FX・メキシコペソ
メキシコペソ円は今後どうなる?スワップ半減と損益分岐ラインを実測
ブルームバーグは2026年10月1日、メキシコ・ペソが売られ、現地のアナリストが「キャリー取引の宴は終わった」と話していると伝えました。日本の個人投資家に人気のメキシコペソ円のスワップ投資は、これからどうなるのでしょうか。メキシコ銀行と日銀の政策金利、SBI FXトレードが公表しているスワップの実績、10年分の為替レートを自分で集計し、スワップがどれだけ減ったのかと為替の下落をどこまで吸収できるのかを数字で確かめます。
この記事の結論
- メキシコ銀行は2024年3月から15回の利下げで政策金利を11.25%から6.50%へ下げ、日銀は同じ時期に−0.1%から1.25%まで上げました。日本との政策金利差は11.35ポイントから5.25ポイントへ53.7%縮小し、縮小分の約78%はメキシコ側の利下げによるものです。
- SBI FXトレード(通常FX)のメキシコペソ円の買いスワップは、1万通貨あたり1日26円(2023〜24年)から12円(2026年9月末)へ53.8%減りました。直近1年の受取額は4,419円で、ピーク期の1年(8,160円)より46%少なくなっています。
- 2022年1月から2026年9月まで、毎月の初めに1万通貨を買った57通りを10月1日夜のレート(8.658円)で評価すると、50通りはスワップ込みでプラスでした。マイナスの7通りは、すべて2026年3月以降に始めたケースです。
- 今のスワップ(1日12円)で1年に吸収できる下落は約0.44円(レートの5.1%)で、ピーク期の半分ほどです。過去10年の値動きでは、1年後にこれ以上下がっていた割合は28.6%ありました。
- 今後の焦点は、11月5日・12月17日のメキシコ銀行の会合と、10月30日・12月18日の日銀会合です。金利差がさらに縮むかどうかで、スワップの水準が決まります。
「キャリー取引の宴は終わった」とは?ブルームバーグ報道の要点
ブルームバーグの記事(2026年10月1日、Yahoo!ニュース配信)によると、メキシコ・ペソは過去1か月の値動きが主要通貨の中で最も弱く、9月初めに2年ぶりの高値を付けた後、月間で約6%下落しました(対ドル)。かつて「スーパーペソ」と呼ばれた通貨が売られた理由として、記事は米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げと、その後のメキシコ中銀の金利据え置きで金利差が縮んだことを挙げています。
キャリー取引とは、金利の低い通貨でお金を借りて、金利の高い通貨で運用し、金利の差を稼ぐ取引のことです。記事は、ブルームバーグのデータで米国とメキシコの金利差がこの1年で半減し、少なくとも2008年以来の低水準になったと伝えています。主な金融機関は、ペソの予想を次のようにペソ安の方向へ修正しました(1ドルあたりのペソ)。
| 金融機関 | 修正前 | 修正後 |
|---|---|---|
| ソシエテ・ジェネラル | 17.25ペソ | 18.00ペソ(年末) |
| モルガン・スタンレー | (6%のペソ安方向へ修正) | 18.25ペソ(10〜12月) |
| バンコ・バセ | 17.80ペソ | 18.20ペソ(10〜12月) |
| ドイツ銀行 | 17.5ペソ | 18.20ペソ(年末) |
円で見ても下げは大きく、Yahoo Financeの日足でメキシコペソ円は9月1日の始値9.425円から、10月1日夜には8.658円まで8.1%下がりました。2026年の高値は8月31日の9.444円で、2024年5月20日に付けた9.453円とほぼ同じ水準まで戻していた直後の急落です。
報道で中心になっているのは「米国との金利差」ですが、日本の個人投資家にとって大事なのはメキシコと日本の金利差です。円でペソを買うメキシコペソ円のスワップは、この差で決まるからです。以下では、この日本との金利差に絞って数字を見ていきます。日本の円キャリートレードそのものの仕組みや巻き戻しの歴史は、円キャリートレードとは?巻き戻しの怖さを過去3局面のデータで検証で詳しく扱っています。
