秋の全国交通安全運動2026はいつ?なぜ9月末に事故が増えるのか
2026年の秋の全国交通安全運動は9月21日(月)から30日(水)までの10日間。なぜ毎年この時期なのかというと、9月は1年で最も日没が早まる月だからです。東京の日の入りは9月の1か月だけで42分も前倒しになり、歩行者の死亡事故が集中する「薄暮時間帯」が通勤・下校の時間帯へ一気に食い込みます。警察庁のデータを1時間あたりに直して、危険の正体を数字で確かめます。
この記事でわかること
- 2026年の秋の全国交通安全運動は9月21日(月)〜30日(水)。最終日は「交通事故死ゼロを目指す日」
- 全国重点は歩行者の反射材・夕暮れ時の早めのライト点灯・自転車のルール遵守の3つ
- 東京の日没は9月だけで42分早まる。これは1年で最大の変化幅
- 警察庁データを1時間あたりに直すと、薄暮時間帯の歩行者の死亡事故は昼間の3.2倍
- 暗い服では約26mまで見えない。時速60kmでは止まれない距離で、反射材なら約57m以上に伸びる
秋の全国交通安全運動2026はいつ?期間と重点3項目
警察庁の発表によると、2026年(令和8年)の秋の全国交通安全運動は9月21日(月)から9月30日(水)までの10日間です。最終日の9月30日は「交通事故死ゼロを目指す日」に設定されています。
| 項目 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 期間 | 9月21日(月)〜30日(水) | 10日間 |
| 事故死ゼロを目指す日 | 9月30日(水) | 運動の最終日 |
| 主催 | 内閣府、警察庁等10府省庁 | 都道府県・市区町村・関係13団体 |
| 全国重点 | 歩行者・自動車・自転車の3本柱 | 下記のとおり |
全国重点は次の3つ
- 〈歩行者〉歩行者の安全確保と反射材用品の着用促進
- 〈自動車〉夕暮れ時の早めのライト点灯と飲酒運転や「ながらスマホ」の根絶
- 〈自転車〉自転車・特定小型原動機付自転車の交通ルールの理解・遵守の徹底
【#教養課 #国際警察センター 】
令和8年9月21日から30日までの間 #秋の全国交通安全運動 が行われます✨
#早めのライト点灯 や #反射材の活用 で周囲に自分の存在を知らせ、#交通事故防止 に努めよう🫡県警HPで外国語チラシを掲載中!🔽
— 愛知県警察広報課 (@AP_KOUHOU) September 4, 2026
3つのうち2つが「暗くなる時間帯」を名指ししています。反射材も、夕暮れ時の早めのライト点灯も、狙いは同じ場所にあります。では、なぜ9月下旬なのでしょうか。
なぜ9月末なのか?日没が1か月で42分早まるから
国立天文台が公開している2026年の日の出・日の入り時刻から、東京の日の入りが各月のあいだにどれだけ動くかを計算しました。結果は次のとおりです。
| 月 | 1日の日没 | 末日の日没 | 月内の変化 |
|---|---|---|---|
| 6月 | 18:51 | 19:01 | 10分遅く |
| 7月 | 19:01 | 18:47 | 14分早く |
| 8月 | 18:46 | 18:10 | 36分早く |
| 9月 | 18:09 | 17:27 | 42分早く(年間最大) |
| 10月 | 17:26 | 16:47 | 39分早く |
| 11月 | 16:46 | 16:28 | 18分早く |
| 12月 | 16:28 | 16:37 | 9分遅く |
1年でいちばん日没が急に早まる月が9月です。夏至を過ぎた7月はまだ14分しか動きませんが、8月に36分、9月に42分と加速します。11月になると18分、12月には逆に遅くなり始めます。「急に暗くなった」と体感するのは9月で正しいのです。
運動期間中も、10日で13分ずつ前倒しになる
運動が始まる9月21日の東京の日没は17時40分、最終日の30日は17時27分です。10日間でさらに13分早まります。9月1日の18時09分と比べれば、下校や退勤のタイミングが変わらなくても、外が暗くなるタイミングだけが42分ぶん手前にずれてくることになります。
北にいくほど変化は急になる
| 都市 | 9月1日 | 9月30日 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 札幌 | 17:54 | 17:02 | 52分早く |
| 仙台 | 18:07 | 17:22 | 45分早く |
| 東京 | 18:09 | 17:27 | 42分早く |
| 名古屋 | 18:14 | 17:33 | 41分早く |
| 大阪 | 18:24 | 17:43 | 41分早く |
| 福岡 | 18:32 | 17:52 | 40分早く |
| 那覇 | 18:42 | 18:05 | 37分早く |
札幌は1か月で52分。緯度が高いほど日没の動きは急になります。同じ「9月の秋の交通安全運動」でも、北日本のほうが体感の変化は大きいということです。
その北海道警察も、日没が早まることを運動の呼びかけの中心に置いています。
9月21日~30日の10日間 #秋の全国交通安全運動
日没が日に日に早まり、事故の危険を見落としやすい!
