動物|ニホンザル
サル被害はなぜ相次ぐ?農作物被害6割減でも群れが街に居つく理由
神奈川県湯河原町の温泉街、島根県出雲市、福岡市城南区。2026年10月中旬、ニホンザルの出没や被害を伝えるニュースが各地で続きました。ところが国の統計を見ると、サルによる農作物の被害額は15年前のピークから6割も減っています。捕獲は20年で2倍以上に増えました。それでもサルが人里や街に居ついてしまうのはなぜか。農林水産省・環境省・神奈川県の公表データを集計して確かめました。
この記事の結論
- 10月15〜16日にかけて、湯河原町(神奈川)・出雲市(島根)・福岡市城南区でサルの出没や対策のニュースが相次ぎました。湯河原町では9月に40代の男性が群れにかまれてけがをし、出雲市では住民が「サル追い払い隊」を結成しました。
- 農林水産省の集計では、サルによる農作物被害額は2010年度の18.5億円がピークで、2025年度は7.4億円(60%減)。被害面積は2010年度の4,800haから400haまで減りました。
- 環境省の統計を年度ごとに集計すると、都道府県知事の許可によるニホンザルの捕獲は2001年度の10,813頭から2021年度の23,196頭へ2.1倍に増えています。
- それでも、国が2014年に掲げた「10年で加害群(農作物などに被害を出す群れ)を半減」という目標に対し、比較できる14府県の加害群は948群れ→988群れと逆に増えました(環境省ガイドライン)。
- 農作物の統計には、家に入られる・追いかけられる・かまれるといった生活の被害は入りません。湯河原町のサルによる農作物被害は統計上2万円(2025年度)ですが、町の調査では去年1年間の被害が6,054件にのぼったと報じられています。
- サルに出会ったら、目を合わせず、走らずにゆっくり離れる。エサは絶対に与えない。自治体が呼びかけている基本です。
湯河原・出雲・福岡で何が起きている?10月中旬のサルのニュース
10月15〜16日に報じられた主な出来事と、その背景にある直前の報道を整理します。いずれも報道の本文で確認できた内容です。
| 場所 | 報じられた内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 神奈川県湯河原町 | 10月15日、「news zero」の取材班が町内でサルの群れに遭遇。専門家は、サルが人に敵意を向ける“スイッチ”があると指摘しました。 | 日テレNEWS NNN(10/15) |
| 神奈川県湯河原町 | 9月17日、40代の男性が集団のサルに複数か所をかまれ病院へ搬送(軽傷)。町の調査では、追いかけられる・野菜や果物を取られるなどの被害が去年1年間で6,054件でした。 | テレ朝NEWS(9/20) |
| 島根県出雲市 | 10月16日、多伎町の3つの地区が合同で「サル追い払い隊」を結成。市内の目撃は4月以降に急増し、7月までの3か月で209件と昨年度1年分に並ぶ水準になりました。市は多伎町内で今後3年のうちに全頭捕獲を目指します。 | FNNプライムオンライン(10/16)/日本海テレビ(10/16)/TBS NEWS DIG(10/16) |
| 島根県松江市・鳥取県米子市 | 2026年5月以降に目撃されているサルの群れ(30匹ほど)は、出雲市の多伎地域から東へ移動したものと出雲市が確認。約40頭の群れから分かれて移動したとみられています。 | 日本海テレビ/FNN |
| 福岡市城南区 | 10月16日午後1時18分ごろ、南片江5丁目5番付近でサル1匹の出没情報があり、城南署が防犯メールで警戒を呼びかけ。その後、堤2丁目27番付近でも目撃情報が相次ぎました。 | 西日本新聞(10/16) |
湯河原町の群れは神奈川県が「T1群」と呼んで管理している群れで、テレ朝NEWSによると県の昨年度の調査で20頭が確認されています。同じ報道では、T1群のサルが人にかみついたのは初めてで、町は県にT1群の全頭捕獲を改めて要望したと伝えています。
サルの農作物被害は15年で6割減っていた
農林水産省は毎年、都道府県からの報告をもとに野生鳥獣による農作物被害状況をまとめています。最新の2025年度版(参考4 被害状況の推移)から、サルの被害額と被害面積を抜き出しました。
| 年度 | 被害金額 | 被害面積 |
|---|---|---|
| 1999年度 | 14.1億円 | 6,100ha |
| 2004年度 | 15.9億円 | 4,400ha |
| 2010年度(ピーク) | 18.5億円 | 4,800ha |
| 2015年度 | 10.9億円 | 1,800ha |
| 2020年度 | 8.6億円 | 900ha |
