競馬・凱旋門賞2026
凱旋門賞2026日本馬は勝てる?勝てない理由を馬場別35戦で検証
2026年の凱旋門賞は10月4日(日)日本時間23時05分発走。日本からは宝塚記念を連覇したメイショウタバルと、阪神大賞典をレコードで勝ったアドマイヤテラの2頭が挑みます。今年のパリは「異例の乾燥」で、「馬場が速ければ日本馬にもチャンス」という声も出ています。本当にそうなのか。1999年以降に日本調教馬が走った35戦を、馬場と前走で集計しました。
この記事の結論
- 日本調教馬は1969年から延べ38頭(35頭)が挑んで0勝。最高は2着の4回(1999年エルコンドルパサー、2010年ナカヤマフェスタ、2012・2013年オルフェーヴル)です。
- 1999年以降の35戦を馬場別に分けると、2着4回はすべて「重」かそれより悪い馬場の年でした。良馬場の10戦は、失格になったディープインパクトの3位入線を除くと最高6着です。「良馬場なら日本馬に有利」は、全体のデータでは裏づけられません。
- ただし2着の4頭は、4頭ともフランスで前哨戦を使ってから本番に出ていました。日本から直行した13戦に絞ると、上位はむしろ良〜稍重の年に集中しています(ディープインパクト3位入線、スルーセブンシーズ4着)。直行で重・不良だった5戦は最高7着です。
- 今年の2頭はどちらも日本から直行で、主催者は当日の馬場を「良〜やや重」と見込んでいます。過去のデータで一番近いのは「直行×良〜稍重」の8戦で、5着以内は2回(失格のディープインパクトを含む)です。
- 一方で、30日夜〜10月1日にはまとまった雨の予報もあります。メイショウタバルは今年6月の宝塚記念を「重」で勝った馬なので、雨が降れば別の見方もできます。
凱旋門賞2026はいつ?日本時間・テレビ放送・馬券
凱旋門賞(がいせんもんしょう)は、フランスのパリロンシャン競馬場で毎年10月の第1日曜日に行われる芝2400メートルのG1レースです。2026年は第105回で、10月4日(日)の現地16時05分、日本時間では同じ4日の23時05分にスタートします。JRAは日本馬が出走するので馬券を発売します。
| 項目 | 日時・内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 発走 | 10月4日(日)23時05分(日本時間) | 現地時間16時05分。パリロンシャン競馬場・芝2400メートル |
| 馬券(ネット) | 10月4日(日)7時00分〜発走2分前 | 即PAT・A-PAT。単勝・複勝・馬連・ワイド・馬単・3連複・3連単の7種類。オッズは日本独自 |
| テレビ(地上波) | フジテレビ系 4日21時06分〜5日0時55分(予定) | 「Mr.サンデー×すぽると!コラボSP」の番組内で生中継 |
| テレビ(BS・CS) | グリーンチャンネル 4日22時00分〜5日0時00分 | グリーンチャンネルWebでも配信。ABEMAでも「ABEMA de グリーンチャンネル」で視聴できます(プラン登録が必要) |
| ラジオ | ラジオNIKKEI第1 4日22時30分〜23時30分 | 「2026凱旋門賞実況中継」 |
| 出走馬 | JRAの想定は27頭(9月25日) | 5月の登録73頭から主催者の予測で絞ったもの。JRAの出走馬情報は10月1日(木)に更新予定 |
※放送時間はJRAの発表(サンケイスポーツ9月19日)、馬券の発売時間はJRAの海外競馬発売ページと日刊スポーツによる。番組の都合で変わることがあります。当日は東京競馬場でパブリックビューイングもあります。
1着賞金は285万7000ユーロ(日刊スポーツの換算で約5億2000万円)。主役は昨年の覇者ダリズ(牡4)で、エネイブル(2017・2018年)以来の連覇がかかります。英国の3歳馬モルティーズクロス、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスなどを勝ったカルパナ(牝5)も有力です。
日本から出走する2頭:メイショウタバルとアドマイヤテラ
今年の日本馬はどちらも5歳の牡馬で、栗東(滋賀県)の厩舎から9月上旬にフランスへ渡りました。2頭ともフランスの前哨戦は使わず、日本から直行します。
