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モスクワの全空港閉鎖はなぜ?ドローン攻撃が1週間2730機に
モスクワ時間の10月17日未明、首都の4つの空港(シェレメーチエヴォ、ヴヌーコヴォ、ドモジェドヴォ、ジュコーフスキー)がそろって発着を止めました。ロシア側は、ウクライナの無人機(ドローン)による大規模な攻撃だったと発表しています。モスクワの空港が夜通し止まるのは、10月に入って珍しいことではなくなっています。ロシア当局の発表を一つずつ確かめ、モスクワ市長の投稿を2025年1月から集計して、攻撃の規模がどう変わってきたのかを数字で整理します。
この記事の結論
- ロシア航空局によると、10月16日深夜にヴヌーコヴォ・ドモジェドヴォ・ジュコーフスキー、17日2時すぎにシェレメーチエヴォで発着が止まり、モスクワの4空港がそろって閉鎖されました。再開は17日朝7時ごろです(いずれもモスクワ時間)。
- ソビャーニン市長の発表では、17日の0時から朝までに144機、その日の夜までに合わせて195機を「モスクワに向かう途中で撃墜した」とされています。国防省は16日20時〜17日8時に全国で610機を撃墜したと発表しました。
- 市長は17日、10月10日〜17日の1週間で2730機がモスクワ地域に向かったと発表しました。7月以降に公表された週ごとの数字では最多で、1日あたりにすると約390機。7月(約201機)の約2倍です。
- 国防省の「一晩の撃墜数」を集計すると、610機は2025年以降で13番目。最多は9月20日の1110機で、500機を超える夜が8月以降に急増しています。数字はいずれもロシア側の主張で、第三者による確認はありません。
- 日本の航空会社はすでにロシア上空を飛んでおらず、今回の閉鎖で日本発着便が直接止まったわけではありません。外務省はモスクワを含むロシアに危険レベル3(渡航中止勧告)を出し、文書の中で無人機の飛来にも触れています。
撃墜数はロシア当局の発表で、独立した検証はできません。順位・1日あたりの数は、ソビャーニン市長のTelegramとロシア国防省のTelegramの投稿を当サイトが2025年1月分から集計したものです。
モスクワの空港閉鎖、何が起きた?10月16〜18日の時系列
ロシア航空局(Rosaviatsia)は、空港の閉鎖や再開を自前のメッセンジャー「MAX」で発表しています。ここでは、その発表を伝えたインタファクス通信の記事の配信時刻と、ソビャーニン市長のTelegramの投稿時刻をもとに並べました。時刻はモスクワ時間(日本時間より6時間遅れ)です。
- 10/16 23:38ヴヌーコヴォなど3空港が停止ロシア航空局が、ヴヌーコヴォ・ドモジェドヴォ・ジュコーフスキーの3空港で「発着の一時制限」を発表。直前の22時53分には「関係機関と調整のうえで発着」としていました(日本時間17日5時38分)。
- 10/17 0:40市長が最初の撃墜を発表ソビャーニン市長が「モスクワに向かっていた15機を撃墜」と投稿。その後も1時28分に14機、3時8分に15機、5時22分に25機と続きます。
- 10/17 2:16シェレメーチエヴォも停止、4空港すべて止まる航空局がシェレメーチエヴォ、コストロマ、ヤロスラヴリの空港を制限。これでモスクワの主要4空港がすべて止まりました(日本時間8時16分)。
- 10/17 6:46市長「75機を撃墜」一度に75機という発表で、0時からの合計は144機に。市長は「落下した破片の現場で緊急サービスが作業している」と繰り返し、被害の詳細は明らかにしていません。
