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プーチン氏の安全保障地帯とは?国境の3分の1・660kmを交渉外に
ロシアのプーチン大統領は10月16日、ウクライナとの国境沿いのウクライナ側に「安全保障地帯(security zone)」をつくっていると述べ、これを和平交渉のテーマにするつもりはないと明言しました。ロシア大統領府の報道官は、地帯の長さを660キロと説明しています。同じ日、イタリアの国防相は、米国がウクライナへの支援を絞っていることを「完全な誤り」と批判しました。この記事では、発言の中身をロシア大統領府の記録で確かめ、660キロが国境のどれくらいにあたるのか、そして米国と欧州の支援がどう入れ替わったのかを、公的な数字で整理します。
この記事の結論
- プーチン大統領は10月16日、軍の指揮所での会議で、クルスク州への越境攻撃を受けてウクライナ側の国境沿いに安全保障地帯をつくる任務を軍に与えたと説明し、「和平交渉の対象にするつもりはない」と述べました(ロシア大統領府の記録)。
- ペスコフ大統領報道官は、地帯の長さを660キロ、そのうち7割をすでにロシアが支配していると説明しました(ロイター)。奥行きは明らかにしていません。
- ウクライナ政府が示すロシアとの陸上の国境は1,974.04キロ。660キロはその約33%(約3分の1)にあたります。7割なら約462キロです。
- キール世界経済研究所のデータでは、米国のウクライナ支援(配分額)は2025年2月から2026年8月まで19か月、1ユーロも増えていません。米国の割合は2024年の52%から、2025年は0.7%に落ちました。
- 日本の支援(配分額)は144億ユーロで、EU機関を含む42の拠出元の中で6番目。ほとんどが財政支援です。ウクライナ全土には外務省の危険レベル4(退避勧告)が出たままです。
国境の割合は当サイトの計算(660キロ÷ウクライナ内閣府の陸上国境1,974.04キロ)。支援額はキール世界経済研究所「Ukraine Support Tracker」(2026年8月31日までのデータ)から当サイトが集計。
プーチン氏は何と言った?10月16日の発言をロシア大統領府の記録で確認
発言の場は、ロシア軍の「統合部隊」の補助指揮所でした。ロシア大統領府の英語版の記録は10月16日18時30分(モスクワ時間、日本時間17日0時30分)付で、プーチン大統領が参謀本部の幹部や各方面の部隊司令官を集めた会議を開いたとしています。ロイターによると、プーチン氏は軍服姿で、発言はテレビで放送されました。
冒頭の発言で、プーチン氏は次のように述べています(ロシア大統領府の記録をもとに要約)。
- ウクライナ軍がロシアのクルスク州に侵入したあと、軍には「敵を自国の領土から追い出す」だけでなく、隣接するウクライナ領に安全保障地帯をつくる任務が与えられた。この任務は順調に進んでいる。
- 目的は、ロシアの国境地域の安全を将来にわたって絶対的に確保すること。そして、この地帯をウクライナとの和平交渉の対象にするつもりはない。
- 今年に入ってから約6,500平方キロ、310の集落を「解放」した。ドネツク州は10%余り、ザポリージャ州は16.5%がまだウクライナ側の支配下にある。
英語版の記録では、交渉に関わる部分は「we do not intend to make this a subject of potential peace negotiations with Ukraine」となっており、ロシア語の原文も「возможных мирных переговоров(和平交渉の可能性)」の対象にはしない、という表現です。
数字はロシア側の主張です
面積や集落の数、各州の支配割合は、プーチン氏やロシア軍幹部が会議で述べたもので、第三者が確認した数字ではありません。
軍の報告では「スーミ州・ハルキウ州・ドニプロペトロウシク州」
同じ会議でゲラシモフ参謀総長は、北部の部隊が国境沿いの安全保障地帯をウクライナのスーミ州とハルキウ州の国境地域へ広げていると報告しました(北部部隊の担当で461平方キロ・28集落を支配下に置いたとも説明)。東部の部隊については、ドニプロペトロウシク州でも安全保障地帯をつくる任務を進めているとしています。
ロイターによると、スーミ州とハルキウ州は、ロシアが自国の領土だと主張している地域に含まれていません。地帯をつくるには、この2州の土地を切り取る必要があると指摘しています。
「660キロ・7割」は報道官の説明