| 項目 | メイショウタバル | アドマイヤテラ |
|---|---|---|
| 性齢・父 | 牡5・父ゴールドシップ | 牡5・父レイデオロ |
| 調教師・騎手 | 石橋守調教師・武豊騎手 | 友道康夫調教師・C.デムーロ騎手(新コンビ) |
| 主な勝ち鞍 | 宝塚記念(2025・2026年の連覇)、神戸新聞杯、毎日杯 | 阪神大賞典(2026年、3分2秒0のレコード)、目黒記念(2025年) |
| 2026年の成績 | 大阪杯2着(良)→宝塚記念1着(重) | 阪神大賞典1着(良)→天皇賞(春)3着(良)→札幌記念9着(良) |
| 前走からの間隔 | 6月14日の宝塚記念から約3か月半 | 8月16日の札幌記念から7週 |
| 脚質 | 逃げ・先行 | 中団から |
※成績はJRAのレース成績(2026年の大阪杯・宝塚記念・天皇賞(春)・阪神大賞典・札幌記念)で確認。カッコ内は馬場状態。
メイショウタバル:重馬場の宝塚記念を勝った逃げ馬
メイショウタバルは、2025年の宝塚記念を逃げ切ってG1初勝利を挙げ、2026年も連覇しました。2026年の宝塚記念はレース直前の大雨で馬場が良から重に変わり、2番手から抜け出してクロワデュノールを首差抑えています。武豊騎手は春の時点で凱旋門賞について「雨は心配いらんもんね」と話していました(スポーツ報知・馬トク)。
「メイショウ」の冠名で知られる松本好雄オーナー(2025年8月に死去、名義は長男の松本好隆氏に変更)の馬です。18年前の2008年には、同じ松本オーナーのメイショウサムソンが武豊騎手で凱旋門賞に挑み、10着でした。そのメイショウサムソンで2006年の皐月賞と日本ダービーを勝った騎手が、いまメイショウタバルを管理する石橋守調教師です。

アドマイヤテラ:3000メートルをレコードで走るスタミナ型
アドマイヤテラは、2026年3月の阪神大賞典(芝3000メートル)を3分2秒0のコースレコードで勝ち、天皇賞(春)でも勝ったクロワデュノールと0秒1差の3着でした。速い時計の長距離戦で結果を出しているのが特徴です。凱旋門賞では、春の2戦で乗った武豊騎手がメイショウタバルに騎乗するため、フランスで乗るC.デムーロ騎手と新しくコンビを組みます。デムーロ騎手は凱旋門賞を2勝しています(下で詳しく紹介)。
管理する友道康夫厩舎は、2016年のマカヒキ(14着)、2022年のドウデュース(19着)に続く3回目の凱旋門賞です。
凱旋門賞の日本馬の歴代成績(1969〜2025年の全38頭)
日本で調教された馬が初めて凱旋門賞に出たのは1969年のスピードシンボリです。それから2025年までに延べ38頭(ナカヤマフェスタ・オルフェーヴル・ディープボンドが2回ずつ出たので実数は35頭)が挑み、まだ勝った馬はいません。
表は横にスクロールできます。馬場は Racing Post の英語表記と、日本の表記に当てはめた目安です。
| 年 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 着順 | 馬場 | 前走 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1969 | スピードシンボリ | 牡6 | 野平祐二 | 着外(11着以下) | — | — |
| 1972 | メジロムサシ | 牡5 | 野平祐二 | 18着 | — | — |
| 1986 | シリウスシンボリ | 牡4 | M.フィリッペロン | 14着 | — | — |
| 1999 | エルコンドルパサー | 牡4 | 蛯名正義 | 2着 | 重〜不良(Heavy) | フォワ賞(仏) |
| 2002 | マンハッタンカフェ | 牡4 | 蛯名正義 | 13着 | 良(Good) | 天皇賞(春) |
| 2004 | タップダンスシチー | 牡7 | 佐藤哲三 | 17着 | 良(Good) | 宝塚記念 |
| 2006 | ディープインパクト | 牡4 | 武豊 | 失格(3位入線) | 良(Good) | 宝塚記念 |
| 2008 | メイショウサムソン | 牡5 | 武豊 | 10着 | 稍重(Good To Soft) | 宝塚記念 |