- 10/17 7:013空港が再開、7:13にシェレメーチエヴォも航空局が制限の解除を発表。4空港がすべて止まっていたのは約4時間45分、ヴヌーコヴォなど3空港は約7時間20分です(発表の時刻から計算)。
- 10/17 8:37国防省「一晩で610機」16日20時〜17日8時に、モスクワ地域を含む15の州・地域とクリミア、黒海の上空で610機を撃墜したと発表しました。
- 10/17 10:3422便がニジニ・ノヴゴロドへモスクワの主な代替空港であるニジニ・ノヴゴロドの空港が、モスクワ行きの22便を受け入れたと発表(インタファクス通信)。
- 10/17 15:30遅れは103便ロシア運輸省がシェレメーチエヴォで対策会議を開き、15時30分時点で到着・出発あわせて103便が遅れていると発表しました。
- 10/17 23:15ヴヌーコヴォとドモジェドヴォが再び停止17日夜も攻撃が続き、2空港が再び閉鎖。市長は23時台に3回、合わせて51機の撃墜を発表しました。
- 10/18 4:552空港が再開航空局が制限を解除。市長の発表では、18日0時からの撃墜は4時42分までに76機になりました。
どの空港が、どれくらい止まったのか
| 空港 | 停止(16〜17日) | 再開 | 17〜18日の夜 |
|---|---|---|---|
| シェレメーチエヴォ | 17日 2:16ごろ | 7:13ごろ | 停止の発表なし |
| ヴヌーコヴォ | 16日 23:38ごろ | 7:01ごろ | 23:15〜翌4:55ごろ |
| ドモジェドヴォ | 16日 23:38ごろ | 7:01ごろ | 23:15〜翌4:55ごろ |
| ジュコーフスキー | 16日 23:38ごろ | 7:01ごろ | 停止の発表なし |
時刻は航空局の発表を伝えたインタファクス通信の配信時刻(停止・シェレメーチエヴォ停止・再開・18日の再開)で、実際の制限の開始・終了とは数分ずれることがあります。
前の晩(15日夜〜16日朝)にも4空港は止まっていました。インタファクス通信が空港の発着案内を数えたところ、16日昼までに出発便だけで200便以上が遅れ、内訳はヴヌーコヴォ120便超、シェレメーチエヴォ80便超、ドモジェドヴォ15便、ジュコーフスキー3便でした(インタファクス通信、10月16日)。つまり17日の閉鎖は「2晩続けて」です。

撃墜数は誰が言っている?ロシアの発表とウクライナの反応
今回の数字は、ほぼすべてロシア当局の発表です。発表する機関によって、数える範囲が違う点に注意が必要です。
| 発表した機関 | 数え方 | 17日前後の数字 |
|---|---|---|
| ソビャーニン市長 | 「モスクワに向かっていた」無人機を撃墜するたびに投稿 | 17日0時〜朝に144機、17日全体で195機(当サイト集計) |
| ソビャーニン市長(週の集計) | モスクワ地域の方向へ飛んできた数と、首都の近くで撃墜した数 | 10月10日8:30〜17日8:30に2730機、うち首都近くで534機 |
| ロシア国防省 | 全国の防空部隊が撃墜した「航空機型」の無人機 | 16日20時〜17日8時に610機、17日8時〜20時に30機 |
| ウクライナ軍参謀本部 | 自軍が攻撃した目標を発表 | モスクワへの攻撃には触れず |
ロシア国防省の17日朝の発表は、撃墜した場所としてレニングラード州、ノヴゴロド州、トヴェリ州、ブリャンスク州、モスクワ地域などを挙げています。ロシア軍のゲラシモフ参謀総長は16日、プーチン大統領への報告で「防空部隊は毎日、敵の無人機の98%以上を撃墜している」と述べつつ、「一部は目標に届いている」とも認めました(インタファクス通信)。
ウクライナ側は何と言っている?
