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第4種踏切はなぜなくならない?大糸線の事故と全国2282か所の実態
10月4日、長野県大町市のJR大糸線の踏切で、15歳の男子中学生が特急列車にはねられて亡くなりました。現場は遮断機も警報機もない「第4種踏切」です。こうした踏切は全国にまだ2,282か所(2024年度末)あり、長野県は山口県に次いで全国で2番目に多い県です。なぜなくならないのか。国の統計と、運輸安全委員会が公表した第4種踏切の死亡事故59件の報告書を1件ずつ読んで集計しました。
この記事の結論
- 第4種踏切は、遮断機も警報機もない踏切です。いまは新しく作ることはできず、廃止か、遮断機のある第1種踏切への切り替えが国の方針です。
- それでも全国に2,282か所(2024年度末)残っています。2020〜2024年度の減り方は年平均64か所で、このペースのままだとなくなるまで約36年かかる計算です。
- 踏切100か所あたりの事故件数は、2013〜2024年の12年間の平均で第4種0.99件・第1種0.67件。第4種のほうが約1.5倍起きやすく、12年すべてで第1種を上回りました。
- 運輸安全委員会の報告書59件(2014〜2025年)で亡くなった62人のうち、年齢が分かる54人の半数以上(30人)が65歳以上。9歳の子どもも3人いました。事故後に踏切がなくなった・遮断機が付いたことが報告書に書かれていたのは59件中5件でした。
- なくならない理由は、①生活道路として使う住民の同意が得にくい、②遮断機の設置に1か所1,000万〜2,200万円かかる、③半数以上は踏切道改良促進法の補助の対象外、の3つです。
大糸線の踏切事故で何があった?10月4日・大町市の花見踏切
警察や各社の報道によると、事故の概要は次のとおりです。亡くなった中学生のご冥福をお祈りします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生日時 | 2026年10月4日(日)午後3時45分ごろ |
| 場所 | 長野県大町市大町 JR大糸線の「花見踏切」(遮断機・警報機のない第4種踏切) |
| 列車 | 白馬発松本行きの特急「はくば2号」(3両編成) |
| 亡くなった人 | 大町市に住む15歳の男子中学生。1人で歩いて踏切を渡っていたとみられる |
| その後 | 松本市内の病院に運ばれたが、約1時間半後(午後5時10分ごろ)に死亡が確認された。乗客44人・乗員2人にけがはなく、列車は約2時間40分止まった |
テレビ信州・NBS長野放送・読売新聞・SBC信越放送(2026年10月4〜5日)の報道をもとに作成。中学生は大町市美麻方面から国道147号方面へ歩いていたと報じられています。事故の詳しい原因は警察が調べています。
運輸安全委員会設置法施行規則では、遮断機のない踏切で人が亡くなった事故は運輸安全委員会の調査対象と定められています。今回も今後、国の事故調査が行われ、報告書が公表される見込みです。
大糸線では2016年にも第4種踏切で死亡事故
同じ大糸線では、2016年11月にも白馬村の高見北踏切(第4種)で、原付に乗った73歳の男性が列車と衝突して亡くなっています(運輸安全委員会の報告書)。長野県内で運輸安全委員会が報告書を出した第4種踏切の死亡事故は、2014年以降で5件。茨城県と並んで全国で最も多い数です。

第4種踏切とは?第1種・第3種との違い
踏切は、設備によって第1種から第4種に分けられています。遮断機も警報機もなく、列車が来るかどうかを渡る人が自分の目と耳で確かめるしかないのが第4種踏切です。現地には「とまれみよ」の標識や、車が入れないようにする柵だけが置かれていることがほとんどです。
| 種別 | 設備 | 数(2024年度末) | 割合 |
|---|---|---|---|
| 第1種 | 遮断機と警報機がある(または係員が遮断機を操作) | 29,357か所 | 全体の約91% |
| 第2種 | 時間を決めて係員が遮断機を操作 | — | 現在はなし |
| 第3種 | 警報機はあるが遮断機がない | 567か所 | 全体の約1.8% |
| 第4種 | 遮断機も警報機もない | 2,282か所 | 全体の約7.1% |
近畿運輸局「踏切道の現状について」(令和8年3月)。全国の踏切は合計32,206か所。
総務省の調査報告書は、第4種踏切について「新設することはできず、既に存在していたものについて過渡的に存続が認められたもの」と説明しています。つまりいずれは廃止するか、第1種にするはずの踏切です。それでも農地や住宅地、神社や墓地へ向かう道、公園の中などにあり、日常的に使われているものが少なくありません。

