経済・マネー
グーグル親会社の株価が12%超下落、時価総額は1日で約5,000億ドル減
グーグルの親会社アルファベット(Alphabet)の株価が、2026年10月29日(木、米国時間)に大きく下がりました。BBCによると時価総額は前日の3.97兆ドルから3.46兆ドルへ、1日で約5,100億ドル(約80兆円)減りました。前日に発表した7〜9月期決算で、検索広告の伸びが鈍り、経営陣が自社の「AIモード」の収益化の低さを理由の一つに挙げたことが材料になりました。SECに提出された決算資料9四半期分を集計し、何が変わったのかを数字で整理します。
【追記 10月31日】翌30日(米国時間)にはインテル株も10〜12月期の見通しが嫌気され、終値で28.6%安と1974年以来の下げになりました。決算資料11四半期の集計はインテル株価はなぜ急落?一時30%安、1974年以来の下げとPC不振で解説しています。
この記事の結論
- 7〜9月期の売上高は1,276億ドル(前年同期比+25%)。クラウドは307億ドルと2倍超(+103%)に伸びた一方、主力の「検索とその他」は+12%で、前の四半期(4〜6月期)とほぼ同額(+0.1%)にとどまりました。
- 決算説明会で最高ビジネス責任者(CBO)のフィリップ・シンドラー氏は、検索の伸びが鈍った理由として為替などに加え、AIモードの利用が伸びた一方でAIモードの収益化が低いことを挙げました。
- 設備投資は1四半期で514億ドルと前年同期の約2.1倍。営業キャッシュフローを上回り、フリーキャッシュフローは2四半期続けてマイナス(7〜9月期は-91億ドル)になりました。当サイトが集計した9四半期でマイナスはこの2回だけです。
- 純利益(普通株主帰属)は262億ドルと前年同期比-25%減ですが、営業利益は+30%。減益の主因は、保有株式の評価損など営業外の損益です。
- NBC Newsによると、1日の時価総額の減少額としては米国市場で2番目の大きさで、1位は2025年1月のエヌビディア(5,890億ドル)です。
円換算はFRB H.10の2026年10月23日のニューヨーク正午レート(1ドル=156.87円)。決算の数字は米ドル、「億ドル」は百万ドル単位の公表値を換算して四捨五入しています。
グーグル株価はなぜ急落した?決算で何が起きたか
アルファベットは2026年10月28日(水、米国時間)に7〜9月期の決算を発表しました(決算リリース)。売上高は前年同期比25%増の1,276億ドル、営業利益は30%増の406億ドルで、営業利益率は31.8%。数字だけ見ると増収増益です。
それでも翌29日(木)の株式市場で株価は急落しました。NBC Newsによると下落率は12.6%で、同社株として最悪の1日の下げです。BBCは、時価総額が前日の3.97兆ドルから3.46兆ドルに減ったと報じています(BBCは「5,000億ドル強」と表記)。売上高が市場の予想に届かず、特に広告の売上が予想を下回ったことが投資家を驚かせた、と両社は伝えています。
市場が注目したのは、売上全体よりも「検索広告の伸びの鈍化」と「設備投資の膨張」の2点です。どちらも決算資料の数字から確かめられます。以下、順に見ていきます。
- 2025年9月8日AIモードを日本語でも提供Googleが検索の「AIモード」を日本語・韓国語など5言語に広げると発表(米国時間)。
- 2026年7月22日4〜6月期決算フリーキャッシュフローが-59億ドルと、当サイトの集計範囲で初めてマイナスに。
- 10月28日(水)7〜9月期決算を発表決算説明会は米東部時間16時30分(日本時間29日5時30分)から。同日、AIモードの広告を10か国に広げると発表。
- 10月29日(木)株価が12.6%下落NBC Newsによると同社株として過去最悪の1日の下げ。取引終了は日本時間30日午前5時。時価総額は3.46兆ドルに(BBC)。
- 10月29日(木)10-Qを提出・アマゾンも決算アルファベットが四半期報告書をSECに提出。同日の取引終了後にアマゾンが決算を発表しました。
- 2026年10〜12月AIモード広告をさらに拡大ブラジル、メキシコ、英国などに広げる計画(Google公式ブログ)。
7〜9月期決算の中身:クラウドは2倍、検索は+12%
決算リリースの売上内訳を前年同期と並べると、次のとおりです(伸び率は当サイトで計算)。
| 項目 | 2025年7〜9月 | 2026年7〜9月 | 伸び率 |
|---|---|---|---|
| 検索とその他 | 566億ドル | 634億ドル | +12.0% |
| YouTube広告 | 103億ドル | 112億ドル | +9.2% |
| グーグル・ネットワーク | 74億ドル | 75億ドル | +1.4% |
| サブスク・端末など | 129億ドル | 143億ドル | +11.0% |
| グーグルクラウド | 152億ドル | 307億ドル | +102.6% |
