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相撲の懸賞金は1本いくら?手取り3万円の内訳と大の里698本の総額
大相撲9月場所(秋場所)で6度目の優勝を果たした横綱・大の里が、15日間で懸賞698本を手にしたことが話題です。懸賞金は1本いくらで、力士の手元にはいくら残るのか。日本相撲協会の公式説明で内訳を確かめ、大の里の「1場所5,612万円」と、過去最多を更新した懸賞本数の推移を数字で読み解きます。
この記事の結論
- 懸賞金は1本7万円(税込)。うち1万円は協会の手数料(取組表掲載料・場内放送料)で、勝った力士の取り分は6万円です(2019年=令和元年9月場所から)。
- 6万円のうち、勝ち名乗りで土俵の上で受け取る現金は3万円。残りの3万円は納税充当金として、協会が力士本人の名義で預かります。ネットで見かける「手取り1万円・積立5万円」は、協会の公式説明とは違います。
- 大の里の秋場所の懸賞は698本で、力士の取り分は4,188万円。そのうち土俵で受け取った現金は2,094万円、残りの2,094万円は預かり分です。報道の「5,612万円」は、これに優勝賞金1,000万円・給料・報奨金・手当を足した額です。
- 秋場所の懸賞は3,688本で過去最多。スポンサーが出した金額は2億5,816万円で、そのうち18.9%が大の里に集まりました。2026年の5場所の合計は16,464本(11億5,248万円)です。
相撲の懸賞金は1本いくら?7万円の内訳
懸賞は、企業や団体が幕内の取組にかけるお金です。日本相撲協会の公式サイト「懸賞について」によると、金額は1本70,000円(税込)。内訳は次のとおりです。
| 項目 | 金額 | 中身 |
|---|---|---|
| スポンサー(懸賞主)が払う額 | 70,000円 | 1本あたり。消費税込み |
| └ 協会の手数料 | 10,000円 | 取組表への掲載料・場内放送料(事務経費) |
| └ 勝った力士の取り分 | 60,000円 | 下の2つに分かれる |
| ├ 土俵上で受け取る現金 | 30,000円 | 勝ち名乗りのとき、のし袋で手渡し |
| └ 協会が預かるお金 | 30,000円 | 納税充当金。力士本人の名義で協会が預かる |
日本相撲協会「懸賞について」(令和元年6月改定・九月場所より)と「大相撲クイズ」をもとに作成。
協会の「大相撲クイズ」では、まさにこの点が出題されています。「懸賞がかかった取組で勝利した力士が受け取れる懸賞金」の正解は3万円。1本7万円のうち、1万円は協会の事務経費、3万円は納税充当金として協会が獲得者本人名義の預り金として預かり、勝ち名乗りの際に手取りで現金3万円を受け取る、と説明されています。
「手取り1万円・積立5万円」は公式説明と違う
ネット上には「土俵で受け取る現金は1万円、残り5万円は積立金」と書いた解説がありますが、日本相撲協会の公式説明は現金3万円+預かり3万円です。懸賞の分厚いのし袋に入っているのは、1本あたり3万円と考えてください。
懸賞をかけるには?申込の条件
- 懸賞をかけられるのは幕内の取組だけです。
- 申込は1日1本以上、1場所15本以上から。15日間毎日1本なら1,050,000円(税込)です。追加は1本から受け付けます。
- 取組表に提供者名(15文字以内)が印刷され、取組の直前に場内放送で読み上げられます。
- 呼出が土俵を回って掲げる懸賞旗(横70cm×縦120cm)は、懸賞主が自分で作って持ち込みます。
つまり懸賞は、スポンサーにとっては「取組表と場内放送、土俵を回る懸賞旗で社名が出る広告」で、力士にとっては「勝てば受け取れる臨時収入」です。負けた力士には入らず、その取組の懸賞はすべて勝った力士のものになります。
大の里は秋場所でいくら?懸賞698本と5,612万円の内訳
2026年9月場所(秋場所)で、大の里は大関・安青錦との千秋楽相星決戦を制し、12勝3敗で6場所ぶり6度目の優勝を果たしました。マネーポストWEB(2026年10月2日)によると、15日間で獲得した懸賞は698本。給料なども含めた試算は次のとおりです。
| 項目 | 金額 | 計算 |
|---|---|---|
| 懸賞金(力士の取り分) | 4,188万円 | 698本×6万円 |
