将棋|白玲戦
西山朋佳が女性初の棋士資格|白玲5期の新規定と行使したらどうなるか
将棋の西山朋佳白玲(31)が2026年10月10日、金沢市で指された第6期白玲戦七番勝負の第5局で福間香奈女流四冠に勝ち、4勝1敗で防衛しました。白玲の獲得は通算5期となり、日本将棋連盟が2025年に設けた新しい規定で、女性として初めて「棋士」になる資格を得ました。どんな規定なのか、資格を使うとどうなるのか、これまで女性が棋士を目指した道のりとあわせて整理します。
この記事の結論
- 西山白玲は第6期白玲戦を4勝1敗で防衛し、白玲を通算5期獲得しました。2025年6月の棋士総会で承認された規定により、白玲を通算5期獲得した人には「フリークラス棋士」への編入資格が与えられます。適用されたのは今回が初めてです。
- 資格を使うかどうかは2週間以内に判断します。使えば2027年4月1日付でフリークラスの四段となり、女流棋士と兼ねて活動する見込みです。本人は対局後、すぐに答えを出せる状況ではないと話しています。
- 女性はこれまで、奨励会の三段リーグと棋士編入試験という2つの道に挑んできました。西山白玲は三段リーグで14勝4敗の次点、編入試験は2勝3敗と、どちらもあと一歩で届きませんでした。
- フリークラスは名人につながる順位戦に参加しないクラスで、規定の成績を上げればC級2組に上がれます。10年以内に条件を満たせないと棋士としては引退になる決まりです。
西山白玲が女性初の棋士資格|何が決まった?
白玲戦は、全女流棋士が参加する女流順位戦の優勝者と白玲が七番勝負を戦う、女流棋戦の最高峰です。優勝賞金は4000万円です。第6期の七番勝負は、西山白玲が第1・3・4局に勝ち、10月10日の第5局も制して4勝1敗で防衛を決めました。
| 期 | 白玲 | 成績 | 相手 |
|---|---|---|---|
| 第1期(2021年) | 西山朋佳 | 4勝0敗 | 渡部愛 |
| 第2期(2022年) | 里見香奈 | 4勝3敗 | 西山朋佳 |
| 第3期(2023年) | 西山朋佳 | 4勝3敗 | 里見香奈 |
| 第4期(2024年) | 西山朋佳 | 4勝2敗 | 福間香奈 |
| 第5期(2025年) | 西山朋佳 | 4勝2敗 | 福間香奈 |
| 第6期(2026年) | 西山朋佳 | 4勝1敗 | 福間香奈 |
日本将棋連盟「ヒューリック杯白玲戦・女流順位戦」の歴代結果と第6期の星取りから作成。里見香奈女流は2024年から福間香奈の名前で活動している同じ人物です。
第2期以降の七番勝負はすべて、女流棋界の二強である里見(福間)香奈女流との対戦でした。第2期で一度失冠したあと、第3期で奪い返してから4連覇です。今回の防衛で、永世称号の「クイーン白玲」の資格も得ています。
女性が棋士になる3つのルート|これまでの挑戦
将棋の「棋士」と「女流棋士」は別の制度です。棋士はこれまで全員が男性で、女性が棋士になるには、男性と同じ奨励会を勝ち抜くか、編入試験に合格するしかありませんでした。
| ルート | しくみ | 女性の挑戦 |
|---|---|---|
| 奨励会(三段リーグ) | 棋士の養成機関。三段リーグで上位2人に入ると四段(棋士)に | 西山白玲は2016年度前期から三段リーグに参加。2019年度後期に14勝4敗で並びながら、前期の成績の差で次点。2021年に女流棋士に転向。福間香奈女流も三段まで進んだ経験がある |
| 棋士編入試験 | 公式戦で好成績を上げたアマチュアや女流棋士が、新人棋士5人と対局し3勝で合格 | 2022年に里見(福間)香奈女流が0勝3敗、2024〜25年に西山白玲が2勝3敗で、いずれも不合格 |
| 白玲通算5期(2025年〜) | 白玲を通算5期獲得するとフリークラス棋士への編入資格 | 2026年10月、西山白玲が初めて資格を獲得 |
時事通信・神戸新聞・共同通信などの報道、日本将棋連盟の発表から作成。
三段リーグで藤井聡太と同期、あと一歩の次点
時事通信によると、西山白玲は三段リーグに初めて参加した2016年度前期、藤井聡太現六冠と同期でした。最終日の18局目で直接対戦し、勝った藤井少年が史上最年少で四段に上がっています。その後、2019年度後期には14勝4敗の好成績を挙げましたが、3人が同じ成績で並び、前期の成績の差で昇段を逃しました。
「資格3回で棋士」案は2026年6月に否決
連盟の棋士総会では2026年6月、女流棋士やアマチュアが編入試験の受験資格を通算3回得たら棋士にする案が出されましたが、反対多数で否決されています(時事通信)。今回の白玲5期の規定は、それとは別に2025年6月に承認されたものです。
棋士の資格を行使したらどうなる?
