地震や豪雨などの災害で避難生活を送るとき、冬場に命を脅かすのが「寒さ」です。停電で暖房が使えず、体育館や車内で凍えるような夜を過ごすことも少なくありません。この記事では、元自衛隊員のお笑い芸人・やす子さんがSNSで発信して話題になった知恵をきっかけに、避難先ですぐできる防寒対策を、カッパ・カイロ・新聞紙といった身近なアイテムを使う方法を中心にわかりやすくまとめます。
この記事でわかること
- やす子さんが発信した避難時の防寒の知恵
- 防寒の基本原則「三つの首を温める・濡らさない・風を防ぐ」
- カッパ/ポンチョ・カイロ・新聞紙を使った具体的な防寒テクニック
- 低体温症を防ぐための注意点
元自衛隊員・やす子さんが発信した防寒の知恵
やす子さんは自衛隊での勤務経験を持ち、サバイバルや災害対応の知識を活かした発信で知られています。災害発生時には、避難生活で役立つ防寒の知恵をSNSで共有し、多くの人に「これは覚えておきたい」と反響を呼びました。
専門的な道具がなくても、身近にあるものを工夫すれば体温を守ることはできます。ここからは、避難先で実践できる防寒対策を具体的に見ていきましょう。
まず押さえたい防寒の3原則
個別のテクニックの前に、防寒には共通する3つの基本原則があります。これを意識するだけで効果が大きく変わります。
- 「三つの首」を温める:首・手首・足首は皮膚のすぐ下を太い血管が通っており、ここを温めると温まった血液が全身を巡ります。マフラー・手袋・レッグウォーマーが効果的です。
- 濡らさない・すぐ乾かす:体は濡れると急速に熱を奪われます。汗や雨で衣類が湿ったら、こまめに着替えるか乾かすことが重要です。
- 風を防ぐ・空気の層をつくる:風は体温を奪う大敵です。風を遮り、衣類の間に空気の層をつくる「重ね着」で保温力が高まります。
以下で紹介するカッパ・カイロ・新聞紙は、いずれもこの3原則を身近なもので実現する手段です。
防寒対策①:カッパ・ポンチョで風と雨を防ぐ
意外に思われるかもしれませんが、雨具のカッパやポンチョは防寒具として非常に優秀です。防寒の3原則のうち「風を防ぐ」「濡らさない」を同時に満たせるためです。
- 防水性:雨や雪から体を守り、衣類が濡れて体温を奪われるのを防ぎます。
- 防風性:強風を遮断し、体温の低下を防ぎます。ダウンやフリースの一番外側に羽織ると保温効果が大きく上がります。
- 軽量・コンパクト:かさばらず持ち運びやすいため、非常持ち出し袋に常備しておくのに最適です。
ポイントは、防寒着の「上に」重ねること。フリースやダウンで作った暖かい空気の層を、カッパで風から守るイメージです。ただし通気性が低く蒸れやすいため、動いて汗をかいたら換気し、汗冷えを防ぎましょう。
防寒対策②:カイロを「肩甲骨の間」に貼る
使い捨てカイロは、貼る場所を工夫するだけで暖かさが段違いになります。特におすすめなのが肩甲骨と肩甲骨の間(背中の上部)です。
肩甲骨の間に貼るメリット
- 効率よく全身が温まる:太い血管が通る体の中心に近く、ここで温めた血液が全身を巡ります。
- こり固まった筋肉がほぐれる:寒さで緊張した肩・背中の筋肉がゆるみ、快適に過ごせます。
- 持続的な暖かさ:カイロは長時間発熱するため、活動中も暖かさが続きます。
このほか、太い血管が通る「首の後ろ」「腰」「お腹」「足首」も効果的な貼り位置です。
低温やけどに注意
カイロで気をつけたいのが低温やけどです。次の点を必ず守ってください。
- 肌に直接貼らず、必ず衣服の上から貼る
- 「熱い」と感じたら、すぐ位置をずらすか一時的に外す
- 就寝時に同じ場所へ貼りっぱなしにしない
防寒対策③:新聞紙を「断熱材」として使う
