FX・ユーロドル
ユーロドルはなぜ年初来安値?米独金利差とECB理事会70回を検証
ユーロドルが1.11ドル台前半まで下がり、10月14日と28日に今年の安値(報道ベースで1.1113ドル)をつけました。2025年に13%上がったユーロが、なぜ今年はドルに対して売られているのか。この記事では、ECB(欧州中央銀行)の参照レート、米財務省とドイツ連邦銀行の国債利回り、ECBの政策金利の公式データを自分で集計し、米独の金利差との関係と、2018年以降のECB理事会70回の日のユーロドルを検証しました。10月29日の理事会を前に、何が分かれ目になるかを整理します。
この記事の結論
- ユーロドルは10月28日夕方に一時1.1113ドルまで下げ、14日につけた年初来安値に並びました(ザイFX!など)。ECBの参照レートでは10月27日の1.1150ドルが今年の最安値で、これより安かったのは2025年5月13日が最後です。年初からは−5.1%、1月28日の高値1.1974ドルからは−6.9%下げています。
- 米国の10年債利回りは10月5日に5.31%と2002年以来の高さになり、27日も4.99%です。ドイツの10年債との差は2025年末の1.20ポイントから1.57ポイントに拡大しました。2026年の日次データでは、金利差とユーロドルの相関係数は−0.76で、「差が開くほどユーロ安」の関係がはっきり出ています。
- ユーロ側の売り材料はフランスです。ECBの月平均データで、9月の仏独10年債の利回り差は0.97ポイントと2012年7月以来の大きさになり、フランスの利回りはイタリアを上回りました。
- 2018年以降のECB理事会70回では、理事会の日のユーロドルの値幅は平均78pipsで、ふだんの日(66pips)より約18%大きい程度でした。利上げを決めた12回のうち、翌日にユーロ高になったのは4回だけで、「利上げ=ユーロ高」とは限りません。
- 10月29日の理事会は据え置きの見方が大勢で、焦点は12月の利上げをどこまで示唆するかです。日本時間では29日午前3時にFOMCの結果、同日22時15分にECBの決定、30日に日銀の決定が続きます。
ユーロドルはいくら?年初来安値は1.11ドル台、2025年5月以来の水準
まず、いまのユーロドルの水準を確かめます。ECBは毎営業日、中央ヨーロッパ時間14時10分ごろに各国の中央銀行どうしで値を確認し、16時ごろに「ユーロ参照レート」を公表しています。取引できる値ではありませんが、1999年から同じ方法で続いている公式の記録です。
ザイFX!によると、ユーロドルは10月28日16時22分時点の記事で、時間外の米10年債利回りが5.03%前後まで上がったことなどを受けて一時1.1113ドルまで下げ、14日につけた年初来安値に「面合わせ」しました。BigGoファイナンスも、16時過ぎに1.1113ドルまで下げたあと、FOMCの結果を前に下げ止まったと伝えています。Yahoo Financeの1時間足では、28日20時台(日本時間)は1.1132ドル前後でした。
公式の記録でも同じ流れが確認できます。ECBの参照レートは10月27日に1.1150ドルと今年の最安値になり、これより安かったのは2025年5月13日が最後です。FRBが公表するニューヨーク正午のレート(H.10)でも、10月14日の1.1123ドルが今年の最安値で、それより安かったのは2025年5月12日でした。参照レートが1.12ドルを下回った日は、今年は8日あり、すべて10月7日以降です。
2026年の月末ごとのユーロドルと米独金利差
| 時点 | ユーロドル | 前月比 | 米独10年金利差 | 米10年/独10年 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年末2025年12月30日の値 | 1.1757 | ― | 1.20pt | 4.14%/2.94% |
| 1月末 | 1.1919 | +1.4% | 1.34pt | 4.26%/2.92% |
| 2月末 | 1.1805 | −1.0% | 1.21pt | 3.97%/2.76% |
| 3月末 | 1.1498 | −2.6% | 1.20pt | 4.30%/3.10% |