ロイター(ストレーツ・タイムズ転載)とガーディアンによると、ペスコフ大統領報道官は、計画している安全保障地帯の長さは660キロで、そのうち70%をすでにロシアが支配していると説明しました。ウクライナ領にどこまで深く入るのかは明らかにしていません。ロイターは、プーチン氏がこれまでも地帯の必要性を語ってきた一方、範囲を示したり、交渉の対象外だと言ったりしたのは初めてだと報じています。
660キロは国境のどれくらい?ウクライナ政府の数字で計算
ウクライナ内閣府は、ロシアとの陸上の国境の長さを1,974.04キロとしています(2015年5月20日の発表)。国境はチェルニヒウ・スーミ・ハルキウ・ルハンスク・ドネツクの5州を通り、両国の国境線の画定(デリミテーション)は2004年に終わっています。
| 項目 | 長さ | 出典・計算 |
|---|---|---|
| ロシアとの陸上国境 | 1,974.04km | ウクライナ内閣府 |
| 安全保障地帯(計画) | 660km | ペスコフ報道官(ロイター) |
| うちロシアが支配(7割) | 約462km | 660km×70%(当サイト計算) |
| まだ支配していない部分 | 約198km | 660km×30%(当サイト計算) |
| 660kmが国境に占める割合 | 約33.4% | 660÷1,974.04(当サイト計算) |
660キロは、ウクライナ政府の示す国境の約33.4%、ちょうど3分の1ほどです。
ただし、この比較には注意が必要です。ロシア側は660キロが国境のどこからどこまでなのかを示しておらず、国境線をそのままなぞる長さなのか、前線の長さなのかもはっきりしません。また、ゲラシモフ参謀総長が挙げたドニプロペトロウシク州は、ウクライナ政府の示す「国境を通る5州」に入っていません。ロシアの言う「安全保障地帯」は、国境に接する地域だけを指す言葉とは限らないことがわかります。
10月16日の会議でロシア軍が「国境沿いの安全保障地帯を広げている」として名前を挙げたのは、スーミ州とハルキウ州の国境地域です。

安全保障地帯はいつから?ロシア大統領府の記録でたどる
「緩衝地帯」「安全保障地帯」という言葉は、2025年からロシア大統領府の記録にくり返し出てきます。主な発言を並べると、範囲が少しずつ広がってきたことがわかります。
- 2025年5月22日「国境沿いに緩衝地帯をつくる決定」政府メンバーとの会議で、プーチン氏が「ロシアの国境沿いに緩衝安全保障地帯をつくる決定をした。軍が取り組んでいる」と発言(記録)。
- 2025年12月1日スーミ州・ハルキウ州の国境地域で指揮所訪問の会議で、ゲラシモフ参謀総長が「スーミ州とハルキウ州の国境地域に緩衝地帯をつくる作業の一環」として、11月に3集落を支配したと報告。
- 2026年7月3日「攻撃が増えるほど地帯は大きくなる」プーチン氏が、ウクライナ側がロシアの民間インフラを攻撃しようとするほど、隣接する地域により大きな安全保障地帯をつくらざるを得なくなると発言(記録)。軍はハルキウ・スーミ・ドニプロペトロウシク3州の国境地域と報告。
- 2026年9月1日「スーミ市まで12キロ」報道陣の質問に答え、プーチン氏が北部の部隊はスーミ州・ハルキウ州で緩衝地帯をつくり続けており、スーミ市の環状道路まで残り12キロだと説明。
- 2026年10月16日「和平交渉の対象にしない」指揮所の会議で、交渉の対象外だと明言。報道官が長さ660キロ・7割を支配と説明。
5月の時点では「国境沿いの緩衝地帯」でしたが、7月にはウクライナ側の攻撃が続けば地帯を広げると述べ、10月には交渉で取り引きする材料にはしないと線を引きました。ロシアが地帯の奥行きを示していない以上、「国境から何キロまで」という上限は決まっていない状態と見られます。
イタリア国防相「完全な誤り」、米国の支援制限を批判
英国で同時に検索が急増したのが、イタリアのグイド・クロセット(Guido Crosetto)国防相の発言です。BBCのインタビュー(10月16日公開)で、クロセット氏は、ウクライナが自国を守るために使っている衛星システムや情報へのアクセスを米国が制限することは「完全な誤り、大きな誤り」だと述べました。
- そうした動きは「まったく意味がない」とし、平和を近づけるどころか、ロシアの侵攻を長引かせるおそれがあると警告。
- 「プーチン氏が膠着状態だと確信したとき、これ以上進めないと分かったときに平和は来る」と述べ、ウクライナ側の弱さを見せればプーチン氏は勝てると考えて戦争を続ける、と説明。
- イタリアの軍事支援は「この政権が続く限り」続けると表明する一方、2027年末までに行われる総選挙が近づくにつれ、議会の承認は「難しくなる」と認めた。