| 売上高合計 | 1,023億ドル | 1,276億ドル | +24.7% |
| 営業利益 | 312億ドル | 406億ドル | +29.9% |
| 純利益(普通株主帰属) | 350億ドル | 262億ドル | -25.2% |
出典:アルファベットQ3 2026決算リリース(SEC 8-K Exhibit 99.1)。売上高合計にはこのほか「その他の事業(Other Bets)」とヘッジ損益が含まれます。
伸びの中心はクラウドです。グーグルクラウドの売上高は307億ドルで、前年同期の2倍を超えました。リリースは、企業向けのAI基盤やAIソリューションに加え、自社開発のAI半導体(TPU)を搭載したシステムの販売も伸びに大きく寄与したと説明しています。クラウド部門の営業利益も36億ドルから111億ドルへ約3倍になりました。
一方、売上の半分を占める「検索とその他」は+12.0%。YouTube広告は+9.2%、他社サイトに広告を配信するグーグル・ネットワークは+1.4%でした。
純利益が25%減ったのは「本業の不振」ではない
純利益(普通株主に帰属する分)は350億ドルから262億ドルへ25.2%減りました。ただ、本業のもうけを示す営業利益は30%増えています。差を生んだのは「その他の収益(費用)」で、前年同期は128億ドルのプラスでしたが、今期は-82億ドルのマイナスでした。
リリースの注記によると、今期は保有する株式の評価損が87億ドルあり、これだけで純利益を67億ドル押し下げています。アルファベットは他社への出資を多く抱えており、その評価額の上下が四半期の純利益を大きく振らします。「利益25%減」は主にこの評価損によるもので、株価急落の直接の理由として報道が挙げているのは、検索広告の伸びと設備投資のほうです。
検索広告は3四半期で頭打ち?9四半期の売上内訳を集計
アルファベットがSECに提出した決算リリース(8-K Exhibit 99.1)を2024年7〜9月期から9本集め、各四半期の売上内訳を並べました。単位は億ドル、「検索の伸び」は前年同期比です。
| 四半期 | 検索とその他 | 検索の伸び | YouTube広告 | ネットワーク | クラウド | 売上高合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024年7〜9月 | 494 | +12% | 89 | 75 | 114 | 883 |
| 10〜12月 | 540 | +13% | 105 | 80 | 120 | 965 |
| 2025年1〜3月 | 507 | +10% | 89 | 73 | 123 | 902 |
| 4〜6月 | 542 | +12% | 98 | 74 | 136 | 964 |
| 7〜9月 | 566 | +15% | 103 | 74 | 152 | 1,023 |
| 10〜12月 | 631 | +17% | 114 | 78 | 177 | 1,138 |
| 2026年1〜3月 | 604 | +19% | 99 | 70 | 200 | 1,099 |
| 4〜6月 | 633 | +17% | 111 | 73 | 248 | 1,198 |
| 7〜9月 | 634 | +12% | 112 | 75 | 307 | 1,276 |
出典:アルファベット各四半期の決算リリース(SEC EDGAR 8-K一覧)。前年同期の数字が1年前のリリースの数字と一致することを確認済み。伸び率は当サイト計算。
表から読み取れるのは3点です。1つ目は、検索とその他の売上が約630億ドルで足踏みしていることです。2025年10〜12月期が631億ドル、2026年4〜6月期が633億ドル、7〜9月期が634億ドルで、4〜6月期から7〜9月期への増加は+0.1%でした。同じ時期の伸びは、2024年が+1.8%、2025年が+4.4%です。
2つ目は、前年同期比の伸びが1〜3月期の+19%から、+17%、+12%と2四半期続けて下がったことです。ただし2025年後半は検索の伸びが加速していたため、比べる相手(前年同期)が大きくなっている面もあります。
3つ目は、売上の構成の変化です。売上高合計に占める検索の割合は、2024年7〜9月期の約56%から約50%に下がり、クラウドは約13%から約24%に上がりました。クラウドの売上は2年で約2.7倍です。
クリック数は伸びている、単価の伸びは小さい
四半期報告書(10-Q)には、検索などで広告がクリックされた回数(有料クリック数)と、1クリックあたりの平均単価の前年同期比が載っています。
| 四半期 | 有料クリック数 | クリック単価 | 検索とその他の売上 |
|---|---|---|---|
| 2024年7〜9月 | +4% | +8% | +12% |
| 2025年1〜3月 | +2% | +7% | +10% |
| 4〜6月 | +4% | +8% | +12% |