第4種踏切は本当に危ない?事故率を12年分比べた
事故の件数だけを見ると、踏切事故の約9割は第1種踏切で起きています。第1種の数が圧倒的に多いからです。そこで内閣府「交通安全白書」に毎年載る「踏切100か所あたりの事故件数」を、2013年から2024年まで12年分並べました。
第4種第1種(踏切100か所あたりの年間事故件数)
| 年 | 第4種の事故 | 第4種 100か所あたり | 第1種 100か所あたり | 倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 2013 | 40件 3,034か所 |
1.32 | 0.83 | 1.6倍 |
| 2014 | 28件 2,981か所 |
0.94 | 0.73 | 1.3倍 |
| 2015 | 29件 2,917か所 |
0.99 | 0.70 | 1.4倍 |
| 2016 | 31件 2,864か所 |
1.08 | 0.64 | 1.7倍 |
| 2017 | 26件 2,795か所 |
0.93 | 0.69 | 1.3倍 |
| 2018 | 35件 2,726か所 |
1.28 | 0.69 | 1.8倍 |
| 2019 | 27件 2,652か所 |
1.02 | 0.59 | 1.7倍 |
| 2020 | 20件 2,603か所 |
0.77 | 0.51 | 1.5倍 |
| 2021 | 21件 2,527か所 |
0.83 | 0.68 | 1.2倍 |
| 2022 | 18件 2,455か所 |
0.73 | 0.56 | 1.3倍 |
| 2023 | 20件 2,408か所 |
0.83 | 0.75 | 1.1倍 |
| 2024 | 24件 2,367か所 |
1.01 | 0.65 | 1.6倍 |
交通安全白書(平成26年版〜令和7年版)「踏切道種別の踏切事故発生件数」から作成。事故件数は暦年、踏切数は前年度末。100か所あたりの件数と12年平均は事故件数÷踏切数で筆者が計算(第4種の事故は12年で319件)。令和6年版白書は2023年の第4種を0.75件と記載していますが、同じ表の件数(20件)と踏切数(2,408か所)から計算すると0.83件になるため、計算値を載せています。
12年間、第4種が第1種を下回った年は一度もありません。年によって1.1〜1.8倍、平均すると約1.5倍です。国土交通省も、2024年度は「1か所あたりの事故は第4種が第1種の約1.3倍」としています(年度集計のため白書の暦年とは少しずれます)。
「事故の数が少ない=安全」ではない
第4種踏切の多くは1日に数人〜数十人しか通らない小さな踏切です。それでも1か所あたりの事故が第1種より多いということは、通る人1人あたりの危険はさらに大きい可能性があります(通行量の全国統計は公表されていないため、ここは推測です)。
第4種踏切の死亡事故59件を集計|半数は65歳以上、9歳の子どもも
運輸安全委員会は、遮断機のない踏切で人が亡くなった事故を調べ、報告書を公表しています。報告書検索で「第4種踏切」を指定すると出てくる事故のうち、2014年4月〜2025年12月に起きた59件の報告書をすべてダウンロードし、亡くなった人の通行手段・年齢、列車の速度、事故後の対応を1件ずつ書き出しました。
亡くなった人の通行手段|歩行者と自転車で半数超
最も多いのは歩いて渡っていた人(23件)で、自転車・電動車いすを合わせると31件と半数を超えます。車の事故(18件)は軽トラックや軽自動車が中心で、幅の狭い農道や生活道路にある踏切の特徴が表れています。
年齢|65歳以上が半数、10歳未満の子どもが3人
年齢が報告書に書かれている54人で集計(1件で2人亡くなった事故を含む)。
65歳以上が30人(56%)、75歳以上だけでも19人います。耳が遠くなったり、渡るのに時間がかかったりすると、遮断機のない踏切の危険は一気に高まります。一方で、9歳の子どもが3人(2016年茨城県筑西市・2018年広島県福山市・2024年群馬県高崎市)、18歳の高校生世代も1人亡くなっています。2024年の群馬の事故報告書は、10歳未満の子どもは目標に向かって走りやすく、道路横断の危険を予測するのが難しいという研究を引用しています。
列車は時速70km前後、1秒で約19m進む
速度が書かれていた48件の中央値は時速70km(最低40km・最高120km)でした。時速70kmの列車は1秒で約19m進み、300m先に見えた列車は約15秒で踏切に着きます。地方のローカル線や特急でも、思っているより早く列車は近づいてきます。
事故のあと踏切はどうなった?
