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磁気乗車券の廃止はいつから?鉄道7社が2027年春にQR乗車券へ
JR東日本、京成電鉄、京浜急行電鉄、仙台空港鉄道、東京モノレール、東武鉄道、北総鉄道の7社は10月13日、自動改札機に入れる「裏が黒いきっぷ」(磁気乗車券)をやめ、2027年春からQRコードを印刷した「QR乗車券」に置き換えると発表しました。きっぷは券売機で買えますが、改札では「入れる」から「かざす」に変わり、大きさも約2.8倍になります。2024年5月の8社発表から何が決まったのか、各社の発表資料で整理し、JR東日本の環境報告書から「使用済みきっぷ」の量がどれだけ減ってきたかも集計しました。
この記事の結論
- 京成・京急・仙台空港鉄道・東京モノレール・東武・JR東日本・北総の7社が、2027年春からQR乗車券のサービスを始めます。7社の全路線・全駅が対象です。
- きっぷは今までどおり券売機で買えます。改札では自動改札機のQRリーダーにかざして入り、出るときもかざしてから回収箱に入れます。
- きっぷは小型券(30×57.5mm)から大型券(57.5×85mm)になり、面積は約2.8倍です。
- 2024年5月の発表は「8社・2026年度末以降、順次」でした。今回は西武鉄道が入らず、仙台空港鉄道が加わって7社に。新京成電鉄は京成電鉄に合併しています。
- JR東日本の環境報告書によると、回収した使用済みきっぷは1999年度の約900トンから2016年度は292トンへ約3分の1に減りました。裏の磁気層(鉄粉)を分ける手間をなくすことも、置き換えの理由に挙げられています。
回収量はJR東日本の社会環境報告書の各年版から当サイトが集計。約8%は国土交通省の2013年の資料によります。
磁気乗車券の廃止はいつから?7社の発表内容
7社の共同発表(10月13日)の要点は次のとおりです。
- 時期:2027年春からQR乗車券のサービスを開始。2027年度以降に始める会社は、決まり次第各社が発表します。
- 対象:7社の全路線・全駅。ただし、駅に置かれた機器によって使い方が異なります。
- 大きさ:券売機で出るQR乗車券は、一部を除き大型券(57.5×85mm)。
- 使い方:自動改札機にかざして利用し、駅を出るときは自動改札機に付いた回収箱に入れます。QR乗車券に対応した自動改札機がない駅では、有人窓口を使います。
- その他:使い方の詳しい内容や、磁気乗車券などのサービスの変更は、決まり次第各社がお知らせ。相互直通運転などで関係する他社とは調整中です。
会社ごとに分かっていること
| 会社 | 開始 | 分かっていること(10月13日時点) |
|---|---|---|
| JR東日本 | 2027年春 | 近距離のきっぷ(オレンジ色の用紙)をQR乗車券に置き換え、磁気乗車券を廃止していく(6月9日発表)。東京〜大阪のような長距離のきっぷ(水色の用紙)は対象外と同社広報(鉄道コム) |
| 東武鉄道 | 2027年3月 | 普通乗車券・入場券・割引回数乗車券・企画乗車券をQR乗車券に。企画乗車券は一部を除きスマホで使うデジタル企画乗車券に移り、券売機での発売を終える。株主優待乗車証は引き続き発行(東武のお知らせ) |
| 京浜急行電鉄 | 2027年春 | 泉岳寺駅を除く京急線の各駅で、普通乗車券・障がい者用割引回数乗車券・通学用割引回数乗車券・企画乗車券(おトクなきっぷ)の磁気券の発売を終える(鉄道コム) |
| 京成電鉄 | 2027年春 | 共同発表のとおり。券種ごとの扱いは決まり次第お知らせ |
| 北総鉄道 | 2027年春 | 共同発表のとおり(北総鉄道のニュースリリース) |
| 東京モノレール | 2027年春 | 共同発表のとおり |
| 仙台空港鉄道 | 2027年春 | 共同発表のとおり。2024年の8社には入っていなかった会社 |
東武は同日のお知らせ、JR東日本は6月9日の発表、京急は共同発表と同日の案内(鉄道コムの報道による)から作成。京成・北総・東京モノレール・仙台空港鉄道の個別の扱いは、10月13日時点で共同発表以上の内容が確認できませんでした。
2024年5月の8社発表と何が違う?