メキシコの政策金利は何回下がった?11.25%から6.50%まで15回
メキシコ銀行(Banco de México、通称バンシコ)は、2023年3月30日に政策金利(翌日物銀行間金利の誘導目標)を11.25%へ引き上げた後、1年近くその水準を保ちました。利下げが始まったのは2024年3月21日です。メキシコ銀行の発表一覧から、利下げをすべて数えると次のとおりです。
| 決定日 | 変更幅 | 決定後の金利 |
|---|---|---|
| 2024年3月21日 | −0.25ポイント | 11.00% |
| 2024年8月8日 | −0.25ポイント | 10.75% |
| 2024年9月26日 | −0.25ポイント | 10.50% |
| 2024年11月14日 | −0.25ポイント | 10.25% |
| 2024年12月19日 | −0.25ポイント | 10.00% |
| 2025年2月6日 | −0.50ポイント | 9.50% |
| 2025年3月27日 | −0.50ポイント | 9.00% |
| 2025年5月15日 | −0.50ポイント | 8.50% |
| 2025年6月26日 | −0.50ポイント | 8.00% |
| 2025年8月7日 | −0.25ポイント | 7.75% |
| 2025年9月25日 | −0.25ポイント | 7.50% |
| 2025年11月6日 | −0.25ポイント | 7.25% |
| 2025年12月18日 | −0.25ポイント | 7.00% |
| 2026年3月26日 | −0.25ポイント | 6.75% |
| 2026年5月7日 | −0.25ポイント | 6.50% |
2024年に5回、2025年に8回(うち0.50ポイントの大幅利下げが4回)、2026年に2回で、合計15回・4.75ポイントです。2026年は6月25日・8月6日・9月24日と3会合続けて6.50%で据え置きました。9月24日の声明は全員一致の据え置きで、FRBが9月に0.25ポイント利上げしたことに触れたうえで、メキシコと米国の経済状況は違うので「FRBの政策金利の調整に機械的に反応する必要はない」と書いています。ブルームバーグの記事の中で、ソシエテ・ジェネラルのストラテジストが「金利差の縮小を容認する姿勢」と表現したのは、この判断のことです。
日本の政策金利は−0.1%から1.25%へ
同じ時期に、日本は逆向きに動きました。日銀の公表文で確認すると、マイナス金利を解除した2024年3月19日から、2026年9月18日までに6回、政策金利を引き上げています。
- 2024年3月19日まで−0.10%マイナス金利政策(日銀当座預金の一部に−0.1%)
- 2024年3月19日0〜0.1%程度無担保コールレート(翌日物)の誘導目標
- 2024年7月31日0.25%程度無担保コールレート(翌日物)の誘導目標
- 2025年1月24日0.50%程度無担保コールレート(翌日物)の誘導目標
- 2025年12月19日0.75%程度無担保コールレート(翌日物)の誘導目標
- 2026年6月16日1.00%程度無担保コールレート(翌日物)の誘導目標
- 2026年9月18日1.25%程度無担保コールレート(翌日物)の誘導目標
日本との金利差は11.35ポイントから5.25ポイントへ
メキシコと日本の政策金利の差を、節目ごとに並べました(日銀の2024年3月〜7月は0〜0.1%のため表から外しています)。
| 時点 | メキシコ | 日本 | 金利差 |
|---|---|---|---|
| 2022年1月初め | 5.50% | −0.10% | 5.60ポイント |
| 2023年3月30日〜24年3月18日(ピーク) | 11.25% | −0.10% | 11.35ポイント |
| 2024年末 | 10.00% | 0.25% | 9.75ポイント |
| 2025年末 | 7.00% | 0.75% | 6.25ポイント |