各報告書の「事故後に講じられた措置」を読むと、報告書の公表時点で事故があった踏切が廃止または第1種になっていたのは5件だけでした。第1種化や廃止が決まった・合意したと書かれていたものを合わせても12件(20%)。残りの多くは、注意喚起の看板の追加や草木の伐採、地元との協議の開始にとどまり、「地元の同意が得られなかった」と明記された例も3件ありました。2025年12月に飯田線の踏切で起きた事故でも、2026年3月の地元の会議で廃止の同意には至っていません。
2022年以降の第4種踏切の死亡事故(報告書公表分)
| 発生 | 場所 | 亡くなった人 | 報告書に書かれた事故後の対応 |
|---|---|---|---|
| 2025年12月 | 長野県・飯田線 堀割踏切道 |
歩行者・31歳 | 廃止に地元が同意せず |
| 2025年6月 | 宮崎県・日南線 南平公民館踏切道 |
歩行者・54歳 | 注意喚起など |
| 2024年4月 | 群馬県・上信線 天水踏切道 |
歩行者・9歳 | 第1種化・廃止が決定 |
| 2024年1月 | 茨城県・常総線 平内2踏切道 |
自転車・84歳 | 第1種化・廃止が決定 |
| 2023年11月 | 大分県・日豊線 関田踏切道 |
歩行者・68歳 | 注意喚起など |
| 2023年7月 | 佐賀県・唐津線 二十の坪踏切道 |
歩行者・52歳 | 注意喚起など |
| 2023年4月 | 京都府・宮津線 下由里踏切道 |
電動車いす・86歳 | 注意喚起など |
| 2023年3月 | 香川県・琴平線 下村上所踏切道 |
歩行者・83歳 | 第1種化・廃止が決定 |
| 2022年10月 | 佐賀県・長崎線 一本柳踏切道 |
自動車・50歳 | 注意喚起など |
| 2022年9月 | 鳥取県・境線 新屋第4踏切道 |
歩行者・18歳 | 廃止・第1種化済み |
| 2022年9月 | 香川県・志度線 仲代第1踏切道 |
歩行者・76歳 | 注意喚起など |
| 2022年4月 | 福島県・飯坂線 6k961m踏切道 |
自動車・65歳 | 注意喚起など |
| 2022年4月 | 静岡県・天竜浜名湖線 久保田踏切 |
歩行者・48歳 | 注意喚起など |
運輸安全委員会「鉄道事故調査報告書」(踏切種別=第4種で検索、2014年4月〜2025年12月発生の59件)を筆者が集計。事故後の対応は報告書公表時点の記載で、その後に状況が変わっている場合があります。2014年3月以前の事故と、調査中の事故は含みません。
第4種踏切はなぜなくならない?3つの理由
国は「廃止か第1種化」を基本にしていますが、減り方はゆっくりです。総務省行政評価局が2021年に公表した実態調査と国土交通省の資料から、理由は大きく3つに整理できます。
- 理由1 地元の同意廃止すると遠回りになる住民が反対する第4種踏切は田畑や家への近道、神社や墓地への道として毎日使われていることが多く、廃止には地権者や利用者の同意が要ります。総務省の調査では、地権者の一部が亡くなっていたり所在不明だったりして同意が取れない例や、死亡事故が起きた後も住民の合意が得られず残っている例が報告されています。
- 理由2 費用遮断機の設置に1か所1,000万〜2,200万円国土交通省によると、遮断機と警報機を付けて第1種にするには1か所あたり1,000万円程度。踏切の異常を知らせる装置なども含めると2,200万円程度、維持費が月10万円程度かかるという鉄道会社もありました。地域鉄道の約8割(95社中74社、2019年度)は鉄道事業が赤字で、「国の補助があっても1年に1か所の第1種化は難しい」という声も出ています。
- 理由3 法律の対象外半数以上は踏切道改良促進法の補助が使えない第1種化の補助を定めた踏切道改良促進法は、国道・県道・市町村道など「道路法の道路」にある踏切だけが対象です。ところが第4種踏切のうち道路法の道路にあるのは1,253か所で、農道や私道など道路法以外の道路にあるものが1,371か所と多数派でした(2019年末)。
減るペースは年64か所、1種化は年14か所まで鈍化
近畿運輸局「踏切道の現状について」(令和8年3月)。かっこ内は前年度からの減少数。2020年度の減少数は同資料の記載による。
2020〜2024年度の5年間で第4種踏切は年平均64.2か所減りました。単純に割り算すると、残り2,282か所がなくなるのは約36年後です。しかも、遮断機を付けて第1種にした踏切(第3種・第4種から)は2015年度の40か所、2016年度の47か所から、2024年度は14か所まで減っています。総務省の調査では、2017〜2019年度の減少分のうち毎年2〜24か所は「路線の廃止」によるもので、安全対策として減ったとは言えない分も含まれます。
第4種踏切が多い都道府県ランキング|長野県は全国2位
近畿運輸局の資料に載っている2024年度末の都道府県別の踏切数から、第4種踏切の多い順に並べました。1位は山口県の144か所、長野県は110か所で2位、3位は岐阜県の107か所です。