磁気乗車券をQR乗車券に置き換える方針は、2024年5月29日の8社共同発表で示されていました。今回の発表と並べると、参加する会社と、具体的な時期・使い方が変わっています。
| 項目 | 2024年5月29日(8社) | 2026年10月13日(7社) |
|---|---|---|
| 参加する会社 | 8社:京成・京急・新京成・西武・東京モノレール・東武・JR東日本・北総 | 7社:京成・京急・仙台空港鉄道・東京モノレール・東武・JR東日本・北総 |
| 開始時期 | 2026年度末以降、順次 | 2027年春から(2027年度以降に始める会社は別途) |
| 対象 | 各社が券売機で出す普通乗車券(近距離券) | 7社の全路線・全駅でQR乗車券を利用可能 |
| 改札の通り方 | 出改札機器のQRリーダーに「タッチ」 | 自動改札機にかざす。出場時は回収箱へ |
| きっぷの大きさ | 記載なし | 一部を除き大型券(57.5×85mm) |
| 対応改札機がない駅 | 記載なし | 有人窓口を利用 |
| しくみ | 8社共用のQR乗車券管理サーバーで管理。会社をまたぐQR乗車券も発券できる | (共同発表には記載なし) |
8社から7社になったのは、新京成電鉄が京成電鉄に合併したことと、西武鉄道が今回の発表に入っていないためです。代わりに、宮城県の仙台空港鉄道が新たに加わりました。西武鉄道の今後の扱いは、今回の発表からは分かりません。共同発表は「2027年度以降にサービスを開始する事業者については、決まり次第各社よりお知らせ」としています。
2024年の発表が挙げた3つの理由
①磁気乗車券用の機構が複雑で鉄道専用の技術が多く、改札機・券売機を中長期的に維持するには持続可能なシステムへの移行が必要、②磁気乗車券の用紙は金属を含み、リサイクルで磁気層の分離・廃棄が必要、③券詰まりなどの故障を減らし、メンテナンスをしやすくする――の3点です。
QR乗車券で何が変わる?きっぷの買い方・改札・定期券
| 項目 | 2027年春以降 |
|---|---|
| きっぷの買い方 | 変わらない。これまでどおり駅の券売機で買えます |
| 改札の入り方 | 変わる。きっぷを改札機に入れるのではなく、QRコードを読み取り部にかざします |
| 改札の出方 | 変わる。かざした後、改札機に付いた回収箱にきっぷを入れます。改札機が自動で回収するわけではありません |
| きっぷの大きさ | 変わる。小型券(30×57.5mm)から大型券(57.5×85mm)へ |
| Suica・PASMO | 変わらない。各社は交通系ICカードやモバイルSuica・モバイルPASMOを中心にするとしています |
| 回数券・企画券 | 会社による。東武は割引回数乗車券もQR化し、企画乗車券はデジタル化。京急は磁気の回数乗車券・企画乗車券の発売を終える |
| 長距離のきっぷ(JR) | 今回の対象外。JR東日本のQR化は近距離乗車券が対象で、長距離の乗車券は対象外と同社広報(鉄道コム) |
| 定期券 | 共同発表に記載なし。各社の発表を待つ必要があります |
| 対応改札機がない駅 | 有人窓口で対応。詳細は各社が発表予定 |
7社共同発表・東武鉄道のお知らせ・JR東日本の6月9日発表と、鉄道コムの報道から作成。

コピーしたQRコードで乗れないの?
