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ゴジラメガムリオンとは|海底のゴジラが地質遺産に、富士山も選定
結論
- 沖ノ鳥島の南東の海底にある「ゴジラメガムリオン」が、国際地質科学連合(IUGS)の「地質遺産100選」に選ばれました。海上保安庁が11月6日に発表しました。
- 長さ約125km・幅約55kmで東京都の約3倍。マントルの岩石が海底に現れた「メガムリオン」として世界最大で、ふつうの約10倍の大きさです。2001年に海上保安庁の大陸棚調査で見つかり、その巨大さから怪獣ゴジラにちなんで名付けられました。
- 今回の第3弾100か所には富士山・糸魚川のヒスイ・第一鹿島海山・房総沖の三重会合点も入り、日本に関係する選定は公海のゴジラメガムリオンを含めて5件です。海洋の地形が選ばれたのは今回が初めてです。
大きさは海上保安庁の発表を伝えた報道、件数はIUGSの一覧から当サイトが数えたもの。
ゴジラメガムリオンとは?場所と大きさ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 沖ノ鳥島の南東約600km、東京から約2,000km南。フィリピン海プレート上のパレスベラ海盆(公海) |
| 大きさ | 長さ約125km、幅約55km(東京都の約3倍)。最も深い所との高低差は約4km |
| 発見 | 2001年、海上保安庁の大陸棚調査 |
| できた時代 | 中新世(IUGSの分類)。できてから1000万年以上たち、表面は泥をかぶっている |
| 岩石 | かんらん岩・斑れい岩など(マントルや地殻の深い部分の岩石) |
「メガムリオン」は、海底が広がる途中で大きな断層がずれ動き、ふだんは地下深くにあるマントルの岩石がむき出しになってできたドーム状の盛り上がりです。表面には、海底が広がった方向に畝(うね)のような筋が走っています(時事通信・オタク総研)。
ゴジラメガムリオンは、ほかのメガムリオンの約10倍の規模があり、これまでに見つかった中で世界最大とされています。形がゴジラに似ているからではなく、巨大さにちなんだ命名です(朝日新聞)。
「ゴジラ」の名前が国際的に認められるまで
| 年 | できごと |
|---|---|
| 2001年 | 海上保安庁が大陸棚の範囲を決めるための調査で発見 |
| 2021年 | 日本が提案した「ゴジラメガムリオン地形区」が、海底地形名を標準化する国際会議で承認(海上保安庁は2022年1月に発表) |
| 2023年2月 | ゴジラの頭や尾など、各部位にちなむ14の地形名の承認を海上保安庁が発表 |
| 2026年11月6日 | IUGSの「地質遺産100選」(第3弾)に選定 |
世界各地にあるメガムリオンの中で、名前が国際的に登録されたのはゴジラメガムリオンが初めてです。自然の物にゴジラの名が付いたのは、2018年に米航空宇宙局(NASA)などが銀河に付けた愛称「ゴジラ銀河」に次いで2例目とされています(Wikipedia)。
20回以上の調査航海
IUGSの解説によると、発見以来20回を超える調査航海で、海底地形の測量や岩石の採取、有人潜水調査船「しんかい6500」による潜航などが行われてきました。フィリピン海プレートができた過程を知る手がかりが得られていることが、今回の評価につながりました。
IUGSの「地質遺産100選」とは
IUGSは、地球の成り立ちを理解するうえで世界的に重要な場所を「地質遺産」として2年ごとに100か所ずつ選んでいます。第1弾は2022年(スペイン・ズマイア)、第2弾は2024年(韓国・釜山の万国地質学会議)、今回が第3弾です(IUGS)。
| 地域 | 第3弾の件数 |
|---|---|
| ヨーロッパ | 34 |
| 南北アメリカ | 22 |
| アジア太平洋 | 22 |
| アフリカ | 11 |
| 中東 | 6 |
| 公海 | 3 |
| 南極 | 2 |
| 合計 | 100(47か国) |
第3弾では初めて海洋の地形が対象に加わり、ゴジラメガムリオンのほか、世界で最も深いチャレンジャー海淵、第一鹿島海山、房総沖の三重会合点、インド洋のロドリゲス三重会合点、ガラパゴスの熱水系の計6件が選ばれました。