| 7〜9月 | +7% | +7% | +15% |
| 2026年1〜3月 | +13% | +5% | +19% |
| 4〜6月 | +13% | +3% | +17% |
| 7〜9月 | +8% | +4% | +12% |
出典:アルファベット各四半期の10-Q(最新は2026年7〜9月期)。10〜12月期は年次報告書(10-K)に通期の数字しか載らないため省略。有料クリックはGoogle検索のほかGmail・マップ・Google Playなどの自社サービスを含みます。
2026年に入ってからは、クリック数が2けた近い伸びを続ける一方、単価の伸びは3〜5%にとどまっています。7〜9月期はクリック数の伸びも+8%に縮みました。10-Qは単価やクリック数の変化の理由までは分けて書いていないため、AIモードの影響がどれだけかは、この表からは読み取れません。
設備投資は1年で2倍超、フリーキャッシュフローは2期連続マイナス
もう一つの懸念が、AI向けのデータセンターやサーバーへの投資です。決算リリースのフリーキャッシュフロー(営業キャッシュフロー−設備投資)の表を9四半期分つなげました。単位は億ドルです。
| 四半期 | 営業キャッシュフロー | 設備投資 | フリーキャッシュフロー |
|---|---|---|---|
| 2024年7〜9月 | 307 | 131 | 176 |
| 10〜12月 | 391 | 143 | 248 |
| 2025年1〜3月 | 362 | 172 | 190 |
| 4〜6月 | 277 | 224 | 53 |
| 7〜9月 | 484 | 240 | 245 |
| 10〜12月 | 524 | 279 | 246 |
| 2026年1〜3月 | 458 | 357 | 101 |
| 4〜6月 | 391 | 449 | -59 |
| 7〜9月 | 423 | 514 | -91 |
出典:アルファベット各四半期の決算リリース「Reconciliation from GAAP Net Cash Provided by Operating Activities to Non-GAAP Free Cash Flow」。設備投資は有形固定資産の購入額。各行で「営業CF−設備投資=FCF」が一致することを確認済み。
設備投資は2024年7〜9月期の131億ドルから、2026年7〜9月期は514億ドルへ約3.9倍に増えました。10-Qによると2026年1〜9月の設備投資は1,320億ドルで、前年同期(636億ドル)の2倍強です。会社は「2026年は技術インフラへの投資を2025年に比べて大幅に増やす」としています。
その結果、本業で稼いだ現金(営業キャッシュフロー)より投資のほうが多くなり、フリーキャッシュフローは4〜6月期の-59億ドル、7〜9月期の-91億ドルと2四半期続けてマイナスになりました。当サイトが集計した9四半期のうちマイナスはこの2回だけです。
足りない資金は株式と社債で調達
10-Qと決算リリースによると、アルファベットは2026年6月に普通株の公募(手取り205億ドル)、バークシャー・ハサウェイ関連会社への第三者割当(同100億ドル)、強制転換優先株の発行(同190億ドル)を行い、7〜9月期には市場での株式売り出し(ATMプログラム)で約124億ドル、無担保社債で287億ドルを調達しました。使い道は「AIインフラと計算資源の拡大のための設備投資を含む一般的な事業目的」などと書かれています。
株主還元も変わりました。2025年1〜9月に398億ドルあった自社株買いは、2026年1〜9月はゼロです(配当は継続)。株を買い戻す側から、株を発行して投資資金を集める側に回ったことになります。
「マイナス=経営危機」ではありません
フリーキャッシュフローのマイナスは、投資額が手元の稼ぎを上回ったことを示すもので、赤字とは違います。7〜9月期も営業利益は406億ドルの黒字で、9月末の現金・有価証券は2,651億ドルあります。市場が気にしているのは、この巨額投資がいつ、どれだけの収益になって返ってくるかです。
AIモードは検索広告にどう影響した?経営陣の説明
「AIモード」は、Google検索の中で質問に対話形式で答える機能です。検索結果の上部にAIの要約を出す「AIによる概要(AI Overviews)」より踏み込んだ形で、追加の質問も続けられます。
決算説明会での発言を伝えた9to5Googleによると、シンドラー氏は「AIモードの検索数が大きく伸びたことは、AIモードで見られる収益化の低さのために(伸びに)影響した」と述べ、そのうえで「はっきり言っておくと、この方向性には非常に手応えを感じている」「広告の実験は有望な結果が出ており、AIによる概要とAIモードの広告を、より多くの利用者・検索に広げている」と説明しました。