| 順位 | 都道府県 | 第4種 | 全踏切 | 第4種の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 山口県 | 144か所 | 887か所 | 16.2% |
| 2 | 長野県 | 110か所 | 1,081か所 | 10.2% |
| 3 | 岐阜県 | 107か所 | 971か所 | 11.0% |
| 4 | 福島県 | 96か所 | 807か所 | 11.9% |
| 5 | 埼玉県 | 89か所 | 1,114か所 | 8.0% |
| 6 | 広島県 | 89か所 | 916か所 | 9.7% |
| 7 | 千葉県 | 84か所 | 1,278か所 | 6.6% |
| 8 | 北海道 | 74か所 | 1,412か所 | 5.2% |
| 9 | 岡山県 | 74か所 | 811か所 | 9.1% |
| 10 | 茨城県 | 69か所 | 669か所 | 10.3% |
| 11 | 静岡県 | 68か所 | 767か所 | 8.9% |
| 12 | 愛媛県 | 67か所 | 724か所 | 9.3% |
| 13 | 群馬県 | 61か所 | 690か所 | 8.8% |
| 14 | 島根県 | 61か所 | 456か所 | 13.4% |
| 15 | 富山県 | 58か所 | 546か所 | 10.6% |
近畿運輸局「踏切道の現状について」(令和8年3月)の都道府県別踏切数(2024年度末)から作成。複数の鉄道会社の線路をまたぐ踏切は1か所として数えています。
踏切全体に占める第4種の割合では、山口県(16.2%)、高知県(15.3%)、山梨県(13.8%)、島根県(13.4%)が高く、長野県は10.2%で、踏切のおよそ10か所に1か所が第4種です。反対に、大阪府と奈良県は1か所だけ、石川県は4か所、沖縄県は鉄道の踏切自体がありません。首都圏でも埼玉県89か所・千葉県84か所・神奈川県25か所・東京都21か所が残っています。
国や自治体の対策は?群馬は「全廃か第1種化」へ
- 2021年11月総務省行政評価局が「第4種踏切道の安全確保に関する実態調査」を公表し、国土交通省に第4種踏切の解消に向けた取り組みを求める
- 2024年4月群馬県高崎市の上信電鉄の第4種踏切で、犬を追って踏切に入った9歳の小学生が列車にはねられ死亡
- 2024年4月〜群馬県の協議会が県内の第4種踏切74か所を「廃止または第1種化」する方針を公表。高崎市も市内21か所すべてを対象に
- 2025年3月運輸安全委員会が上信電鉄の事故の報告書で「第4種踏切道は廃止するのが望ましく、廃止できない場合は第1種化するべき」と指摘
- 2025年3月末手で押し上げるゲートや一旦停止を促す柵などの簡易な対策が262か所に設置済み。国はこうした設備への補助制度(第4種踏切道の緊急対策推進事業)を設けた
事故をきっかけに動いた例もあります。京都府では2023年4月に北近畿タンゴ鉄道の第4種踏切でハンドル形電動車いすの86歳が亡くなった後、府が事務局となって沿線の第4種踏切18か所について協議し、2025年度末までに事故があった踏切を含む4か所を廃止しました(ほかに第3種1か所を第1種化、第4種1か所の第1種化も決定)。近畿運輸局の資料は、うまく進んだ例に共通する点として都道府県のリーダーシップと、鉄道会社と道路管理者の連携を挙げています。
遮断機の代わりの「手動ゲート」とは
踏切の手前に、手で押し上げたり押したりしないと通れない棒や、いったん立ち止まらないと抜けられない柵を置く対策です。第1種化より安く設置・維持でき、渡る前に必ず止まって左右を見るきっかけになります。これまで国の踏切の補助の対象外だったため、国は鉄道会社向けに設置を支援する補助制度を新しく設けました。
遮断機のない踏切を渡るときに気をつけること
運輸安全委員会や鉄道会社が呼びかけているポイントをまとめます。家族、とくに子どもや高齢の家族と一緒に確認しておくと安心です。
- 必ず止まって、右と左を見て、耳をすます。「とまれみよ」の標識は、ここで止まって確認してくださいという意味です。
- 列車が見えたら渡らない。時速70kmの列車は300m先からでも約15秒で着きます。遠くに見えても待ちましょう。
- イヤホン・スマホ・傘で耳や視界をふさがない。警笛に気づけなくなります。
- ペットやボールを追いかけて飛び込まない。2024年の群馬の事故では、子どもは踏切に入った犬を追いかけていたとみられています。
- 遠回りでも遮断機のある踏切を使う。近くに第1種踏切があるなら、そちらを選ぶのがいちばん確実です。
子どもに伝えるときは
報告書が引用する研究では、10歳未満の子どもは目立つものだけに注意が向きやすく、道路を渡るときの危険を予測するのが難しいとされます。「止まる・見る・待つ」を、実際の踏切の前で一緒にやってみるのが効果的です。