| 2026年9月18日〜(現在) | 6.50% | 1.25% | 5.25ポイント |
金利差の縮小6.10ポイントの内訳
ピークの11.35ポイントから現在の5.25ポイントまで、金利差は6.10ポイント(53.7%)縮みました。内訳はメキシコの利下げが4.75ポイント(約78%)、日本の利上げが1.35ポイント(約22%)です。ペソのスワップが減った主な理由はメキシコ側にありますが、日銀の利上げも2割ほど効いています。日銀の9月の利上げについては日銀が1.25%へ利上げなのに円安?反対2票と31年ぶり水準の意味で解説しています。
メキシコペソ円のスワップは何割減った?SBIの実績で53.8%減
では、スワップは実際にどれだけ減ったのでしょうか。SBI FXトレードは、通常のFX取引のスワップポイントを日ごとに公開しています(2022年1月以降を確認できました)。メキシコペソ円の買いスワップ(1万通貨あたり)を923日分すべて集計し、付与日数で割った「1日あたり」を四半期ごとに並べました。
スワップの山は2023年後半〜2024年前半で、1日26円の日が続きました。2024年7〜9月期から下がり始め、2026年9月29日以降は1日12円です。ピークからの減少率は53.8%で、金利差の縮小率(53.7%)とほぼ同じになりました。ざっくり言えば「金利差が半分になったら、スワップも半分になった」ということです。
今の水準が金利差どおりかも確かめておきます。1万ペソは8.658円なので約86,580円分です。これに金利差5.25%をかけて365日で割ると、1日あたり約12.5円になります。実際の12円とほぼ一致しており、今のスワップは金利差をそのまま映していると考えてよさそうです。
つみたて外貨やDMM FXでも傾向は同じ
SBI FXトレードの「つみたて外貨」(メキシコペソは2023年8月から)のスワップカレンダーでも、1万通貨あたり1日26円(2024年2〜6月)から、10月1日付与分は3日分で43円(1日あたり約14.3円)へ、約45%減っています。同じSBI FXトレードでも、通常FXとつみたて外貨のスワップは別々の水準で、2025年秋以降はつみたて外貨のほうが1日1〜3円ほど高めです。
また、当ブログで以前集計したDMM FXのメキシコペソ円は、2026年8月3日〜9月25日の平均が1日13.1円(売りは−16.1円)でした。同じ期間のSBI FXトレード(通常FX)は13.0円(売りは−16.0円)で、会社が違ってもほぼ同じ水準です。詳しくはDMM FXのスワップはいくら?1日の受取額と付与日数を2か月分集計をご覧ください。
売りのスワップは買いより大きい
9月30日のSBI FXトレードでは、買いが+12円なのに対し、売りは−15円でした。ペソ安を見込んで売る場合は、毎日この額を支払うことになります。「キャリー取引の終わり」は売りが有利になるという意味ではない点に注意が必要です。
スワップで為替の下落を何円まで吸収できた?始めた月別に57通り試算
スワップが減っても、これまでに受け取った分は残ります。そこで、2022年1月から2026年9月まで、毎月の最初の平日に1万通貨を買い、10月1日夜のレート(8.658円)で評価した57通りを計算しました。買値はYahoo Financeの日足の始値、スワップはSBI FXトレード(通常FX)の実績を9月30日付与分まで足しています。売買手数料・スプレッド・税金は含めていません。
表の「損益分岐レート」は、買値から受け取ったスワップを差し引いた値で、ここまで下がっても合計で損をしないラインです。
| 開始(買値) | スワップ累計 | 為替損益 | 合計 | 損益分岐レート |
|---|---|---|---|---|
| 2022年1月(5.62円) | +27,465円 | +30,398円 | +57,863円 | 2.87円 |
| 2023年1月(6.69円) | +23,503円 | +19,635円 | +43,138円 | 4.34円 |
| 2023年7月(8.47円) | +20,266円 | +1,904円 | +22,170円 | 6.44円 |
