トリプル台風が日本列島を挟み撃ち。13号は沖縄直撃のおそれ
2026年8月5日、台風14号と15号が相次いで発生し、すでに日本の南を進んでいた台風13号とあわせて3つの台風が同時に存在する「トリプル台風」となりました。大型で非常に強い台風13号は8月7日〜8日に沖縄本島を直撃するおそれがあり、15号は10日にかけて日本の東へ接近する見込みです。この記事では、3つの台風の最新進路と日本への影響、そして「なぜ台風が同時に3つも発生するのか」を分かりやすく解説します。
台風13号 ドルフィン台風14号 クジラ台風15号 チャンホン
トリプル台風とは?8月5日に3つの台風が出そろった
トリプル台風とは、3つの台風が同時に存在している状態を指す通称です。正式な気象用語ではありませんが、複数の台風が互いの進路や勢力に影響を及ぼし合うことがあるため、ニュースなどで注目を集める言葉になっています。
今回のトリプル台風が出そろった経緯は次のとおりです。まず、日本の南の海上を大型で非常に強い台風13号(ドルフィン)が西寄りに進んでいたところへ、8月5日午後3時に南シナ海で台風14号(クジラ)が発生。同じ8月5日午後3時には、ウェーク島近海で台風15号(チャンホン)が発生しました。15号は発生した時点で強風域の直径が広い「大型」の台風で、中心気圧948hPaという強い勢力です。
日本列島から見ると、南西(南シナ海)に14号、南(沖縄の南東海上)に13号、はるか東(ウェーク島近海)に15号という配置です。つまり日本は西と東から台風に挟まれる形になっており、特に13号と15号の動き次第で、沖縄から関東まで広い範囲に影響が及ぶおそれがあります。
3つの台風の最新情報と進路予想【8月6日時点】
気象庁の発表をもとに、8月6日午前時点の3つの台風の勢力と進路予想を一覧表にまとめました。
| 台風 | 勢力(8月6日時点) | 今後の進路予想 |
|---|---|---|
| 13号 ドルフィン |
大型で非常に強い 中心気圧945〜950hPa 最大風速40〜45m/s |
西北西へ進み、7日〜8日に沖縄本島へ接近・直撃のおそれ。沖縄本島近海で速度を落とし、9日頃にかけて東シナ海をゆっくり北西進 |
| 14号 クジラ |
中心気圧994hPa (比較的弱い勢力) |
南シナ海を北東へ進み、6日午後にはフィリピンのルソン島付近で熱帯低気圧に変わる見込み。日本への直接の影響はほぼなし |
| 15号 チャンホン |
大型(強風域の直径560km) 中心気圧948hPa |
ウェーク島近海を北上したあと進路を西寄りに変え、10日にかけて「日本の東」の海上へ接近する見込み |
最も警戒すべきは台風13号――沖縄は影響が長期化のおそれ
3つのうち、日本への影響が最も大きいのは台風13号です。8月6日午前の時点で南大東島の東の海上にあり、西北西へ毎時25kmで進んでいます。今後は強い勢力を保ったまま沖縄・奄美に接近し、沖縄地方では一部の住宅や電柱が倒壊するような猛烈な風(最大瞬間風速60m/s)が吹くおそれがあります。
さらに厄介なのは、13号が沖縄本島近海で速度を落とすと予想されている点です。台風の速度が遅くなると暴風や大雨が同じ地域に長時間続くため、沖縄では影響の長期化が懸念されています。24時間降水量は200ミリに達するおそれがあり、波の高さは10メートルと猛烈なしけになる見込みです。
台風15号は「日本の東」へ――関東など太平洋側は高波・うねりに注意
台風15号は日本に上陸する予想にはなっていませんが、大型の台風が日本の東の海上へ近づくため、関東など太平洋側の海岸にはうねりを伴った高い波が届きます。ちょうどお盆前の海のレジャーシーズンと重なるため、海水浴では沖に流される離岸流に十分な注意が必要です。
今後のスケジュール――いつ・どこに影響が出るのか
- 8月5日:トリプル台風が成立南シナ海で14号、ウェーク島近海で15号が相次いで発生し、13号とあわせて3つの台風が同時に存在する状態に。
- 8月6日〜7日:13号が沖縄地方に接近沖縄・奄美で風と波が急速に強まる。14号は6日午後に熱帯低気圧へ。
- 8月7日〜8日:13号が沖縄本島を直撃のおそれ猛烈な風・高波・高潮・大雨に厳重警戒。停電や交通機関の乱れも想定される。
- 8月9日頃:13号は東シナ海へ速度を落としながら北西進。九州は台風の東側「危険半円」に入るおそれがあり、上陸しなくても強風・大雨に注意。
- 8月10日頃:15号が日本の東へ最接近関東など太平洋側はうねりを伴った高波に注意。進路次第では東日本への影響が拡大する可能性も。
台風の進路予想には幅があり、特に速度の遅い台風は予報が大きく変わることがあります。この記事の情報は8月6日時点のものです。お住まいの地域への影響は、必ず気象庁の最新の台風情報で確認してください。
