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サンゴ礁91%が絶滅危機とは何の数字?石西礁湖は被度50%→20%
「世界のサンゴ礁の91%が絶滅の危機」――国際自然保護連合(IUCN)が10月22日に公表した、サンゴ礁の生態系を対象にした初めての世界評価です。ただ、この91%はサンゴの種の数でも、サンゴ礁の面積でもありません。何を数えた91%なのかを公表資料から確かめ、日本の海の4つの区分の評価と、環境省が22年続ける石西礁湖(沖縄県)などの調査データを並べました。
この記事の結論
- 「91%」は、IUCNが世界のサンゴ礁を127の生態系(海域ごとのまとまり)に分けて評価したうち、過去50年の観測だけで「絶滅危惧」と判定された116の割合です。種の数や面積の割合ではありません。
- 将来の海水温上昇(中位のシナリオ、今世紀末に約2.7度上昇)まで入れると、122生態系(96%)が最も高い「深刻な危機(CR)」になります。報道の「50年以内に崩壊の恐れ」はこの将来予測の部分です。ただしIUCNは「深刻な危機は崩壊済みという意味ではない」としています。
- 日本周辺に関係する4つの生態系(中部黒潮・東シナ海・南黒潮・小笠原諸島)は、将来予測込みでいずれも「深刻な危機」。過去50年の観測だけでも、南黒潮が「危機」、残る3つが「深刻な危機」でした。
- 環境省の調査では、石西礁湖と西表島周辺の平均サンゴ被度は2004年度の50%から2025年度は20%。主なサンゴ礁8海域のうち6海域で2004年度より低くなっています。石西礁湖では2014年度以降の12年すべてで白化が確認され、平均白化率50%以上が9回ありました。

サンゴ礁「91%」は何の91%?種でも面積でもない
今回の評価は、絶滅危惧種の「レッドリスト」の生態系版にあたる「生態系レッドリスト(Red List of Ecosystems)」を、世界のサンゴ礁に初めて当てはめたものです。IUCNの解説によると、日光の届く浅く温かい海のサンゴ礁を、生き物の顔ぶれや環境の違いから127の「エコリージョン」(海域ごとの生態系のまとまり)に分け、それぞれが「崩壊」する危険の大きさを5段階で評価しました。80以上の国・地域、合計188,362平方キロのサンゴ礁が対象で、250人以上の専門家が参加しています。深い海のサンゴや冷たい海のサンゴは含みません。
この評価の中に、性質の違う数字がいくつも出てきます。報道で目にする数字を整理すると次のとおりです。
| 数字 | 何の割合か | 前提 |
|---|---|---|
| 91% | 127の生態系のうち116が「絶滅危惧」(危急・危機・深刻な危機・崩壊のいずれか) | 過去50年(1975〜2025年)の観測だけで判定。将来予測は入れない |
| 24% | 127のうち30が最も高い「深刻な危機」 | 同上(観測だけ) |
| 96% | 127のうち122が「深刻な危機」。面積では評価対象の99.8% | 観測+今後50年(2026〜2075年)の熱ストレス予測。IUCNの公式なカテゴリ |
| 95% | 熱ストレスの予測だけで「深刻な危機」になる割合 | 中位シナリオ(IPCCのSSP2-4.5) |
| 44% | 造礁サンゴの「種」774種のうち340種が絶滅危惧 | 別の評価(種のレッドリスト)。2020年までのデータ |
出典:IUCN「Red List of Coral Reef Ecosystems」、IUCN報道発表(2026年10月22日)、IUCN「造礁サンゴの種の再評価」。91%・24%・96%は、エコリージョン別の結果表を当ブログで数え直しても同じ値になりました(下の「数え直しの注意」参照)。
つまり共同通信が伝えた「91%」は、127の生態系のうち116が、これまでの50年の変化だけで「絶滅危惧」に当たるという意味です(116÷127=91.3%)。一方、時事通信が伝えた「96%」は、将来の温暖化の予測まで入れたIUCNの公式な判定で、こちらは最も重い「深刻な危機」だけの割合です。同じ発表から出た数字ですが、数えている範囲が違います。
数え直しの注意
共同通信の配信記事は「データ不足などがない122カ所の絶滅リスクを分析したところ、116カ所(91%)」と書いていますが、116÷122は95%です。IUCNの発表では91%の分母は127(全体)で、122は将来予測込みで「深刻な危機」になった数です。また、IUCNの結果表(PDF)ではトンガのハアパイが観測ベースで「準絶滅危惧」と記載されていますが、基準ごとの判定は「危機」が3つ並んでおり、本文の地域要約(太平洋21のうち19が絶滅危惧)と合わせるには「危機」と数える必要があります。当ブログの集計はIUCN本文の数字に合わせています。
「絶滅の危機」は「崩壊の危険」という意味
生態系の評価でいう「崩壊」は、生き物が1匹残らずいなくなることではありません。IUCNの評価方法の資料は、サンゴ礁の崩壊を「造礁サンゴがほぼ失われ、サンゴ礁をつくる働きがほとんどなくなった状態(サンゴの被度が5%未満)」と定義しています。海藻やがれき、海綿が海底を覆い、魚などのすみかとしての役割を果たせなくなった状態です。
すでに崩壊と判定されたのは、ガラパゴス諸島西部の1つだけです(1982〜83年のエルニーニョ現象の後)。データ不足が4つあり、残る122がすべて「深刻な危機」でした。IUCNは「深刻な危機は崩壊済みという意味ではない。ほとんどのサンゴ礁にはまだ生きたサンゴがある」としています。
「50年以内」と「2.7度」はどこから出た?