ドライバーは
#スピードダウン #早めのライト点灯
歩行者は
#信号機や横断歩道の利用 #反射材の着用
横断歩道は歩行者優先!
#ハンドサインでストップ運動 の実践を!— 北海道警察本部交通部 (@HP_koutuu) September 9, 2026
国立天文台 暦計算室が公開している2026年の各地の日の出・日の入り時刻から、各月1日と末日の日の入り時刻の差を当編集部で集計しました。都市は各都道府県の代表地点の値です。
薄暮時間帯の死亡事故は昼間の何倍?1時間あたりに直して比べる
警察庁は日の入り時刻の前後1時間を「薄暮時間帯」と呼び、この時間帯の死亡事故を分析しています。2021年から2025年(令和3〜7年)の5年間で、死亡事故は全体で12,844件。その内訳は次のとおりです。
ただし件数をそのまま比べても意味がありません。昼間と夜間は11時間ずつ、薄暮時間帯はたった2時間だからです。そこで警察庁の注記にある時間数で割り、1時間あたりに直しました。
| 区分 | 死亡事故(5年計) | 時間数 | 1時間あたり | うち歩行者(1時間あたり) |
|---|---|---|---|---|
| 昼間 | 6,308件 | 11時間 | 573.5件 | 120.3件 |
| 薄暮 | 1,555件 | 2時間 | 777.5件 | 385.5件 |
| 夜間 | 4,981件 | 11時間 | 452.8件 | 201.8件 |
浮かび上がるのは歩行者です。死亡事故全体で見れば薄暮は昼間の1.36倍にとどまりますが、「自動車対歩行者」だけを取り出すと1時間あたり385.5件と、昼間の3.2倍・夜間の1.9倍になります。薄暮時間帯の死亡事故は、その50%が自動車と歩行者の事故です(昼間は21%、夜間は45%)。
完全な夜より薄暮のほうが1時間あたりの件数は多くなります。まだライトを点けていない車、目が暗さに慣れていない運転者、そして帰宅・下校で歩行者が最も多い時間帯——この3つが重なるのが薄暮時間帯です。だから全国重点が「夕暮れ時の早めのライト点灯」なのです。
10月〜12月がピーク、その入口が9月
警察庁の分析では、薄暮時間帯の死亡事故は7月以降に増加傾向へ転じ、10月から12月にかけて最も多く発生します。日没が42分早まる9月は、そのピークへ向かう入口にあたります。秋の全国交通安全運動が9月下旬に置かれているのは、事故が増え切る前に手を打つためだと読み取れます。
歩行者の死亡事故は「横断中」が85%
薄暮時間帯の「自動車対歩行者」の死亡事故758件を類型別に見ると、横断中が646件で約85%を占めます。さらにその中身を追うと、危険がどこにあるかがはっきりします。
- 85%横断中の事故が大半薄暮時間帯の歩行者死亡事故758件のうち646件。歩いている最中ではなく、道を渡っているときに集中している。
- 69%横断歩道以外での横断横断中646件のうち443件が横断歩道以外。横断歩道上は203件(31%)にとどまる。
- 70%歩行者側にも法令違反横断歩道以外での横断443件のうち、約70%に歩行者の法令違反があった。最多は「走行車両の直前直後横断」で156件(35%)。
「車のすぐ前や後ろを横切る」——この一点が、薄暮時間帯にもっとも人が亡くなっている行動です。急いでいるときほど、遠回りでも横断歩道まで歩くことが最大の対策になります。
反射材で見える距離は2倍以上。速度と組み合わせて考える
全国重点の1つ目が「反射材用品の着用促進」である理由も、数字にすると明快です。夜間、ロービームで走る車の運転者から歩行者が見える距離は、服装によって次のように変わります(日本反射材普及協会調べ)。
そこに、時速別の停止距離(空走距離+制動距離の目安)を重ねてみます。「見えた地点から止まれるか」が一目でわかります。
| 歩行者の服装 | 見える距離 | 30km/h 停止14m |
40km/h 停止22m |
60km/h 停止44m |
|---|---|---|---|---|
| 暗い色の服 | 約26m | 止まれる | 止まれる | 間に合わない |
| 明るい色の服 | 約38m | 止まれる | 止まれる | 間に合わない |
| 反射材あり | 約57m以上 | 止まれる | 止まれる | 止まれる |
暗い色の服では、時速60kmの車は物理的に止まれません。停止距離44mに対して、運転者が歩行者に気づけるのは26m地点だからです。反射材を着けると57m以上に伸び、時速60kmでも止まれる側に回ります。
USAの道 交通安全PR!!