西山白玲は資格を得た日から2週間以内に、権利を使うかどうかを連盟に示す必要があります。報道によると、使った場合の扱いは次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 棋士になる日 | 2027年4月1日付(報道) |
| 段位・クラス | フリークラスの四段。名人につながる順位戦には参加しない |
| 出られる棋戦 | 順位戦以外の棋士の公式戦(竜王戦・王位戦など)。女流棋戦にも引き続き出場する見込み |
| C級2組に上がる条件(いずれか) | ①年間で「参加棋戦数+8」勝以上かつ勝率6割以上 ②良いところ取りで30局以上の勝率6割5分以上 ③年間対局数が「(参加棋戦数+1)×3」局以上 ④全棋士参加棋戦の優勝またはタイトル挑戦 |
| 引退の規定 | 条件を満たせないまま、編入から10年(4月1日付の場合は満10年)がたつか、満60歳の誕生日を迎えた年度が終わると引退 |
日本将棋連盟「順位戦について」のフリークラス棋士の規定、ABEMA TIMES・共同通信の報道から作成。白玲5期による編入者に個別の細則がある場合は、連盟の発表が優先します。
フリークラスは、三段リーグで2回次点になった人や、編入試験の合格者などが入るクラスです。棋士の公式戦は持ち時間が長く、対局数も増えるため、女流棋戦との両立が大きな課題になります。日刊スポーツによると、西山白玲は対局後、行使について「想定のお答えはできません」と話しました。
判断の期限は10月24日ごろ
資格を得た10月10日から2週間以内が期限です。棋士になれば、1924年に前身の団体ができた日本将棋連盟の約100年の歴史で、初めての女性棋士となります。
西山白玲の棋士資格の報道(X)
朝日新聞将棋取材班は、資格獲得の速報と、対局後のインタビューで棋士になるかを明らかにしなかったことを続けて伝えました。
朝日新聞将棋取材班 @asahi_shogi・2026年10月10日 17:31村)西山朋佳白玲が女性で初めて「棋士」の資格を獲得しました。白玲戦第5局で福間香奈女流四冠を破り、4勝1敗でタイトルを防衛。「白玲通算5期獲得で棋士資格」の基準を満たしました。Xで元の投稿を見る
朝日新聞将棋取材班 @asahi_shogi・2026年10月10日 17:47村)西山朋佳白玲、対局後のインタビューで「資格を獲得したが、棋士になるのか」と問われましたが、棋士になる意思があるかどうかについては明らかにしませんでした。今後、別の場で棋士になるかどうかについて表明することになります。Xで元の投稿を見る
西山白玲と棋士資格のよくある質問
Q. 西山朋佳白玲はなぜ棋士の資格を得たのですか?
A. 白玲のタイトルを通算5期獲得したためです。日本将棋連盟は2025年6月の棋士総会で、白玲を通算5期獲得した人にフリークラス棋士への編入資格を与える規定を承認しました。2026年10月10日に第6期白玲戦で防衛して5期目となり、初めての適用になりました。
Q. 西山白玲はいつ棋士になりますか?
A. 資格を使うかどうかは、獲得から2週間以内に判断します。使う場合、2027年4月1日付でフリークラスの四段になると報じられています。本人は対局後、すぐに答えは出せないと話しています。
Q. フリークラスとは何ですか?
A. 名人への挑戦権を争う順位戦に参加しない棋士のクラスです。順位戦以外の公式戦には出られます。年間の勝ち数や勝率などの規定を満たせばC級2組に上がり、順位戦に参加できます。
Q. これまでに女性の棋士はいましたか?
A. いません。女性は奨励会の三段リーグや棋士編入試験に挑んできましたが、2022年の里見(福間)香奈女流、2024〜25年の西山白玲の編入試験はいずれも不合格でした。西山白玲が資格を使えば、初めての女性棋士になります。
Q. 棋士と女流棋士の違いは何ですか?
A. 別々の制度です。棋士は奨励会などを経て四段以上になった人で、順位戦やタイトル戦などに出場します。女流棋士は女性だけの制度で、女流棋戦を中心に活動します。資格を使った場合、西山白玲は両方を兼ねる見込みです。
Q. 白玲戦の優勝賞金はいくらですか?
A. 日本将棋連盟の棋戦ページによると、優勝賞金は4000万円です。白玲戦は全女流棋士が参加する女流順位戦と一体になった、女流棋戦の最高峰です。
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出典・参考資料
- 日本将棋連盟:ヒューリック杯白玲戦・女流順位戦(歴代結果・第6期七番勝負・優勝賞金)、順位戦について(フリークラス棋士の昇級・引退規定)
- ABEMA TIMES:西山朋佳白玲、女性初の「棋士」資格を獲得!白玲防衛で通算5期、新規定を初適用(2026年10月10日)
- 時事通信:奨励会で不運も力伸ばす 「剛腕」西山女流四冠(2026年10月10日)、「『資格3回で棋士』否決 女流らの編入試験」(2026年6月)
- 日本経済新聞「西山朋佳白玲、将棋史上初の女性棋士資格 権利行使は保留」、日刊スポーツ、共同通信(2026年10月10日)
- 神戸新聞:女性初の将棋棋士誕生ならず 里見女流五冠、編入試験に不合格(2022年10月)
内容は2026年10月10日夜時点の情報にもとづきます。七番勝負の通算成績は連盟の歴代結果から筆者が計算しました。アイキャッチ画像は自作です。


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