| 2025年度 | 7.4億円 | 400ha |
農林水産省「野生鳥獣による農作物被害状況の推移」(2025年度版、百万円単位を億円に換算)。被害面積は千ha単位の表から換算。
被害額は2010年度の18.5億円をピークに下がり続け、2025年度は7.4億円でした。被害面積は1999年度の6,100haから400haへと、9割以上減っています。2025年度の鳥獣による農作物被害は全体で183億円で、サルの割合は4.0%。シカ(76億円)やイノシシ(44億円)と比べると小さな数字です。
サルが食べているのは果物と野菜
同じ資料の作物別の表(参考1)を見ると、2025年度のサルの被害額のうち果樹が42%、野菜が35%で、合わせて8割近くを占めます。イネは15%です。サルの被害は田んぼより、果樹園や畑に集中していることがわかります。
都道府県別では三重・長野・山形が上位
| 順位 | 2025年度 | 2024年度 |
|---|---|---|
| 1. 三重県 | 6,539万円 | 6,393万円 |
| 2. 長野県 | 6,485万円 | 5,775万円 |
| 3. 山形県 | 5,894万円 | 4,116万円 |
| 4. 山口県 | 4,562万円 | 4,685万円 |
| 5. 和歌山県 | 3,789万円 | 4,056万円 |
| 6. 愛媛県 | 3,220万円 | 5,505万円 |
| 7. 福島県 | 3,199万円 | 2,373万円 |
| 8. 山梨県 | 2,974万円 | 3,264万円 |
| 9. 岐阜県 | 2,724万円 | 3,637万円 |
| 10. 高知県 | 2,614万円 | 1,963万円 |
| 25. 神奈川県 | 975万円 | 553万円 |
| 29. 福岡県 | 703万円 | 676万円 |
| 34. 島根県 | 550万円 | 523万円 |
農林水産省「野生鳥獣による都道府県別農作物被害状況」(参考2、2025年度・2024年度)のサルの被害金額。
ニュースになった3県は、農作物の被害額では神奈川県が25位、福岡県が29位、島根県が34位で、上位ではありません。市町村別の表(参考3)では、2025年度のサルの被害額は湯河原町が2万円、福岡市が36万円、出雲市は1万円未満(表では0)でした。島根県内では大田市が474万円と目立ちます。
捕獲は20年で2倍超に増えた
ニホンザルは狩猟できる動物(狩猟鳥獣)ではないため、捕まえるには都道府県知事など行政の許可が必要です。環境省の鳥獣関係統計から、許可による捕獲のうち「被害の防止(旧・有害鳥獣捕獲)」と「管理計画に基づく数の調整」の2つを年度ごとに足し合わせました。各年度の統計ファイルの値を使い、47都道府県の合計と一致することを確かめています。
| 年度 | 捕獲数 |
|---|---|
| 2001年度 | 10,813頭 |
| 2004年度 | 14,093頭 |
| 2007年度 | 12,187頭 |
| 2010年度 | 20,622頭 |
| 2013年度 | 19,036頭 |
| 2016年度 | 25,082頭 |
| 2019年度 | 27,326頭 |
| 2020年度(最多) | 28,047頭 |
| 2021年度 | 23,196頭 |
環境省「鳥獣関係統計」各年度版の「都道府県知事の捕獲許可による捕獲鳥獣数」から集計(2001年度は有害鳥獣捕獲のみ)。環境省のサイトで公開されている最新は2021年度分です。
2001年度に10,813頭だった捕獲は、2010年度に2万頭を超え、2020年度には28,047頭と最も多くなりました。2021年度は23,196頭で、20年前の2.1倍です。
国の推計(ニホンザル被害対策強化の考え方)では、2010年度時点の国内の群れは約3,000、頭数は約15万5千頭とされています。同じ年度の捕獲は20,622頭で、単純に割ると推計頭数の約13%にあたります。同資料は、ニホンザルの分布域が1978年から2003年にかけて1.5倍に広がったことも示しています。
「加害群を半減」の目標は届かなかった
2014年4月、環境省と農林水産省は「ニホンザル被害対策強化の考え方」で、10年後の2023年度までに加害群の数を半減させる目標を掲げました。資料はその理由として、人里に出てきた群れが農作物で栄養をとり、出産が増えて死亡が減り、さらに加害する群れが増える「悪循環」を挙げています。
結果はどうだったのか。環境省が2024年5月に改定した特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(ニホンザル編)が、群れの数を比べられる14府県の数字を載せています。
