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アンドルー元王子の捜索令状はなぜ違法に?警察が恐れた「国王の家」
英国のチャールズ国王の弟、アンドルー・マウントバッテン=ウィンザー氏(元アンドルー王子)の家宅捜索をめぐり、警察が「家は国王のものだ」と主張されて立ち入りが遅れることを心配していたことが、10月15〜16日に報じられた法的文書でわかりました。捜索に使った令状は、10月8日に高等法院で「違法」として取り消されています。この記事では、容疑と捜査の現状を整理したうえで、英会計検査院(NAO)とクラウン・エステート(王室財産の管理機関)の公表資料から、23年住んだ邸宅「ロイヤル・ロッジ」をめぐるお金の流れを計算します。
この記事の結論
- アンドルー氏は2026年2月19日、「公職における不正行為(misconduct in public office)」の疑いでテムズバレー警察に逮捕され、同じ日に「捜査継続のまま釈放」されました。起訴はされておらず、本人は不正を一貫して否定しています。
- 10月に明らかになった文書によると、警察は捜索令状を求める際、家が国王のものだと主張されて別の許可が必要になり、証拠が失われることを心配していました。弁護側はこれを「憶測にすぎない」と反論しています。
- 捜索令状は、根拠にした条文が誤っていたとして10月8日に取り消されました。ただし判事は「捜査そのものが終わるわけではない」と述べ、押収物を使えるかは2027年の非公開審理で決まります。
- ロイヤル・ロッジは2003年から23年の賃貸で、前払い100万ポンドと改修費750万ポンド(約束額)のほかは家賃なし。10月の返還時に原状回復費180万ポンドを払い、補償約30.2万ポンドを受け取りました。当サイトの計算では、クラウン・エステートが受け取った正味の総額は約250万ポンド=年あたり約10.9万ポンドです。
- 所有していたとされるベントレーは、売りに出た翌日に12万4,975ポンド(約2,618万円)で売れたと英紙インディペンデントが報じています。
円換算は英イングランド銀行の10月15日の参照レート(1ポンド=209.48円)。計算方法は記事後半で説明します。
アンドルー氏の家宅捜索、10月の文書で何がわかった?
まず、BBC(10月16日)とPA通信(Irish News掲載、10月15日)の報道、BBC(2月20日)をもとに、捜査の現状を整理します。
| 項目 | 内容(2026年10月17日時点) |
|---|---|
| 容疑 | 公職における不正行為(misconduct in public office)の疑い。英国の貿易・投資特別代表(貿易特使)だったころ、公務で得た情報を故ジェフリー・エプスタイン氏(性犯罪で有罪判決を受けた米国の投資家)に渡したとの疑惑が背景 |
| 逮捕 | 2026年2月19日午前8時ごろ(英国時間)、ノーフォーク州のサンドリンガム領地で。66歳の誕生日だった |
| 捜索先 | サンドリンガムの仮住まい「ウッド・ファーム」と、ウィンザーの旧邸宅「ロイヤル・ロッジ」。ロイヤル・ロッジの捜索は2月24日まで続いた |
| 取り調べ | アイルシャム警察署で午後3時から。午後6時36分に「捜査継続のまま釈放(released under investigation)」 |
| 現在 | 起訴はされていない。捜査は継続中 |
| 本人の主張 | エプスタイン氏をめぐる不正を一貫して否定 |
| 令状 | 10月8日、高等法院で警察が違法と認め、取り消し。押収物を保持・利用できるかは2027年の非公開審理で判断 |
警察が心配したのは「家は国王のもの」という主張
今回明らかになったのは、テムズバレー警察が逮捕前日の2月18日、ロンドンの中央刑事裁判所(オールド・ベイリー)に捜索令状を求めたときの文書です。BBCによると、警察は次のような事態を想定していました。
- アンドルー氏や弁護士が、立ち入りの前に「裁判所の許可」を見せるよう求める
- サンドリンガム領地は国王の私有地だとして、別の法的な許可が必要だと主張され、手続きに時間がかかる
- 家に誰もおらず、外で待つ警察の姿だけが報道される