| 2024年1月(8.30円) | +16,272円 | +3,557円 | +19,829円 | 6.68円 |
| 2024年5月(9.19円) | +13,402円 | −5,278円 | +8,124円 | 7.85円 |
| 2024年8月(7.88円) | +11,476円 | +7,783円 | +19,259円 | 6.73円 |
| 2025年1月(7.57円) | +8,465円 | +10,924円 | +19,389円 | 6.72円 |
| 2025年7月(7.65円) | +5,649円 | +10,103円 | +15,752円 | 7.08円 |
| 2026年1月(8.71円) | +3,220円 | −548円 | +2,672円 | 8.39円 |
| 2026年3月(9.04円) | +2,559円 | −3,789円 | −1,230円 | 8.78円 |
| 2026年6月(9.20円) | +1,451円 | −5,397円 | −3,946円 | 9.05円 |
| 2026年9月(9.42円) | +349円 | −7,669円 | −7,320円 | 9.39円 |
2022年1月に始めた人は、4年9か月で27,465円のスワップを受け取っています。これはレートにして2.75円分の下落を吸収できる額で、損益分岐レートは2.87円です。ペソが今の半分以下にならない限り、損はしない計算になります。
注目は、過去最高値圏で買った2024年5月のケースです。買値は9.19円で為替では5,278円の損ですが、スワップが13,402円入っているため、合計では8,124円のプラスです。2024年8月には一時6.987円まで急落した時期をはさんでいますが、持ち続けていれば、スワップが損失を埋めたことになります。
一方、2026年3月以降に始めた7通りは、すべてマイナスです。始めた時期のレートが9円前後と高かったうえ、スワップが1日13〜15円に減ってから持った期間が短く、9月の下落を吸収しきれていません。9月1日に始めた人は、受け取ったスワップが349円に対して、為替の損が7,669円です。
「宴」は過去の保有者にも終わったのか
過去に受け取ったスワップは消えないので、2025年までに始めた人の多くは、9月の下落のあとでも合計ではプラスを保っています。ただし、ここで計算したのはレバレッジ1倍(買った金額と同じ額を入金)に近い前提です。レバレッジを高くしていた場合は、同じ下落でもロスカットされて、スワップを受け取り続けることができなかった可能性があります。
これから始めるとどうなる?今のスワップで吸収できるのは1年0.44円
これからメキシコペソ円を持つ場合、スワップの「クッション」はどのくらいあるのでしょうか。今の1日12円が1年続いたとすると、1万通貨あたり4,380円です。レートにすると約0.44円分の下落を吸収できる計算で、10月1日夜の8.658円から始めた場合の1年後の損益分岐は約8.22円、2年後は約7.78円になります(スワップが今の水準のまま続いた場合)。
このクッションの厚さを、過去の値動きに当てはめてみます。Yahoo Financeの日足で、2016年10月から2025年9月までの各営業日(2,068日)にメキシコペソ円を買い、ちょうど1年後のレートと比べました。1年後に5.1%を超えて下がっていたのは28.6%で、ピーク期のクッション(10.3%)を超えて下がっていたのは16.6%でした。過去10年の値動きが繰り返されると仮定すれば、スワップが半分になったことで、1年で「スワップを含めても損」になる場面がおよそ1.7倍に増えたことになります。1年間の最大の下落率は−26.5%でした。
9月の下落を取り戻すのにかかる時間も計算できます。9月1日の始値から10月1日夜までの下げは1万通貨あたり7,670円で、今のスワップ1日12円で埋めるには約639日(1年9か月ほど)かかります。ピーク期の1日26円なら約295日でした。
金利差がさらに縮んだらスワップはいくらになる?
