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ソマリア海賊の件数推移|2026年は9月で15件、2013年並みに再燃
結論
- 国際海事局(IMB)によると、ソマリア沖の海賊事件は2026年1〜9月だけで15件。年間でみると、15件は2013年(15件)以来の水準で、2025年(5件)の3倍、2024年(8件)の約2倍です。
- ピークは2011年の237件で、2009〜2011年の3年間で674件ありました。各国の護衛で2015年には0件まで減り、2019〜2022年も0〜1件が続いていました。
- 再燃の背景には、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海・アデン湾での商船攻撃と、それに伴って各国の艦艇が紅海側へ移り、ソマリア沖の監視が手薄になったことが指摘されています。
IMB集計(内閣官房資料・ICC発表・共同通信)。
ソマリア海賊の件数推移(2006〜2026年)
内閣官房が毎年出している「海賊対処レポート」には、IMBが集計した「ソマリア沖・アデン湾及びその周辺」の年別件数が載っています(内閣官房)。2026年は共同通信が伝えたIMBの1〜9月の数字です。
2006〜2025年は内閣官房「2025年 海賊対処レポート」のポイント(出典:International Maritime Bureau)。2026年は1〜9月(共同通信、IMB)。棒の長さは2011年の237件を基準にしています。
2008年に111件と前年の2倍超に跳ね上がり、2009年218件、2010年219件、2011年237件と3年続けて200件を超えました。2012年に75件、2013年に15件と急減し、2015年は0件です。その後は2017年の9件を除いて0〜3件で推移していました。
2026年は9か月で2013年の1年分に並んだ
2026年の15件は1〜9月だけの数字です。2013年以降で年間15件に届いた年はなく、残り3か月を待たずに2013年以来の水準になりました。ただしピーク(237件)と比べれば約6%です。
世界の海賊件数に占めるソマリアの割合
同じ資料にある世界全体の件数と比べると、ソマリア沖がどれほど大きな割合を占めていたかがわかります。
| 年 | ソマリア沖 | 世界全体 | ソマリアの割合 |
|---|---|---|---|
| 2009 | 218件 | 410件 | 53.2% |
| 2010 | 219件 | 445件 | 49.2% |
| 2011 | 237件 | 439件 | 54.0% |
| 2012 | 75件 | 297件 | 25.3% |
| 2013 | 15件 | 264件 | 5.7% |
| 2015 | 0件 | 246件 | 0.0% |
| 2020 | 0件 | 195件 | 0.0% |
| 2023 | 1件 | 120件 | 0.8% |
| 2024 | 8件 | 116件 | 6.9% |
| 2025 | 5件 | 137件 | 3.6% |
| 2026(1〜9月) | 15件 | 51件 | ― |
内閣官房資料(IMB集計)から当サイトが計算。2026年の世界全体はICC発表の1〜9月の件数(ICC)で、ソマリアの15件と集計範囲が同じとは限らないため割合は出していません。
2009〜2011年は、世界で起きた海賊・武装強盗の約半分がソマリア沖でした(2011年は439件中237件で54.0%)。一方、2026年1〜9月の世界全体は51件で、IMBは「1992年以来最も少ない」と発表しています。世界全体は減っているのに、ソマリア沖だけが増えているのが今の特徴です。
2026年に何が起きている?乗っ取り8隻と人質
IMBの2026年1〜9月の報告(ICC国際海事局)では、次の点が挙げられています。
- 世界の51件のうち、船が乗っ取られた(ハイジャック)のは8隻で、いずれもソマリアの海賊によるものです。
- 世界で人質にとられた船員の94%がソマリアの海賊によるものでした。
- 乗っ取られた船の多くは解放され、乗組員は無事と報告されています。ただし4月21日に乗っ取られたパラオ船籍のタンカー「Honour 25」では、解放までに乗組員5人が死亡、5人が負傷したと、ソマリア北東部プントランドの当局が9月下旬に発表しました。