警察は、事前に許可を取りに行けば捜索の目的が損なわれる(frustrate the nature and purpose of the search)として令状を求めました。PA通信によると、捜索を指揮した捜査幹部は、証拠を確実に押さえられなければ証拠が失われ、捜査への信頼も損なわれると裁判官に説明しています。
これに対しアンドルー氏の弁護側は、警察の想定は憶測にすぎないと反論しました。警察は立ち入りへの協力を事前に求めてこなかったとし、本人はほかの調査には協力の意思を示してきたと主張しています。
警察が探していたもの
文書によると、警察が探していたのは、貿易特使時代の書類・日記・業務記録と、携帯電話やパソコン、タブレットなどの電子機器でした。文書には、警察が考える疑いとして次の点が挙げられています(いずれも警察側の主張で、裁判所が認めた事実ではありません)。
- 2010年10月のシンガポール、ベトナム、中国、香港への公式訪問の報告書を、エプスタイン氏に転送した
- アフガニスタンへの投資機会について、エプスタイン氏に説明した
- 民間の投資会社と会い、その会社への投資をエプスタイン氏に持ちかけた
「逮捕」されたが「起訴」はされていない
英国の「捜査継続のまま釈放」は、移動などの制限を受けず、起訴するかどうかの判断が保留されている状態です。起訴するかは警察と検察庁(CPS)が判断します。アンドルー氏は容疑者の段階で、有罪と決まったわけではありません。
捜索令状はなぜ「違法」になったのか
BBC(10月8日)によると、警察は警察・刑事証拠法(PACE、1984年)の8条と9条の両方で令状を申請しました。ところが中央刑事裁判所は、8条の令状だけで足りると判断して発付しました。アンドルー氏側はこれを不服として司法審査を求め、本来は9条で出すべきだったことが認められました。
9条は、弁護士とのやりとりや、本人のものではない業務上の秘密書類など、特に保護される資料を押収するときの手続きです。8条の令状には、そうした資料が含まれる可能性を前提にした手当てがありませんでした。
10月8日の審理で、ヒリアード判事は、双方が令状を違法と認めることで合意したと述べました。一方で、令状が取り消されても捜査が終わるわけでも、捜査全体が違法になるわけでもないとも述べています。警察は押収した書類や機器を手元に置いたままで、別の権限で保持できるかを争う非公開の審理が2027年に予定されています。警察は、押収物が捜査に「相当の価値」を持つことを示す必要があります。
警察の説明
テムズバレー警察は、取り消しは裁判所が令状の法的根拠をどう判断したかの問題で、捜査への評価ではないと説明しています。BBCによると、警察は「ノーフォーク在住の60代の男性」に対する公職における不正行為の捜査を続けているとしています。
称号はく奪から逮捕・令状取り消しまでの時系列
称号の扱いは英議会下院図書館の解説とロンドン・ガゼット、住まいは英会計検査院(NAO)とクラウン・エステート、捜査はBBCの報道をもとにまとめました。
- 2003年ロイヤル・ロッジを75年契約で借りる前払い100万ポンドと改修費750万ポンドの約束で、家賃は「ペッパーコーン(名目だけ)」(NAO)。
- 2022年1月公務での「殿下」の使用をやめる軍の名誉職や後援する団体の役職をエリザベス女王に返上(下院図書館)。
- 2025年10月17日称号を「使わない」と表明ヨーク公爵などの称号をこれ以上使わないと本人が発表。
- 2025年10月30日国王が称号はく奪の手続きを開始バッキンガム宮殿が発表。同じ日に、ロイヤル・ロッジの早期返還を12か月前に通知(NAO)。
- 2025年11月3日「殿下」「王子」を外す勅許状11月5日の官報(ロンドン・ガゼット)に掲載。ヨーク公爵も貴族名簿から削除(国王の令状は10月30日付)。
- 2026年2月ロイヤル・ロッジを出てサンドリンガムへ国王の私有地サンドリンガムの「ウッド・ファーム」に仮住まい(BBC)。
- 2026年2月19日公職における不正行為の疑いで逮捕同日夜に捜査継続のまま釈放。ロイヤル・ロッジの捜索は24日まで。
- 2026年6月5日英会計検査院が王室の住宅契約を報告ロイヤル・ロッジの契約条件や、早期返還の補償額の試算を公表。
- 2026年10月8日高等法院で捜索令状を取り消し警察が違法と認める。押収物の扱いは2027年に判断。
