国際・環境
生物多様性COP17が合意、でも「お金」は足りないまま
アルメニアの首都エレバンで開かれていた国連の生物多様性条約第17回締約国会議(COP17)が、予定の会期を延長して主要な決定を採択しました。2022年に決めた世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」の初めての進み具合の点検が今回の柱です。何が決まり、何が決まらなかったのか。条約事務局の報告書と決定案、環境省の発表を読み、23の目標の進み具合と資金の実績を表にまとめました。
この記事の結論
- 会議は現地時間10月30日(金)までの予定でしたが延長され、BBCは31日(土)未明に主要部分で合意したと伝えました。AFP通信(Le Monde)は30日に採択されたと報じています。最終的な決定文は、31日時点でまだ公表されていません。
- 柱は世界目標の初めての点検(グローバルレビュー)です。条約事務局の報告書の採点では、23目標のうち「最も進んでいる」は目標8(気候変動の影響を抑える)の1つだけで、「最も遅れている」が3つ、「遅れている」が14つでした。
- 途上国向けの国際資金は「2025年までに年200億ドル」が目標ですが、2023年の実績はOECDの推計で約168億ドル(目標の84%)。報告書は2025年の目標は「おそらく達成されなかった」としています。
- 条約事務局のデータベースで数えると、新しい世界目標に沿った国家戦略(NBSAP)を出した政府・地域機関は120(EUを含む)で、10月だけで16件の提出がありました。
- 日本では、民間などが守る「自然共生サイト」が10月30日の認定で合計700か所になりました。保護地域とOECMを合わせた割合は陸21.0%、海13.3%です(環境省)。次回COP18は2028年にエクアドルの首都キトで開かれる予定です。
COP17の合意で何が決まった?主な決定と分かっていること
COP17は2026年10月19日から30日まで、アルメニアの首都エレバンで開かれました。生物多様性条約のほか、遺伝子組み換え生物の取り扱いを定めたカルタヘナ議定書、遺伝資源の利益配分を定めた名古屋議定書の会合も同時に行われています(環境省)。
BBCによると、交渉は予定の終了時刻を過ぎても続き、現地時間31日(土)の未明に行動計画の主要部分で合意しました。議長のハンバルズム・マテボシャン環境相は「これで終わりです。完璧です」と述べて採択を宣言しています。AFP通信の記事(Le Monde掲載)は、30日に約200か国が合意を採択したと伝えており、報道によって日付の書き方が分かれています。いずれも、延長された深夜の本会議での採択とみられます。
AFPは、採択された文書の最終版はすぐには公表されなかったとしています。そこでこの記事では、会議の公式文書ページに掲載された決定案(「L文書」と呼ばれる、本会議に出された最終段階の案)を読み、主な中身を整理しました。COP17の会議文書のうちL文書は32本あります。
| 議題 | 文書 | 決定案の主な中身 |
|---|---|---|
| 世界目標の進み具合の点検(グローバルレビュー) | L.15 | このままでは2030年の目標は達成できないと「深い懸念」を示し、実施を加速する「エレバン・パスウェイ(道筋)」を定める。国家戦略を未提出の国に早期提出を求める。 |
| 資金の動員 | L.29 | 目標19の達成には「さらなる努力が必要」と確認。新しい資金の仕組み(基金)を新設するか既存の基金を使うかは、COP18で決める。先進国以外の国にも、資金を出す側のリストに入る意思を自主的に示すよう呼びかける案を含む。 |
| 遺伝情報(DSI)の利益配分・カリ基金 | WGI/CRP.19 | 仕組みをさらに作り込むための作業部会を設け、COP18に提案させる(作業部会段階の案)。 |
| 次回の開催地 | L.32 | COP18を2028年の第4四半期にエクアドルのキトで開く。 |
CBD会議文書ページ(cbd.int/meetings/COP-17)掲載の決定案を当サイトで要約。L文書には、交渉中の選択肢を示すかっこ書き([ ])が残っているものがあり、採択された最終文と異なる可能性があります。
「決定案」と「最終文」の違いに注意
AFPは、グローバルレビューの案には2030年目標に向けた複数の選択肢が書かれていたが、どれが最終的に残ったかはすぐには分からなかった、と伝えています。この記事で紹介する決定の中身は、10月31日時点で公開されている決定案にもとづくもので、最終文が公表されたら確認して追記します。
