雑学・コラム|スマホ・通話
スマホの「ピザ持ち」はなぜ増えた?受話器持ちとの違いと通話の今
スマホで通話するとき、耳にあてずに口元の下で水平に持って話す「ピザ持ち」をする人が増えている――。BSS山陰放送(JNN系列)が2026年10月18日に配信したこの話題が注目を集めています。鳥取県米子市の駅前で聞いたところ、耳にあてない人のほうが多かったといいます。では、昔ながらの「受話器持ち」とどちらが正解なのでしょうか。この記事では報道の中身を整理したうえで、総務省の音声通話の統計を10年分集計し、電話の使われ方そのものがどう変わったのかを数字で確かめます。あわせて、スマホがもともとどんな持ち方を想定して作られているのかを、メーカーの公式説明と電波の規則から解説します。
この記事の結論
- BSS山陰放送が鳥取県米子市の米子駅前で55人に聞いたところ、耳にあてる派24人、耳にあてない派31人でした(街頭での聞き取りで、統計的な調査ではありません)。
- 同志社大学の多田実教授は、通話を「何かをしながら」したいというタイパ(時間効率)重視の感覚と結びつけて説明しています。一方で、耳にあてるしぐさは「レトロでエモい」ポーズとして残るのではないかとも話しています。
- 総務省の統計を集計すると、携帯電話の1契約1日あたりの通話時間は2015年度の2分18秒から2024年度は1分17秒へ約44%減。契約数は4割増えたのに、携帯から発信した通話の総時間は約2割減っています。
- 2025年の調査では、平日に電話回線で通話した人は10代で9.6%、20代で12.4%。同じ20代のソーシャルメディア利用時間は通話の約8.6倍でした。固定電話のある世帯も2010年の85.8%から53.6%に減り、「受話器」に触れる機会自体が減っています。
- スマホは上の受話口を耳に、下のマイクを口元にあてる前提で作られています。近接センサーが顔を検知して画面を消し、頬でボタンを押すのを防ぐ仕組みもあります。周りに人がいる場所では受話器持ちかイヤホン、スピーカーで話すなら周囲に配慮、が無難な使い分けです。
通話時間は総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況」(各年度版)から当サイトが集計。世帯の固定電話は総務省「通信利用動向調査」。
スマホの「ピザ持ち」とは?報道で分かっていること
話題のもとになったのは、BSS山陰放送が配信した記事です(TBS NEWS DIG、Yahoo!ニュース)。記事の中身を、10月18日時点で確認できた範囲で整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 報道 | BSS山陰放送(JNN系列)、2026年10月18日(日)午前8時配信。TBS NEWS DIG、Yahoo!ニュースに掲載 |
| ピザ持ちとは | スマホを耳にあてず、あごの下あたりで口元に近づけて持つ持ち方。報道では携帯電話ショップの担当者が「ピザ持ち型」などと呼ぶこともあると説明 |
| 街の聞き取り | 鳥取県米子市の米子駅前で55人に質問。耳にあてる派24票、耳にあてない派31票 |
| あてる派の理由 | スピーカーは周りに迷惑、人に聞かれたくない、相手の声が周りに聞こえないように、など |
| あてない派の理由 | イヤホンをつけているのでスマホはポケットのまま、耳にあてると画面に当たって電話が切れることがある、スピーカーのほうが話しやすい、など。仕事とプライベートで使い分ける人も |
| 専門家の見方 | 同志社大学政策学部の多田実教授。通話に1点集中するより「電話プラス何か」をしたいタイパ重視の若者の感覚で説明できる、との見方 |
| ショップの説明 | 携帯電話ショップの担当者によると、スマホの機械的な仕組みとしては、耳にあてる「受話器型」の持ち方が想定されている |
米子駅前の結果は、耳にあてない派が31人、あてる派が24人で、差は7人でした。記事自身も「わずかながら上回る」と表現しているとおり、駅前で声をかけた55人の結果で、年代の内訳も示されていません。全国の傾向を示すデータではない点には注意が必要です。
多田教授はさらに、2つの見方を示しています。1つは、若いアイドルの配信や漫才・コントでは今も電話を耳にあてる演技が使われており、耳にあてるしぐさはかえって「レトロでエモい」ものとして受け継がれていくのではないか、というもの。もう1つは、スピーカーにしてスマホを耳から離して話すと相手との間に距離ができ、冷静に判断しやすくなるため、詐欺の被害を防ぐことにつながる利点もあるかもしれない、というものです。
「ピザ持ち」の呼び名について