Search Engine Journalによると、シンドラー氏は検索の伸びが4〜6月期より鈍った理由として、最も大きいのは為替の変動だとし、ほかに小売り(EUが少額輸入品の免税を廃止した影響を受けたアジア太平洋の広告主)、メディア・エンターテインメント(W杯のあった4〜6月期の反動)を挙げました。AIモードの影響額は示していません。
スンダー・ピチャイCEOは説明会の冒頭(Google公式ブログ掲載の発言録)で、「10年余り前のモバイルへの移行と同じように、まず最高の検索体験を作り、収益化はその後」と述べています。AIモードの検索は平均で通常の検索の3倍の長さがあり、検索数の前年同期比の伸びは過去5年で最も高いとも説明しました。
AIモードの広告は10か国に拡大、日本は名前なし
決算と同じ10月28日、Googleは公式ブログで、AIモード内の広告をオーストラリア、カナダ、インド、ケニア、マレーシア、ニュージーランド、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、シンガポールの10か国に広げると発表しました。2026年10〜12月期にはブラジル、メキシコ、英国などへの拡大を計画しています。米国では、AIモードで追加の質問をしたときにも広告を出す「マルチターン広告」を始めます。
同じブログは、AIモード内では広告(スポンサー)の商品リストと通常の商品リストのクリック率がすでに同程度だとしています(米国の社内データ、2026年8月20日〜9月3日)。広告を増やして「AIモードは稼げない」という見方を覆せるかが、今後の焦点になりそうです。
1日で5,000億ドル減は過去何番目?大型の下落例と比較
1日の時価総額の減り方として、今回はどれほどの規模だったのでしょうか。報道で確認できた主な例を並べました。
| 日付(米国時間) | 企業 | 減った時価総額 | 内容・出典 |
|---|---|---|---|
| 2022年2月3日 | メタ(旧フェイスブック) | 2,300億ドル超 | 当時の米企業として1日の過去最大(BBC)。利用者数の伸び悩みと広告の逆風が材料 |
| 2025年1月27日 | エヌビディア | 5,890億ドル超 | 中国DeepSeekのAIが話題になり約17%下落(Tom’s Hardware)。NBC Newsは米国市場で過去最大としています |
| 2026年10月29日 | アルファベット | 約5,000億〜5,100億ドル | 12.6%下落。NBC Newsは5,000億ドル、BBCは3.97兆→3.46兆ドルと報道 |
NBC Newsは、今回の減少額は米国市場の歴史で2番目に大きく、上回るのは2025年1月下旬のエヌビディアの5,890億ドルだけだと伝えています。下落率で見れば、エヌビディアの約17%より今回の12.6%は小さいものの、もともとの時価総額が大きいため、金額では過去の例と並ぶ規模になりました。
メタの2022年の例と今回は、どちらも「広告で稼ぐ会社が、成長の鈍化と巨額の投資を同時に示した」という点で似ています。ただしメタの例は利用者数の減少が材料で、今回のアルファベットは検索数そのものは伸びていると会社は説明しています。
マイクロソフト・アマゾンも同じ週に決算、3社の設備投資は1,680億ドル
同じ週には、マイクロソフト(10月28日)とアマゾン(10月29日)も2026年7〜9月期の決算を発表しました(日付は米国時間)。各社の決算リリースから、売上高と設備投資を並べます。
| 企業 | 7〜9月の売上高 | 設備投資(2026年7〜9月) | 同(2025年7〜9月) | クラウドの伸び |
|---|---|---|---|---|
| アルファベット | 1,276億ドル(+25%) | 514億ドル | 240億ドル | クラウド+103% |
| マイクロソフト | 923億ドル(+19%) | 394億ドル | 194億ドル | Microsoft Cloud+30% |
| アマゾン | 2,019億ドル(+12%) | 773億ドル | 351億ドル | AWS+39.3% |
出典:アルファベット、マイクロソフト、アマゾンの決算リリース(SEC 8-K Exhibit 99.1)。設備投資は現金ベースの有形固定資産の購入額(マイクロソフトは「Additions to property and equipment」)。マイクロソフトは2027年度第1四半期。合計は当サイト計算。
3社の7〜9月期の設備投資を合計すると約1,680億ドルで、1年前(約784億ドル)の2倍を超えます。アマゾンは2026年通年の設備投資を約2,200億ドルと見込み、過去12か月のフリーキャッシュフローは424億ドルのマイナスでした。
BBCによると、29日の株価はマイクロソフトが1%未満の下落にとどまり、アマゾンは時間外取引で6%下落しました(NBC Newsは時間外で10%下落と報道)。なおBBCはアマゾンの売上の伸びを「11%」と書いていますが、アマゾンのリリースでは12%増(為替の影響を除くと13%増)です。
日本の利用者・投資家への影響は?
