金は払い損?国民年金は何歳で元が取れるか計算
「年金は払い損」という声に、数字で答えてみます。2026年度の金額で、国民年金を1年間払った場合と、会社員が1年間払った場合を単純計算しました。
| 国民年金(第1号) | 会社員(月給30万円・賞与なし) | |
|---|---|---|
| 1年に払う保険料 | 約21.5万円 (1万7,920円×12か月) |
本人 約32.9万円 (会社も同額) |
| 増える年金(65歳から毎年・一生) | 年約2.1万円 (基礎年金の40分の1) |
年約4.1万円 (厚生年金約2.0万円+基礎年金約2.1万円) |
| 払った分と同じになるまで | 約10年(75歳ごろ) | 本人分だけなら約8年 会社の分も入れると約16年 |
国民年金は、65歳から約10年、つまり75歳ごろまで受け取れば、払った保険料と同じ額になります。令和7年簡易生命表では、65歳の平均余命は男性19.68年、女性24.52年。平均まで生きれば、男性で約1.9倍、女性で約2.4倍を受け取る計算です。基礎年金の半分は税金でまかなわれているため、払った保険料よりも多く受け取りやすい設計になっています。
年金は「長生きの保険」
それでも「長生きしないと元が取れない」と感じるかもしれません。ただ、年金はそもそも元を取るための貯金ではなく、長生きに備える保険です。令和7年簡易生命表では、90歳まで生きる人の割合は女性50.8%、男性26.7%。女性は2人に1人、男性も4人に1人を超えます。
年金は老後だけじゃない|障害年金・遺族年金
公的年金は、老後だけでなく、若いうちの「もしも」にも備えています。
| 給付 | 年額(2026年度) | 受け取れるとき |
|---|---|---|
| 障害基礎年金 2級 | 84万7,300円 | 日常生活が極めて困難な障害の状態 |
| 障害基礎年金 1級 | 105万9,125円 | 他人の介助がないと日常生活がほとんどできない状態 |
| 子の加算(障害・遺族) | 1人24万3,800円(3人目から8万1,300円) | 18歳になった年度末までの子など |
| 遺族基礎年金 | 84万7,300円+子の加算 | 子のある配偶者、または子 |
払えないときは「未納」ではなく「免除」を
ここに大きな落とし穴があります。障害年金を受け取るには、保険料の納付要件を満たしている必要があります。初診日(障害の原因となった病気やけがで初めて医師にかかった日)の前日の時点で、初診日の前々月までの加入期間の3分の2以上が「納付」または「免除」であるか、直近1年間に未納がないこと(初診日が2036年3月末までで65歳未満の場合の特例)が条件です。
| 未納 | 全額免除 | 学生納付特例 | |
|---|---|---|---|
| 年金額への反映 | 反映されない | 2分の1が反映 | 反映されない |
| 障害年金の納付要件 | 期間に数えない | 納付と同じく数える | 納付と同じく数える |
| あとから払える期間 | 2年以内 | 10年以内(追納) | 10年以内(追納) |
年金の受け取り方|繰上げ・繰下げと損益分岐
老齢年金は原則65歳から受け取りますが、60歳から75歳までの間で、受け取り始める時期を選べます。早めると減り、遅らせると増え、その割合は一生変わりません。
| 受け取り開始 | 増減 | 例:65歳で月10万円の人 |
|---|---|---|
| 60歳(繰上げの最短) | −24% | 月7.6万円 |
| 65歳(原則) | ±0 | 月10万円 |
| 70歳(繰下げ) | +42% | 月14.2万円 |
| 75歳(繰下げの最長) | +84% | 月18.4万円 |
では、繰り下げたほうが得なのでしょうか。65歳から受け取った人と、受け取った総額(額面)が並ぶ年齢を計算すると、70歳開始なら81歳11か月ごろ、75歳開始なら86歳11か月ごろです。それより前に亡くなると、総額では少なくなります。反対に、60歳から繰り上げた人は、80歳10か月ごろまでは65歳開始の人より多く受け取っています。
自分の年金額を確かめる方法
自分がいくら年金を受け取れそうかは、次の方法で確かめられます。
| 方法 | わかること |
|---|---|
| ねんきん定期便 | 毎年、誕生月に届く。これまでの加入記録と、年金額の見込み(50歳以上は受け取り見込み額) |
| ねんきんネット | 日本年金機構のサイト。加入記録をいつでも確認でき、働き方を変えた場合の試算もできる |
| 年金事務所・街角の年金相談センター | 記録の漏れや、繰上げ・繰下げ、障害年金などの相談 |
足りない分は、iDeCoやNISAで自分で上乗せするのが一般的です。iDeCoの節税の仕組みと注意点はiDeCoの節税は“税金の後払い”?10年ルールと60歳の壁で解説しています。
まとめ:年金は「仕送り」と「保険」、破綻ではなく「目減り」