| 14府県の加害群 | 2017年度 | 2022年度 |
|---|---|---|
| 加害群の合計 | 948群れ | 988群れ |
| うち加害レベル3 | 358群れ | 477群れ |
| うち加害レベル4・5 | 315群れ | 275群れ |
14府県=青森・宮城・群馬・石川・福井・山梨・三重・滋賀・京都・兵庫・和歌山・岡山・山口・徳島(ガイドラインの記載による)。
半減どころか、加害群は40群れ増えました。一方で、特に被害の大きい加害レベル4・5の群れは減っています。ガイドラインは、農作物被害額が2014年度の13億円から2022年度の7億円へ約4割減ったことにも触れたうえで、加害群が増えている地域では、レベル4以上の群れを優先して減らすことが望ましいとしています。
「加害レベル」とは?群れの迷惑度を0〜5で判定
ガイドラインは、出没の頻度や規模、人への反応、農作物と生活の被害をそれぞれ点数にし、群れごとに0〜5の6段階で判定する方法を示しています。
| レベル | 群れの状況(ガイドラインのイメージ) |
|---|---|
| レベル0 | 山奥にすみ、集落に出没しないので被害はない |
| レベル1 | 集落にたまに出没するが、ほとんど被害はない |
| レベル2 | 出没は季節的で農作物の被害はあるが、群れ全体が耕作地に出てくることはない |
| レベル3 | 季節的に群れの大半が耕作地に出て、農作物に被害を出している |
| レベル4 | 群れ全体が通年、耕作地の近くに出没し、常に被害がある。まれに生活環境の被害が出る |
| レベル5 | 群れ全体が通年・頻繁に出没。生活環境の被害が大きく、人身被害のおそれがある。人慣れが進み、被害防除の効果が少ない |
判定表では、「10mまで近づいても逃げない、または威嚇するサルがいる」「住居侵入が常態化」といった項目が最も高い点数になります。湯河原町で報じられている、人を恐れず住宅地に居つく状態は、この表の上の段にあたるものと見られます(県が湯河原の群れに付けたレベルは、今回確認した資料には載っていません)。
農作物の統計に出ない「生活の被害」
サルの被害額が減っているのに、なぜニュースが続くのか。理由の一つは、国の被害統計が農作物しか数えていないことです。家に入られる、物を壊される、追いかけられる、かまれる、といった被害は、農林水産省の数字には入りません。
湯河原町の「2万円」と「6,054件」
湯河原町の例で、同じサルの被害がどう数えられているかを並べてみます。
| 数え方 | 湯河原町の数字 | 出典 |
|---|---|---|
| 国の農作物被害統計 | サルの被害額2万円(2025年度) | 農林水産省 参考3 |
| 神奈川県の集計 | 農作物被害42.9万円、生活被害80件、人身被害11件(2024年度) | 神奈川県 令和8年度実施計画 |
| 湯河原町の調査 | 追いかけられる、野菜や果物を取られるなどの被害が去年1年間で6,054件(1日平均16件) | テレ朝NEWS(9/20) |
神奈川県の資料は、農作物被害について「農業者が被害を報告しなかった場合は含まれない」と注記しています。県はこれとは別に「自家用農作物」の被害も集計していて、湯河原町では2024年度に0.16haありました。湯河原のように住宅地や温泉街を行動域にする群れは、農作物の統計では小さく見えても、暮らしの中では大きな被害になります。数え方が違うため、3つの数字を単純に比べることはできませんが、統計の数字だけでは被害の実感がつかめないことはわかります。

神奈川県はサルを半分に減らした。それでも残る1群
神奈川県は2003年に保護管理計画を策定し、計画的な管理を続けています。2026年度の実施計画によると、県内のサルの頭数(毎年のカウント調査)は2008年度の960頭から2024年度の439頭へと半分以下になり、2018年2月から2024年3月までに10群れの除去を終えています。
ところが、湯河原町と静岡県熱海市を行動域とするT1群は、2008年度の27頭から2025年度の20頭と、規模はあまり変わっていません。県の西湘地域では、ほかの群れの除去や消滅が進み、2024年度にカウントされたのはT1群だけでした。県の集計では、西湘地域のサルによる人身被害は2020〜2024年度に毎年4〜14件起きています。
2025年度、県はT1群の4頭を「加害個体」と特定し、そのうち1頭を捕獲しました。県の計画は、T1群について住宅地や農地での追い払いを徹底し、市街地とその周辺の泊まり場つぶし(継続的に居させなくする対策)を検討するとしています。
なぜ全頭捕獲に踏み切れない?