ウクライナ軍参謀本部が17日に出した発表は、ロシア西部ブリャンスク州の鉄道橋や、ロストフ州の無人機メーカーなどへの攻撃を挙げていますが、モスクワ方面への攻撃には触れていません(18日朝までに参謀本部のTelegramで確認できた範囲)。モスクワの空港を止めたのがウクライナの無人機だというのは、あくまでロシア側の説明です。
一方で同じ晩、ロシアもウクライナを大規模に攻撃しています。参謀本部によると、16日18時〜17日朝にロシアは弾道ミサイル、巡航ミサイル、無人機332機でウクライナを攻撃しました(参謀本部の発表)。ゼレンスキー大統領は17日、「ウクライナのエネルギーに対する最大級の攻撃の一つ」で15か所以上の発電・送電施設が狙われたと述べています(大統領のTelegram)。攻撃の応酬が、冬を前に激しくなっていると見られます。
被害ははっきりしない
ソビャーニン市長は17日の投稿で、毎回「落下した破片の現場で緊急サービスが作業している」と書くだけで、モスクワ市内の被害やけが人には触れていません(18日朝時点)。18日にはロシアIT大手VKが、レニングラード州にある同社のデータセンターが無人機に攻撃されたと発表しました(インタファクス通信)。
独自集計①:モスクワ方面の無人機は1日約390機、7月の約2倍に
ソビャーニン市長は2026年7月から、一定の期間に「モスクワ地域の方向へ飛んできた無人機の数」と「そのうち首都の近くで撃墜した数」をまとめて発表するようになりました。市長のTelegramを2025年1月までさかのぼって全件確認し、週ごとの発表を一覧にしました(それ以外の週は発表が見つかりませんでした)。
| 期間(各日8時30分区切り) | モスクワ地域へ向かった無人機 | 首都の近くで撃墜 |
|---|---|---|
| 7月11日夜〜18日 | 1,892機 | 207機 |
| 7月18日〜25日 | 1,401機 | 143機 |
| 8月1日〜8日 | 1,984機 | 82機 |
| 8月8日〜15日 | 1,743機 | 123機 |
| 8月15日〜22日 | 2,652機 | 493機 |
| 8月22日〜30日(8日間) | 1,455機 | 50機 |
| 9月12日〜19日 | 2,022機 | 186機 |
| 10月10日〜17日 | 2,730機 | 534機 |
10月10日〜17日の2730機は、週ごとの発表の中で最も多く、首都の近くでの撃墜(534機)も最多です。それまでの最多は8月15日〜22日の2652機でした。
1日あたりにすると、7月の約2倍
市長は月単位の数字も出しています。期間の長さがそろわないので、1日あたりに直して比べました。
市長発表の「モスクワ地域へ向かった無人機」を期間の日数で割った当サイトの計算(7月6225機÷31日、8月8670機÷31日、9月1日〜10月5日9994機÷34日、10月10〜17日2730機÷7日)。
7月は1日約201機でしたが、8月は約280機、9月〜10月初めは約294機、そして直近の1週間は約390機と、3か月で約2倍になりました。首都の近くで撃墜した数も、7月の1日約25機から直近は約76機に増えています。モスクワに近づく無人機が増えるほど、空港の上空に無人機がいる時間も長くなり、閉鎖が増えると見られます。
「最も大規模な攻撃」は9月20日
一晩の規模で最大だったのは、9月19日夜〜20日朝です。市長は20日朝、「モスクワへの最も大規模な無人機攻撃を退けた」と投稿し、前日からの撃墜は全方面で1600機以上、首都の近くで450機だったとしました(市長の投稿)。このときはモスクワ製油所の敷地に無人機が届き、1機が住宅に当たったとしています(死者なし)。10月の夜ごとの発表は、5日夜〜6日朝が650機(首都の近くで105機)、13日夜〜14日朝が493機(同180機)でした。
撃墜の投稿を1件ずつ足すと、17日は2025年以降で2番目
市長は撃墜のたびに「◯機を撃墜した」と投稿します。2025年1月からの該当投稿1,217件を1件ずつ足し上げ、モスクワ時間の1日ごとに集計しました。17日は195機で、2番目の多さです。
「まとめ」の投稿(週・月の集計や「合わせて約◯機」)は二重に数えないよう除外。市長が個別の投稿をせずに合計だけを出した日(9月20日など)は、実際より少なく出ます。
独自集計②:国防省の「一晩の撃墜数」610機は何番目?