記事では、耳にあてずにあごの下で口元にあてる持ち方を「ピザ持ち型」と呼ぶこともある、と携帯電話ショップの担当者の説明として紹介しています。決まった定義がある言葉ではありません。この記事では、スピーカー通話で画面を上に向けて口元で話す持ち方をまとめて「ピザ持ち」と呼びます。
携帯電話の通話は10年でどれだけ減った?総務省データで集計
「ピザ持ち」が目立つようになった背景には、そもそも電話番号を使った通話をする機会が減っていることがあると考えられます。総務省は毎年、電話会社からの報告をもとに「通信量からみた我が国の音声通信利用状況」を公表しています。各年度版は直近5年分しか載っていないため、当サイトで令和元年度版から令和6年度版までの6冊をつなぎ、携帯電話(PHSを含む)から発信した通話の10年分を並べました(数値は、あとの版で修正されたものは新しい版の値を使っています)。
1契約あたりの通話時間は10年で約4割減
携帯電話・PHS発信の「1契約1日当たりの通信時間」。総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況」令和元年度版〜令和6年度版より当サイト作成。
| 年度 | 1日の発信回数 | 1日の通話時間 | 1回あたりの長さ |
|---|---|---|---|
| 2015 | 0.9回 | 2分18秒 | 2分35秒 |
| 2016 | 0.8回 | 2分14秒 | 2分39秒 |
| 2017 | 0.8回 | 2分07秒 | 2分41秒 |
| 2018 | 0.7回 | 1分59秒 | 2分44秒 |
| 2019 | 0.7回 | 1分52秒 | 2分49秒 |
| 2020 | 0.6回 | 1分57秒 | 3分15秒 |
| 2021 | 0.6回 | 1分51秒 | 3分16秒 |
| 2022 | 0.5回 | 1分42秒 | 3分10秒 |
| 2023 | 0.5回 | 1分26秒 | 3分00秒 |
| 2024 | 0.4回 | 1分17秒 | 2分56秒 |
いずれも携帯電話・PHSから発信した通話の、1契約あたりの値。契約数は年度末とその前の年度末の平均。
2015年度に2分18秒あった1契約1日あたりの通話時間は、2024年度には1分17秒まで短くなりました。減り方は約44%です。1日の発信回数も0.9回から0.4回へと半分以下になっています。
ただし、契約数にはデータ通信が中心の契約や、1人で複数持つ回線も含まれるとみられ、1契約あたりの値がそのまま「1人あたり」を表すわけではありません。そこで総量も見てみます。携帯電話・PHSの契約数は2015年度末の16,056万から2024年度末の22,855万へ約42%増えたのに、携帯から発信した通話の総時間は2,230.6百万時間から1,764.9百万時間へ約21%減、発信回数も518.1億回から361.4億回へ約30%減っています。回線は増えても、電話番号で話す時間そのものが減っているのです。
「たまに、少し長く」話す使い方に
面白いのは、1回あたりの通話の長さです。2015年度の2分35秒から、2020年度には3分15秒まで延び、2024年度も2分56秒と、10年前より21秒長い水準です。電話をかける回数は大きく減った一方、かけるときはある程度まとまった話をする、という使い方に変わってきたと読み取れます。短い連絡はメッセージアプリで済ませ、電話は「話す必要があるときだけ」になってきた、と考えると数字の動きと合います。
固定電話はさらに急です。加入電話の契約数は2015年度末の2,170万から2024年度末は1,102万と、9年でほぼ半分になりました。
若い世代ほど「電話」より文字とアプリ通話
次に、年代による違いを見ます。総務省情報通信政策研究所の「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2026年6月公表)は、13〜79歳の1,800人に、2025年12月の平日2日と休日1日の行動を15分刻みで日記に書いてもらった調査です。この調査の「携帯通話」は、インターネットを使わない電話回線での通話として集計されていて、LINEなどのやりとりは「ソーシャルメディア利用」の側に入ります。
| 年代 | 通話した人の割合 | 携帯通話の平均時間 | ソーシャルメディアの平均時間 |
|---|---|---|---|
| 全年代 | 17.2% | 8.6分 | 36.2分 |
| 10代 | 9.6% | 9.3分 | 67.1分 |
| 20代 | 12.4% | 9.2分 | 79.1分 |