将来予測には、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の中位のシナリオ「SSP2-4.5」が使われました。IUCNの発表によると、今世紀末までに気温が約2.7度上がる道筋です。評価方法の資料では、このシナリオで2026〜2075年の50年間に、海洋熱波(海水温が長く高い状態)がどれくらいの頻度で起きるかを計算しています。
崩壊の目安として使われたのは、「30年間に平均3年に1回の深刻な白化」または「どこかの5年間に3回の大量死」です。サンゴが回復する間もなく次の熱波が来る状態になると、崩壊に向かうという考え方です。熱ストレスの予測だけで127のうち95%が「深刻な危機」になり、これが96%という結果を押し上げました。
地域別に数え直すと:東アジアは25のうち22が絶滅危惧
IUCNのエコリージョン別の結果表から、10の地域ごとに「過去50年の観測だけ」と「将来予測込み」の判定を数えました。
| 地域 | 生態系の数 | 観測だけで絶滅危惧 | うち深刻な危機 | 予測込みで深刻な危機 |
|---|---|---|---|---|
| オーストラリア | 17 | 15(88%) | 4 | 17 |
| 東アジア(日本を含む) | 25 | 22(88%) | 5 | 25 |
| 太平洋の島々 | 21 | 19(90%) | 2 | 21 |
| 南アジア | 13 | 13(100%) | 2 | 13 |
| 西インド洋 | 13 | 12(92%) | 2 | 12 |
| カリブ海 | 10 | 10(100%) | 6 | 10 |
| 東部熱帯太平洋 | 10 | 10(100%) | 3 | 9 |
| ブラジル | 8 | 5(62%) | 3 | 5 |
| ペルシャ湾・アラビア海 | 6 | 6(100%) | 3 | 6 |
| 紅海・アデン湾 | 4 | 4(100%) | 0 | 4 |
| 合計 | 127 | 116(91%) | 30 | 122 |
出典:IUCN「Global Red List of Coral Reef Ecosystems・Results by ecoregion」を当ブログが地域別に集計。「絶滅危惧」は危急・危機・深刻な危機・崩壊の合計。東部熱帯太平洋の10にはすでに崩壊したガラパゴス諸島西部を含みます。ブラジル3・西インド洋1はデータ不足。
観測だけで見ると、カリブ海は10のうち6が「深刻な危機」と、すでに最も厳しい状態です。IUCNはサンゴの減少と魚の減少が重なっていると説明しています。一方、東アジアは25のうち「深刻な危機」が5にとどまり、東アジアの地域要約は、ほかの海域と比べてサンゴの被度が歴史的に粘り強く保たれてきたとしています。それでも将来予測を入れると、25すべてが「深刻な危機」に変わります。
紅海北部も、熱に強いサンゴが多く、観測だけなら「危急」にとどまる「希望の場所」として紹介されていますが、将来予測込みでは「深刻な危機」です。どの地域でも、観測と予測の差を生んでいるのは今後の海水温の上がり方だといえます。
日本の海の評価は?4つの海域すべてが「深刻な危機」
127の生態系のうち、名前から日本周辺に関係するとみられるのが次の4つです。海域の区切りは国境ではなく、海流や生き物の顔ぶれで分けた国際的な区分(Marine Ecoregions of the World)にもとづいています。
| 生態系 | 分布の狭さ | 過去50年の熱ストレス | 魚・海藻の均衡 | 観測だけ | 予測込み(公式) |
|---|---|---|---|---|---|
| 中部黒潮(Central Kuroshio Current) | 危機 | 深刻な危機 | 危急 | 深刻な危機 | 深刻な危機 |
| 東シナ海(East China Sea) | 危急 | 深刻な危機 | 危急 | 深刻な危機 | 深刻な危機 |
| 南黒潮(South Kuroshio) | 低懸念 | 危機 | 危機 | 危機 | 深刻な危機 |
| 小笠原諸島(Ogasawara Islands) | 深刻な危機 | 深刻な危機 | 低懸念 | 深刻な危機 | 深刻な危機 |