今のスワップは金利差にほぼ比例しているので、金利差が0.25ポイント縮むごとに、1日あたり約0.59円減ると見込めます(1万ペソ=8.658円で計算)。主なシナリオでの目安は次のとおりです。
| シナリオ | 金利差 | 1日のスワップの目安 |
|---|---|---|
| 現在(2026年10月1日) | 5.25ポイント | 12円(実績) |
| メキシコが0.25ポイント利下げ | 5.00ポイント | 約11.4円 |
| 日銀が0.25ポイント利上げ | 5.00ポイント | 約11.4円 |
| 両方が起きる | 4.75ポイント | 約10.8円 |
| メキシコが0.50ポイント利下げ+日銀が0.25ポイント利上げ | 4.50ポイント | 約10.2円 |
実際のスワップは、会社ごとの設定や短期金利の動き、為替レートでも変わります。この表は大まかな目安と考えてください。
メキシコペソ円の今後の焦点|10〜12月の日程
ペソ円のスワップを左右するのは、メキシコと日本の金利差です。為替レートには米国の金利も影響します。年内の主な日程をまとめました(メキシコ銀行の日程は同行が公表した2026年の予定表、日銀・FRBも公式の日程表で確認)。
- 10月8日メキシコ銀行 9月会合の議事要旨FRBに追随しない理由や、利下げ再開の条件がどう議論されたかが分かります。
- 10月29日米FOMCの結果発表(日本時間 午前3時)10月27〜28日の会合。FRBが追加利上げに動けば、米国とメキシコの金利差はさらに縮みます。
- 10月30日日銀 金融政策決定会合(2日目)10月29〜30日。日銀が利上げすれば、日本との金利差が縮み、ペソ円のスワップは減ります。
- 11月5日メキシコ銀行 政策金利の発表メキシコ市の13時(日本時間6日の午前4時)。据え置きが続くか、利下げを再開するかが焦点です。
- 12月10日米FOMCの結果発表(日本時間 午前4時)12月8〜9日の会合。経済見通しも公表されます。
- 12月17日メキシコ銀行 年内最後の政策金利の発表日本時間18日の午前4時。
- 12月18日日銀 金融政策決定会合(2日目)12月17〜18日。
3つのシナリオ
①金利差が今のまま(メキシコ据え置き・日銀据え置き) スワップは1日12円前後が続きます。為替はFRBの動きと米国の長期金利しだいで、ペソ安が続けば、スワップでは追いつかない状態が続きます。
②金利差がさらに縮む(メキシコ利下げ再開、または日銀利上げ) スワップは1日11円前後へ減ります。9月24日の声明はインフレ見通しの上振れリスクにも触れており、利下げ再開は確定的ではありません。ただ、メキシコの利下げ再開と日銀の追加利上げのどちらか一方だけでも、金利差は縮みます。
③金利差が広がる(メキシコが利上げ) メキシコ銀行の声明は、ペソ安がインフレを押し上げるリスクを挙げています。ペソ安が大きく進んだ場合には利上げの可能性もゼロではありませんが、9月時点では声明に利上げを示す表現はありません。
どのシナリオになるかは分かりません。ここで言えるのは、「金利差が大きいからペソ円は持っていれば安心」という前提が、2023〜24年ほどは成り立たなくなったということです。米国の金利の動きについてはFRBが3年ぶり利上げ|日米金利差3.0%と9月18日の日銀会合も参考にしてください。
メキシコペソ円で気をつけたい3つのこと
1. レバレッジを上げるとスワップより先にロスカットが来る
上の試算はレバレッジ1倍に近い前提です。9月のように1か月で8.1%下がる局面では、実効レバレッジ10倍(口座の資金の10倍の取引)なら資金の8割以上が消える計算になります。スワップの受け取りを続けたいなら、証拠金維持率に余裕を持たせることが前提です。目安はFXの証拠金維持率の目安は何%?国内25倍前提の安全圏を解説で解説しています。
2. スワップは毎日変わる
スワップポイントは決まった利息ではなく、金利差や会社の設定で毎日変わります。今回見たように、2年あまりで半分以下になることもあります。過去の受取額を、そのまま将来の利回りと考えないことが大切です。
3. 積立でも元本割れは起こる
少しずつ買う積立方式は、買う時期を分けられる一方で、高値圏で買った分は今回のように損が出ます。SBIのつみたて外貨で10通貨を検証した積立FXは失敗する?SBIつみたて外貨を10通貨・81通りで検証では、メキシコペソを含む各通貨の結果をまとめています。