| 30代 | 15.1% | 10.5分 | 47.4分 |
| 40代 | 18.6% | 7.9分 | 41.9分 |
| 50代 | 16.7% | 6.5分 | 26.8分 |
| 60代 | 20.1% | 8.8分 | 11.3分 |
| 70代 | 22.4% | 9.3分 | 9.0分 |
令和7年度調査・平日。「通話した人の割合」は1日のうちに携帯通話をした人の割合(行為者率)、平均時間は通話しなかった人も含めた1人あたりの平均。総務省情報通信政策研究所の報告書(表2-4-1、表2-4-3)より当サイト作成。
平日に電話回線で通話した人は、10代で9.6%、20代で12.4%と、10人に1人ほどしかいません。60代(20.1%)や70代(22.4%)の方が多く、若いほど電話をかけない傾向がはっきりしています。一方、ソーシャルメディアの利用時間は20代で79.1分と、携帯通話(9.2分)の約8.6倍でした。
ただ、通話した人に限ると平均時間は10代で96.5分、20代で74.2分と、全年代の50.0分より長くなっています。10代の平日の回答(延べ280日分)のうち通話があったのは30日分に満たず、振れ幅が大きい点には注意が必要ですが、かける回数は少ないものの、かけるときは長く話すという形は、前の章の総務省の通話統計とも重なります。長い通話を何かをしながら続けるなら、耳にあて続けるよりスピーカーやイヤホンの方が楽、という感覚は自然かもしれません。
LINE通話は10〜20代の約9割が利用
NTTドコモ モバイル社会研究所の2021年1月の調査では、スマホ・ケータイで音声通話をする人のうち、10〜20代ではLINE通話の利用率が約9割と、携帯電話の通話機能(約8割)を上回りました。総務省の令和7年度調査でも、LINEの利用率は全年代で92.9%、10代で96.4%、20代で97.7%に達しています。電話番号の通話が減った分、アプリでの通話や文字のやりとりが増えている、と見るのが自然です。
「受話器」に触れずに育った世代
総務省「通信利用動向調査」によると、固定電話のある世帯は2010年の85.8%から、2015年に75.6%、2025年は53.6%まで減りました。スマホのある世帯は2010年の9.7%から2025年は91.8%です。個人でスマホを持つ人も2015年の53.1%から2025年は78.9%に増え、13〜19歳で89.7%、20代で92.7%に上ります。モバイル社会研究所の2026年の調査では、携帯電話を持つ人のうちスマホの割合は98.3%でした。
BSSの記事も、以前は固定電話の受話器の持ち方が当たり前すぎたため、携帯電話を耳にあてることに疑問がなかったが、今は固定電話をあまり使わない世の中になった、と指摘しています。家に受話器のある電話がない環境で育った世代にとっては、「電話=耳にあてるもの」という前提がそもそも薄い、と考えられます。
スマホは本来どう持つ設計?受話口・マイク・近接センサー

固定電話の受話器は、上に耳あて、下に口あてがあり、耳にあてると自然に口元にマイクがくる形です。スマホも基本は同じで、画面の上の端に受話口(スピーカー)、下の端に通話用のマイクが付いています。携帯電話ショップの担当者が「機械的な仕組みとしては受話器型が想定されている」と話したのは、この配置のことです。
アップルの説明:通常の通話は「下」、スピーカーは「上」
アップルのサポートページ「iPhoneのマイクが機能しない場合」は、通話相手にこちらの声が聞き取りにくいときの確かめ方を、2通りに分けて案内しています。
| 場面 | アップルが案内する確かめ方 | 読み取れること |
|---|---|---|
| ふつうの通話 | ボイスメモで、iPhoneの下部に向かって話して録音し、再生する | 耳にあてて話すときの声は、主に下の端のマイクで拾う |
| スピーカーフォン | iPhoneの上部に向かって話しながら動画を撮り、カメラを切り替えてもう一度撮って再生する | スピーカー通話では、上部側のマイクも使って声を拾う |
つまり、スマホは「耳にあてる通話」と「スピーカー通話」とで、声を拾う仕組みを分けて設計していると読み取れます。ピザ持ちでスピーカーにして話すのは、メーカーが想定していない使い方というわけではありません。ただし、スピーカー通話のときは相手の声もスピーカーから外に出るので、周りの人にも聞こえます。
近接センサーは「耳にあてる」ための仕組み
耳にあてて話す前提を示すもう1つの部品が近接センサーです。スマホメーカーのFCNTは、通話中に端末が頭に近づいたことを近接センサーが検知すると、誤操作を防ぐために画面を消すと説明しています(FCNT よくある質問)。