QRコードは紙に印刷するだけで作れるため、コピーされやすいという弱点があります。鉄道コムの取材に対しJR東日本は、きっぷの使用状態をサーバーで管理し、同じQRコードで何度も通ろうとしても改札機で止める仕組みにすると説明しています。2024年の8社発表も、入場・出場などの利用状態を共用のQR乗車券管理サーバーで管理するとしていました。
気をつけたい「直通運転」と「改札機のない駅」
首都圏の鉄道は、京成・京急と都営浅草線のように他社線へ乗り入れる路線が多くあります。7社は相互直通運転などで関係する他社と「必要な調整を進めている」段階で、7社以外の会社の駅で降りる場合の扱いはまだ決まっていません。また、QR乗車券に対応した自動改札機がない駅では、有人窓口を使うことになります。普段からきっぷを使う人は、2027年春までに各社の詳しい発表を確認しておくと安心です。
磁気乗車券はなぜ廃止?JR東の使用済みきっぷは17年で3分の1
磁気乗車券の裏が黒いのは、情報を記録するための鉄粉(磁性体)が塗られているためです。JR東日本の社会環境報告書は、回収した切符を製紙工場に送り、裏面の鉄粉を分離してからトイレットペーパーや段ボール、名刺用紙に再生していると説明しています。手間はかかりますが、リサイクルそのものはほぼ100%できています。
同社は2000年版から2017年版までの報告書で、毎年の「使用済み切符の回収量」を公表していました。当サイトが各年版から数字を拾うと、次のようになります。
JR東日本が回収した使用済みきっぷの量(年度)
JR東日本「社会環境報告書」2000〜2017年版の本文の記載(例:「2016年度には回収量292トンすべてをリサイクルしました」)から当サイトが集計。1999・2001年度は「約」の表記。2000・2002年度は記載を確認できず省略。2018年版以降はトン数の記載がなくなりました。
1999年度の約900トンから、2016年度は292トンへ。17年で約68%減り、およそ3分の1になりました。Suicaが始まったのは2001年11月で、2005年度(666トン)からの11年でも約56%減っています。
定期券は先にICへ:磁気定期券は6年で6割減
定期券の動きはさらに速く、2005年版・2007年版の報告書によると、JR東日本の磁気定期券の年間発行枚数は2000年度の約2,660万枚から、2004年度は約1,500万枚、2006年度は約1,710万枚減りました。差し引くと2006年度は約950万枚で、6年で約64%減った計算です。Suica定期券は書き換えて繰り返し使えるため、捨てられる券そのものが減りました。
きっぷを使う人は1割に満たない
国土交通省が2013年に示した資料では、JR東日本と首都圏の大手私鉄で「現金(磁気券)利用が約8%、定期利用が約60%」、定期券以外の乗車で交通系ICカードを使う人は首都圏で約8割とされています。つまり、改札を通る人の9割以上は、すでに磁気のきっぷを使っていません。
使う人が少ないのに、磁気券を読むための複雑な機構は改札機と券売機の全台に必要です。少数派のために、券詰まりしやすく専門性の高い機械を維持し続けるのは難しい――。2024年の8社発表が「持続可能なシステムへの移行」を第一の理由に挙げたのは、こうした事情があると見られます。
数字を見るときの注意
回収量はJR東日本の全エリアで回収した切符の重さで、首都圏の近距離きっぷだけの数字ではありません。また、トン数の推移は利用者数の増減やきっぷの種類の変化の影響も受けます。2017年度以降の回収量は公表されていないため、コロナ禍以降の変化は追えません。
QR乗車券はほかの鉄道でも始まっている?