| 2010 | ナカヤマフェスタ | 牡4 | 蛯名正義 | 2着 | 重(Very Soft) | フォワ賞(仏) |
| 2010 | ヴィクトワールピサ | 牡3 | 武豊 | 7着 | 重(Very Soft) | ニエル賞(仏) |
| 2011 | ヒルノダムール | 牡4 | 藤田伸二 | 10着 | 良(Good) | フォワ賞(仏) |
| 2011 | ナカヤマフェスタ | 牡5 | 蛯名正義 | 11着 | 良(Good) | フォワ賞(仏) |
| 2012 | オルフェーヴル | 牡4 | C.スミヨン | 2着 | 重〜不良(Heavy) | フォワ賞(仏) |
| 2012 | アヴェンティーノ | 牡8 | A.クラストゥス | 17着 | 重〜不良(Heavy) | フォワ賞(仏) |
| 2013 | オルフェーヴル | 牡5 | C.スミヨン | 2着 | 重(Soft) | フォワ賞(仏) |
| 2013 | キズナ | 牡3 | 武豊 | 4着 | 重(Soft) | ニエル賞(仏) |
| 2014 | ハープスター | 牝3 | 川田将雅 | 6着 | 良(Good) | 札幌記念 |
| 2014 | ジャスタウェイ | 牡5 | 福永祐一 | 8着 | 良(Good) | 安田記念 |
| 2014 | ゴールドシップ | 牡5 | 横山典弘 | 14着 | 良(Good) | 札幌記念 |
| 2016 | マカヒキ | 牡3 | C.ルメール | 14着 | 良(Good) | ニエル賞(仏) |
| 2017 | サトノダイヤモンド | 牡4 | C.ルメール | 15着 | 重(Soft) | フォワ賞(仏) |
| 2017 | サトノノブレス | 牡7 | 川田将雅 | 16着 | 重(Soft) | フォワ賞(仏) |
| 2018 | クリンチャー | 牡4 | 武豊 | 17着 | 良(Good) | フォワ賞(仏) |
| 2019 | キセキ | 牡5 | C.スミヨン | 7着 | 重(Very Soft) | フォワ賞(仏) |
| 2019 | ブラストワンピース | 牡4 | 川田将雅 | 11着 | 重(Very Soft) | 札幌記念 |
| 2019 | フィエールマン | 牡4 | C.ルメール | 12着 | 重(Very Soft) | 札幌記念 |
| 2020 | ディアドラ | 牝6 | J.スペンサー | 8着 | 重〜不良(Heavy) | ナッソーS(英) |
| 2021 | クロノジェネシス | 牝5 | O.マーフィー | 7着 | 重〜不良(Heavy) | 宝塚記念 |
| 2021 | ディープボンド | 牡4 | M.バルザローナ | 14着 | 重〜不良(Heavy) | フォワ賞(仏) |
| 2022 | タイトルホルダー | 牡4 | 横山和生 | 11着 | 重(Very Soft) | 宝塚記念 |
| 2022 | ステイフーリッシュ | 牡7 | C.ルメール | 14着 | 重(Very Soft) | ドーヴィル大賞典(仏) |
| 2022 | ディープボンド | 牡5 | 川田将雅 | 18着 | 重(Very Soft) | 宝塚記念 |
| 2022 | ドウデュース | 牡3 | 武豊 | 19着 | 重(Very Soft) | ニエル賞(仏) |
| 2023 | スルーセブンシーズ | 牝5 | C.ルメール | 4着 | 稍重(Good To Soft) | 宝塚記念 |
| 2024 | シンエンペラー | 牡3 | 坂井瑠星 | 12着 | 重(Very Soft) | 愛チャンピオンS(愛) |
| 2025 | ビザンチンドリーム | 牡4 | O.マーフィー | 5着 | 重(Very Soft) | フォワ賞(仏) |
| 2025 | クロワデュノール | 牡3 | 北村友一 | 14着 | 重(Very Soft) | プランスドランジュ賞(仏) |
| 2025 | アロヒアリイ | 牡3 | C.ルメール | 16着 | 重(Very Soft) | ギヨームドルナノ賞(仏) |