出典:IUCN「Results by ecoregion」「Coral Reefs of East Asia」。「分布の狭さ」は基準B1・B2のうち重いほう、「過去50年の熱ストレス」は基準C1、「魚・海藻の均衡」は基準D1。
共同通信は「日本列島南側や小笠原諸島周辺の海域」が最も高い「深刻な危機」、「沖縄県が含まれる海域」が2番目の「危機」と伝えました。4つのうち観測だけで「危機」なのは南黒潮だけなので、沖縄を含む海域はこれに当たるとみられます。
- 中部黒潮・東シナ海:過去50年の熱ストレスだけで「深刻な危機」。東アジア25海域のうち、熱ストレスで「深刻な危機」とされたのは5つだけで、この2つが含まれます。
- 南黒潮:熱ストレスと、魚や海藻の均衡の崩れがいずれも「危機」。東アジアでは、海藻を食べるブダイ類やハタ類が減っていることが主なリスクとして挙げられています。
- 小笠原諸島:サンゴ礁の分布が狭く孤立しているため、1回の台風や白化で大きな被害を受けうるとして、分布の狭さでも「深刻な危機」です。一方で魚・海藻の均衡は「低懸念」でした。
日本のサンゴは今どうなっている?環境省の22年分を集計
世界の評価は海域単位の大きな見取り図です。では日本の現場はどうか。環境省の「モニタリングサイト1000 サンゴ礁調査」2025年度報告書(2026年3月)には、2004年度以降の各サイトの平均サンゴ被度(海底をサンゴが覆う割合)の推移が載っています。毎年調べている主なサンゴ礁域の8海域を抜き出しました。
| 海域 | 2004年度 | 最高(年度) | 2023年度 | 2025年度 | 2004→2025 |
|---|---|---|---|---|---|
| 奄美大島 | 40% | 40%(2004) | 40% | 20% | -20ポイント |
| 沖縄島(3サイト全体) | 10% | 50%(2021) | 50% | 30% | +20ポイント |
| 慶良間諸島 | 30% | 40%(2021) | 30% | 20% | -10ポイント |
| 宮古島周辺 | 40% | 50%(2005) | 30% | 20% | -20ポイント |
| 八重干瀬 | 60% | 60%(2004) | 30% | 20% | -40ポイント |
| 石垣島(2サイト全体) | 40% | 40%(2004) | 20% | 30% | -10ポイント |
| 石西礁湖・西表島(5サイト全体) | 50% | 50%(2004) | 20% | 20% | -30ポイント |
| 小笠原(父島周辺) | 50% | 50%(2004) | 50% | 50% | +0ポイント |
出典:環境省生物多様性センター「2025年度モニタリングサイト1000サンゴ礁調査報告書」表Ⅱ-1。被度は調査の精度を考えて10%刻みで表されています。沖縄島・石垣島・石西礁湖は複数サイトの全調査地点の平均値。2025年度の脚注番号は表中で1つずれていますが、各海域の行の値をそのまま使いました。
8海域のうち6海域で2025年度の被度が2004年度より低くなっています。上回ったのは沖縄島(10%→30%)だけで、小笠原は50%のまま横ばいです。また、2023年度と比べると5海域で下がりました。報告書は、2024年度の高水温による大規模な白化が「サンゴ礁域全体に大きな被害を及ぼした」とし、2025年度は特に沖縄島周辺で被度の減少として現れたとしています。2019年度以降、全サイトで最も被度が高かった沖縄島周辺離島(水納島・伊是名島・伊平屋島)は、70%から40%に下がりました。
石西礁湖と西表島周辺は2004年度の50%が最高で、2016年度に20%まで落ちて以降、30%に戻ったのは2020・2021年度の2年だけです。年度ごとの値を平均すると、2004〜2015年度は37.5%、2016〜2025年度は22%でした。
石西礁湖では12年連続で白化、深刻な白化は9回
石西礁湖では、環境省が別に約125地点を毎年調べています。2025年度の報告書には、1998年度以降に白化が確認された年の平均白化率と平均死亡率がまとめられています。2014年度以降を並べると次のとおりです。
| 年度 | 平均白化率 | 平均死亡率 | メモ |
|---|---|---|---|
| 2014年度 | 55% | 1.5% | 深刻な白化(白化率50%以上) |
| 2015年度 | 60% | 2.5% | 深刻な白化(白化率50%以上) |
