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静岡県西部M5.7で知多市が震度5強|5弱以上12市町村と南海トラフ
結論
- 11月8日午前1時4分ごろ、静岡県西部を震源とするマグニチュード(M)5.7の地震があり、愛知県知多市で震度5強を観測しました。震度5弱は愛知・長野・岐阜・静岡の11市町村で、震度4は71市区町村です。津波の心配はありません。
- 震源の深さは41km。気象庁はフィリピン海プレートの内部で起きた地震(速報)とみています。南海トラフ地震の想定震源域の中ですが、規模から「プレート間の固着状態の特段の変化を示すものではない」としています。臨時情報の調査を始めるM6.8には届いていません。
- 緊急地震速報(警報)は地震波の検知から7.7秒後に出ました。最初の対象は愛知・静岡・岐阜の5地域で、震度5弱を観測した長野県南部が加わったのは12.5秒後です。気象庁は1週間程度、最大震度5強程度の地震に注意するよう呼びかけています。
気象庁の報道発表と緊急地震速報の発表状況による。
震度5強・5弱の市町村一覧
震度5弱以上は12市町村です。気象庁が午前1時12分に発表した震源・震度情報をもとに、観測点まで並べました。
| 県 | 市町村 | 震度 | 観測点 |
|---|---|---|---|
| 愛知 | 知多市 | 5強 | 知多市緑町 |
| 愛知 | 瀬戸市 | 5弱 | 瀬戸市追分町 |
| 愛知 | 半田市 | 5弱 | 半田市東洋町 |
| 愛知 | 刈谷市 | 5弱 | 刈谷市寿町 |
| 愛知 | 豊田市 | 5弱 | 豊田市小坂本町、豊田市小坂町、豊田市長興寺 |
| 愛知 | 東海市 | 5弱 | 東海市加木屋町 |
| 愛知 | 愛知みよし市 | 5弱 | 愛知みよし市三好町 |
| 愛知 | 東郷町 | 5弱 | 東郷町春木 |
| 愛知 | 新城市 | 5弱 | 新城市大野、新城市作手高里縄手上 |
| 長野 | 売木村 | 5弱 | 売木村役場 |
| 岐阜 | 恵那市 | 5弱 | 恵那市上矢作町 |
| 静岡 | 浜松浜名区 | 5弱 | 浜松浜名区三ヶ日町 |
気象庁「震源・震度情報」(11月8日1時12分発表)。観測点の「*」(気象庁以外の自治体・防災科研の観測点)は省略。
震度4は71市区町村でした。内訳は愛知県43(名古屋市は千種・北・西・中村・中・昭和・瑞穂・熱田・港・南・守山・緑・名東・天白の14区)、長野県16、静岡県7、岐阜県4、三重県1(木曽岬町)です。揺れは関東から中国・四国地方まで届き、震度1以上は全国710市区町村で観測されました。
震源から約77km離れた知多市が最大
震央(北緯34.9度・東経137.7度、浜松市の北部)から知多市役所までは、直線で約77kmあります(座標から当サイトが計算)。震度は震源からの距離だけでなく、観測点の地盤の揺れやすさにも左右されます。気象庁の推計震度分布図では、観測点のない場所も含めた揺れの広がりを確認できます。
どんな地震だった?プレートの中で起きた深さ41kmの地震
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生時刻 | 11月8日 午前1時4分ごろ |
| 震源 | 静岡県西部(北緯34.9度、東経137.7度) |
| 深さ | 41km(暫定値。速報値の約40kmから更新) |
| 規模 | M5.7(暫定値)/モーメントマグニチュードMw5.5 |
| 発震機構 | 東北東―西南西方向に張力軸を持つ型 |
| どこで起きたか | フィリピン海プレートの内部(速報) |
| 長周期地震動 | 階級1(長野県南部、愛知県東部、愛知県西部) |
| 津波 | なし |
この地域の地下には、南から沈み込むフィリピン海プレートがあります。今回の地震は、プレートどうしの境目ではなく、沈み込んだプレートの内部で起きたとみられています。張力軸を持つ型は、岩盤が引っ張られて壊れたことを示します(気象庁の報道発表)。
午前2時35分までに、震度1以上の地震がもう1回(震度2)起きています。気象庁の一覧では、午前2時3分の愛知県東部のM3.3がこれにあたります。