※1999年以降の着順・馬場・前走はRacing Postの各年の結果、1986年以前はWikipedia「日本調教馬の日本国外への遠征」(JRA-VANの資料を出典とする一覧)による。2006年のディープインパクトは3位で入線したが、禁止薬物の検出で失格。日本の馬場表記はJRAの換算(2019年のTrès souple=重、2023年のBon souple=稍重など)を目安に当てはめたもので、公式の1対1の対応ではありません。
「良馬場なら日本馬に有利」は本当か?馬場別に集計
日本の芝は、ヨーロッパに比べて硬く、時計が速く出ます。そのため「凱旋門賞の日本馬は重い馬場に泣かされてきた」「乾いた速い馬場ならチャンスがある」とよく言われます。今年も、凱旋門賞を史上最多の6勝したL.デットーリ元騎手が「馬場が速ければ日本馬にもチャンスが生まれる」と話したと報じられました(日刊スポーツ)。
そこで、1999年以降に日本馬が出た20回の凱旋門賞について、英国の競馬専門紙Racing Postの結果ページからその年の馬場を調べ、日本馬35戦の着順と並べました。
良稍重重・不良日本馬が2着
※各年の日本馬の最高着順。数字の下は馬場と、その年の勝ちタイム。
| その年の馬場 | 出走 | 2着 | 5着以内 | 最高着順 |
|---|---|---|---|---|
| 良(Good) | 10戦 | 0回 | 0回 | 6着 |
| 稍重(Good to Soft) | 2戦 | 0回 | 1回 | 4着 |
| 重・不良(Soft/Very Soft/Heavy) | 23戦 | 4回 | 6回 | 2着 |
結果ははっきりしていて、2着の4回は4回とも「重」かそれより悪い馬場の年でした(1999年と2012年はHeavy、2010年はVery Soft、2013年はSoft)。良馬場だった10戦は、ディープインパクトの3位入線(のちに失格)を除くと、最高で2014年ハープスターの6着です。
勝ちタイムで分けても同じ傾向
馬場の表記は国や発表の時刻で変わるので、もっと単純な物差しとしてその年の勝ちタイムでも分けてみました。2分30秒より速かった11回(日本馬17戦)では日本馬の2着は0回、5着以内は2回。2分30秒以上かかった9回(18戦)では2着が4回、5着以内が5回です。
つまり、日本馬が勝ち馬に迫ったのは、むしろ時計のかかる重い馬場の年でした。「重い馬場が敗因」という見方は、少なくとも上位に来た馬については当てはまりません。
ただし「重い馬場の方が有利」とも言い切れない
日本馬が勝ち馬から何馬身離されたか(着差)の中央値は、良馬場で13馬身、重・不良で11.6馬身と、ほとんど変わりません。多くの日本馬は馬場に関係なく10馬身以上負けています。違いが出たのは一部の強い馬で、しかも35戦という少ない数の話です。「良ならチャンス」「重ならチャンス」のどちらかに決めつけるより、次に見る前走とあわせて考える方が実態に近いといえます。
※馬場はRacing Postの英語表記(Good/Good to Soft/Soft/Very Soft/Heavy)。フランスギャロの公式発表(Bon/Bon souple/Souple/Très souple/Collant・Lourd)を英訳したもの。着差はRacing Postの勝ち馬からの着差(馬身)。
もう一つの分かれ目:前哨戦を使ったか、日本から直行か
凱旋門賞の3〜4週間前には、同じパリロンシャン競馬場で前哨戦(アークトライアル)が行われます。4歳以上のフォワ賞、3歳のニエル賞などです。日本馬は、ここを使って現地の馬場とコースを一度経験させるか、日本のレースから直接本番に向かう(直行)かを選びます。
| 前走 | 出走 | 2着 | 5着以内 | 最高着順 |
|---|---|---|---|---|
| フランスで前哨戦を使った | 20戦 | 4回 | 6回 | 2着 |
| 日本から直行した | 13戦 | 0回 | 1回(ほかにディープインパクトが3位入線・失格) | 4着 |
| ほかの欧州のレースから | 2戦 | 0回 | 0回 | 8着 |