なぜ台風が同時に3つも発生するのか
「台風が3つ同時なんて異常では?」と感じるかもしれませんが、実は北西太平洋は世界で最も台風(熱帯低気圧)の発生数が多い海域で、発生が集中する8月〜9月に複数の台風が同時に存在すること自体は、それほど珍しい現象ではありません。
今回のように台風が相次いで発生した背景には、次のような条件がそろったことがあります。
- 海面水温の高さ:台風のエネルギー源は海から供給される水蒸気です。日本の南の海面水温が高い状態が続いており、台風が発生・発達しやすい環境になっています。
- モンスーン(季節風)の収束:夏の北西太平洋では、南西からのモンスーンと東からの貿易風がぶつかって雲がまとまりやすい帯(モンスーントラフ)ができ、この帯に沿って台風のもとになる雲の塊が次々と生まれます。
- 太平洋高気圧の配置:高気圧の縁を回る風が台風を日本方面へ運ぶルートを作っています。
「藤原の効果」で進路が複雑になる可能性も
複数の台風が接近して存在すると、互いの周りを回るように動いたり、一方がもう一方に引き寄せられたりして、進路が複雑で予測しにくくなることがあります。これは提唱者である気象学者・藤原咲平氏の名前をとって「藤原の効果」と呼ばれ、一般的には台風同士の中心間距離が約1,000km以内に近づくと現れやすいとされています。
気象庁は2014年頃から「藤原の効果」を予報用語として使用を控える扱いにしています。台風の動きに影響するのは他の台風だけでなく、気圧の谷・高気圧・偏西風など多くの要素があり、個々の事例で相互作用の程度を明確に示せないためです。台風が複数あっても、上空の風の流れに乗ってそのまま素直に進むケースも多くあります。
今回の13号と15号は現時点で十分に離れていますが、13号が東シナ海で速度を落とす予想になっているのは、周囲の気圧配置に加えてこうした複数台風の存在も無関係ではありません。予報円が大きい=予測の不確実性が高いということなので、最新情報のこまめな確認が普段以上に重要になります。
日本への影響まとめと今できる備え
沖縄・奄美:7日〜8日を中心に暴風・高波・高潮・大雨に厳重警戒。停電への備え(モバイルバッテリー充電・飲料水確保)を今のうちに。
九州:9日頃にかけて13号の東側「危険半円」に入るおそれ。上陸しなくても強風・大雨に注意。
関東など太平洋側:10日にかけて15号のうねりが到達。海水浴・釣り・サーフィンは離岸流と高波に注意。
特に沖縄では、台風接近の前日までに済ませておきたい備えがあります。飛ばされやすい物(植木鉢・物干し竿)の屋内への収納、窓ガラスの補強、断水に備えた水の汲み置き、スマートフォンやモバイルバッテリーのフル充電などです。停電が復旧したあとに起こる通電火災のリスクや、台風被害に便乗した悪質な修理業者にも注意が必要です。
また、7月28日の地震で震度7を観測した熊本など九州の被災地では、地盤が緩んでいる場所への大雨が心配されます。被災地への台風の影響と備えについては、台風13号の続報とあわせて別記事で詳しく解説しています。
トリプル台風に関するよくある質問
Q. トリプル台風とは何ですか?
A. 3つの台風が同時に存在している状態を指す通称です。2026年8月5日に台風14号と15号が相次いで発生し、既存の台風13号とあわせてトリプル台風となりました。正式な気象用語ではありませんが、複数の台風が互いの進路に影響し合うことがあるため注目されています。
Q. 3つの台風のうち、日本に最も影響があるのはどれですか?
A. 台風13号(ドルフィン)です。大型で非常に強い勢力を保ったまま、8月7日〜8日に沖縄本島に接近・直撃するおそれがあります。最大瞬間風速60m/s、波の高さ10mが予想され、速度が遅いため影響の長期化が懸念されています。台風15号は10日にかけて日本の東へ接近し、太平洋側に高波をもたらす見込みです。
Q. お盆休みの旅行や帰省への影響はありますか?
A. 沖縄方面は7日〜9日頃を中心に航空便の欠航が相次ぐおそれがあります。九州も9日頃にかけて風雨が強まる可能性があり、太平洋側の海のレジャーは10日頃までうねりと離岸流に注意が必要です。お盆前半に移動を予定している方は、交通機関の運行情報と気象庁の最新の台風情報をこまめに確認してください。
Q. 台風が同時に3つ発生するのは異常なことですか?
A. 異常というほど珍しい現象ではありません。北西太平洋は世界で最も台風の発生が多い海域で、発生のピークである8月〜9月には複数の台風が同時に存在することがたびたびあります。ただし台風同士が約1,000km以内に近づくと「藤原の効果」で進路が複雑になり、予報が難しくなることがあります。
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