ロシア国防省は毎朝、前夜(主に20時〜翌朝8時)に撃墜した無人機の数をTelegramで発表しています。国防省のTelegramを2025年1月から全件確認し、夜間の発表581夜分を並べると、17日朝の610機は13番目でした。上位はすべて2026年8月以降です。
国防省が「昨夜」または夜間の時間帯(18時以降に始まり翌朝10時までに終わる)として発表した撃墜数。同じ夜に複数の発表がある場合は最大の数を採用。全国の合計で、モスクワ方面だけの数ではありません。
2025年の最多は337機、「500機超」は8月から常態化
2025年に国防省が発表した一晩の最多は、3月11日朝の337機でした。このときは「うちモスクワ州上空で91機」と内訳も出しています。17日の610機は、その約1.8倍です。2025年には一度もなかった「一晩で500機以上」の発表は、2026年6月に初めて現れ、8月以降は24夜に達しました。
国防省の夜間の発表のうち、撃墜数が500機以上だった夜の数(当サイト集計)。
「撃墜数」はロシア側の主張
撃墜数はロシア国防省と市長の発表で、ウクライナ側も第三者も確認していません。撃ち落とせなかった無人機の数や、どこに落ちたのかも発表されません。ここで見ているのは、ロシア当局が「これだけ飛んできた」と公表している数の変化です。
空港閉鎖の影響はどれくらい?乗客と航空会社への波及
ロシア航空局の発表によると、ロシアの空港を利用した人は2026年5〜8月の4か月で7970万人(国内線5920万人、国際線2050万人)。単純に割ると1日あたり約65万人です。首都の空港が止まると、影響は地方にも広がります。16日の閉鎖では、ヴヌーコヴォ行きの便が代替空港に降りたあと、その代替空港でも制限がかかって足止めされたと、ヴヌーコヴォ空港が説明しています(インタファクス通信)。
17日にシェレメーチエヴォで開かれたロシア運輸省の対策会議は、航空会社に対して、遅れた便の乗客に飲み物や食事、ホテルを用意するという連邦航空規則の義務を「無条件に守る」よう指示しました。代替空港の受け入れ能力を見直すことや、SMSで運航状況を知らせることも求めています。代替空港には「十分な燃料がある」としています。裏を返せば、閉鎖のたびに便が地方の空港へ回され、乗客が足止めされる事態が繰り返されているということです。
10月は閉鎖時間が9月の2倍以上に
ロシアの独立系メディア「アゲンツトヴォ」の集計としてメドゥーザ(10月16日)が伝えたところでは、モスクワの4空港が閉鎖された時間は、10月1〜14日だけで合わせて101時間。9月1か月の46時間をすでに倍以上上回っていました。これは15日以降の閉鎖を含まない数字です。
「閉鎖」と「調整のうえで発着」の違い
航空局の発表には2段階あります。「関係機関と調整のうえで発着」は、便ごとに許可を取りながら飛ばす状態で、遅れは出ても空港は動いています。「発着の一時制限」になると、原則として離着陸ができません。17日未明はシェレメーチエヴォを含む4空港すべてが後者になりました。
同じ17日、ルーマニアは黒海上空でドローン2機を撃墜
17日には、NATO加盟国のルーマニアでも無人機の撃墜がありました。ただし、こちらはモスクワとは逆向き、ロシア軍の無人機です。ルーマニア国防省の発表の内容は次のとおりです(時刻は現地時間で、モスクワ時間と同じ)。
- 17時43分、ルーマニア空軍のF-16戦闘機2機がボルチャ基地から緊急発進。蛇島(ズミイヌイ島)の東約120キロを南西に進む複数の飛行物体をレーダーがとらえていた。
- 1機目は17時59分にルーマニア領空に入り、2分後の18時1分、ドナウ川河口の町スリナの南東で撃墜。2機目は18時1分に領空に入り、5分後の18時5分にスリナの東で撃墜。いずれもルーマニアの領海の上空だった。
- 撃墜したのは、ロシアの攻撃用無人機「ゲラン」系のジェット推進型だった。