開催地はエクアドルとパナマが立候補していました。AFPによると、31日の投票でキトが55票、パナマ市が53票を得て、エクアドルに決まりました。
生物多様性の23目標の進み具合は?報告書の採点を一覧に
COP17の最大の議題は、GBFの初めての「グローバルレビュー」でした。2030年までの23の行動目標が、折り返し地点でどこまで進んだかを全締約国で確かめる作業です。その材料として、国連のグテーレス事務総長が10月15日に、条約事務局の報告書「State of Biodiversity Action(生物多様性の行動の現状)」を正式に発表しました。
報告書は目標ごとに、各国の国別目標がどこまで世界目標をカバーしているか、各国が自分の目標を「順調」と答えた割合、指標のデータなどを組み合わせ、進み具合を4段階で採点しています。全文PDFの目標別ページから、その評価を書き出して一覧にしました。「各国の自己評価」の欄は、COP17の決定案(L.15)が挙げた、順調と答えた国が多い目標・少ない目標です。
| 目標 | 中身(当サイトによる要約) | 報告書の総合評価 | 各国の自己評価 |
|---|---|---|---|
| 目標1 | 空間計画で、生物多様性の重要な場所の損失をゼロに近づける | 遅れている | 順調と答えた国が多い |
| 目標2 | 劣化した生態系の30%を回復 | 比較的進んでいる | 順調と答えた国が多い |
| 目標3 | 陸と海の30%を保全(30by30) | 遅れている | 順調と答えた国が多い |
| 目標4 | 種の絶滅を止め、遺伝的な多様性を守る | 遅れている | - |
| 目標5 | 野生生物の採取・取引を持続可能で合法に | 比較的進んでいる | - |
| 目標6 | 侵略的外来種の侵入・定着を半分に | 遅れている | 順調と答えた国が少ない |
| 目標7 | 汚染(栄養分の流出・農薬・プラスチックなど)を減らす | 遅れている | - |
| 目標8 | 気候変動が生物多様性に与える影響を最小に | 最も進んでいる | 順調と答えた国が多い |
| 目標9 | 野生生物を持続可能に利用し、人々の利益に | 遅れている | - |
| 目標10 | 農業・林業・漁業などを持続可能に | 比較的進んでいる | - |
| 目標11 | 水や空気など自然の恵みを回復・維持 | 比較的進んでいる | - |
| 目標12 | 都市の緑地や水辺を増やす | 遅れている | 順調と答えた国が少ない |
| 目標13 | 遺伝資源から得た利益を公平に分ける | 遅れている | 順調と答えた国が多い |
| 目標14 | 生物多様性をあらゆる政策・計画に組み込む | 遅れている | - |
| 目標15 | 企業が自然への影響を評価・開示・削減 | 遅れている | 順調と答えた国が少ない |
| 目標16 | 持続可能な消費、食品ロスを半分に | 遅れている | 順調と答えた国が少ない |
| 目標17 | 遺伝子組み換え生物の安全対策(バイオセーフティ) | 遅れている | - |
| 目標18 | 環境に有害な補助金を年5,000億ドル減らす | 最も遅れている | 順調と答えた国が少ない |
| 目標19 | 資金を年2,000億ドル動員(国際資金は年300億ドル) | 最も遅れている | 順調と答えた国が少ない |
| 目標20 | 人材育成・技術移転・科学協力 | 遅れている | 順調と答えた国が多い |
| 目標21 | 必要なデータや知識を利用できるように | 比較的進んでいる | 順調と答えた国が多い |
| 目標22 | 先住民・地域社会などの参加と、情報・司法へのアクセス | 遅れている | 順調と答えた国が多い |
| 目標23 | ジェンダー平等 | 最も遅れている | - |
総合評価:CBD事務局「State of Biodiversity Action」全文の目標別ページの「Relative progress」。4段階は他の目標と比べた相対評価で、達成できるかどうかの判定ではありません。自己評価:決定案CBD/COP/17/L.15の第5項(b)(i)。目標の中身は当サイトの要約で、正確な文言はCBDの目標ページを参照してください。
数えてみると「最も進んでいる」は1つだけ
4段階の内訳を数えると、「最も進んでいる」1(目標8)、「比較的進んでいる」5、「遅れている」14、「最も遅れている」3でした。最も遅れている3つは、有害な補助金の削減(目標18)、資金の動員(目標19)、ジェンダー平等(目標23)です。BBCは、国連によると世界は二十数個の目標のうち1つしか達成の軌道に乗っていないと報じており、この採点と重なります。
