「シロサイ(白サイ)」と聞くと、真っ白な体のサイを想像するかもしれません。ところが実物のシロサイは、白くもなく、灰色をしています。同じく「クロサイ(黒サイ)」も黒くはなく、やはり灰色です。では、なぜ白くないのに「シロサイ」と呼ばれるのでしょうか。
この記事では、シロサイの名前の由来にまつわる有名な「誤訳説」と、その真相、そしてシロサイとクロサイの本当の見分け方を、わかりやすく解説します。
シロサイは白くない|名前の謎
シロサイもクロサイも、体の色はほぼ同じ灰色です。色で区別できないのに「白」「黒」と呼ばれているのは、実はとても不思議なこと。この名前の由来として、世界的に広く知られているのが「誤訳説」です。

有名な「誤訳説」とは
誤訳説によれば、シロサイの「白」は、色の白とはまったく関係がないとされます。話は、アフリカでの言葉の行き違いから始まります。
シロサイは、口が横に広く平べったい形をしています。これを見た現地(オランダ語やアフリカーンス語を話す入植者)の人々が、口の形を指して「wijd(ワイド=広い)」と呼んでいたとされます。ところが、これを聞いた英語圏の人が、発音の似た「white(ホワイト=白い)」と聞き間違えて(誤訳して)「white rhino(白いサイ)」と広めてしまった——というのが誤訳説です。
そして、「白いサイ」がいるなら、もう一方は対比で「黒いサイ(black rhino)」と呼ばれるようになった、というわけです。つまり「広い口のサイ」が「白いサイ」に化けた、というのがこの説の面白いところです。
誤訳説は「俗説」の可能性も
ただし、この誤訳説は非常に有名で広く語られている一方、言語学的な裏付けは乏しく、俗説(通説)であるという指摘もあります。歴史的な記録から「wijd」が語源だと明確に確認されているわけではないのです。とはいえ、「シロサイは白くない」という事実自体は確かで、名前と見た目のギャップを説明する興味深い物語として広く親しまれています。

シロサイとクロサイの本当の見分け方
色で区別できないなら、シロサイとクロサイはどう見分ければよいのでしょうか。ポイントは「口の形」です。これは、それぞれの食べ方の違いを反映しています。
シロサイ|口が広く平ら(草を食べる)
シロサイの口は、横に広く、平べったい形をしています。これは、地面に生えた草を効率よく食べる(グレイジング)のに適した形です。頭を低く下げ、芝刈り機のように草をはむのに向いています。体は大きく、性格は比較的おとなしいとされます。
クロサイ|口がとがって唇が器用(葉を食べる)
一方クロサイの口は、とがっていて、上唇が指のように器用に動く形をしています。これは、木や低木の葉や枝(ブラウジング)をつまみ取って食べるのに適しています。シロサイより体は小さめで、気性はやや荒いとされます。
つまり、口が広く平らならシロサイ、口がとがっていればクロサイ。色ではなく口の形が、両者を見分ける確実なポイントなのです。

絶滅の危機にあるサイたち
シロサイもクロサイも、角を目的とした密猟や生息地の減少により、絶滅の危機にさらされています。特にキタシロサイという亜種は、地球上にごくわずかしか残っておらず、事実上絶滅寸前という深刻な状況です。
名前の由来のユニークさで親しまれるサイですが、その未来は決して明るくありません。こうした動物たちの現状を知ることも、私たちにできる大切な一歩といえるでしょう。

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まとめ|「白」は色ではなく「口の広さ」だった?
シロサイが白くないのに「シロサイ」と呼ばれるのは、口の形を指す「wijd(広い)」が「white(白い)」と聞き間違えられたという「誤訳説」が有力に語られています(ただし俗説との指摘もあります)。シロサイとクロサイは色では区別できず、口が広く平らならシロサイ、とがっていればクロサイと、口の形で見分けます。
名前の裏に隠れた言葉の行き違いと、食べ方に合わせた口の進化——シロサイの名前は、動物の奥深さを教えてくれる面白い雑学です。
よくある質問(FAQ)
Q. シロサイは本当に白いのですか?
いいえ、白くありません。シロサイもクロサイも体の色はほぼ同じ灰色です。色で区別できないのに「白」「黒」と呼ばれているのは、名前の由来が色とは関係ないためだと考えられています。
Q. なぜ白くないのに「シロサイ」と呼ばれるのですか?
有名な「誤訳説」では、シロサイの広く平らな口を指す言葉「wijd(ワイド=広い)」が、発音の似た英語「white(白い)」と聞き間違えられて広まったとされます。ただしこれは言語学的な裏付けが乏しく、俗説との指摘もあります。
Q. シロサイとクロサイはどう見分けるのですか?
口の形で見分けます。シロサイは草を食べるため口が横に広く平べったく、クロサイは葉や枝を食べるため口がとがって上唇が器用に動きます。色では区別できないため、口の形が確実な見分けポイントです。
Q. シロサイは絶滅の危機にあるのですか?
はい。シロサイもクロサイも、角を狙った密猟や生息地の減少で絶滅の危機にあります。特にキタシロサイという亜種は地球上にごくわずかしか残っておらず、事実上絶滅寸前という深刻な状況にあります。
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