| 2016年度 | 98% | 49.3% | 深刻な白化(白化率50%以上)・死亡率20%以上 |
| 2017年度 | 90% | 8.6% | 深刻な白化(白化率50%以上) |
| 2018年度 | 15% | 0% | ― |
| 2019年度 | 21% | 0% | ― |
| 2020年度 | 55% | 2.4% | 深刻な白化(白化率50%以上) |
| 2021年度 | 57% | 1.4% | 深刻な白化(白化率50%以上) |
| 2022年度 | 89% | 26.8% | 深刻な白化(白化率50%以上)・死亡率20%以上 |
| 2023年度 | 42% | 0.2% | ― |
| 2024年度 | 89% | 30.9% | 深刻な白化(白化率50%以上)・死亡率20%以上 |
| 2025年度 | 72% | 3.7% | 深刻な白化(白化率50%以上) |
出典:環境省生物多様性センター「2025年度 西表石垣国立公園石西礁湖及びその近隣海域におけるサンゴ礁モニタリング調査報告書」表17。「深刻な白化」「死亡率20%以上」の線引きは当ブログによるもので、IUCNの評価基準(海水温から計算する指標)とは別のものです。
2014年度から2025年度まで、12年すべてで白化が確認されています。平均白化率が50%を超えた年は、1998〜2013年度に確認された年では1998・2008年度の2回だけでしたが、2014年度以降は9回にのぼります。平均死亡率が20%を超えたのは1998・2007・2016・2022・2024年度の5回で、うち3回は2016年度からの9年間に集中しています。
2024年度は平均白化率89.0%、平均死亡率30.9%で、死亡率は2016年度(49.3%)、1998年度(35%)、2007年度(33%)に次ぐ高さでした。2024年度は124地点で白化率が50%以上(うち111地点は75%以上)となり、18地点では100%に達しています。それでも平均被度は20%のまま変わりませんでしたが、全国版の報告書は「現時点では平均サンゴ被度の減少には至っていないが、大きな被害を受けたと思われる」としています。2025年度も平均白化率は72.3%と高かった一方、死亡率は3.7%で、被度は回復傾向にあるとされました。
IUCNの「崩壊の目安」と見比べると
IUCNは「5年間に3回の大量死」を崩壊の目安の1つにしました。石西礁湖の死亡率20%以上は、2016年度から2024年度の9年間に3回です。使っている物差しが違うため単純には比べられませんが、熱波の間隔が縮まると回復の時間がなくなる、というIUCNの見立ては、日本の現場の数字とも重なります。
サンゴ礁の崩壊は止められる?IUCNが挙げる対策
IUCNは、過去50年の観測だけなら「深刻な危機」は24%で、96%との差は将来の温暖化から来ていると強調し、「まだ間に合うが、時間は限られている」としています。発表で挙げられた対策は次のとおりです。
- 温室効果ガスの大幅な削減:温暖化をできるだけ1.5度に近く抑えることが最も重要
- 地域の負担を減らす:海洋保護区の強化・拡大、ブダイ類やハタ類の資源回復、陸からの汚染や土砂の流入を減らす
- 熱に強いサンゴ礁を優先して守る:紅海北部、パプアニューギニア、キリバス西部、バミューダなど、熱波を受けてもサンゴと魚のバランスが保たれている海域
- サンゴの移植・再生は補完:費用がかかり大規模化が難しいため、根本原因への対策の代わりにはならない
IUCNによると、魚と海藻とサンゴの均衡の崩れは127の生態系のうち63%で起きており、乱獲や汚染は温暖化と違って国や地域の判断で減らせるリスクです。
同じ月に「種」の評価も:造礁サンゴの44%が絶滅危惧
IUCNは同じ10月、造礁サンゴ892種の再評価も公表しました。十分なデータがある774種のうち340種(44%)が絶滅危惧で、2008年の前回評価(約3分の1)から悪化しています。使ったデータは2020年までで、2023〜2025年の世界的な白化の前のため、実際の割合はさらに高いとみられるとしています。今回の「91%」は、この種の評価とは別の、生態系の評価の数字です。
サンゴ礁の白化と評価の流れ
- 1998年度石西礁湖で大規模白化平均白化率65%・死亡率35%(環境省)