決定案は、どの世界目標についても、各国の国別目標のうち「順調」と報告されたのは半分に届かなかったと明記しています。さらに、23目標のうち19の目標では、報告した国の半数未満しか数値データを出せていないとも指摘しました。進み具合を測るデータそのものが足りないという課題です。
BBCの「24の目標」という書き方について
BBCは2022年の枠組みについて「24の目標」と書いていますが、条約事務局の資料では行動目標は23で、これとは別に2050年に向けた長期的な「ゴール」が4つあります。この記事では事務局の数え方に合わせています。
COP17でも決着しなかった「お金」の問題
BBCは、目標達成を速めるうえで最大の壁はお金だと各国が認めた、と伝えています。GBFの目標19は、2030年までにあらゆる資金源から年2,000億ドル以上を集め、そのうち先進国から途上国への国際資金を2025年までに年200億ドル、2030年までに年300億ドルに増やすと定めています。条約事務局の報告書の数字で、目標と実績を並べました。
| 目標 | 目標額 | 確認できた実績 | 目標に対する割合 |
|---|---|---|---|
| 途上国への国際資金(目標19a) | 年200億ドル(2025年まで) | 2023年:約168億ドル(OECD推計)/52億ドル(各国の報告) | 84%/26% |
| 同(目標19a) | 年300億ドル(2030年まで) | 2023年:約168億ドル(OECD推計) | 56% |
| あらゆる資金源の合計(目標19) | 年2,000億ドル(2030年まで) | 2023年:327億ドル(報告した国の国際・国内公的・民間の合計) | 16% |
| 有害な補助金の削減(目標18) | 年5,000億ドル減らす(2030年まで) | 報告された有害な補助金:2022〜2025年の累計2,680億ドル(年平均670億ドル) | - |
目標額はGBFの目標18・19の本文。実績はCBD事務局「State of Biodiversity Action」全文の目標18・19の章。割合は当サイトで計算(小数点以下四捨五入)。「各国の報告」は報告した国の数字の合計で、すべての国・資金の流れを含むものではありません。
報告書によると、先進国などが報告した国際的な公的資金は2020〜2023年の累計で177億ドル、最も多かった2023年でも52億ドルでした。より幅広い資金の流れを数えるOECDの推計でも2023年は約168億ドルで、どちらも年200億ドルの中間目標に届いていません。報告書は、2025年の目標は「おそらく達成されなかった」とし、確定的な評価には2024〜2025年の完全なデータが必要だとしています。
有害な補助金については、報告した国の分だけで2022〜2025年に累計2,680億ドルが計上されました。報告書は、これはかなりの過小評価である可能性が高いと注意しています。AFPは、有害な補助金に流れるお金は推計で今も年2.4兆ドルにのぼると伝えており、計算の範囲によって数字が大きく変わります。
今回の会議で新たに約束されたお金
条約事務局によると、閣僚級会合(27〜28日)の終了時点で、各国政府や国際機関、官民の取り組みを合わせて18億ドルを超える新たな資金が発表されました。BBCは、会議で約束された資金は10億ドル超で、その半分は俳優レオナルド・ディカプリオ氏の団体「Re:wild」などの慈善団体からだったと伝えています。集計の範囲が違うとみられ、いずれにしても、年200億ドルという国際資金の目標と比べると小さな額です。
「誰が払うか」で対立
AFPによると、EUは中国のような豊かな新興国も資金を出すべきだと主張し、大きな争点になりました。決定案(L.29)には、先進国以外の国にも、資金を出す側のリストに入る意思を自主的に示すよう呼びかける文言が入っています。どの国にも拠出を義務づけるものではありません。新しい基金をつくるかどうかは、2028年のCOP18で決める段取りです。
カリ基金はほとんど集まらず
カリ基金は、植物などの遺伝情報(デジタル配列情報=DSI)を使って利益を得る企業から拠出を募り、途上国の保全に回す国連の仕組みです。BBCは、会議の開始時点で約束されていたのは1万ドルだけだったと報じ、AFPも約1万ドルにとどまるとしています。拠出が任意であるため企業に圧力をかけにくいという指摘もあり、今回の会議でも大きな前進はありませんでした(BBC)。

各国の国家戦略(NBSAP)はどれだけ出そろった?