| 幕内最高優勝の賞金 | 1,000万円 | 12勝3敗で優勝 |
| 給料 | 300万円 | 横綱の月額 |
| 報奨金(持ち給金) | 104万円 | 持ち給金260円×4,000倍 |
| 本場所特別手当 | 20万円 | |
| 合計 | 5,612万円 | マネーポストWEBの試算 |
マネーポストWEB「【1場所で5612万円荒稼ぎ!】横綱・大の里が手にした『土俵に埋まるカネ』」(2026年10月2日)の数字をもとに、筆者が足し算を確認。
このうち懸賞金の4,188万円は「1本6万円」で計算した、力士の取り分です。協会の公式説明に当てはめて分けると、次のようになります。
1勝あたりにすると約58本。1回勝つたびに、のし袋で約174万円の現金を受け取っていた計算です。逆に、4日目の高安戦、13日目の霧島戦、14日目の琴櫻戦の3敗で、合わせて156本(取り分で936万円)を相手に渡しています。大の里の取組にかかった懸賞は、15日間で少なくとも854本あったことになります。
「5,612万円」を読むときの注意
・給料300万円は1か月分です。本場所は2か月に1回なので、2か月単位で見ると給料はもう1か月分(300万円)多くなります。
・懸賞の半分(2,094万円)は協会の預かり分で、場所後すぐに自由に使えるお金ではありません。
・優勝力士には、各国の友好杯や県知事賞などの金一封・副賞(ガソリン1年分、米1トンなど)も贈られますが、上の合計には入っていません。
懸賞本数は過去最多の3,688本|推移と力士別ランキング
2026年秋場所の懸賞は15日間で3,688本でした。それまでの最多だった2026年夏場所の3,563本を125本上回り、前年同じ場所(2025年秋場所 2,926本)と比べると+26.0%。エコノミストの宅森昭吉氏の集計では、前年同場所比で19場所連続の増加です。
| 場所 | 実績 | 事前申込 | 申込のうち実際に懸かった割合 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| 2018年秋場所 | 1,989本 | — | — | 当時の最多 |
| 2020年7月場所 | 1,000本 | — | — | コロナ禍の谷 |
| 2025年名古屋場所 | 2,196本 | — | — | |
| 2025年秋場所 | 2,926本 | — | — | |
| 2026年初場所 | 3,355本 | 3,469本 | 96.7% | 当時の最多 |
| 2026年春場所 | 2,481本 | 2,724本 | 91.1% | |
| 2026年夏場所 | 3,563本 | 4,241本 | 84.0% | 当時の最多 |
| 2026年名古屋場所 | 3,377本 | 3,504本 | 96.4% | 地方場所の最多 |
| 2026年秋場所 | 3,688本 | 3,895本 | 94.7% | 過去最多 |
実績・事前申込の本数はゴールドオンライン(宅森昭吉氏、2026年8月・9月の記事)の公表値。「申込のうち実際に懸かった割合」は筆者が計算。
コロナ禍で無観客・縮小開催だった2020年7月場所の1,000本と比べると、秋場所は約3.7倍です。2026年の5場所だけで16,464本、スポンサーの支払額にすると11億5,248万円にのぼります。
表の右から2列目は、場所前の申込のうち実際に懸かった割合です。夏場所は申込4,241本に対して実績3,563本(84.0%)でした。申込は力士や取組を見込んで場所前に出されるため、力士の休場などで予定の取組がなくなると、その分は懸からず、実績は申込より少なくなります。秋場所は横綱・豊昇龍が初日から休んだ一方で、申込3,895本のうち94.7%が実際に懸かり、過去最多につながりました。
秋場所の懸賞獲得ランキング
| 力士 | 番付 | 獲得本数 | 取り分(×6万円) | 全体に占める割合 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 大の里 | 横綱 | 698本 | 4,188万円 | 18.9% |
| 2位 安青錦 | 大関 | 365本 | 2,190万円 | 9.9% |
| 3位 霧島 | 大関 | 259本 | 1,554万円 | 7.0% |