- 2026年10月9日ロイヤル・ロッジの返還が完了クラウン・エステートが発表。原状回復費180万ポンド、補償約30.2万ポンド。
- 2026年10月15日令状申請の文書が報道される15〜16日に英メディアが報道。「国王の家」をめぐる警察の懸念が明らかに。ベントレー売却も報道。
ロイヤル・ロッジ23年の収支を計算すると
ロイヤル・ロッジは、ウィンザー・グレート・パークの中にある邸宅で、アンドルー氏が2003年から住んできました。土地と建物は、国王個人ではなくクラウン・エステート(国王の名義で国の資産を運用する公的な事業体)が管理しています。クラウン・エステートの利益は毎年、英財務省に納められます。

英会計検査院(NAO)が6月に公表した王室メンバーの住宅契約に関する調査報告と、クラウン・エステートの10月9日の発表から、23年間のお金の動きを表にしました。
| 項目 | 金額 | 内容 |
|---|---|---|
| 最初の要求(2003年) | 350万ポンド | 前払い100万+家賃の一括払い250万(クラウン・エステート側) |
| 合意した前払い | 100万ポンド | 家賃は名目だけ(ペッパーコーン) |
| 改修費(本人負担の約束) | 750万ポンド | 必要額の見積もりは「少なくとも500万ポンド」 |
| 返還時の原状回復費 | 180万ポンド | 本人が支払い(約3.8億円) |
| 早期返還の補償 | 約30.2万ポンド | 本人が受け取り(約6,326万円) |
| 返還時の正味 | 150万ポンド | クラウン・エステートが受け取った額 |
| 23年の受取総額(当サイト計算) | 約250万ポンド | 100万+180万−30.2万。年あたり約10.9万ポンド |
| 本人側の支出総額(当サイト計算) | 約1,000万ポンド | 改修費を含む。年あたり約43.5万ポンド |
改修費750万ポンドはNAOの「約束額」、クラウン・エステートは「約750万ポンドの改修が行われた」としています。2003年当時の金額と2026年の金額を物価調整せずに足しています。
最初は350万ポンドを求めていた
NAOによると、クラウン・エステートは当初、前払い100万ポンドに家賃の一括払い250万ポンドを加えた350万ポンドを求めていました。改修には少なくとも500万ポンドかかると見積もっていたところ、アンドルー氏が2003年8月に750万ポンドを改修に使うと約束し、最終的に前払い100万ポンドと名目だけの家賃で決着しています。数字だけを見ると、家賃分の250万ポンドがなくなった代わりに、改修の約束額が見積もりより250万ポンド多くなっています。
NAOは、クラウン・エステートが独立した鑑定を取り、合意額は鑑定の推奨範囲内だったとしています。また、敷地内のコテージ3軒は又貸しが認められ、その家賃収入はアンドルー氏に入っていましたが、いくらだったかはNAOにもわからないとしています(2026年4月から空き家)。
23年の受取総額は、近くの家の家賃23年分の約3分の1
同じウィンザーの森にあるフォレスト・ロッジは、ウィリアム皇太子夫妻が2025年7月から年30万7,200ポンドの家賃で借りています(5年ごとに見直し)。この家賃を23年払った場合の約707万ポンドと比べると、クラウン・エステートがロイヤル・ロッジで受け取った正味の総額(約250万ポンド)は約35%です。一方、アンドルー氏が改修費を含めて負担した額(約1,000万ポンド)は、フォレスト・ロッジの家賃23年分を上回ります。
単位はポンド。フォレスト・ロッジは短期の賃貸で改修費はクラウン・エステートの負担(入居前に約40万ポンド)、ロイヤル・ロッジは75年の長期契約で改修は借り手の負担と、契約の形が違うため、あくまで規模感の比較です。
補償より原状回復費が6倍大きかった
ロイヤル・ロッジの契約には、NAOが調べた6件の中で唯一、早く返すと補償がもらえる条項がありました。補償の元になる額は696万ポンドで、最初の25年の間に少しずつ減っていく仕組みです。NAOは、2026年10月30日までの返還なら30万1,967.66ポンドから48万8,342.21ポンドになると試算していました。