GBFの目標は世界全体の目標で、それぞれの国が「生物多様性国家戦略・行動計画(NBSAP)」と国別の目標を作って実行する仕組みです。条約事務局の発表では、締約国196のうち9割近くが国別目標を作り、6割近くが国家戦略を作成、7割超が国別報告書を提出しています。
実際の提出状況を、条約事務局の公開データベース(検索API)で数えました。
| 提出物 | 提出した政府・機関 | 内訳・補足 |
|---|---|---|
| 新目標に沿った国家戦略(NBSAP) | 120 | うち草案以外(承認済み・最終版)は105。2026年10月の提出が16件 |
| 国別目標 | 179 | 国家戦略を出した数より多い |
| 第7次国別報告書 | 149 | 報告書の作成に間に合ったのは期限(3月8日)までの129か国 |
CBD情報索引API(api.cbd.int)で2026年10月31日に取得し、提出元の政府・地域機関(EUを含む)の数を当サイトで集計。国家戦略は「GBFに沿う」と登録された記録のみ。データベースは随時更新されます。
新しい目標に沿った国家戦略を出した政府・機関は120で、単純に締約国の数(196)で割ると約61%です。提出は16件がCOP17のあった10月で、会議に合わせて提出した国もあることが分かります。決定案(L.15)は、まだ出していない国に「できるだけ早く」提出するよう強く求めています。
日本の30by30はどこまで進んだ?自然共生サイトは700か所に
日本は2023年3月に「生物多様性国家戦略2023-2030」を閣議決定し、条約事務局のデータベースによると第7次国別報告書も2026年2月23日に提出しています。環境省はCOP17について、日本政府代表団がハイレベル会合や交渉に参加し、積極的に議論に貢献するとしていました。会議の結果は終了後に知らせるとしており、10月31日時点では日本政府としての結果の発表はまだ出ていません。
目標3の「30by30」(2030年までに陸と海の30%以上を保全)に向けて、日本が力を入れているのが自然共生サイトです。企業の森や里山、都市の緑地など、民間などの取り組みで生物多様性が守られている場所を国が認定する制度で、2025年4月からは「地域生物多様性増進法」にもとづく認定になりました。法律にもとづく認定の結果を、環境省の発表から並べました。
| 認定回 | 発表日 | 増進活動実施計画 | 連携増進活動実施計画 | 自然共生サイトの合計 |
|---|---|---|---|---|
| 令和7年度 第1回 | 2025年9月16日 | 196か所 | 5か所 | - |
| 令和7年度 第2回 | 2025年12月16日 | 54か所 | 4か所 | - |
| 令和7年度 第3回 | 2026年3月17日 | 101か所 | 7か所 | 569か所 |
| 令和8年度 第1回 | 2026年6月30日 | 55か所 | 1か所 | 610か所 |
| 令和8年度 第2回 | 2026年10月30日 | 116か所 | 6か所 | 700か所 |
環境省の報道発表(地域生物多様性増進法にもとづく「自然共生サイト」の認定、令和7年度第1回〜令和8年度第2回)から当サイトで作成。合計は各発表文に記載された数で、2023〜2024年度の旧制度での認定を含みます。各回の認定数を足しても合計とは一致しません。
COP17の会期最終日でもある10月30日の認定で、自然共生サイトは合計700か所になりました。2026年3月には「早期に500以上認定する」という目標を達成しています。
陸は21.0%、海は13.3%
環境省は8月、自然共生サイトのうち保護地域と重ならない区域をOECM(保護地域以外で生物多様性の保全に役立つ区域)として国際データベースに登録し、登録面積は6万4,600ヘクタールになったと発表しました。これで日本の保護地域とOECMを合わせた割合は、陸が21.0%(うちOECMは0.2%)、海が13.3%です。
世界全体では、条約事務局の報告書によると陸と内陸水域で18.4%、各国の管轄下の海で23.2%が保護・保全されています(公海を含む海全体では10%)。各国が掲げた目標がすべて実現しても、2030年に陸と内陸水域の保全面積は約27.5%にとどまるとの分析もあり、30%にはなお届かない見通しです。
「30by30」の数字の読み方
保護地域の割合は、どの制度を数えるか、海をどこまで含めるかで変わります。日本の数字は環境省が国際データベース(WDPA・WD-OECM)に登録した区域にもとづくもので、世界の数字とは集計の範囲が異なる点に注意してください。
GBF採択からCOP17合意までの時系列
- 2022年12月GBFを採択(COP15)カナダ・モントリオールで、2030年までの23目標と2050年に向けた4つのゴールを決めました。
- 2024年COP16(コロンビア・カリ)AFPによると、資金をめぐって会期を延長したものの、合意できないまま中断しました。
- 2025年2月27日ローマで再開・資金の決定資金動員の戦略などを定めた決定16/34を採択(L.29の記載)。
- 2026年10月15日世界の進み具合の報告書グテーレス国連事務総長が「State of Biodiversity Action」を正式に発表。