2着の4頭は4頭ともフォワ賞を使っていました(エルコンドルパサーは春からフランスに長期滞在)。日本から直行した13戦は、ディープインパクトの3位入線(失格)を除くと、2023年スルーセブンシーズの4着が最高です。英国の新聞は「日本馬はフォワ賞を過去14年で4勝しているが、今年は直行する」と伝えています(日刊スポーツ)。
直行組の好走は「速い馬場」に偏っている
ここで馬場と前走を掛け合わせると、見え方が変わります。
| 組み合わせ | 出走 | 2着 | 5着以内 | 最高着順 |
|---|---|---|---|---|
| 前哨戦あり×重・不良 | 16戦 | 4回 | 6回 | 2着 |
| 前哨戦あり×良・稍重 | 4戦 | 0回 | 0回 | 10着 |
| 直行×良・稍重(今年の2頭の想定) | 8戦 | 0回 | 2回(3位入線の失格を含む) | 4着 |
| 直行×重・不良 | 5戦 | 0回 | 0回 | 7着 |
前哨戦を使った馬の好走は重い馬場に集中しているのに対し、直行した馬の上位は良〜稍重の年に集まっていました。2006年のディープインパクト(良・3位入線)、2023年のスルーセブンシーズ(稍重だが勝ちタイム2分25秒50の速い決着・4着)、2014年のハープスター(良・6着)です。直行で重・不良だった5戦は最高7着でした。
今年の2頭に当てはめると
メイショウタバルとアドマイヤテラはどちらも直行で、主催者は当日の馬場を「良〜やや重」と見込んでいます。過去の日本馬で一番近い条件は「直行×良〜稍重」の8戦で、5着以内は2回、2着以内は0回です。「速い馬場なら直行組にもチャンスがある」というのは、過去のデータとも矛盾しません。ただし8戦しかない小さな数字で、勝った例はまだありません。
今年の馬場はどうなる?「異例の乾燥」と雨予報
今年のパリは雨が降っていません。凱旋門賞を主催するフランスギャロは9月26日、9月上旬の前哨戦(アークトライアル)のあと「この時期としては異例の乾燥が続いており、降水量は0ミリ」と発表しました(日刊スポーツ)。
- 9月上旬〜雨がまったく降らないフランスギャロの発表では降水量0ミリ。馬場管理責任者のシャルル・ド・コルドン氏は「凱旋門賞を迎える時期に、これほど乾燥していたのは初めて」と話しています(JRA-VAN World)。
- 9月25日ペネトロメーター3.3「ボン・スープル」フランス式の馬場の硬さの数値で、JRAの表記では「やや重」に相当すると報じられました(日刊スポーツ)。金曜夜に散水して、月曜の雨まで3.2前後(良)に保つ方針です。
- 9月28日(月)小雨の予報乾燥が始まってから初めての雨の予報です。
- 9月30日(水)夜〜10月1日(木)まとまった雨の予報木曜の日中にも降る可能性があるとされています。英国の新聞は木曜に最大20ミリの予報も伝えました。
- 10月4日(日)主催者の見込みは「良〜やや重」コルドン氏のチームは、凱旋門賞の週末の馬場を「良〜やや重」と見込んでいます。天候しだいで、来週半ばにも散水する可能性があります。
※天気の予報は、フランスギャロの9月26日時点の発表による。
「やや重」でも日本の稍重とは別物
JRA-VAN Worldによると、英国のRacing Postは「ボン・スープル(bon souple)」を英語で「good to soft(やや重)」と訳すのは誤りで、英国式の測り方では良から堅良に近いと注意しています。ペネトロメーターで3.3前後は、英国の基準でいえば良〜堅良に近い速い馬場です。一方、上の表で日本馬が2着に来た年は、いずれもRacing PostがSoft〜Heavyと記録した重い馬場でした(参考までに、JRAは2019年の凱旋門賞の馬場を「不良に近い重(Très souple)の4.1」と伝えています)。
9月30日〜10月1日の雨がどれだけ降るかで、「速い馬場の直行組」になるか、「重い馬場の直行組」になるかが決まります。前の章の表のとおり、過去の直行組は重い馬場で苦戦しているので、日本馬にとっては雨が少ないほど過去の好走例に近づくことになります。
5歳馬は不利?年齢別の勝率と、2人の騎手の凱旋門賞