BBCによると、米政府当局者は、トランプ大統領がウクライナ向けの通信速度を落とすよう求めたことはないとし、トランプ氏もロシアの空爆の早期警戒情報の共有を止めたことを否定しています。一方、メローニ首相は今週、トランプ氏がロシアからディーゼル燃料を買う取引に合意したことを「非常にリスクの高い選択」と批判しました。
ガーディアンによると、トランプ氏は16日の大統領令で、多くの対ロシア制裁や関税を適用除外にし、上下両院を通った新たな対ロ制裁法の執行を一時止めると議会に伝えました。9月に成立した対ロ制裁法(ロシア産LNGの記事で解説)を指すと見られます。ゼレンスキー大統領は同じ日にブリュッセルで欧州の首脳と会い、EUに来年700億ユーロの追加資金を求めました。
イタリアの世論は支援に慎重
BBCが引用した調査会社Ixèの9月の調査では、ウクライナへの武器供与を続けることへの支持は18%にとどまりました。燃料価格の上昇もあり、ローマでは学生らが「爆弾より教室を」と訴えるデモも起きています。キール研究所の集計では、イタリアの支援(配分額)は43億ユーロで42の拠出元の中で13番目ですが、BBCによればイタリアの軍事支援の中身は機密扱いで、公表されていません。
米国の支援はいつ止まった?キール研究所のデータで検証
クロセット氏が批判した「米国の支援の制限」は、数字で見るとどの程度なのでしょうか。ドイツのキール世界経済研究所は、各国政府がウクライナに約束・提供した軍事・財政・人道支援を1件ずつ記録した「Ukraine Support Tracker」を公開しています。最新版(2026年8月31日までのデータ)から、実際に届けられた、または届け先が決まった「配分額(allocations)」を、米国と欧州(EU加盟国・EU機関・英国・ノルウェー・スイス・アイスランド)に分けて年ごとに集計しました。
年別:米国は2025年から事実上ゼロ
| 年 | 米国 | 欧州 | 米国の割合 |
|---|---|---|---|
| 2022年 | 354億ユーロ | 386億ユーロ | 47.9% |
| 2023年 | 330億ユーロ | 469億ユーロ | 41.3% |
| 2024年 | 464億ユーロ | 435億ユーロ | 51.7% |
| 2025年 | 5億ユーロ | 731億ユーロ | 0.7% |
| 2026年 (1〜8月) |
0億ユーロ | 338億ユーロ | 0.0% |
キール研究所の月別の累計値(Figure A15)の差から当サイトが計算。2022年は1月24日〜12月。米国の割合は「米国+欧州」に占める割合で、日本・カナダなどは含みません。
米国の配分額の累計は、2024年12月の1,149億ユーロから2025年1月に1,154億ユーロへ増えたのを最後に、2025年2月から2026年8月までの19か月間、まったく増えていません。2022〜2024年は年330億〜460億ユーロ規模で、米国と欧州の合計の4〜5割を占めていた米国の割合は、2025年に0.7%、2026年は0%になりました。
代わりに増えたのが欧州です。2025年は731億ユーロと、侵攻後で最も多くなりました。2026年も8月までに338億ユーロを配分しています。累計では欧州が2,359億ユーロ、米国が1,154億ユーロで、欧州が米国の約2.0倍です。
米国の兵器は「欧州が買って送る」形に
米国の兵器がウクライナに届かなくなったわけではありません。NATOの「ウクライナの優先必要品リスト(PURL)」は、加盟国やパートナー国がお金を出し、NATOを通じて米国製の装備を買ってウクライナに送る仕組みです。キール研究所の集計では、PURLへの拠出は26か国で合わせて約55億ユーロ。ノルウェー(14億ユーロ)やオランダ(10億ユーロ)、ドイツ(8億ユーロ)が多く、日本も拠出しています。米国が自分の予算で出す支援は止まり、欧州などが代金を払う形に置き換わっていると言えます。
国別の支援額(配分額)上位
2022年1月24日〜2026年8月31日の配分額(軍事・財政・人道の合計)。キール研究所「Ukraine Support Tracker」Figure 3より。EU機関はEU加盟国の拠出とは別に数えています。42の拠出元の合計は3,829億ユーロ。
日本への影響は?渡航・支援・エネルギーの3点
渡航:ウクライナ全土はレベル4、ロシアの国境地域もレベル4