- この1週間で、ウクライナ側の国境近くを飛ぶ物体を8回探知し、そのうち4回は無人機が短時間ルーマニア領空に入った。黒海では、ルーマニアの領海を含めて商船が無人機に攻撃される例が相次いでいる。
同じ国防省の別の発表では、17日未明にもウクライナ領内から国境に近づく飛行物体があり、北部トゥルチャ県の住民に緊急警報(RO-Alert)が1時54分に送られています。ロシアとウクライナの無人機の撃ち合いが、黒海周辺の第三国の空にも広がっていることがわかります。
日本への影響は?渡航情報と欧州便の飛行時間
外務省はモスクワにも「レベル3」
外務省の危険情報(2025年9月12日)は、ウクライナとの国境周辺にレベル4(退避勧告)、モスクワ市を含むそれ以外の地域にレベル3(渡航中止勧告)を出しています。モスクワなどについては「一般治安の悪化はみられない」としつつ、ロシア軍関係者らを狙った爆弾事件や無人機の飛来が起きていると明記しています。また、ロシアから日本や西欧への直行便がなく、国際送金に制限があり、国際クレジットカードが使えないことも挙げています。2025年9月の改定で「真にやむを得ない事情があれば渡航・滞在は妨げない」とただし書きを変えましたが、今回のように空港が突然止まると、出国の手段がさらに限られるおそれがあります。
日本の航空会社はロシア上空を飛ばない
JALは、モスクワ線とウラジオストク線について「ロシア・ウクライナ情勢の長期化により、現時点では運航する計画がない」としています(JAL「ヨーロッパ・中東出発便 運航のお知らせ」)。日本の航空会社の欧州便は、2022年3月からロシア上空を避けるルートに切り替わっており(Aviation Wire)、今回のモスクワの空港閉鎖で日本発着便が止まったわけではありません。
ただ、遠回りの影響は今も続いています。JALの羽田〜ロンドン線を例に、侵攻前の飛行時間(Aviation Wire、2022年3月15日)と、今年の冬ダイヤ(2025年10月26日〜2026年3月28日)の時刻表から計算した所要時間を比べました。
| 便 | 侵攻前(通常) | 2025〜26年冬ダイヤ | 差 |
|---|---|---|---|
| 羽田→ロンドン(JL43) | 12時間40分 | 14時間25分 | +1時間45分 |
| ロンドン→羽田(JL44) | 11時間55分 | 13時間50分 | +1時間55分 |
冬ダイヤの所要時間は、JALの運航計画の出発・到着時刻(JL43:羽田9時50分発→ロンドン15時15分着、JL44:ロンドン18時30分発→羽田翌17時20分着)を時差(9時間)で換算した当サイトの計算です。
侵攻から4年半以上たっても、羽田〜ロンドン線は片道で約2時間長いままです。JALはモスクワ線の再開も「計画がない」としており、ロシアと欧州の間で無人機をめぐる緊張が高まる中、元のルートに戻る見通しは立っていないと見られます。
今後どうなる?2つの焦点
1. 空港閉鎖は「新しい日常」になるか
市長の公表値では、モスクワ方面に向かう無人機は7月から10月にかけて1日あたり約2倍に増えました。17日夜も2空港が止まっており、冬に向けて閉鎖が繰り返される可能性があります。ロシア側は防空を強めているとしていますが、空港は「撃墜できるかどうか」ではなく「上空に無人機がいるかどうか」で止まるため、撃墜率が高くても運航への影響は避けにくいと見られます。
2. 和平交渉への影響
ゼレンスキー大統領は17日、米国との協議が来週にもありうると述べ、米国が提案する3者会談の場所として中東などが挙がっていると明かしました。一方、プーチン大統領はウクライナとの国境沿いにつくる「安全保障地帯」を交渉の対象にしないと述べています(関連記事)。首都への攻撃と、エネルギー施設への攻撃の応酬が、交渉の条件をさらに難しくするおそれがあります。