どこにでもある新聞紙は、実は優秀な防寒アイテムです。紙の繊維の間に空気をたくさん含むため、その空気の層が熱を逃がさない「断熱材」として働きます。防寒の3原則の「空気の層をつくる」を、コストゼロで実現できるわけです。
- 衣類の間に挟む:シャツとジャケットの間、特に胸や背中に一枚挟むだけで体温を逃がしにくくなります。
- 足元の保温:靴の中に敷けば足の冷えを防ぎます。濡れた靴に詰めれば水分を吸って乾かす効果も。
- 体に巻く:丸めて手や頭、お腹に巻けば、手袋や帽子の代わりになります。
- 寝るときの下敷き・掛け物に:床からの冷えを防ぐため体の下に敷き、毛布と一緒に使えば保温力が上がります。段ボールと組み合わせるとさらに効果的です。
ただし新聞紙は水に弱いため、濡れる環境では効果が下がります。また、火気のそばでは絶対に使わないよう注意してください。
低体温症を防ぐために覚えておきたいこと
避難生活で最も警戒すべきは、体の深部の温度が下がる低体温症です。震えが止まらない、呂律が回らない、意識がもうろうとするといった症状は危険なサインです。次の点を心がけましょう。
- 床からの冷えを断つ:冷えは床から来ます。段ボール・毛布・新聞紙を体の下に敷きましょう。
- 温かい飲み物・食べ物をとる:体を内側から温め、エネルギーを補給します。
- こまめに体を動かす:軽い運動やストレッチで血流を促し、熱を生み出します。
- 身を寄せ合う:一人より複数で身を寄せ合うほうが暖かく保てます。特に高齢者や乳幼児は体温を保ちにくいので、周囲が気を配りましょう。
避難時の防寒対策に関するよくある質問
Q. カイロを貼る一番効果的な場所はどこですか?
肩甲骨の間(背中の上部)がおすすめです。太い血管が通る体の中心に近く、温めた血液が全身を巡って効率よく暖まります。首の後ろ、腰、お腹、足首も効果的です。ただし低温やけどを避けるため、必ず衣服の上から貼ってください。
Q. なぜ新聞紙が防寒に役立つのですか?
新聞紙は繊維の間に空気を多く含み、その空気の層が熱を逃がさない断熱材として働くためです。衣類の間に挟んだり、寝るときに体の下に敷いたりすると、体温を保ちやすくなります。
Q. カッパは防寒具として本当に使えますか?
使えます。カッパやポンチョは風と雨を防ぐため、体温の低下を効果的に抑えられます。防寒着の一番外側に羽織り、内側の暖かい空気を風から守るように使うのがコツです。
Q. 停電で暖房が使えないとき、まず何をすべきですか?
まず床からの冷えを断つことです。段ボールや毛布、新聞紙を体の下に敷き、重ね着で空気の層をつくり、「三つの首」を温めましょう。温かい飲み物がとれれば体の内側からも温められます。
Q. 防災バッグに入れておくべき防寒グッズは?
アルミ製の防寒シート(エマージェンシーブランケット)、使い捨てカイロ、薄手のダウンやフリース、レインコート(カッパ)、手袋・帽子・靴下などが基本です。かさばらないものを中心に、家族の人数分そろえておくと安心です。
まとめ:身近なもので「命を守る暖かさ」を確保しよう
災害時の防寒は、特別な道具がなくても身近なもので十分に実践できます。やす子さんの知恵にもあるように、カッパで風と雨を防ぎ、カイロで体の中心を温め、新聞紙で空気の層をつくる——この3つを覚えておくだけで、避難生活の寒さは大きくやわらぎます。「三つの首を温める・濡らさない・風を防ぐ」を意識し、いざというときに自分と大切な人の命を守れるよう、日ごろから備えておきましょう。
※本記事は一般的な防災情報の提供を目的としたものです。体調に異変を感じた場合は無理をせず、避難所のスタッフや医療機関に相談してください。


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