- 2026年10月19日COP17開幕(エレバン)12日間の日程で交渉が始まりました。
- 2026年10月27〜28日閣僚級会合大臣・副大臣約140人を含む約1,500人が参加。18億ドル超の新たな資金が発表されました(条約事務局)。
- 2026年10月30〜31日会期を延長して採択グローバルレビューなど主要な決定を採択。COP18の開催地はキトに決まりました(BBC・AFP)。
- 2028年COP18(エクアドル・キト)新しい資金の仕組みをどうするか、COP18で判断する予定です(決定案)。
日付は現地時間。条約事務局のプレスリリース・決定案、環境省、BBC、Le Monde(AFP)の記載から作成。
COP17のあとどうなる?今後の焦点
2030年まで残りは約4年です。決定案(L.15)は、2026〜2030年の作業をこの決定にもとづいて優先づけるとしつつ、その運用は「促進的で、立ち入らず、罰しない」ものだと明記しています。目標に届かない国に罰則はなく、各国の取り組みしだいという点は変わりません。
会議では、科学的な報告書の承認をめぐっても対立があり、BBCは一部の国がその手続きを難航させたと報じています。11月には、気候変動の国連会議COP31も控えています。
今後の注目点
- 採択された決定の最終文の公表(グローバルレビューでどの選択肢が残ったか)
- 環境省による会議結果の発表と、日本の国家戦略・30by30の進め方
- 国家戦略の未提出国の提出状況
- 新しい基金を設けるかどうか(2028年のCOP18で判断)
この記事の立場
この記事は、特定の国や団体を支持・批判するものではありません。各国の主張は報道の内容を要約して紹介し、確認できない点は「〜とみられます」と区別しています。最終文や環境省の発表が出たら追記します。
COP17と生物多様性についてよくある質問
Q. COP17はいつ、どこで開かれた?
A. 2026年10月19日から30日まで、アルメニアの首都エレバンで開かれました。会期は延長され、BBCによると現地時間31日未明に主要部分で合意しました(AFPは30日に採択と報道)。
Q. COP17で何が決まった?
A. 2022年に決めた世界目標(GBF)の初めての点検(グローバルレビュー)を行い、このままでは2030年の目標を達成できないとして実施を加速する道筋を決めました。次回COP18は2028年にエクアドルのキトで開かれます。最終的な決定文は10月31日時点で未公表です。
Q. 生物多様性の23目標はどれくらい進んでいる?
A. 条約事務局の報告書の採点では、「最も進んでいる」は目標8の1つだけで、「遅れている」が14、「最も遅れている」が3でした。有害な補助金の削減、資金の動員、ジェンダー平等が最も遅れています。
Q. 生物多様性のための資金はいくら足りない?
A. 途上国向けの国際資金は2025年までに年200億ドルが目標ですが、2023年はOECDの推計で約168億ドルでした(目標の84%)。報告書は2025年の目標はおそらく達成されなかったとしています。
Q. 日本の30by30は達成できそう?
A. 環境省によると、保護地域とOECMを合わせた割合は陸21.0%、海13.3%です。自然共生サイトは2026年10月30日の認定で合計700か所になりましたが、30%にはまだ差があります。
あわせて読みたい
出典・参考資料
- 生物多様性条約(CBD)事務局「2026 UN Biodiversity Conference」「COP-17 会議文書」(決定案L.15・L.29・L.32ほか)
- CBD事務局「State of Biodiversity Action: The Global Report on collective progress」(全文PDF)
- CBD事務局 プレスリリース(2026年10月15日、2026年10月29日)
- CBD「GBF 2030 Targets」「NBSAPs」、情報索引API(api.cbd.int、10月31日取得)
- 環境省 報道発表「地域生物多様性増進法に基づく「自然共生サイト」の認定(令和8年度第2回)について」(2026年10月30日)ほか令和7年度第1回〜令和8年度第1回、「自然共生サイト等の国際的なデータベースへの登録について」(2026年8月3日)、「CBD-COP17等の開催について」(2026年10月16日)、自然共生サイト
- BBC News「Global nature talks reach deal but money remains an issue」(2026年10月31日 01:27 UTC公開)
- Le Monde(AFP)「COP17 on biodiversity: Nations agree on push to get nature goals back on track」(2026年10月31日 パリ時間2:02公開・2:37更新)
- 写真:Wikimedia Commonsのフリーライセンス画像(リサイズ)。アイキャッチはエレバンの街並みとアララト山(Serouj Ourishian、CC BY-SA 3.0、トリミング・文字入れ)


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