実際の補償は約30.2万ポンドで、元の696万ポンドの約4.3%。一方、返還時に払った原状回復費は180万ポンドで、補償の約6倍でした。契約の残りは52年(クラウン・エステートは「50年以上早い返還」と表現)で、今後は2つの不動産会社を通じて新しい使い道を探すとしています。
計算の前提
賃貸期間は、2003年の契約から2026年10月の返還までの23年としました(NAOは2025年10月の返還通知の時点で「75年のうち22年」としています)。受取総額は前払い100万ポンド+原状回復費180万ポンド−補償約30.2万ポンドで、又貸しの収入や税金は含みません。
ベントレーは1日で売れた、王室のお金はどう動く?
インディペンデント(10月16日)によると、英ドンカスターの販売店が「元王室の車」として12万4,975ポンド(約2,618万円)で売りに出したベントレー・フライングスパーは、売りに出た翌日に売れました。走行距離は約7,000マイル。販売店は、希望価格のまま最初に問い合わせてきた客に売ったとし、買い手は明かしていません。販売店の経営者は、王室から直接買ったのではなく第三者を通じて仕入れ、整備記録が珍しかったことから王室の車だとわかったと説明しています。
ベントレーの売却は民間の取引ですが、ロイヤル・ロッジの返還は公的なお金の話です。英王室の公務の費用は、王室交付金(ソブリン・グラント)でまかなわれ、その額はクラウン・エステートの2年前の利益の一定割合で決まります。
- 2025年度(2025年4月〜2026年3月)の王室交付金は1億3,210万ポンド。クラウン・エステートの利益の12%で、2021年度から4年間据え置かれていた8,630万ポンドから53%増えました(うち6,000万ポンドはバッキンガム宮殿の大規模改修分)。
- 2026年度は1億3,790万ポンドの予定です。
- クラウン・エステートは2024年度に11億ポンドの純利益を財務省に納めています(NAO)。
出典は王室交付金の2025年度年次報告です。ロイヤル・ロッジが50年以上早く戻ったことで、クラウン・エステートは「国のために追加の価値を早く生み出せる」としています。新しい借り手からの収入は、財務省に入る利益を通じて、将来の王室交付金の計算にも反映される仕組みです。
英国王室で称号を外された例は?
英議会下院図書館の解説「称号と栄典の剥奪」と1919年3月28日の官報などから、王族が称号を失った主な例をまとめました。
| 年 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| 1917年 | 一部の王族 | 勅許状で「王子・王女」を名乗れる範囲を、国王の子や国王の息子の子などに限定。ヴィクトリア女王のひ孫で3歳だったアラステア王子などが称号を失う |
| 1919年 | オールバニ公、カンバーランド公、ブラウンシュヴァイク公、ターフェ子爵の4人 | 第一次大戦で敵側についたとして、称号はく奪法(1917年)に基づき枢密院の報告で英国の爵位・王子の称号を失う |
| 1937年 | ウィンザー公(退位したエドワード8世)の妻と子 | 本人は「殿下」を保つが、妻と子孫には認めないと決定 |
| 1996年 | 離婚した王子の元妻 | 勅許状で、離婚した元妻は「殿下」を名乗れないと規定(ダイアナ元妃、サラ・ファーガソン氏) |
| 2025年 | アンドルー氏 | 勅許状で「殿下」「王子」を外す。ヨーク公爵は貴族名簿から削除、ガーター勲章なども取り消し |
議会の法律を根拠に称号を取り上げた先例として下院図書館が挙げるのは、称号はく奪法(Titles Deprivation Act 1917)による1919年の例(王族3人と子爵1人)です。この法律は第一次大戦で敵側についた人が対象で、一般的にはく奪できる法律ではありません。英政府は2025年11月、この法律を改正する予定はないとしています。
アンドルー氏の場合は、国王の大権に基づく勅許状(Letters Patent)で「殿下」と「王子」が外されました(官報の告示)。一方、ヨーク公爵という爵位そのものは法的にはまだ残っています。国王の令状で貴族名簿から外され(官報の告示)、公的な文書でその称号で呼ばれることはなくなりましたが、爵位を消すには議会の法律が必要というのが英政府の立場です。