・保険料は国民年金が月1万7,920円、会社員は給料の18.3%を会社と折半(2026年度)
・基礎年金の満額は月7万608円。平均は厚生年金の人で月約15.1万円、国民年金だけなら月約5.9万円
・年金は貯金ではなく仕送り(賦課方式)。この先100年の財源は保険料が約3分の2、積立金は1割あまり
・2004年から保険料の上限を固定し、マクロ経済スライドで調整。破綻ではなく目減りし、とくに基礎年金が約3割下がる見通し
・国民年金は約10年受け取れば払った分と同じ(単純計算)。老後・障害・遺族に備える保険
・払えないときは未納ではなく免除を申請。受け取り方は60〜75歳で選べ、割合は一生変わらない
年金は、払った分を取り戻すための貯金ではなく、世代から世代への仕送りであり、長生きや障害、家族の死に備える保険です。少子高齢化で水準は下がる見込みですが、ゼロになるわけではありません。まずはねんきん定期便で自分の見込み額を確かめ、足りない分をどう準備するかを考えることから始めてみてください。
年金の仕組みについてよくある質問
Q. 年金の仕組みを簡単に教えてください。
A. 日本の公的年金は2階建てです。1階は20歳以上60歳未満の全員が入る国民年金(基礎年金)、2階は会社員や公務員が入る厚生年金です。その年に現役世代が払った保険料を、その年の受給者の年金にあてる「賦課方式」が基本で、税金(基礎年金の半分)と積立金も財源になっています。
Q. 年金は破綻しますか?
A. 年金がゼロになる意味での破綻は、国の見通しでは起きません。2004年の改正で保険料の上限を固定し、マクロ経済スライドで年金の伸びを抑えて財政のバランスを取る仕組みになったためです。その代わり、年金の水準は目減りします。所得代替率は2024年度の61.2%から、過去30年並みの経済なら2057年度に50.4%まで下がる見通しです。
Q. 年金は払い損ですか?
A. 2026年度の金額で単純計算すると、国民年金は1年分の保険料約21.5万円に対して、65歳から年約2.1万円の年金が一生増えるので、約10年(75歳ごろ)受け取れば払った分と同じになります。基礎年金の半分は税金でまかなわれているためです。ただし、年金は元を取るための貯金ではなく、長生きや障害、家族の死亡に備える保険です。
Q. 国民年金は何歳で元が取れますか?
A. 65歳から受け取る場合、約10年後の75歳ごろに、払った保険料の総額と受け取った年金の総額が同じになります(2026年度の金額での単純計算。物価や賃金による改定、税金は考えていません)。65歳の平均余命は男性19.68年、女性24.52年です。
Q. 年金は貯金と何が違いますか?
A. 貯金は自分が積み立てた分しか使えず、長生きすると尽きてしまいます。公的年金は、現役世代の保険料で受給者を支える仕送りの仕組みで、生きている限り受け取れます。また、物価や給料の変化に合わせて額が改定され、障害年金や遺族年金もあります。
Q. 保険料を払えないときはどうすればいいですか?
A. 未納のままにせず、市区町村の窓口などで免除や納付猶予を申請してください。全額免除の期間も、老後の基礎年金の2分の1が反映され、障害年金の納付要件も満たせます。学生は学生納付特例を使えます。免除や猶予を受けた保険料は、10年以内なら追納できます。
Q. 年金は何歳から受け取るのが得ですか?
A. 一概には言えません。70歳から受け取ると年金は42%増えますが、65歳から受け取った人と総額(額面)が並ぶのは81歳11か月ごろ、75歳開始(84%増し)なら86歳11か月ごろです。税金や社会保険料の負担も変わるため、健康状態や働き方、ほかの蓄えと合わせて考えるのがおすすめです。
・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」(2026年1月23日)発表資料(PDF)を見る
・厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」資料(PDF)を見る
・厚生労働省「令和6(2024)年財政検証結果の概要」資料(PDF)を見る/「財政検証関連資料①」資料(PDF)を見る
・厚生労働省「いっしょに検証!公的年金」サイトを見る
・厚生労働省「令和7年簡易生命表」統計を見る
・厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」ページを見る
・日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」ページを見る/「年金の繰下げ受給」ページを見る/「年金の繰上げ受給」ページを見る
・GPIF「2026年度の運用状況」ページを見る
・内閣府「令和8年版高齢社会白書」白書を見る
※「払った分と同じになるまで」「損益分岐」「財源の割合」は、上記の資料をもとに本サイトが計算したものです。


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