テレ朝NEWSによると、神奈川県の担当者は「西湘地域の個体群が県のレッドデータブックで絶滅危惧種となっていて、T1群が最後の群れ」と説明しています。全頭を捕獲すれば、県が自らその地域のサルを絶滅させることになるため、慎重に検討しているということです。環境省も2019年の検討資料で、計画なしの多頭捕獲によって小さな地域個体群の群れが消えてしまった例があると指摘しています。
追い払いは効く?花火に慣れたサルと「群れ単位」の対策
出雲市で結成された追い払い隊の主な活動は、花火を使って住民の生活エリアからサルを追い払うことです(FNN)。日本海テレビは、花火などでサルに「ここは居心地が悪い」と学習させるのが有効だとして、結団式で追い払い花火の実演も行われたと伝えています。
一方、湯河原町では「追い払い隊」がボランティアで主にロケット花火を使って追い払っていますが、テレ朝NEWSは「最近はサルも慣れてきて、それくらいではもうビクともしない」という声を伝えています。別の報道でも、玄関にロケット花火を常備している住民が「効かない、全然」と話しています。
国が示している対策の組み合わせ
2014年の「被害対策強化の考え方」は、サルは群れで暮らし学習能力が高いため、対策は群れを単位にして行うのが基本だとしています。そのうえで、次の対策を組み合わせるよう求めています。
- 追い払い・追い上げ:発信機などで群れの位置をつかみ、花火やスリングショット、モンキードッグなどで集落ぐるみで徹底的に山へ追い払う
- 侵入防止:効果のある電気柵や防護ネット、取り残した果樹の除去などで、農地や集落に入らせない
- 群れの縮小・除去:農地周辺に定着した群れや、追い払いの効果が見込めない群れは、大型の捕獲おりなどで頭数を減らす、または群れごと捕獲する
- 群れの状況把握:どこに何群れ、何頭いて、加害レベルはいくつかを調べ、計画的に捕獲する
ガイドラインの判定でも、加害レベル5の群れは「人馴れが進んでいるため被害防除対策の効果が少ない」とされています。花火で驚かすだけの対策は、慣れが進んだ群れには効きにくくなることが資料からも読み取れます。出雲市が群れのメスにGPS首輪を付けることを目指すとしている(日本海テレビ)のも、群れの位置を把握して集落ぐるみで対策をとるためです。
サルの特定計画がある県・ない県
ガイドライン(2023年12月時点の一覧)によると、ニホンザルの第二種特定鳥獣管理計画は神奈川県など多くの県で作られていますが、島根県と福岡県は策定していません。計画がない県では、捕獲の許可が市町村に任されている場合もあり、環境省は計画的でない捕獲が群れの分裂や消滅を招くおそれを指摘しています。
サルに出会ったらどうする?自治体の呼びかけ
出没が続く福岡市の注意喚起から、遭遇したときと寄せ付けないためのポイントをまとめます。
サルを見かけたら・遭遇したら(福岡市)
- 目を合わせない、走って逃げない。サルは目を見つめられると威嚇されたと思い、人が視線をそらしたときに襲ってくることがある。目を合わせずにゆっくりその場を離れる
- 不用意に近づかない、追いかけない。特に子どもや女性は反撃されやすい
- 絶対にエサを与えない。エサをもらうと人を恐れなくなり、物を奪ったり危害を加えたりする可能性が高まる
- 戸締りを徹底する。扉や窓が開いていると家の中に入るおそれがある。出没が続く間は不要な外出を控え、外出はできるだけ複数人で
寄せ付けないために
- 収穫しないビワ・柿・栗などの果実、畑に放置した農作物、生ごみをなくす(使っていない果樹は伐採も検討)
- 見通しの悪いやぶや草むらを刈り払い、隠れ場所をなくす
- 防護柵を適切に設置・管理して農作物を守る
引っかかれたり、かまれたりしてけがをした場合は、すぐに傷口を洗い、医療機関(救急外来)を受診するよう福岡市は呼びかけています。
湯河原町のサルの報道(X)