モスクワの空港閉鎖・ドローン攻撃のよくある質問
Q. モスクワの空港はなぜ閉鎖されたのですか?
A. ロシア航空局が「飛行の安全を確保するため」として発着を一時的に制限しました。ロシア側は、ウクライナの無人機による大規模な攻撃があったためだと説明しています。10月17日未明は、シェレメーチエヴォ、ヴヌーコヴォ、ドモジェドヴォ、ジュコーフスキーの4空港がすべて止まりました。
Q. 空港はどれくらいの時間止まりましたか?
A. 航空局の発表を伝えた報道の時刻から計算すると、ヴヌーコヴォなど3空港は16日23時38分ごろから17日7時1分ごろまでの約7時間20分、シェレメーチエヴォは2時16分ごろから7時13分ごろまでの約5時間です(モスクワ時間)。17日夜もヴヌーコヴォとドモジェドヴォが約5時間40分止まりました。
Q. ドローンは何機飛んできたのですか?
A. ソビャーニン市長は、17日にモスクワに向かう途中で195機を撃墜したとしています(当サイトが投稿を集計)。国防省は16日20時〜17日8時に全国で610機を撃墜したと発表しました。市長は、10月10日〜17日の1週間で2730機がモスクワ地域に向かったとも発表しています。いずれもロシア側の主張です。
Q. ウクライナは攻撃を認めていますか?
A. ウクライナ軍参謀本部が17日に公表した攻撃の発表には、モスクワ方面は含まれていません(18日朝時点)。ウクライナは、ロシア国内の軍事・エネルギー施設を狙った無人機攻撃を続けていると説明しており、ロシア側はモスクワへの攻撃もその一部だとしています。
Q. 日本からの飛行機に影響はありますか?
A. 日本の航空会社は2022年からロシア上空を飛んでおらず、モスクワ線も運航していないため、今回の空港閉鎖で日本発着便が止まることはありません。ただ、ロシア上空を避けるため、羽田〜ロンドン線は侵攻前より片道で約2時間長くかかっています。
Q. いまモスクワに旅行しても大丈夫ですか?
A. 外務省はモスクワを含むロシアの大部分に危険レベル3(渡航中止勧告)を出しています。無人機の飛来が起きていること、日本への直行便がないこと、国際クレジットカードが使えないことなども理由に挙げており、空港が突然閉鎖されると出国がさらに難しくなるおそれがあります。
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出典・参考資料
- モスクワ市長 セルゲイ・ソビャーニン氏:Telegram(MAXと同じ内容)、10月17日の週間集計の投稿、9月20日の投稿
- ロシア国防省:Telegram 10月17日の発表、同チャンネル
- ロシア運輸省・航空局:10月17日の対策会議、5〜8月の旅客数
- インタファクス通信:3空港の制限(10月16日)、シェレメーチエヴォの制限、制限解除、ニジニ・ノヴゴロドの22便、200便以上の遅れ(10月16日)、ゲラシモフ参謀総長の報告、VKのデータセンター
- ウクライナ軍参謀本部:10月17日の発表、17日夜間の防空/ゼレンスキー大統領:10月17日の投稿
- ルーマニア国防省:10月17日の報道発表
- Meduza「Moscow, St. Petersburg airports halt flights overnight amid drone attacks」(10月16日)
- 外務省 海外安全ホームページ:ロシアの危険情報
- 日本航空:ヨーロッパ・中東出発便 運航のお知らせ/Aviation Wire「JAL欧州便、ロンドン線3/26まで継続 北回りで16時間」(2022年3月15日)
撃墜数の集計・順位・1日あたりの数、飛行時間の差は当サイトの計算で、ロシア当局の数字は独立した検証ができない主張です。ロシア語・ルーマニア語・ウクライナ語の資料は当サイトが日本語に要約しました。写真:アイキャッチ=Alexander Kalashnikov/Wikimedia Commons(CC BY 2.0)、本文=Alf van Beem/Wikimedia Commons(パブリックドメイン)。アイキャッチはトリミング・明るさ調整・文字入れあり。


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