| 4月末 | 1.1702 | +1.8% | 1.22pt | 4.40%/3.18% |
| 5月末 | 1.1644 | −0.5% | 1.41pt | 4.45%/3.04% |
| 6月末 | 1.1394 | −2.1% | 1.51pt | 4.44%/2.93% |
| 7月末 | 1.1485 | +0.8% | 1.54pt | 4.75%/3.21% |
| 8月末 | 1.1596 | +1.0% | 1.38pt | 4.75%/3.37% |
| 9月末 | 1.1355 | −2.1% | 1.65pt | 5.29%/3.64% |
| 10月27日(最新)2026年10月27日の値 | 1.1150 | −1.8% | 1.57pt | 4.99%/3.42% |
表のとおり、ユーロドルは1月末の1.19ドル台から3月に1.14ドル台へ下がり、4〜5月に1.17ドル前後まで戻したあと、6月以降は下向きです。とくに9月から10月にかけて、米国の10年債利回りが4.75%から5%前後へ上がる局面で、ユーロは1.16ドル近くから1.11ドル台まで売られました。
年間で見ると、今年はここまで−5.1%です。2000年以降の26年のうち、1年でこれより大きく下げた年は10回(2005年の−13.4%、2014年の−12.0%など)で、歴史的な暴落というより「2025年の大幅高(+13.1%)の一部を戻している」形です。
※ユーロ参照レートは中央ヨーロッパ時間14時10分ごろ、H.10はニューヨーク正午の値です。FX会社の画面の高値・安値(取引中の値)とは数pipsずれます。金利差は米財務省の10年債利回り(パー・イールド)からドイツ連邦銀行の10年債利回り(Svensson法による推計)を引いた値で、ユーロドルと同じ日の値を並べています(月末が祝日などで欠ける場合は直前の営業日)。
ユーロドルはなぜ下落?理由①米国の金利が5%前後、米独金利差は1.57ポイントに
通貨は、より高い金利がつく方に資金が流れやすくなります。ユーロドルなら、米国とドイツ(ユーロ圏の代表的な国債)の利回りの差が大きな手がかりです。
米財務省のデータでは、米10年債利回りは2025年末の4.18%から上がり、10月5日に5.31%と2002年5月以来の高さになりました。10月27日も4.99%です。FRBは9月16日に政策金利(FF金利の誘導目標)を0.25ポイント引き上げて3.75〜4.00%にしており、ECBの預金ファシリティ金利2.50%との差は1.5ポイント(上限で比較)あります。
ドイツの利回りも上がっていますが、米国ほどではありません。その結果、10年債の利回り差は2025年末(12月30日)の1.20ポイントから10月5日に1.80ポイントまで広がり、27日も1.57ポイントです。2026年の日次データ(203営業日)で、金利差とユーロドルの相関係数は−0.76でした。−1に近いほど「金利差が開くとユーロ安」が強いことを示し、今年はその関係がかなりはっきりしています。
ただし金利差「だけ」で決まるわけではない
2015年以降の約12年分で同じ計算をすると、相関係数は−0.01とほぼゼロになります。米独金利差が過去最大(2.79ポイント、2018年11月)だった時期でも、ユーロドルは1.14ドル台でした。景気の勢いや、欧州の財政・政治リスクなど、ほかの材料が強い時期には金利差との関係が崩れます。今年の相関の強さは「米国の金利上昇が、いまの相場の主役になっている」ことを示すものと考えられます。
米国の金利が上がった背景や、円相場・住宅ローンへの影響は米10年債利回り上昇はなぜ?2002年以来5.3%と円相場・住宅ローンで詳しく解説しています。
理由②フランスの財政・政治不安|仏独の利回り差は2012年以来
ユーロ側の売り材料として、報道で最も多く挙がっているのがフランスです。みんかぶ(10月28日2時34分)は、フランスの財政・政治リスクに加え、同国の消費者信頼感指数が13年ぶりの低水準に落ち込んだことがユーロ売りを促したと伝えています。政府と議会の対立で予算案の成立に不安があり、財務相が言及した「議会の採決を経ずに予算を成立させる手段」を使えば、内閣不信任決議案につながる可能性があるとも指摘しています。