第4種踏切に関するよくある質問
Q. 第4種踏切とは何ですか?
A. 遮断機も警報機もない踏切のことです。列車が来るかどうかは、渡る人が自分で見て、聞いて確かめる必要があります。新しく作ることはできず、廃止か第1種踏切(遮断機あり)への切り替えが国の方針です。
Q. 第4種踏切は全国に何か所ありますか?
A. 2024年度末で2,282か所です(近畿運輸局資料)。踏切全体32,206か所の約7%にあたります。最も多いのは山口県の144か所で、長野県が110か所で2番目です。
Q. 大糸線の踏切事故はどこで起きましたか?
A. 2026年10月4日午後3時45分ごろ、長野県大町市大町のJR大糸線「花見踏切」で、15歳の男子中学生が白馬発松本行きの特急「はくば2号」にはねられて亡くなりました。現場は遮断機も警報機もない第4種踏切です。
Q. 第4種踏切はなぜなくならないのですか?
A. 廃止には地元の利用者や地権者の同意が必要で、第1種にするには1か所1,000万〜2,200万円の費用がかかるためです。また、第4種踏切の半数以上は農道や私道にあり、踏切道改良促進法の補助の対象外です。
Q. 第4種踏切は第1種踏切より危険ですか?
A. 踏切100か所あたりの事故件数(2013〜2024年の平均)は第4種0.99件、第1種0.67件で、第4種が約1.5倍です。12年すべてで第4種のほうが高くなっています。
Q. 遮断機のない踏切を渡るときの注意点は?
A. 必ず止まって左右を見て、耳をすませてから渡ります。列車が見えたら遠くても渡らないこと、イヤホンや傘で耳や視界をふさがないこと、ペットやボールを追って飛び込まないことが大切です。
まとめ|「止まって見る」だけに頼る踏切が2,282か所
- 10月4日、大糸線の第4種踏切で15歳の中学生が特急にはねられて亡くなりました。長野県は第4種踏切が全国2番目に多い県です。
- 第4種踏切の事故率は第1種の約1.5倍。運輸安全委員会の報告書59件では、亡くなった人の半数以上が65歳以上で、9歳の子どもも3人いました。
- 減るペースは年64か所、遮断機を付ける1種化は2024年度に14か所まで減っています。地元の同意・費用・法律の対象外という3つの壁があります。
- 今回の事故は運輸安全委員会の調査対象になる見込みです。調査の結果や、踏切の今後について新しい情報が出たら追記します。
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出典・参考資料
- 内閣府:令和7年版 交通安全白書「鉄道交通事故の動向」(平成26年版〜令和6年版の同じ表も使用)
- 国土交通省 近畿運輸局:踏切道の現状について(令和8年3月)
- 国土交通省:踏切対策をとりまく現状と課題・踏切道の現状
- 総務省行政評価局:第4種踏切道の安全確保に関する実態調査 結果報告書(令和3年11月)
- 運輸安全委員会:鉄道事故 報告書検索(第4種踏切の報告書59件)・上信電鉄 天水踏切道の事故報告書・踏切事故を起こさないために
- 読売新聞オンライン:遮断機や警報器ない「第4種踏切」、特急に中学生はねられ死亡…JR大糸線(2026年10月4日)/テレビ信州・NBS長野放送・SBC信越放送(10月4〜5日)
第4種踏切の事故率の12年平均、報告書59件の集計(通行手段・年齢・列車速度・事故後の対応)、ゼロになるまでの年数は、上記の資料をもとに筆者が計算したものです。写真:くろふね「高見北踏切(第4種踏切)」「鬼越5号踏切 第4種踏切」(Wikimedia Commons、CC BY 4.0)。アイキャッチは高見北踏切の写真をトリミング・文字入れしたものです。


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