AIモードは、日本でも2025年9月から日本語で使えるようになっています(Google公式ブログ、米国時間9月8日発表)。今回、AIモードの広告を広げる国として発表された10か国と、10〜12月期の拡大予定として例示された国の中に日本の名前はありません。日本のAIモードに広告が本格的に入る時期は、10月30日時点では示されていません。
投資の面では、アルファベットは米国の代表的な株価指数の大型銘柄です。米国株や全世界株の投資信託を持っている人も、間接的に今回の値動きの影響を受けています。
投資判断はご自身で
この記事は、決算資料と報道で確認できた事実を整理したもので、アルファベットを含む特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。株価は今後も決算や金利、AI関連の動向で大きく動く可能性があります。
今後の注目点
①AIモードの広告がどの国でいつ始まり、検索の売上がどう変わるか ②設備投資の伸びに対して、クラウドの売上がどこまで伸びるか ③次の決算(2026年10〜12月期)でフリーキャッシュフローがプラスに戻るか、の3点です。
グーグル株価の急落についてよくある質問
Q. グーグルの株価はなぜ下がったの?
A. 2026年10月28日(米国時間)の決算で、主力の検索広告の伸びが市場の予想を下回り、前の四半期からほぼ横ばいだったためです。経営陣は理由の一つに、伸びているAIモードの収益化が低いことを挙げました。設備投資の急増でフリーキャッシュフローが-91億ドルと2四半期続けてマイナスになったことも重なりました。
Q. 時価総額5,000億ドル減は過去最大?
A. NBC Newsによると、1日の減少額としては米国市場で2番目の大きさです。最大は2025年1月27日のエヌビディアの5,890億ドルです。アルファベット株としては、下落率12.6%は同社株として過去最悪の1日の下げだとNBC Newsは伝えています。
Q. グーグルの決算は赤字だったの?
A. いいえ。7〜9月期の営業利益は406億ドル(前年同期比+30%)、純利益は262億ドルの黒字です。純利益が25%減ったのは、保有株式の評価損など営業外の損益によるものです。
Q. AIモードは日本でも使える?広告は出る?
A. AIモードは2025年9月から日本語で使えます。10月28日に発表されたAIモード広告の拡大先10か国と、10〜12月期の拡大予定として挙げられた国に日本は含まれておらず、10月30日時点で日本での開始時期は示されていません。
Q. グーグル株は今が買い時?
A. 当サイトは個別銘柄の売買をおすすめしません。決算資料には、クラウドの急成長という明るい材料と、検索広告の鈍化・巨額投資という懸念材料の両方があります。判断はご自身で、必要に応じて専門家に相談してください。
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出典・参考資料
- アルファベット「Alphabet Announces Third Quarter 2026 Results」(SEC 8-K Exhibit 99.1、2026年10月28日)ほか過去8四半期の決算リリース(SEC EDGAR)
- アルファベット「Form 10-Q(2026年9月30日終了四半期)」(2026年10月29日提出)ほか過去の10-Q
- Google「Q3 2026 earnings call: Remarks from our CEO」(2026年10月28日)
- Google「Ads in AI Mode expand to 10 new countries」(2026年10月28日)、「AI Mode in Google Search expands to more languages」(2025年9月8日)
- マイクロソフト「Microsoft Announces First Quarter Results」(2026年10月28日)、アマゾン「Third Quarter Results」(2026年10月29日)
- 米連邦準備制度理事会「Foreign Exchange Rates – H.10」(2026年10月26日公表)
- BBC「Google value plunges by $500bn as its own AI search hits ad sales」(2026年10月29日、30日更新)、「Meta: Facebook owner sees $230bn wiped off market value」(2022年2月3日)
- NBC News「Alphabet shares record their worst day ever, shedding $500 billion in value」(2026年10月29日)
- 9to5Google「Google stock drops amid AI fears; AI Mode has ‘lower monetization’」(2026年10月29日)、Search Engine Journal「Google Says Lower AI Mode Monetization Weighed On Search Growth」(2026年10月28日)
- Tom’s Hardware「Nvidia loses $589 billion in market cap」(2025年1月28日)
- アイキャッチ写真:グーグル本社近くの看板(米カリフォルニア州マウンテンビュー)/Dietmar Rabich(CC BY-SA 4.0、トリミング・明るさ調整し文字を追加)


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