| 月(月平均) | 仏独の差 | フランス10年 | ドイツ10年 |
|---|---|---|---|
| 2012年7月ユーロ危機 | 1.04pt | 2.28% | 1.24% |
| 2025年12月 | 0.75pt | 3.56% | 2.81% |
| 2026年6月 | 0.72pt | 3.68% | 2.96% |
| 2026年7月 | 0.78pt | 3.85% | 3.07% |
| 2026年8月 | 0.81pt | 4.00% | 3.19% |
| 2026年9月 | 0.97pt | 4.44% | 3.47% |
ECBが公表している各国の長期金利(10年債利回りの月平均)では、9月の仏独の差は0.97ポイントで、2011年以降でこれ以上だったのはユーロ危機の2011年10月〜2012年7月だけです。9月はフランス(4.44%)がイタリア(4.36%)を上回りました。10月の月平均はまだ公表されていませんが、ロイターは10月24日の配信で、仏10年債利回りが24年ぶりに5%を超え、ドイツとの差は前回のECB理事会時の92bpから170bpに広がったと伝えています(ロイターは日次の市場値で、ECBの月平均とは計算方法が違います)。
ING(10月27日)は、ユーロはフランスの財政リスクの上乗せ(リスクプレミアム)に加え、フランスの混乱でECBの利上げ観測が後退したことでも売られたと分析しています。つまり、フランスの問題は「財政不安」と「ECBが利上げしにくくなる」という2つの経路でユーロの重しになっている、という見方です。
フランスの財政の中身や、ユーロ円で見た下落の内訳(ユーロ安と円高の分解)はユーロ円はなぜ下落?下げの7割はユーロ安、仏財政とECBの今後で詳しく扱っています。
ECBの政策金利はいま何%?預金ファシリティ金利の推移
ECBの政策金利の目安になるのが預金ファシリティ金利(銀行がECBに資金を預けるときの金利)です。ECBのデータポータルの公表値(適用日ベース)から、2019年以降の動きをまとめました。
| 時期 | 預金金利 | できごと |
|---|---|---|
| 2019年9月 | −0.50% | マイナス金利の深掘り(2019年9月18日適用) |
| 2022年7月〜2023年9月 | −0.50%→4.00% | 10会合連続の利上げ。この間の2022年9月にはユーロドルが1ドルを割れた |
| 2024年6月〜2025年6月 | 4.00%→2.00% | 8回の利下げ |
| 2025年7月〜2026年4月 | 2.00% | 据え置き |
| 2026年6月 | 2.25% | エネルギー高による物価上昇を受けて利上げ(6月17日適用) |
| 2026年9月 | 2.50% | 中東の紛争による物価上昇圧力を理由に利上げ(9月16日適用) |
| 2026年10月29日 | ? | 据え置きの見方が大勢(後述) |
ECBは9月10日の理事会で、3つの政策金利をそろって0.25ポイント引き上げ、預金ファシリティ金利を2.50%、主要リファイナンス金利を2.65%、限界貸出金利を2.90%にしました。声明では、中東の紛争がインフレ圧力を生み続けているとし、ECBスタッフの見通しでは2026年の物価上昇率を平均3.0%としています。一方で、今後の金利の道筋は「あらかじめ約束しない」(会合ごとにデータで判断)としています。
米国のFF金利(上限4.00%)とECBの預金金利(2.50%)の差は1.5ポイントです。ECBが6月と9月に利上げしても、米国も9月に利上げしたため、政策金利の差はユーロに有利な方向にはあまり縮んでいません。
ECB理事会の日、ユーロドルはどれくらい動く?2018年以降70回を検証
ECBの決定は中央ヨーロッパ時間の14時15分に公表されます。参照レートはその直前(14時10分ごろ)に決まるため、「理事会当日の参照レート→翌営業日の参照レート」の変化を見れば、決定と総裁会見への反応をおおむねとらえられます。ECBのサイトで決定の公表文を確認できた2018年1月〜2026年9月の70回について数えました(翌営業日が祝日で4日以上空く2回は除いて68回)。