2008〜2013年とは規模が違う
IMBは、今回の事件は「2008〜2013年のソマリア海賊の時代のような、遠洋まで出ていく規模や行動範囲とは比べられない」としています。共同通信が取材した識者も、ピーク時に戻る可能性は低いとしつつ「今後も散発的に事件が起きるだろう」とみています(共同通信)。
なぜ再燃した?フーシ派と監視の手薄
共同通信によると、背景は中東情勢の混乱です(共同通信)。
- フーシ派の商船攻撃:パレスチナ自治区ガザで戦闘が始まった後、ソマリアの対岸イエメンの親イラン武装組織フーシ派が、紅海やアデン湾で商船などを攻撃しました。2026年9月には紅海の出入り口のバベルマンデブ海峡周辺を掌握しています。
- 艦艇が紅海へ:欧米メディアによると、各国は部隊の一部を紅海に移し、ソマリアの海賊に対する監視が手薄になりました。
- 根本原因は未解決:内閣官房のレポートも「海賊を生み出す根本的な原因は未だ解決しておらず、依然予断を許さない」としています。
件数の推移で見ると、ガザでの戦闘開始の翌年にあたる2024年に8件へ増え、2025年は5件、2026年は9月までで15件と増えています。
日本の海賊対処|自衛隊の派遣は2027年11月まで延長
日本は2009年6月に海賊対処法を成立させ、同年7月から海上自衛隊がソマリア沖・アデン湾で護衛と警戒監視をしています。内閣官房のレポートにある2025年の実績は次のとおりです。
| 活動 | 2025年 | 累計 |
|---|---|---|
| 護衛艦による護衛 | 0回(0隻) | 877回(3,955隻) |
| P-3C哨戒機の飛行 | 148回 | 3,517回 |
| 確認した商船 | 4,709隻 | 291,960隻 |
| 他国などへの情報提供 | 186回 | 16,591回 |
内閣官房「2025年 海賊対処レポート」のポイント(2026年3月)。
護衛艦が商船に付き添う直接護衛は2025年は0回で、哨戒機による監視と情報提供が中心です。政府は11月6日の閣議で「海賊対処行動に係る内閣総理大臣の承認」と「中東地域における日本関係船舶の安全確保に関する政府の取組の一部変更」を決定しました(首相官邸)。共同通信によると、海上自衛隊の派遣は2027年11月19日まで1年間延長されます。
ソマリア海賊のよくある質問
Q. ソマリア海賊は2026年に何件起きていますか。
A. 国際海事局(IMB)によると、2026年1〜9月に15件です。2025年は年間5件、2024年は8件でした。
Q. ソマリア海賊が最も多かったのはいつですか。
A. 2011年の237件です。2009年は218件、2010年は219件で、この3年間で674件ありました。
Q. なぜソマリア海賊が再び増えているのですか。
A. イエメンのフーシ派による紅海・アデン湾での商船攻撃を受けて各国の艦艇の一部が紅海に移り、ソマリア沖の監視が手薄になったことが背景として指摘されています。
Q. 世界の海賊は増えていますか。
A. 世界全体では減っています。IMBによると2026年1〜9月は51件で、1〜9月としては1992年以来最も少ない水準です。増えているのはソマリア沖です。
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出典・参考資料
- 内閣官房:「2025年 海賊対処レポート」のポイント(2026年3月、PDF)
- ICC:Maritime piracy incidents remain at historic lows despite Somali piracy concerns(2026年10月)
- 首相官邸:閣議(2026年11月6日)
- 共同通信:ソマリアの海賊問題が再燃 中東情勢の混乱影響、今年15件(2026年11月7日)
アイキャッチ写真は、2010年5月にアデン湾で海賊行為への関与が疑われた小型ボートを調べる米海軍の臨検チームです。写真:U.S. Navy/Wikimedia Commons(パブリックドメイン)。明るさ調整・文字入れあり。


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