南海トラフ地震との関係は?「想定震源域の中」でも臨時情報は出ない
気象庁は会見資料で、今回の地震は南海トラフ地震の想定震源域の中で発生したと説明しました。そのうえで、この規模では南海トラフ沿いのプレート間の固着状態の特段の変化を示すものではないと考えられる、としています。
| 基準 | 今回の地震 |
|---|---|
| 臨時情報(調査中)を出して調べ始める規模:M6.8以上 | M5.7(届かない) |
| 起きる場所 | 想定震源域の中だが、プレート境界ではなくプレート内部(速報) |
| エネルギーの差 | M6.8はM5.7の約45倍 |
南海トラフ地震臨時情報の発表条件(気象庁)。エネルギーはMが1増えると約32倍になる関係から当サイトが計算(10の1.5×1.1乗)。
臨時情報は、想定震源域とその周辺でM6.8以上の地震が起きたときなどに「調査中」として出され、専門家の評価検討会が開かれます。2024年8月の日向灘の地震(M7.1)では「巨大地震注意」が出ましたが、今回はその手前の調査を始める条件にも当てはまりません。
この周辺で過去に起きた主な地震
気象庁の資料では、震源の周辺で起きたM5.0以上の主な地震として、1917年の静岡県中部(M6.3)、1935年の静岡県中部(M6.4)、1945年1月の三河地震(M6.8)、1965年の静岡県中部(M6.1)、1997年3月の愛知県東部(M5.9)が挙げられています。
緊急地震速報が鳴らなかったのはなぜ?対象地域は秒単位で広がった
「緊急地震速報が鳴らなかった」という声が出ています。気象庁の記録を見ると、警報の対象地域は最初から全部そろっていたわけではありません。地震波を検知した午前1時4分41.8秒からの流れは次のとおりです(気象庁「緊急地震速報の内容」)。
| 報 | 検知から | 推定規模 | 予測の内容 |
|---|---|---|---|
| 第1報 | 2.6秒 | M4.4 | 最大震度3程度以上(予報) |
| 第6報 | 7.7秒 | M5.5 | 警報:愛知県西部 5弱/静岡県西部・愛知県東部 4/静岡県中部・岐阜県美濃東部 3〜4 |
| 第7報 | 8.5秒 | M5.6 | 静岡県中部・岐阜県美濃東部を震度4程度に引き上げ |
| 第10報 | 12.5秒 | M5.8 | 長野県南部が震度4程度に(警報の対象地域に追加) |
| 第13報 | 15.2秒 | M5.8 | 愛知県西部を震度5強程度に |
| 第14報 | 16.6秒 | M6.0 | 以後の最終第19報(87.0秒)までM6.0 |
警報は「最大震度5弱以上が予想されたとき」に、震度4以上が予想される地域へ出す仕組みです(気象庁)。最初の警報(第6報)の対象は、愛知県西部・愛知県東部・静岡県西部・静岡県中部・岐阜県美濃東部でした。震度5弱を観測した長野県南部(売木村)は、予測が震度4程度に上がった第10報で加わっています。
「鳴らない」には2つのパターンがある
①予測震度が3以下の地域は、そもそも警報の対象外です。大阪府や京都府は震度3以下で、対象に入っていません。②後から対象に加わった地域は、通知が届く前に揺れが来ることがあります。震源に近い場所ほど、強い揺れまでの猶予は短くなります。携帯電話の通知の設定や機種によっても受け取り方は変わります。
気象庁の一覧によると、2026年に緊急地震速報(警報)が出た地震は今回で23件目です(キャンセル報1件を含む。2025年は13件)。7月28日の熊本県熊本地方の地震(M7.1、最大震度7)もこの中に入っています(気象庁「緊急地震速報(警報)発表状況」)。
被害とけが人、交通への影響(午前2時40分ごろまで)
CBCテレビが午前2時40分ごろまでにまとめた東海3県の情報では、けが人は愛知県内で相次いでいます(CBCテレビ、共同通信)。
| 場所 | 内容 |
|---|---|
| 豊田市 | 43歳男性と88歳女性が転倒して頭にけが(いずれも意識あり) |
| 常滑市 | 50代女性が避難の際に自宅の階段で転倒し、足を骨折 |
| 大府市 | 20代男性が窓ガラスに突っ込みけが、救急搬送 |