日本の地質遺産は8件に(公海のゴジラを除く)
| 回 | 選ばれた場所 | ポイント |
|---|---|---|
| 第1弾(2022年) | 玄武洞(兵庫県豊岡市) | 地磁気の逆転が初めて提唱された地 |
| 第1弾(2022年) | 野島断層(兵庫県淡路市) | 阪神・淡路大震災を起こした活断層 |
| 第2弾(2024年) | 喜界島のサンゴ礁段丘(鹿児島県) | 10万年分の気候と海面の変化を記録 |
| 第2弾(2024年) | 平成新山の溶岩ドーム(長崎県・雲仙岳) | 溶岩ドームの成長が最もよく記録された例 |
| 第3弾(2026年) | 富士山(山梨県・静岡県) | 首都圏に近い活火山 |
| 第3弾(2026年) | 糸魚川のヒスイ(新潟県) | プレートの動きと人の文化をつなぐ宝石 |
| 第3弾(2026年) | 第一鹿島海山(日本海溝) | 沈み込み帯に飲み込まれつつある白亜紀の海山 |
| 第3弾(2026年) | 房総沖の三重会合点 | 海溝が3つ集まる世界で唯一の場所 |
| 第3弾(2026年) | ゴジラメガムリオン(公海) | 世界最大の海洋コアコンプレックス(メガムリオン) |
IUGSの第1弾書籍・第2弾一覧・第3弾一覧と書籍から当サイト作成(ポイントはIUGSの紹介文を要約)。ゴジラメガムリオンはIUGSの分類では日本ではなく「公海(High Seas)」です。
房総沖の三重会合点は関東の地震とも関係
房総半島の沖は、太平洋プレート・北米プレート・フィリピン海プレートの3枚が接する場所です。3つの海溝が1点で交わる型は世界でここだけとされています。
ゴジラメガムリオンのよくある質問
Q. ゴジラメガムリオンはどこにありますか。
A. 沖ノ鳥島の南東約600km、東京から約2,000km南のフィリピン海の海底です。どこの国の領海でもない公海にあります。
Q. なぜゴジラという名前なのですか。
A. 世界最大のメガムリオンで、その巨大さから怪獣ゴジラにちなんで名付けられました。形がゴジラに似ているわけではありません。頭や尾など部位ごとの地形名も付いています。
Q. 地質遺産100選は世界遺産と違うのですか。
A. 別の制度です。地質遺産はIUGSが科学的な価値から選ぶ認定です。選ばれた場所には国立公園などで守られている所も、そうでない所もあり、IUGSは認定で知名度を高め、教育への活用や保全につなげたいとしています。
Q. 日本の地質遺産は何か所ありますか。
A. 国内の選定は8件です。2022年に玄武洞と野島断層、2024年に喜界島のサンゴ礁段丘と平成新山、2026年に富士山・糸魚川のヒスイ・第一鹿島海山・房総沖の三重会合点が選ばれました。公海のゴジラメガムリオンは別枠です。
あわせて読みたい
出典・参考資料
- 時事通信:「ゴジラ」ゆかりの海底地形、地質遺産に 海保調査で発見(2026年11月6日)
- 朝日新聞:海底地形「ゴジラメガムリオン」が世界地質遺産に(2026年11月7日)
- オタク総研:「海底のゴジラ」世界の地質遺産に(2026年11月7日)
- IUGS:The Third 100 IUGS Geological Heritage Sites have been announced(2026年11月6日)
- IUGS:The Third 100 一覧(PDF)
- IUGS:The Third 100 書籍(PDF・約58MB)
- IUGS:The Second 100 一覧(PDF)
- IUGS:The First 100(日本ジオパーク委員会掲載のPDF)
- 海上保安庁:報道発表資料
- Wikipedia(日本語版):ゴジラ・メガムリオン
アイキャッチ写真は沖ノ鳥島(2007年撮影)で、ゴジラメガムリオンはここから南東約600kmの海底にあります。写真:国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所/Wikimedia Commons(CC BY 4.0)。明るさ調整・文字入れあり。


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