Yahoo Financeの日足で、理事会当日の高値と安値の差(値幅)は平均78pipsでした。ふだんの日の平均66pipsより約18%大きい程度で、「理事会の日は乱高下する」というほどの差ではありません。参照レートの翌日の変化も、絶対値の平均で0.42%と、ふだんの0.33%を少し上回るくらいです。
意外なのは方向です。利上げを決めた12回のうち、翌日にユーロ高になったのは4回だけで、平均は−0.13%とむしろユーロ安でした。逆に利下げの8回では5回がユーロ高で、平均は+0.32%です。市場は決定の前に利上げ・利下げを織り込んで価格をつけており、決定そのものより「次も続けるのか」についての総裁の発言が反応を左右しやすいと考えられます。2022〜23年の利上げ局面でも、10回のうち翌日にユーロ高だったのは3回でした。
2026年の理事会6回とユーロドル
| 理事会 | 決定(預金金利) | 参照レート | 変化 | 当日の値幅 |
|---|---|---|---|---|
| 2月5日 | 据え置き(2.00%) | 1.1798→1.1794 | −0.03% | 40pips |
| 3月19日 | 据え置き(2.00%) | 1.1489→1.1555 | +0.57% | 92pips |
| 4月30日 | 据え置き(2.00%) | 1.1702→1.1700 | −0.02% | 65pips |
| 6月11日 | 利上げ(2.25%) | 1.1537→1.1567 | +0.26% | 33pips |
| 7月23日 | 据え置き(2.25%) | 1.1392→1.1377 | −0.13% | 32pips |
| 9月10日 | 利上げ(2.50%) | 1.1616→1.1592 | −0.21% | 48pips |
今年の6回は、いずれも参照レートで±0.6%以内の動きでした。9月10日は利上げを決めたにもかかわらず、翌日はユーロ安(−0.21%)です。今年は理事会よりも、米国の金利やフランスの情勢の方がユーロドルを大きく動かしてきたことが分かります。
翌日に1%以上動いた理事会(8回)
| 理事会 | 決定 | 参照レート | 変化 | 当日の値幅 |
|---|---|---|---|---|
| 2018年3月8日 | 据え置き | 1.2421→1.2291 | −1.05% | 138pips |
| 2018年6月14日 | 据え置き | 1.1730→1.1596 | −1.14% | 81pips |
| 2019年9月12日 | 利下げ | 1.0963→1.1096 | +1.21% | 51pips |
| 2020年3月12日 | 据え置き | 1.1240→1.1104 | −1.21% | 252pips |
| 2022年2月3日 | 据え置き | 1.1286→1.1464 | +1.58% | 179pips |
| 2022年6月9日 | 据え置き | 1.0743→1.0578 | −1.54% | 134pips |
| 2023年6月15日 | 利上げ | 1.0819→1.0966 | +1.36% | 51pips |
| 2023年7月27日 | 利上げ | 1.1125→1.1010 | −1.03% | 100pips |
1%以上動いた8回のうち5回は、金利を据え置いた理事会でした。たとえば2018年6月14日は、資産買い入れを2018年末で終える見通しと、政策金利を「少なくとも2019年夏まで」据え置く方針を同時に示し、ユーロは下げました。2022年6月9日も、7月の理事会で0.25ポイント利上げする意向を示したにもかかわらず、翌日はユーロ安です。金利の変更そのものより、「先の方針」の中身と市場の予想とのずれで大きく動いています。今回も、据え置きそのものより、12月の利上げについての示唆が注目点になりそうです。
※値幅はYahoo Finance(EURUSD=X)の日足(ロンドン時間の0時区切り)の高値−安値で、1pips=0.0001ドルです。2025年4月17日は日足が欠けているため値幅の集計は69回です。決定の区分は、ECBのデータポータルの預金ファシリティ金利が理事会から10日以内に変わったかどうかで判定しました。