王位継承順位からも外れていません。外すには議会の法律に加え、国王を元首とするほかの英連邦王国の同意が必要です。英政府は2月23日、警察の捜査を待ったうえで「継承順位について行動を取ることを排除しない」と議会で述べ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの政府も支持を表明しています。当サイトが確認した範囲では、10月17日時点で、そのための法案が成立したとの情報は見当たりません。
日本の皇室とはどう違う?日本の読者に関係する点
「元王子が逮捕される」「称号が外される」というニュースは、日本の皇室の仕組みとはかなり違います。皇室典範と宮内庁「皇室の経済」をもとに比べました。
| 項目 | 英国 | 日本 |
|---|---|---|
| 「殿下」などの敬称 | 国王の勅許状(大権)で与え、外せる | 皇室典範23条で「殿下」と定める(法律) |
| 身分を離れる仕組み | 称号の取り消しは勅許状、爵位は法律が必要 | 皇室典範11条:15歳以上の意思、またはやむを得ない特別の事由があるとき、皇室会議の議で皇族の身分を離れる |
| 住まい | クラウン・エステートなどと賃貸契約(家賃・前払い・又貸しの条件が個別) | 皇室財産は国に帰属(憲法88条) |
| 公費 | 王室交付金 2026年度1億3,790万ポンド(約289億円) | 令和8年度 内廷費3億2,400万円+皇族費2億5,529万円+宮廷費120億392万円=約126億円 |
お金の面では、英国の王室交付金(2026年度1億3,790万ポンド)を10月15日のレートで円に直すと約289億円で、日本の皇室費(令和8年度、約126億円)の約2.3倍です。英国の交付金には宮殿の維持費や大規模改修費が、日本の宮廷費には皇居などの施設整備費が含まれ、対象の範囲が同じではないので、規模感の目安としてご覧ください。
日本では、皇族の身分は皇室典範11〜14条の場合に限って離れ、親王(天皇の子や孫にあたる男性皇族)の場合は「やむを得ない特別の事由」があるときに、首相や衆参両院議長などでつくる皇室会議で決めます。英国のように国王の判断で称号だけを外す仕組みはありません。なお、皇族女子が皇族以外の人と結婚すると皇族の身分を離れると定めた皇室典範12条は、7月に公布された改正法により10月24日の施行で削られます。
円換算はイングランド銀行の10月15日の参照レート(1ポンド=209.48円)。9月以降のポンドは1ポンド=208〜217円で動いており、日付によって円換算の額は変わります。
今後の焦点:起訴の判断と押収物の扱い
- 押収物を証拠に使えるか:2027年に非公開の審理。警察は資料が捜査に「相当の価値」を持つことを示す必要があります。
- 起訴するかどうか:判断するのは警察と検察庁(CPS)。PA通信は、起訴の判断までさらに数か月かかる可能性があると伝えています。
- 王位継承順位:英政府は捜査の結果を待つ姿勢で、法案はまだ出ていません。
- ロイヤル・ロッジの次の使い道:クラウン・エステートは、ウィンザーの森を王室の公園・森林として保つ法律上の義務に沿って用途を決め、その後に売り出すとしています。
公職における不正行為は、公的な立場にある人が故意に重大な不正をし、公衆の信頼を裏切ったかどうかが問われる罪で、BBCは立証が難しい罪だと解説しています。アンドルー氏が貿易特使として「公職」にあたるかも含め、捜査の行方が注目されます。
英国の報道(X)
英ラジオ局LBCは10月16日、国王が捜索を阻む可能性を警察が恐れていたことが法的文書でわかったと伝えました。英紙タイムズは、捜索を事前に知らせることは「受け入れがたいリスク」だと警察側が主張していたと報じています。
Police feared King could block searches on Andrew Mountbatten-Windsor's homes, legal documents revealhttps://t.co/k3AGEXzBmF
— LBC (@LBC) October 16, 2026
Officers argued that giving Andrew Mountbatten-Windsor notice of a search carried an ‘unacceptable risk’ https://t.co/77LlK0NzrG pic.twitter.com/GfheXgcV1h