同社の別機種のFAQでは、通話中の持ち方や耳のあて方によってセンサーが反応しないと、画面が消えずにミュートや保留のボタンに触れて有効になってしまうことがあるとし、「受話口を耳に当てて」使うよう案内しています。画面の保護フィルムがセンサー部分を覆っていても検知できない、とも書かれています。
BSSの街頭取材では、耳にあてると画面に当たって電話が切れることがあるので耳にあてない、という声がありました。センサーがうまく働かない持ち方やフィルムだと、こうしたことが起きやすくなると考えられます。気になる人は、受話口がしっかり耳にかかるように持つ、センサー部分をふさがないフィルムに替える、といった対処がメーカーの案内に沿った方法です。
耳にあてると電波が心配?基準は頭も体も同じ
「耳にあてると電波が気になるから離して話す」という人もいるかもしれません。日本では、スマホなど体の近くで使う無線機器から人体が受ける電波の量に、無線設備規則第14条の2で上限が決められています。目安になるのは「比吸収率(SAR)」で、体の組織が電波からどれだけのエネルギーを吸収するかを表す値です。
| 体の部位 | スマホ(携帯電話の端末)の許容値 | どんな使い方が対象か |
|---|---|---|
| 側頭部 | 比吸収率 1kgあたり2W以下 | 耳にあてて通話する使い方 |
| 側頭部と手足以外の体 | 比吸収率 1kgあたり2W以下 | 体の近く(20cm以内)で使う機器が対象。体の前で持つ、ポケットに入れるなど |
| 手足(両手を除く) | 比吸収率 1kgあたり4W以下 | 同上 |
6GHz以下の周波数の場合。比吸収率は、任意の組織10グラムが任意の6分間に吸収したエネルギーから計算する。無線設備規則第14条の2(e-Gov法令検索、2026年10月1日施行版)より当サイト整理。
耳にあてたとき(側頭部)も、体の前で持ったときも、同じ「1kgあたり2W以下」の基準がかかっています。どちらの持ち方でも国の基準を満たした端末を使っている、というのが法令から言えることで、規則の数字だけから「どちらがより安全」と比べることはできません。電波を理由に持ち方を変える必要がある、という根拠は、少なくともこの基準からは見当たりません。
結局どちらが正解?場面別の使い分けとマナー
ここまで見てきたように、スマホは耳にあてる通話を基本に作られていますが、スピーカー通話も想定された使い方です。「どちらか一方だけが正解」というより、場面によって使い分けるのが現実的です。報道の街の声や、メーカーの案内から考えられる目安をまとめます。
| 場面 | 向いている持ち方 | 理由 |
|---|---|---|
| 電車・駅・店など人が多い場所 | 受話器持ち、またはイヤホン | スピーカーだと相手の声が周りに聞こえ、話の中身も周りに伝わる |
| 仕事の電話・大事な用件 | 受話器持ち、またはイヤホン | 受話口とマイクが耳・口元にくる設計どおりの使い方で、聞き取りに集中しやすい |
| 自宅など1人でいる場所 | ピザ持ち(スピーカー)でもよい | 周りへの配慮がいらず、画面を見ながら話せる |
| 知らない番号からの電話 | スピーカーで家族と一緒に聞くのも一案 | 相手と距離ができて冷静になりやすい、という専門家の見方がある |
- 人の多い場所でスピーカー通話をすると、相手の声も自分の声も周りに聞こえます。報道でも、耳にあてる理由として「スピーカーは迷惑」「人に聞かれたくない」が挙がっていました。
- 口元から離して話すと、周りの音も一緒に拾いやすくなります。相手に「聞き取りにくい」と言われたら、耳にあてる持ち方に切り替えるのが手早い対処です。
- 受話器持ちで画面に頬が触れて切れてしまう場合は、受話口を耳にしっかりあてる、近接センサー部分をふさぐフィルムを替える、を試します。
- 歩きながらや自転車に乗りながらの「ながら通話」は、持ち方にかかわらず周りへの注意がおろそかになります。立ち止まって話しましょう。
詐欺の電話には「1人で聞かない」
多田教授は、スピーカーにして耳から離して話すと相手と距離ができ、冷静に判断できるため、詐欺被害の防止につながる可能性もあると話しています。警察官や家族をかたる電話は、相手のペースに巻き込まれないことが大切です。不審な電話は一度切り、自分からかけ直さずに家族や警察に相談してください。
「ピザ持ち」の報道(X)
Yahoo!ニュースは10月18日、山陰放送(BSS)の「スマホ通話で『ピザ持ち』増 なぜ」をトピックスに掲載しました。米子駅前で55人に聞いた結果や専門家の見方は、本文で紹介したとおりです。