首都圏では、7社より先に磁気乗車券をやめた鉄道があります。乗りものニュースなどの報道によると、つくばエクスプレスは2026年9月30日で磁気乗車券の発売を終え、10月1日からQR乗車券に切り替えました。鉄道コムは、沖縄のゆいレールがQRコードの近くに特殊なインクを塗って複製を防いでいる例も紹介しています。
JR東日本は6月9日の発表で、近距離きっぷのQR化と交通系ICカードによるチケットレス化をあわせて進め、券売機のスペースを整理・統合して新しい価値を生む空間に変える「駅のリデザイン」を進めるとしています。
鉄道7社の発表と報道(X)
JR東日本の公式アカウントも、7社そろってQR乗車券を始めることを告知しています。
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鉄道7社は2027年春からQR乗車券サービスを開始します
\JR東日本、京成電鉄、京浜急行、仙台空港鉄道、東京モノレール、東武鉄道、北総鉄道は、2027年春から、QRコードを使用した乗車券へ置き換え、きっぷのご利用方法を変更いたします。… pic.twitter.com/gfZDtLch9y
— JR 東日本ニュースリリース【公式】 (@JREast_News) October 13, 2026
JR東など鉄道7社が「磁気乗車券」廃止へ 27年春から「QR乗車券」導入 https://t.co/zRRStL8ddo pic.twitter.com/Fq1wSgFopD
— Impress Watch (@impress_watch) October 13, 2026
磁気乗車券の廃止とQR乗車券のよくある質問
Q. 磁気乗車券はいつ廃止されますか?
A. 京成・京急・仙台空港鉄道・東京モノレール・東武・JR東日本・北総の7社は、2027年春からQR乗車券を始め、磁気乗車券から置き換えると発表しました(2026年10月13日)。東武は2027年3月としています。細かい日程は各社が今後発表します。
Q. QR乗車券はどこで買えますか?
A. これまでどおり駅の券売機で買えます。券売機から出るQR乗車券は、一部を除き大型券(57.5×85mm)になります。
Q. QR乗車券で改札はどう通りますか?
A. 自動改札機のQRリーダーにきっぷのQRコードをかざして入ります。出るときもかざしてから、改札機に付いた回収箱にきっぷを入れます。対応する改札機がない駅では有人窓口を使います。
Q. SuicaやPASMOは使えなくなりますか?
A. 使えなくなりません。7社は、Suica・PASMOなどの交通系ICカードやモバイルSuica・モバイルPASMOを中心に、利便性を高めていくとしています。今回変わるのは紙の磁気乗車券です。
Q. 新幹線や長距離のきっぷも変わりますか?
A. JR東日本のQR化は近距離乗車券が対象で、東京〜大阪のような長距離の乗車券は今回の対象外だと同社は説明しています(鉄道コムの報道)。
Q. 2024年の発表と何が違いますか?
A. 2024年5月は8社で「2026年度末以降、順次」でした。今回は西武鉄道が入らず、仙台空港鉄道が加わった7社で、開始は2027年春、全路線・全駅が対象、大型券・回収箱・有人窓口などの具体的な使い方が示されました。新京成電鉄は京成電鉄に合併しています。
Q. なぜ磁気乗車券をやめるのですか?
A. 磁気券用の改札機・券売機の機構が複雑で維持が難しいこと、用紙に金属が含まれリサイクル時に磁気層の分離・廃棄が必要なこと、券詰まりなどの故障を減らすことが理由です。JR東日本の使用済みきっぷの回収量は1999年度の約900トンから2016年度は292トンに減っており、利用者自体も少なくなっています。
あわせて読みたい
出典・参考資料
- 鉄道7社:鉄道事業者7社 QR乗車券のサービス開始について(2026年10月13日・PDF)(京急掲載版)
- 鉄道8社:鉄道事業者8社による磁気乗車券からQRコードを使用した乗車券への置き換えについて(2024年5月29日・PDF)
- 東武鉄道:磁気乗車券をQR乗車券に移行します!(2026年10月13日・PDF)
- JR東日本:新たな技術イノベーションにより、駅におけるお客さまサービスを高度化します(2026年6月9日・PDF)
- JR東日本:社会環境報告書 2000〜2017年版(2005年版、2017年版ほか)
- 国土交通省:鉄道・バスにおける具体的な端数処理の方法(2013年・PDF)
- 鉄道コム:鉄道7社、2027年春にQR乗車券サービスを開始、京急、2027年春に磁気乗車券の発売を終了、JR東の「QR乗車券」、不正利用対策は?
使用済みきっぷの回収量・磁気定期券の枚数の推移は、JR東日本の報告書の記載から当サイトが集計したものです。写真:アイキャッチ=Mister0124、本文=掬茶/Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)。アイキャッチはトリミング・明るさ調整・文字入れあり。


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