— The Times and Sunday Times (@thetimes) October 15, 2026
アンドルー元王子の捜索についてよくある質問
Q. アンドルー元王子はなぜ逮捕されたのですか?
A. 2026年2月19日、「公職における不正行為」の疑いでテムズバレー警察に逮捕されました。英国の貿易特使だったころに、公式訪問の報告書などをジェフリー・エプスタイン氏に渡したとの疑惑が背景にあります。本人は一貫して否定しています。
Q. アンドルー氏は起訴されたのですか?
A. 2026年10月17日時点で起訴はされていません。逮捕の当日に「捜査継続のまま釈放」され、捜査が続いています。
Q. 捜索令状はなぜ違法とされたのですか?
A. 警察は警察・刑事証拠法の8条と9条で令状を求めましたが、裁判所が8条の令状だけを出しました。特に保護される資料を含む可能性があったため9条で出すべきだったとされ、10月8日に高等法院で取り消されました。捜査そのものは続いています。
Q. 警察が「国王の家」を心配したのはなぜですか?
A. サンドリンガム領地は国王の私有地のため、アンドルー氏側が「家は国王のもので別の許可が必要」と主張すると、立ち入りが遅れ証拠が失われるおそれがあると警察は考えました。弁護側は憶測だと反論しています。
Q. ロイヤル・ロッジの家賃はいくらだったのですか?
A. 2003年の75年契約で、前払い100万ポンドと改修費750万ポンドの約束と引き換えに、家賃は名目だけ(ペッパーコーン)でした。2026年10月の返還時には原状回復費180万ポンドを払い、補償約30.2万ポンドを受け取っています。
Q. アンドルー氏はもう王子ではないのですか?
A. 2025年11月3日の勅許状で「殿下」と「王子」の称号は外れ、アンドルー・マウントバッテン=ウィンザー氏と呼ばれています。ただしヨーク公爵の爵位は法的には残っており、王位継承順位からも外れていません。
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出典・参考資料
- 英会計検査院(NAO):Investigation into residential property arrangements with members of the Royal family(2026年6月5日)
- クラウン・エステート:The Crown Estate confirms the surrender of the lease for Royal Lodge(2026年10月9日)
- ロンドン・ガゼット:勅許状の告示(2025年11月5日)/貴族名簿からの削除(同)/1919年3月28日号
- 英国法令:Titles Deprivation Act 1917/Police and Criminal Evidence Act 1984 section 9
- 英王室・財務省:The Sovereign Grant and Sovereign Grant Reserve Annual Report and Accounts 2025-26
- 英議会下院図書館:The removal of titles and honours(CBP-10370)
- イングランド銀行:ポンド円の参照レート(XUDLJYS、2026年10月15日)
- 宮内庁:皇室の経済/皇族、e-Gov法令検索:皇室典範
- 報道:BBC(10月16日)/BBC(10月8日)/BBC(2月20日)/PA通信・Irish News(10月15日)/The Independent(10月16日)
アイキャッチと本文の写真はWikimedia Commonsのフリーライセンス画像です(アイキャッチ:Alan Hunt、本文:N Chadwick、いずれもCC BY-SA 2.0。トリミング・明るさ調整・文字入れあり)。情報は2026年10月17日時点のもので、捜査中の事案のため今後変わる可能性があります。


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