凱旋門賞は3歳馬が有利なレースとして知られています。負担重量が、3歳の牡馬は56.5キロ、4歳以上の牡馬は59.5キロで、3歳は3キロ軽く走れるからです(牝馬はさらに1.5キロ軽い)。Racing Postの結果で1990〜2025年の全出走馬を年齢別に数えました。
| 年齢 | 出走 | 勝ち | 勝率 |
|---|---|---|---|
| 3歳 | 259頭 | 22勝 | 8.5% |
| 4歳 | 198頭 | 11勝 | 5.6% |
| 5歳 | 91頭 | 3勝 | 3.3% |
| 6歳以上 | 36頭 | 0勝 | 0.0% |
5歳馬の勝ちは36回で3回(2002年マリエンバード、2019年ヴァルトガイスト、2022年アルピニスタ)です。今年の日本馬は2頭とも5歳なので、年齢の面では楽な条件ではありません。ただ、日本馬では2013年のオルフェーヴル(2着)とスルーセブンシーズ(4着)が5歳で好走していて、5歳だから走れないというわけではありません。
武豊騎手:11回目の挑戦も「日本人初」を狙う
メイショウタバルに乗る武豊騎手は、Racing Postの記録で凱旋門賞に11回騎乗しています。最高は2001年サガシティの3着で、2006年のディープインパクトは3位入線の後に失格でした。今年が12回目になります。武騎手は「日本人初はボクでありたい」と話しています(サンケイスポーツ)。
武豊騎手の凱旋門賞:1994年ホワイトマズル(6着)、2001年サガシティ(3着)、2006年ディープインパクト(3位入線・失格)、2008年メイショウサムソン(10着)、2010年ヴィクトワールピサ(7着)、2013年キズナ(4着)、2018年クリンチャー(17着)、2019年ソフトライト(6着)、2021年ブルーム(11着)、2022年ドウデュース(19着)、2024年アルリファー(11着)
C.デムーロ騎手:2016年以降の10回で2勝
アドマイヤテラに乗るクリスチャン・デムーロ騎手はフランスを拠点にするイタリア出身の騎手で、2016年以降の凱旋門賞に毎年乗り、10回で2勝(2020年ソットサス、2023年エースインパクト)しています。2023年のエースインパクトは、勝ちタイム2分25秒50の速い馬場での勝利でした。
C.デムーロ騎手の凱旋門賞(2016年以降):2016年One Foot In Heaven(6着)、2017年Brametot(5着)、2018年Neufbosc(18着)、2019年ソットサス(3着)、2020年ソットサス(1着)、2021年Raabihah(12着)、2022年Al Hakeem(4着)、2023年エースインパクト(1着)、2024年Zarakem(6着)、2025年Leffard(8着)

ちなみに、グリーンチャンネルの中継で特別ゲストを務める蛯名正義調教師は、騎手時代に1999年エルコンドルパサー、2010年ナカヤマフェスタで日本馬の2着4回のうち2回に乗った騎手です。
日本馬が凱旋門賞で勝てない理由:データから言えること
日本馬が凱旋門賞で勝てない理由として、よく挙がるのは「重い馬場」「59.5キロの重い斤量」「多頭数でもまれる」「高低差10メートルのコース」などです。今回の集計から、はっきり言えることを整理します。
| よく言われる理由 | データで見ると | 今年の2頭 |
|---|---|---|
| 重い馬場に泣かされる | 2着4回はすべて重い馬場。上位の馬には当てはまらない | 今年は乾燥。タバルは重の宝塚記念の勝ち馬 |
| 現地の経験が足りない | 2着の4頭は全部フォワ賞を経由。直行の最高は4着 | 2頭とも直行。9月上旬から現地で調整 |
| 古馬は斤量が重い | 5歳の勝率3.3%は3歳の半分以下 | 2頭とも5歳(59.5キロ) |
| そもそも欧州の2400メートル路線が強い | 日本馬の着差の中央値は良でも重でも11〜13馬身 | 昨年の覇者ダリズなど欧州の一線級がそろう |
多くの日本馬が10馬身以上離されていることを考えると、馬場よりも先に「欧州の2400メートルの一線級との力の差」が大きい、というのが素直な読み方です。そのうえで、勝ち馬に迫った馬には「フランスで前哨戦を使った」「重い馬場をこなした」という共通点がありました。