外務省の海外安全ホームページでは、ウクライナ全土に危険レベル4(退避勧告)が出たままです(2026年1月19日更新、継続)。復旧・復興に関わる企業や団体が、キーウ市周辺とリヴィウ州へ真にやむを得ず渡航する場合は、2週間前までに外務省へ相談するよう求めています。
ロシアは、ウクライナとの国境周辺地域がレベル4、それ以外(モスクワを含む)はレベル3(渡航中止勧告)です(2025年9月12日)。ブリャンスク・クルスク・ベルゴロド・ヴォロネジ・ロストフの5州は、国境周辺以外にも戦火が及ぶおそれが高いとして、渡航をやめるよう求めています。安全保障地帯の拡大は、こうした国境地域の緊張が続くことを意味します。
| 地域 | 危険レベル | 更新日 |
|---|---|---|
| ウクライナ全土 | レベル4 退避勧告 | 2026年1月19日 |
| ロシアのウクライナ国境周辺 | レベル4 退避勧告 | 2025年9月12日 |
| ロシアのそれ以外(モスクワ含む) | レベル3 渡航中止勧告 | 2025年9月12日 |
支援:日本は144億ユーロ、ほとんどが財政支援
キール研究所の集計で、日本の配分額は144億ユーロ。米国、EU機関、ドイツ、英国、カナダに次ぐ6番目です(国だけで数えると5番目)。内訳は財政支援126億ユーロ、人道支援17億ユーロに対し、軍事支援は約0.8億ユーロとわずかで、お金と復興で支える形がはっきりしています。約束額(commitments)では184億ユーロです。
外務省の発表から、最近の主な支援を並べると次のとおりです。
- 2025年4月18日:凍結ロシア資産の運用益で返済する円借款「特別収益前倒し(ERA)融資」、4,719億円を限度(外務省)
- 2026年2月27日:無償資金協力「緊急復旧計画(フェーズ5)」62億円(外務省)
- 2026年5月29日:NATOのPURLに1,465万8千ドル(約22億円)を拠出。対象は非殺傷性の装備品だけのパッケージ(外務省)
- 2026年10月2日:ロシアの33団体・9個人の資産凍結、船舶35隻へのサービス提供の規制など、追加制裁(外務省)
日本のPURL拠出は、キール研究所のデータでも約1,300万ユーロとして記録されており、外務省の発表と合っています。
エネルギー:対ロ制裁の行方は日本のLNGにも関係
トランプ氏がロシア産ディーゼルの購入に合意し、対ロ制裁法の執行を止めたことで、ロシアのエネルギーをめぐる米国の姿勢は揺れています。日本は原油と石炭のロシア依存をほぼなくした一方、サハリン2からのLNGは今も輸入しています。制裁法の仕組みと日本の輸入の変化は、ロシア産LNGだけ減らない日本|米の新制裁法と100%関税の条件で詳しく集計しています。
今後の焦点:交渉はどうなる?
今回の発言で、和平交渉のハードルは一段と上がったと見られます。注目点は3つです。
- 地帯の奥行き:ロシアは長さを660キロとしただけで、奥行きを示していません。7月の「攻撃が増えるほど大きくなる」という発言どおりなら、広さはロシア側の判断で変わりえます。
- 米国の関与:BBCが伝えたとおり、衛星通信や情報共有をめぐって米国とウクライナの関係はぎくしゃくしています。米国の新たな支援配分が19か月ゼロのなか、どこまで欧州が肩代わりできるかが問われます。
- 欧州の資金と世論:ゼレンスキー氏はEUに来年700億ユーロを求めました。イタリアのように支援に慎重な世論を抱える国もあり、選挙の結果次第で支援の流れが変わる可能性があります。
「交渉の対象外」が意味すること
和平交渉では、占領地の扱いが最大の争点になってきました。ロシアが「併合」を宣言していないスーミ州・ハルキウ州の国境地域まで交渉の外に置くと、ウクライナが受け入れられる条件との距離はさらに広がります。ウクライナや欧州がどう反応するかは、今後の続報を待つ必要があります。
【追記 2026年10月18日】10月16日夜から17日にかけては、ウクライナのものとされるドローンによる攻撃で、モスクワの4空港が一時閉鎖されました。モスクワ市長の発表では、10日からの1週間で2,730機が首都圏に向かったとされます(ロシア側の発表)。詳しくはモスクワの全空港閉鎖はなぜ?ドローン攻撃が1週間2730機にで解説しています。
プーチン氏の表明を伝える日本の報道(X)
ロイター日本語版は10月16日、ロシアがウクライナ領内に「安保地帯」を設置し、和平交渉の対象外とするというプーチン氏の発言を速報しました。朝日新聞は、事実上の要求の引き上げだと伝えています。
ロシア、ウクライナ領内に「安保地帯」設置へ 交渉対象外=プーチン氏 https://t.co/tjh11zgjLq https://t.co/tjh11zgjLq