| 春日井市 | 90代男性が落ちてきたテレビで足にけが |
| 西尾市 | 50代男性が落下物で顔にけが、救急搬送 |
| 尾張旭市・碧南市 | 飛び起きた際や緊急速報を聞いて転倒し、足をけが |
| 名古屋市 | 「転倒」「体をぶつけた」などの通報が約10件 |
| 東浦町 | 約15軒で断水、マンホールから水があふれる |
| 豊橋市・新城市 | ショーウィンドウの破損、風呂のタイルのはがれ |
道路は知多半島道路、知多横断道路、南知多道路、衣浦トンネル、猿投グリーンロード、衣浦豊田道路が全線通行止めになりました(午前2時40分現在)。JR東海は始発への影響を調べていました。中部国際空港(セントレア)は影響なし、静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所に異常はないと伝えられています。
数字は速報段階
けが人や被害は午前2〜3時ごろまでの報道に基づきます。朝以降に消防や自治体のまとめで増える可能性があります。
これから1週間、気をつけること
- 1週間程度は最大震度5強程度の地震に注意:過去の事例では、大きな地震の後に同じ程度の地震が起きた割合が1〜2割あります。特に今後2〜3日は規模の大きな地震が起きることが多いとされます(気象庁)。
- 落石・崖崩れに注意:揺れの強かった地域では、地盤が緩んでいる可能性があります。雨が降るときは斜面に近づかないようにします。
- 寝室の家具とガラスを見直す:今回のけが人の多くは、夜中に飛び起きた際の転倒や落下物によるものでした。枕元にスリッパや靴、懐中電灯を置いておくと、暗い中でも足元を守れます。
- 南海トラフの備えも確認:臨時情報は出ていませんが、想定震源域の中で起きた地震です。備蓄や避難場所を確かめるきっかけにできます。
静岡県西部の地震のよくある質問
Q. 11月8日の静岡県西部の地震の最大震度はどこですか。
A. 愛知県知多市の震度5強です。震度5弱は愛知県の瀬戸市・半田市・刈谷市・豊田市・東海市・みよし市・東郷町・新城市、長野県売木村、岐阜県恵那市、静岡県浜松市浜名区の11市町村でした。
Q. この地震は南海トラフ地震と関係がありますか。
A. 気象庁は、南海トラフ地震の想定震源域の中で起きた地震だとしています。ただし規模から、プレート間の固着状態の特段の変化を示すものではないと考えられるとしています。臨時情報の調査を始めるM6.8には届いていません。
Q. 緊急地震速報が鳴らなかったのはなぜですか。
A. 警報は震度4以上が予想される地域だけに出ます。最初の対象は愛知・静岡・岐阜の5地域で、長野県南部は検知から12.5秒後に加わりました。予測が震度3以下の地域や、揺れの後に対象になった地域では鳴らない、または間に合わないことがあります。
Q. 余震はいつまで注意すればいいですか。
A. 気象庁は、揺れの強かった地域では1週間程度、最大震度5強程度の地震に注意するよう呼びかけています。特に今後2〜3日程度は、規模の大きな地震が起きることが多いとしています。
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出典・参考資料
- 気象庁:令和8年11月8日01時04分頃の静岡県西部の地震について(報道発表、11月8日3時05分・PDF)
- 気象庁:緊急地震速報の内容(11月8日01時04分 静岡県西部)
- 気象庁:緊急地震速報(警報)発表状況
- 気象庁:緊急地震速報の発表条件
- 気象庁:南海トラフ地震臨時情報の発表条件
- 気象庁:地震情報(震度・推計震度分布図)
- CBCテレビ:愛知県で最大震度5強の強い地震 被害・交通情報(11月8日)
- 共同通信:愛知・豊田で2人けがとの通報(11月8日)
アイキャッチ写真は地震計の記録紙で、今回の地震のものではありません。写真:Z22/Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)。明るさ調整・文字入れあり。


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