この記事のデータについて
集計は1999〜2025年の日本馬35戦で、傾向を見るには数が少なく、偶然の影響を受けます。予想やオッズを示すものではありません。馬券の購入は20歳からです。
凱旋門賞までのスケジュール
- 9月上旬2頭が栗東を出発しフランスへ主催者が「日本馬メイショウタバルとアドマイヤテラが到着」と発表しました(日刊スポーツ9月11日)。
- 9月22日パリロンシャンの芝で1週前追い切りアドマイヤテラにはC.デムーロ騎手が初めて乗りました。
- 9月25日JRAが想定馬27頭を発表この日の馬場はペネトロメーター3.3(ボン・スープル)。
- 9月30日〜10月1日まとまった雨の予報当日の馬場を左右する雨。降った量しだいで散水の有無も変わります。
- 10月1日(木)JRAの出走馬情報を更新予定出走馬と馬番(ゲート)が固まる時期です。
- 10月4日(日)7時に馬券発売開始、23時05分発走フジテレビ系は21時06分から、グリーンチャンネルは22時から中継。
※結果が出しだい、この記事に追記します。
よくある質問
Q. 凱旋門賞2026はいつ、何時からですか?
A. 2026年10月4日(日)の日本時間23時05分発走です(現地時間16時05分)。フジテレビ系が21時06分から、グリーンチャンネルが22時から中継します。
Q. 凱旋門賞2026に出る日本馬は何頭ですか?
A. メイショウタバル(牡5、武豊騎手)とアドマイヤテラ(牡5、C.デムーロ騎手)の2頭です。どちらもフランスの前哨戦を使わず、日本から直行します。
Q. 凱旋門賞の日本馬の最高着順は?
A. 2着が最高で、1999年エルコンドルパサー、2010年ナカヤマフェスタ、2012年と2013年のオルフェーヴルの4回です。1969年から2025年まで延べ38頭が挑み、優勝はありません。
Q. 日本馬が凱旋門賞で勝てない理由は何ですか?
A. よく「重い馬場」が挙げられますが、1999年以降の35戦では2着4回がすべて重い馬場の年でした。多くの日本馬は馬場に関係なく10馬身以上離されており、欧州の2400メートル路線との力の差が大きいとみられます。勝ち馬に迫った4頭は、4頭ともフランスで前哨戦のフォワ賞を使っていました。
Q. 良馬場なら日本馬に有利ですか?
A. 全体のデータでは裏づけられません。良馬場の10戦は最高6着(ディープインパクトの3位入線・失格を除く)です。ただし日本から直行した馬に限ると、上位(ディープインパクト3位入線、スルーセブンシーズ4着)は良〜稍重の年に集中しています。
Q. 凱旋門賞の馬券は日本で買えますか?
A. 買えます。JRAが日本馬の出走するレースとして発売し、ネット投票(即PAT・A-PAT)は10月4日(日)7時から発走2分前まで。単勝・複勝・馬連・ワイド・馬単・3連複・3連単の7種類で、オッズは日本独自です。馬券の購入は20歳からです。
あわせて読みたい
出典・参考資料
- JRA:2026年凱旋門賞 海外競馬発売(発走時刻・発売開始時刻)/2025年凱旋門賞 レース結果(負担重量・馬場)
- JRA レース成績:2026年 宝塚記念/2026年 天皇賞(春)/2026年 大阪杯/2026年 阪神大賞典/2026年 札幌記念
- Racing Post:凱旋門賞の各年の結果ページ(1990〜2025年。例:2025年、2012年)。馬場(going)・勝ちタイム・着順・着差・前走を集計
- 日刊スポーツ:「この時期としては異例の乾燥が続く」主催者発表(9月27日)/本番9日前は「やや重」フランスギャロ発表(9月26日)/ダリズ連覇なるか 日本馬2頭が一発狙う(9月20日)
- JRA-VAN World:今年の凱旋門賞は高速馬場? 乾燥続きで28日に唯一の雨予報(9月23日)
- サンケイスポーツ:凱旋門賞の放送予定を発表(9月19日、Yahoo!ニュース掲載)
本記事は2026年9月28日時点の情報です。日本馬の歴代成績の1986年以前と騎手名はWikipedia「日本調教馬の日本国外への遠征」の一覧、1999年以降の着順はRacing Postと照合しました。写真はWikimedia Commonsのフリーライセンス画像で、一部をトリミング・リサイズしています。アイキャッチは2012年の凱旋門賞で競り合うオルフェーヴル(左)とソレミア(右)の写真(Hide4307、CC BY-SA 3.0)をトリミングし、文字を入れたものです。記事内の集計は編集部が独自に行ったもので、予想や投資の助言ではありません。


コメント