上位3人だけで1,322本、全体の35.8%です。もう1人の横綱が休場したことで、結びの一番を取る大の里に懸賞が集中しました。宅森氏によると、秋場所は12日目を除いて毎日、結びの一番などに58本以上の懸賞が懸かっています。
懸賞はなぜ増えている?景気と人気の両面
宅森氏は、懸賞本数を企業の広告費や収益の動きを映すデータとして毎場所分析しています。2018年秋場所に当時最多の1,989本を記録したあと頭打ちになり、コロナ禍の2020年7月場所の1,000本を谷に、その後は増え続けてきました。宅森氏は「企業の広告費、収益の好調さを裏付ける数字」と書いています。
もう1つは土俵の人気です。大の里・豊昇龍の2横綱に加え、2026年は安青錦が初場所と名古屋場所で優勝するなど、新しい看板力士がそろいました。懸賞は人気力士の取組や結びの一番に集まるため、看板力士が多い場所ほど本数が伸びやすくなります。
- 11月の九州場所:地方場所の最多は2026年名古屋場所の3,377本。九州場所でこれを超えるかが次の注目点です。
- 関取の給与の改定:マネーポストWEBによると、横綱の給料は2027年1月から月330万円(現在300万円)に上がる予定です。
相撲の懸賞金についてよくある質問
Q. 相撲の懸賞金は1本いくらですか?
A. 1本70,000円(税込)です。うち10,000円は協会の手数料(取組表掲載料・場内放送料)で、勝った力士の取り分は60,000円です。この金額は2019年(令和元年)9月場所から適用されています。
Q. 力士の手取りはいくらですか?
A. 勝ち名乗りのときに土俵上で受け取る現金は1本につき3万円です。残りの3万円は納税充当金として、日本相撲協会が力士本人の名義で預かります。
Q. 負けた力士も懸賞金をもらえますか?
A. もらえません。その取組に懸かった懸賞は、すべて勝った力士が受け取ります。
Q. 大の里は秋場所で懸賞金をいくら受け取りましたか?
A. 獲得は698本で、力士の取り分(1本6万円)は4,188万円です。そのうち土俵で受け取った現金は2,094万円、残り2,094万円は協会の預かり分です。報道の「5,612万円」は、これに優勝賞金1,000万円、給料300万円、報奨金104万円、本場所特別手当20万円を足した額です。
Q. 懸賞は誰でもかけられますか?
A. 企業・団体などが日本相撲協会の懸賞係に申し込みます。対象は幕内の取組だけで、1日1本以上・1場所15本以上(15本で105万円)から。提供者名は15文字以内で、懸賞旗は自分で作って持ち込みます。
Q. 2026年秋場所の懸賞本数は何本ですか?
A. 3,688本で過去最多です。それまでの最多だった2026年夏場所の3,563本を125本上回りました。スポンサーの支払額にすると2億5,816万円です。
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出典・参考資料
- 日本相撲協会:懸賞について(1本70,000円の内訳、令和元年6月改定・九月場所より、申込条件)
- 日本相撲協会:大相撲クイズ「懸賞がかかった取組で勝利した力士が受け取れる懸賞金」(手取り現金3万円・納税充当金3万円)
- マネーポストWEB:【1場所で5612万円荒稼ぎ!】横綱・大の里が手にした「土俵に埋まるカネ」(2026年10月2日)
- ゴールドオンライン(宅森昭吉氏):《令和8年大相撲秋場所》横綱・大の里、1年ぶり6回目の優勝…懸賞本数過去最高も/《令和8年大相撲名古屋場所》関脇・安青錦、初場所以来3場所ぶり3度目優勝…懸賞本数は前年同場所比18場所連続増加
懸賞の内訳は日本相撲協会の公式サイト(2026年10月2日確認)にもとづきます。大の里の現金・預かり分の内訳、1勝あたりの本数、スポンサー支払額、申込に対する実績の割合、上位3人の占有率は、公表値をもとに筆者が計算したものです。アイキャッチ背景:Gregg Tavares「Kisenosato vs. Kakuryū 2014 Hatsu basho Tokyo.jpg」(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)をトリミング・明るさ調整・文字入れ。


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