最近は夕暮れが早くなって少し涼しくなったポン!
もうすぐ秋の全国交通安全運動だポン!
歩行者は反射材を着用してポン!
自動車は早めのライト点灯をしてポン!
自転車はヘルメットを着用してね!
#大分県警察 #宇佐警察署 #スッポンホールドポリス #事故ゼロ #USAの道— 大分県警察 (@oita_police) September 9, 2026
2026年9月1日からは、中央線のない生活道路の法定速度が時速30kmに引き下げられました。時速30kmの停止距離は約14m。暗い色の服の歩行者が見える26mでも、十分に余裕があります。反射材と速度は、同じ問題への2つの答えです。
なお2025年(令和7年)の交通事故死者数は2,547人で、統計が残る1948年以降で最少を更新しました。全体は着実に減っていますが、薄暮時間帯と歩行者という弱い部分は残ったままです。
運動期間中にできる5つのこと
- 歩く人①反射材をカバンと靴に着ける見える距離が約26mから約57m以上へ。位置は低いほど効果的で、靴やかかとに着けると車のライトを受けやすい。
- 歩く人②横断歩道まで歩く薄暮の歩行者死亡事故の69%は横断歩道以外。とくに停まっている車の直前直後を渡らない。
- 運転する人①日没の1時間前にライトを点ける東京なら9月下旬は16時40分ごろ。点灯は自分が見るためだけでなく、歩行者に自分を見せるため。
- 運転する人②対向車がいないときはハイビーム警察庁もハイビームの活用を呼びかけている。こまめな切り替えが前提。
- 自転車ライト点灯とルールの確認今回の全国重点には特定小型原動機付自転車(電動キックボード等)も明記されている。
よくある質問
Q. 秋の全国交通安全運動2026はいつからいつまでですか?
A. 2026年9月21日(月)から9月30日(水)までの10日間です。最終日の9月30日は「交通事故死ゼロを目指す日」に設定されています。主催は内閣府、警察庁等10府省庁と都道府県・市区町村、関係13団体です。
Q. 2026年の全国重点は何ですか?
A. 3つあります。①歩行者の安全確保と反射材用品の着用促進、②夕暮れ時の早めのライト点灯と飲酒運転や「ながらスマホ」の根絶、③自転車・特定小型原動機付自転車の交通ルールの理解・遵守の徹底です。都道府県はこれに地域重点を加えることができます。
Q. 薄暮時間帯とは何時から何時ですか?
A. 警察庁の定義では「日の入り時刻の前後1時間」です。時刻は日付と地域で変わり、東京では9月1日が17時09分〜19時09分ごろ、9月30日は16時27分〜18時27分ごろにあたります。1か月で42分ほど手前にずれます。
Q. なぜ秋に交通事故が増えるのですか?
A. 日没が急速に早まり、暗くなる時間帯が帰宅・下校の時間帯と重なるためです。9月は東京で42分、札幌で52分も日没が早まり、これは1年で最大の変化幅です。警察庁の分析でも、薄暮時間帯の死亡事故は7月以降に増加へ転じ、10月から12月に最も多くなります。
Q. 反射材にはどれくらいの効果がありますか?
A. 夜間にロービームで走る車から歩行者が見える距離は、暗い色の服で約26m、明るい色の服で約38m、反射材を着けると約57m以上とされています(日本反射材普及協会調べ)。時速60kmの停止距離は約44mなので、反射材の有無が「止まれるかどうか」の境目になります。
Q. 交通事故死者数は減っているのですか?
A. 2025年(令和7年)の交通事故死者数は2,547人で、前年より116人(4.4%)減り、統計の残る1948年以降で最少となりました。ただし薄暮時間帯の歩行者事故は依然として集中しており、全体の減少とは別に対策が必要な領域です。


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