— ロイター (@ReutersJapan) October 16, 2026
プーチン氏、ウクライナ「緩衝地帯」返さない 事実上の要求引き上げ https://t.co/x61ACZ6KGf
ロシアのプーチン大統領は16日、国境を接するウクライナ北東部スーミ州などの占領地について、ロシアの安全保障に重要な「緩衝地帯」だと主張した。
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) October 16, 2026
ロシアの安全保障地帯についてよくある質問
Q. ロシアの「安全保障地帯」とは何ですか?
A. ロシアがウクライナとの国境沿いのウクライナ側につくろうとしている地帯です。プーチン大統領は、ウクライナ軍のクルスク州への侵入を受けて、ロシアの国境地域を攻撃から守るためだと説明しています。2025年5月には「緩衝安全保障地帯」という言葉で、つくる決定をしたと述べていました。
Q. 安全保障地帯の長さはどれくらいですか?
A. ペスコフ大統領報道官は660キロで、そのうち7割をすでにロシアが支配していると説明しました(ロイター)。奥行きは明らかにしていません。ウクライナ政府が示すロシアとの陸上国境1,974.04キロと比べると、約3分の1にあたります。
Q. どの地域が対象ですか?
A. ロシア軍の報告では、ウクライナのスーミ州とハルキウ州の国境地域が中心で、ドニプロペトロウシク州でも「安全保障地帯をつくる任務」を進めているとしています。スーミ州とハルキウ州は、ロシアが自国の領土だと主張している地域には含まれていません(ロイター)。
Q. プーチン氏はいつ、どこで発言しましたか?
A. 2026年10月16日、ロシア軍の統合部隊の補助指揮所で開いた会議の冒頭です。ロシア大統領府の記録は同日18時30分(モスクワ時間、日本時間17日0時30分)付で、参謀本部の幹部や部隊司令官が出席しました。
Q. イタリアの国防相は何と言いましたか?
A. クロセット国防相はBBCのインタビューで、ウクライナが使う衛星システムや情報へのアクセスを米国が制限することは「完全な誤り、大きな誤り」だと批判し、ロシアの侵攻を長引かせるおそれがあると述べました。
Q. 米国のウクライナ支援は本当に止まっていますか?
A. キール世界経済研究所のデータでは、米国の支援の配分額は2025年1月を最後に増えておらず、2026年8月まで19か月間ゼロです。ただし、欧州などがお金を出して米国製の兵器を買うNATOの「PURL」という仕組みで、米国の兵器は引き続きウクライナに届いています。
Q. 日本人はウクライナやロシアに行けますか?
A. 外務省はウクライナ全土に危険レベル4(退避勧告)を出しています。ロシアもウクライナとの国境周辺はレベル4、それ以外はレベル3(渡航中止勧告)です。どちらも渡航はやめるよう求められています。
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出典・参考資料
- ロシア大統領府:Visit to the Joint Force auxiliary command post(2026年10月16日)/ロシア語版/Meeting with Government members(2025年5月22日)/Visit to the Joint Force auxiliary command post(2026年7月3日)
- キール世界経済研究所:Ukraine Support Tracker(Release 31、2026年8月31日までのデータ、当サイト集計)
- ウクライナ内閣府:ウクライナ・ロシア国境の画定作業に関する発表(2015年5月20日)
- 外務省 海外安全ホームページ:ウクライナ/ロシア
- 外務省:ウクライナ情勢に関する対応(PURL拠出・ERA融資・緊急復旧計画・対ロ措置の各発表)
- Reuters(The Straits Times転載):Putin says Russia is building non-negotiable security zone in Ukraine along border(2026年10月16日)
- The Guardian:Ukraine war briefing(2026年10月17日)
- BBC:Trump ‘completely wrong’ to restrict support for Ukraine, Italian minister tells BBC(2026年10月16日)
アイキャッチは、2014年10月にウクライナ側で始まったロシアとの国境の防御線工事の写真(ウクライナ内閣府/Wikimedia Commons、CC BY 4.0)に、当サイトが文字を入れたものです。本文の写真もWikimedia Commonsのフリーライセンス画像で、一部リサイズしています。外国語の発言は当サイトの要約・翻訳です。


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