10月29日のECB理事会はどうなる?ユーロドルの今後と3つのシナリオ
年内の主な日程です(時刻は日本時間。ECBは理事会の日程表と記者会見ページ、FRBと日銀は各行の会合日程で確認しました。米国は11月1日に夏時間が終わるため、12月のFOMCは午前4時になります)。
- 10月29日 3:00FOMCの結果発表10月27〜28日の会合。ECBより先に米国の金利の行方が決まります。
- 10月29日 22:15ECBの政策金利の発表10月28〜29日の理事会(フランクフルト)。中央ヨーロッパ時間14時15分。
- 10月29日 22:45ラガルド総裁の記者会見12月の利上げをどこまで示唆するかが焦点。
- 10月30日日銀 金融政策決定会合(2日目)10月29〜30日。ユーロ円・ドル円の材料。
- 12月10日 4:00FOMCの結果発表12月8〜9日の会合。経済見通しの公表あり。
- 12月17日ECB 年内最後の理事会12月16〜17日。年内最後の理事会です。
10月の理事会は据え置きの見方が大勢です。みんかぶ(10月25日)によると、短期金利市場の織り込みは据え置きが98%で、焦点は12月の利上げ(織り込みは利上げ65%・据え置き35%)に移っています。ロイター(10月24日配信)も、エコノミスト調査では12月に0.25ポイントの利上げが予想されているとしています。9月のユーロ圏の物価上昇率は3.8%と高い一方、フランスの混乱が景気を冷やすおそれもあり、ラガルド総裁が会見でどちらに重心を置くかが試されます。
考えられる3つのシナリオ
①据え置き+12月の利上げに含み(INGの基本シナリオ) INGは10月27日のリポートで、ECBはフランスの混乱を理由にハト派(利上げに慎重)へ転じることはなく、12月の利上げの余地を残すとみています。この場合はユーロの大きな下げは避けられ、INGは今後数週間でユーロドルが1.120〜1.130ドルに戻るとの見方を示しています。
②据え置き+利上げに慎重な発言(ユーロ安方向) フランスの国債市場の混乱を受けて、総裁が追加利上げに慎重な姿勢をにじませれば、ユーロの利上げ観測がさらに後退します。INGも、リスクのバランスはユーロの下落方向にあるとしています。ザイFX!は、1.1113ドルを下抜けた場合、1.1100ドル付近ではオプション絡みの買いが入る可能性があるものの、2025年5月12日の安値1.1065ドルまで下値余地が広がるとしています。
③予想外の利上げ INGは今回の利上げを「大きなサプライズ(織り込みはほぼゼロ)」とし、その場合は株安などリスク回避が広がるおそれがあると指摘しています。この記事の集計でも、利上げの翌日にユーロ高だったのは12回中4回で、利上げがそのままユーロ高につながるとは限りません。
どのシナリオになるかは分かりません。過去70回の集計から言えるのは、理事会の日の値動きは思われているほど大きくない一方、方向は金利の決定より「次の一手」の示唆で決まりやすいということです。また、ECBの前に出るFOMCの結果で米国の金利が動けば、米独金利差を通じてユーロドルの前提が変わります。FOMCと日銀の10月会合の見通しはFOMCと日銀の10月会合はどうなる?利上げ確率・日程・連続利上げにまとめています。
ユーロドルを取引するときの注意
FOMC(29日午前3時)とECB(29日22時15分〜会見)が1日のうちに続くため、29日は昼夜とも値が飛びやすくなります。発表の直後はスプレッド(売値と買値の差)が広がることがあり、指値・逆指値が想定と違う値で約定することもあります。ポジションを持ったまま発表を迎える場合は、レバレッジを抑え、損切りの位置を先に決めておくことが大切です。
ユーロドルの年初来安値とECB理事会についてよくある質問
Q. ユーロドルの年初来安値はいくらですか?
A. 報道(ザイFX!など)では、10月14日と28日につけた1.1113ドルが2026年の安値です。ECBの公式の参照レートでは、10月27日の1.1150ドルが今年の最安値で、これより安かったのは2025年5月13日が最後です(10月28日時点)。