メキシコペソ円のスワップ・今後についてよくある質問
Q. 「キャリー取引の宴は終わった」とはどういう意味ですか?
A. 低金利の通貨で調達して高金利の通貨で運用する「キャリー取引」が、金利差の縮小で以前ほど稼げなくなったという意味です。ブルームバーグは2026年10月1日、メキシコの銀行バンコ・バセのアナリストの発言として伝えました。メキシコと日本の政策金利差も、ピークの11.35ポイントから5.25ポイントへ縮んでいます。
Q. メキシコペソ円のスワップは今いくらですか?
A. SBI FXトレード(通常FX)では、2026年9月29日以降、1万通貨あたり1日12円(買い)です。2023〜24年のピーク(1日26円)から53.8%減りました。DMM FXも2026年8〜9月の平均は1日13.1円で、ほぼ同じ水準です。
Q. メキシコの政策金利は今何%ですか?
A. 6.50%です。2024年3月から15回の利下げで11.25%から4.75ポイント下がり、2026年6月・8月・9月の会合では据え置かれました。次回の発表は11月5日(日本時間6日午前4時)です。
Q. メキシコペソ円は今後どうなりますか?
A. 将来のレートは誰にも分かりません。スワップの面では、メキシコの利下げ再開や日銀の利上げがあれば金利差がさらに縮み、スワップは減ります。為替の面では、FRBの利上げや米国の長期金利の上昇がペソ安の要因として報じられています。売買の判断は、ご自身でリスクを確認したうえで行ってください。
Q. 今からメキシコペソ円を買うと、どのくらい下がったら損ですか?
A. 今のスワップ(1日12円)が続くと、1年で吸収できる下落は約0.44円です。10月1日夜の8.658円で買った場合、1年後に約8.22円を下回ると、スワップを含めても損になる計算です(手数料・税金は含まず)。
Q. スワップ目的ならメキシコペソ円の売りは有利になりますか?
A. いいえ。売りのスワップは支払いで、SBI FXトレードの2026年9月30日の実績は1万通貨あたり1日−15円と、買いの受取額(12円)より大きい額です。金利差が縮んでも、メキシコの金利が日本より高い限り、売りはスワップを払う側になります。
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出典・参考資料
- Banco de México:Anuncios de las decisiones de política monetaria(政策金利発表の一覧)/Anuncio de Política Monetaria(2026年9月24日)/Calendario 2026(政策決定の日程)
- 日本銀行:金融政策の枠組みの見直しについて(2024年3月19日)/2024年7月31日/2025年1月24日/2025年12月19日/2026年6月16日/2026年9月18日(金融市場調節方針の変更について)/金融政策決定会合の開催予定
- SBI FXトレード:スワップ履歴(通常FX)/スワップカレンダー/つみたて外貨 スワップカレンダー(いずれも2026年10月1日取得)
- Yahoo Finance:チャートAPI MXNJPY=X(日足・10年)(2016年10月〜2026年10月1日を取得)/Yahoo!ファイナンス:メキシコペソ/円
- Board of Governors of the Federal Reserve System:Meeting calendars and information
- ブルームバーグ(Yahoo!ニュース配信):メキシコ・ペソに売り、「キャリー取引の宴は終わった」-金利差縮小(2026年10月1日)
政策金利の推移は、メキシコ銀行の発表一覧の変更幅を2023年3月30日の11.25%から積み上げ、同行が「据え置き」と発表した時点の水準(2024年6月の11.00%、2026年2月の7.00%、6〜9月の6.50%)と一致することを確かめました。スワップはSBI FXトレードの公開データ(1万通貨あたり、付与日数込み)を筆者が集計したもので、他社や将来の値とは異なります。開始月別の試算は、各月の最初の平日のYahoo Finance日足の始値で1万通貨を買い、2026年10月1日22時台のレート8.658円で評価したもので、手数料・スプレッド・税金・レバレッジによる追加の損失は含みません。シナリオ別のスワップは、現在のレートと金利差から比例計算した目安です。この記事は情報提供を目的としたもので、特定の通貨や取引を勧めるものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。アイキャッチ背景:Bohao Zhao「Banco de México – panoramio (1).jpg」(Wikimedia Commons、CC BY 3.0)をトリミング・明るさ調整・文字入れ。
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