【スマホ通話で「ピザ持ち」増 なぜ】https://t.co/ZYcTQAFT2I
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) October 18, 2026
スマホの持ち方「ピザ持ち」のよくある質問
Q. スマホの「ピザ持ち」とは何ですか?
A. スマホを耳にあてず、あごの下あたりで口元に近づけて持って話す持ち方のことです。BSS山陰放送の2026年10月18日の記事で、携帯電話ショップの担当者が「ピザ持ち型」などと呼ぶこともあると紹介され、話題になりました。
Q. ピザ持ちをする人は本当に増えていますか?
A. BSS山陰放送が鳥取県米子市の米子駅前で55人に聞いたところ、耳にあてない派が31人、耳にあてる派が24人でした。ただし街頭での聞き取りで、全国の傾向を示す統計ではありません。総務省の統計では、携帯電話の1契約1日あたりの通話時間が2015年度の2分18秒から2024年度の1分17秒へ約44%減っており、電話の使い方そのものが変わってきていることは数字でも確かめられます。
Q. なぜ耳にあてずに話す人が増えたのですか?
A. 同志社大学の多田実教授は、通話だけに集中するより「電話プラス何か」をしたいタイパ重視の感覚で説明できるとしています。また、固定電話のある世帯は2010年の85.8%から2025年は53.6%に減っており、受話器の持ち方に慣れていない世代が増えていることも背景にあると考えられます。
Q. スマホは耳にあてる持ち方が正しいのですか?
A. スマホは、上の受話口を耳に、下のマイクを口元にあてる「受話器型」の持ち方を基本に作られています。近接センサーが顔を検知して画面を消し、誤操作を防ぐ仕組みもあります。一方でスピーカー通話用に別のマイクで声を拾う設計もあり、ピザ持ちが間違いというわけではありません。場所や相手によって使い分けるのがよいでしょう。
Q. 耳にあてると電波の影響が大きくなりませんか?
A. 日本の無線設備規則では、スマホを耳にあてたときの側頭部の比吸収率(SAR)も、体の前で使うときの胴体の比吸収率も、同じ1kgあたり2W以下と決められています。どちらの持ち方でも国の基準を満たした端末を使っていることになり、この基準から持ち方を変える必要があるとは言えません。
Q. 通話中に頬が画面に当たって電話が切れてしまいます。
A. メーカーのFCNTは、持ち方や耳のあて方によって近接センサーが反応しないと、画面が消えずにミュートや保留が押されてしまうことがあると説明し、受話口を耳にあてて使うよう案内しています。画面保護フィルムがセンサー部分を覆っている場合も起きやすいので、センサーをふさがないフィルムに替えるのも対策になります。
あわせて読みたい
出典・参考資料
- BSS山陰放送「スマホ通話をするとき、スマホを耳にあてずに『ピザ持ち』する人が増えている…なぜ?『受話器持ち』とどちらが正解?」(2026年10月18日):TBS NEWS DIG/Yahoo!ニュース
- 総務省:通信量からみた我が国の音声通信利用状況【令和6年度】概要版(PDF)、同【令和元年度】(PDF)(ほか令和2〜5年度版)
- 総務省情報通信政策研究所:情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査(令和7年度 報告書・PDF、2026年6月)
- 総務省:令和7年通信利用動向調査の結果(PDF)(2026年5月29日)、平成27年通信利用動向調査の結果(PDF)
- e-Gov法令検索:無線設備規則(第14条の2)
- Apple サポート:iPhoneのマイクが機能しない場合
- FCNT(FMWORLD.NET):通話中に勝手にミュートや保留になってしまう(F-51A)、通話中に画面が消灯したままになる(FCG01)
- NTTドコモ モバイル社会研究所:10~20代の約9割が音声通話にLINEを利用(2022年1月31日)、携帯電話のスマートフォン比率98.3%(2026年3月19日)
携帯電話の通話時間の10年推移、年代別の比較などの集計は当サイトによるもので、総務省の公式集計ではありません。写真:アイキャッチ=Ehimetalor Unuabona/Wikimedia Commons(CC0)、本文=Wilfredor/Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)。いずれも一部トリミング・リサイズ、アイキャッチは文字入れあり。データは2026年10月18日時点で取得したものです。


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