Q. ユーロドルはなぜ下がっているのですか?
A. 主な理由は2つです。1つは米国の金利の上昇で、米10年債利回りは10月に一時5.31%と2002年以来の高さになり、ドイツとの金利差は2025年末の1.20ポイントから1.57ポイントに広がりました。もう1つはフランスの財政・政治不安で、ECBの月平均データで9月の仏独の利回り差は2012年以来の大きさです。
Q. 10月のECB理事会の結果は何時に発表されますか?
A. 10月29日の中央ヨーロッパ時間14時15分、日本時間では同日22時15分に政策金利が発表され、22時45分からラガルド総裁の記者会見があります。その前の29日午前3時には米国のFOMCの結果が発表されます。
Q. ECBが利上げするとユーロ高になりますか?
A. 必ずしもそうとは限りません。2018年以降の理事会でECBが利上げを決めた12回のうち、ECBの参照レートで翌営業日にユーロ高だったのは4回だけでした。利上げは事前に織り込まれていることが多く、総裁が次の利上げをどう示唆するかで反応が分かれます。
Q. ECB理事会の日はユーロドルが大きく動きますか?
A. 2018年以降の70回では、理事会当日の値幅は平均78pipsで、ふだんの日(平均66pips)より2割弱大きい程度でした。ただし2022年2月(+1.58%)や2022年6月(−1.54%)のように、翌日に1.5%以上動いた回もあります。
Q. ユーロドルはこの先どこまで下がりますか?
A. 先のことは分かりません。報道では、1.1113ドルを下回ると2025年5月12日の安値1.1065ドルが次の目安とされる一方、INGはECBが12月の利上げに含みを残せばユーロドルは1.12〜1.13ドルに戻るとの見方を示しています。29日のFOMCとECBの内容を確認してから判断するのが無難です。
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出典・参考資料
- European Central Bank:Euro foreign exchange reference rates(1999年1月4日〜2026年10月27日)/Key ECB interest rates/Long-term interest rate statistics(IRS)
- European Central Bank:Monetary policy decisions(2026年9月10日)/金融政策決定の一覧/理事会の日程
- Board of Governors of the Federal Reserve System:H.10 Historical Rates for the Euro/FOMC声明(2026年9月16日)/FOMCの日程
- U.S. Department of the Treasury:Daily Treasury Par Yield Curve Rates(2000〜2026年の10年)
- Deutsche Bundesbank:連邦債の利回り(残存10年、日次)
- 日本銀行:金融政策決定会合の開催日程
- Yahoo Finance:チャートAPI EURUSD=X(日足・1時間足、2026年10月28日取得)
- ザイFX!:ユーロドル、じり安 1.1113ドルの年初来安値に面合わせ(10月28日)/BigGoファイナンス:東京外為、ユーロが対ドルで年初来安値圏(10月28日)
- みんかぶ:ユーロドル、フランスの財政・政治不安と景気減速懸念が下押し(10月28日)/【中銀チェック】ECBも据え置き見込み(10月25日)
- ING THINK:October ECB cheat sheet: French malaise shouldn’t prompt a dovish turn(10月27日)/ロイター配信(Gulf Times掲載):Ready for a French test?: Five questions for the ECB(10月24日)
ユーロドルの水準・年間騰落・理事会翌日の変化はECBのユーロ参照レート、値幅はYahoo Financeの日足で筆者が集計しました。米独金利差は米財務省の10年債利回りとドイツ連邦銀行の10年債利回り(推計値)の同じ日の差で、市場の気配値とは数bpずれることがあります。相関係数は日次の水準どうしで計算したもので、因果関係を示すものではありません。報道・リポートの内容は各記事の本文に基づいて要約しました。記事は2026年10月28日夜の時点の情報で、FOMC・ECB・日銀の結果は含みません。この記事は情報提供を目的としたもので、特定の通貨や取引を勧めるものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。アイキャッチ背景:Dr. Thomas Liptak「Frankfurt am Main, Seat of the European Central Bank (Skytower (ECB)).jpg」(Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0)をトリミング・明るさ調整・文字入れ。
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