日テレNEWSは10月15日、神奈川県湯河原町で取材班がサルの群れに遭遇し、人前でくつろぐ様子を撮影したと伝えました。
サル被害相次ぐ 神奈川・湯河原町で取材中に群れと遭遇 人前で“くつろぐ”映像に専門家「見たのは初めて」https://t.co/GCoGRKjARj
— 日テレNEWS NNN (@news24ntv) October 15, 2026
サル被害のよくある質問
Q. サルの被害は増えているのですか?
A. 農作物の被害額は減っています。農林水産省の集計では、サルによる農作物被害は2010年度の18.5億円がピークで、2025年度は7.4億円でした。ただし国の統計は農作物しか数えておらず、家への侵入や人へのけがなど生活の被害は含まれません。湯河原町のように、住宅地での被害が大きな問題になっている地域もあります。
Q. サルに出会ったらどうすればいいですか?
A. 目を合わせず、走って逃げずに、ゆっくりその場を離れてください。近づいたり追いかけたりせず、エサは絶対に与えないことも大切です。家の窓や扉は閉め、出没が続く間は不要な外出を控えるよう福岡市などが呼びかけています。
Q. サルにかまれたらどうすればいいですか?
A. すぐに傷口を洗浄し、医療機関(救急外来)を受診してください。福岡市が注意喚起のページで呼びかけている対応です。
Q. なぜ湯河原のサルを全頭捕獲しないのですか?
A. 報道によると、神奈川県は西湘地域の個体群が県のレッドデータブックで絶滅危惧種とされ、湯河原町のT1群が最後の群れであることを理由に、全頭捕獲には慎重な姿勢です。県の計画は、住宅地などでの追い払いの徹底や、市街地での泊まり場つぶしを検討するとしています。2025年度には加害個体として特定した4頭のうち1頭を捕獲しました。
Q. サルの捕獲数はどのくらいですか?
A. 環境省の鳥獣関係統計を集計すると、都道府県知事の許可によるニホンザルの捕獲は2021年度に23,196頭でした。2001年度の10,813頭から2.1倍に増え、最も多かったのは2020年度の28,047頭です。
Q. サルの「加害レベル」とは何ですか?
A. 環境省のガイドラインが示す、群れごとの被害の深刻さの目安です。出没の頻度や規模、人への反応、農作物と生活の被害を点数にして、0(山奥にいて被害なし)から5(通年・頻繁に出没し、生活被害が大きく人身被害のおそれがある)までの6段階で判定します。
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出典・参考資料
- 農林水産省:全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(令和7年度)(参考4 被害状況の推移/参考3 市町村別/参考1・参考2、令和6年度参考2)
- 環境省:鳥獣関係統計(平成13〜令和3年度「都道府県知事の捕獲許可による捕獲鳥獣数」)
- 環境省:特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(ニホンザル編)改定版(2024年5月)/環境省・農林水産省:ニホンザル被害対策強化の考え方(2014年4月)/群れ捕獲に係る考え方の検討方針(案)(2019年)
- 神奈川県:令和8(2026)年度 神奈川県ニホンザル管理事業実施計画(第二種特定鳥獣管理計画(ニホンザル))
- 福岡市:野生のサルにご注意ください
- 報道:日テレNEWS NNN(10/15)/FNNプライムオンライン(10/16)/日本海テレビ(10/16)/TBS NEWS DIG(10/16)/西日本新聞(10/16)/テレ朝NEWS(9/20)/テレ朝NEWS(10/2)
数値は2026年10月17日時点で公表されていたものです。捕獲数は年度ごとの統計表を筆者が集計しました。写真はWikimedia Commonsのフリーライセンス画像(一部リサイズ)。アイキャッチ:Alpsdake「Macaca fuscata s3」(岐阜県海津市で撮影したニホンザル、CC BY-SA 4.0)。本文:Alpsdake「Macaca fuscata (flocks) in Atago Shrine」(CC0)。
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