- 2016年度過去最大の白化石西礁湖の平均白化率98%・死亡率49.3%。被度は20%に
- 2023〜2025年4回目の世界的な白化IUCNの種の評価は、この期間の前のデータにもとづく
- 2024年度日本各地で高水温の白化石西礁湖は白化率89.0%・死亡率30.9%
- 2026年3月環境省が2025年度報告書沖縄島周辺3サイトで被度が減少
- 2026年10月22日IUCNがサンゴ礁の生態系を初評価127のうち観測だけで116(91%)が絶滅危惧、予測込みで122(96%)が深刻な危機
サンゴ礁の絶滅危機についてよくある質問
Q. 「サンゴ礁の91%が絶滅危機」とは何の91%ですか?
A. IUCNが世界のサンゴ礁を127の生態系(エコリージョン)に分けて評価したうち、過去50年の観測だけで「絶滅危惧」と判定された116の割合です(116÷127)。サンゴの種の数や、サンゴ礁の面積の割合ではありません。
Q. 91%と96%はどう違いますか?
A. 91%は将来予測を入れず、過去50年の変化だけで判定した「絶滅危惧」全体の割合です。96%は今後50年の海水温上昇の予測まで入れたIUCNの公式な判定で、最も重い「深刻な危機」に当たる122生態系の割合です。
Q. サンゴ礁は50年以内に本当に崩壊しますか?
A. IUCNは、今世紀末に約2.7度上がる中位のシナリオで、今後50年に崩壊する危険が極めて高いと評価しました。ただし「深刻な危機」は崩壊済みという意味ではなく、多くのサンゴ礁にはまだ生きたサンゴがあり、対策次第で回復できるとしています。
Q. 日本のサンゴ礁の評価は?
A. 日本周辺に関係する中部黒潮・東シナ海・南黒潮・小笠原諸島の4つは、将来予測込みでいずれも「深刻な危機」です。過去50年の観測だけでは、南黒潮が「危機」、ほかの3つが「深刻な危機」でした。
Q. 沖縄のサンゴは減っていますか?
A. 環境省の調査では、石西礁湖と西表島周辺の平均サンゴ被度は2004年度の50%から2025年度は20%です。沖縄島周辺は長く増加傾向でしたが、2024年度の大規模白化の影響で2025年度は30%(2023年度は50%)に下がりました。
Q. サンゴの白化とは何ですか?
A. サンゴと共生する褐虫藻(かっちゅうそう)が高い水温などのストレスで失われ、サンゴが白く見える状態です。白化したサンゴがすべて死ぬわけではなく、石西礁湖でも2025年度は平均白化率72.3%に対し平均死亡率は3.7%でした。石西礁湖では2014年度以降、毎年白化が確認されています。
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出典・参考資料
- IUCN:Virtually all coral reef ecosystems face high risk of collapse in 50 years(報道発表、2026年10月22日)/Red List of Coral Reef Ecosystems
- IUCN Red List of Ecosystems:Global Red List of Coral Reef Ecosystems・Results by ecoregion/Coral Reefs of East Asia(地域要約)/Assessment Methods
- IUCN:Nearly half of reef-building coral species face elevated relative risk of extinction
- 環境省生物多様性センター:2025年度モニタリングサイト1000サンゴ礁調査報告書/2025年度 石西礁湖及びその近隣海域におけるサンゴ礁モニタリング調査報告書/モニタリングサイト1000 報告書一覧
- 報道:共同通信(北國新聞掲載、2026年10月22日)、時事通信(2026年10月22日)
数値は2026年10月27日時点で公表されていたものです。地域別・日本周辺の集計表、モニタリングサイト1000の抜き出しと増減の計算は、上記の公的資料をもとに当ブログが作成しました。写真:Junpei Abe「Aerial view of Ishigaki island Taketomi and Kohama 2014」(CC BY 2.0、リサイズ)、アイキャッチ:keiyac「Coral reef life near Akajima 07」(慶良間諸島・阿嘉島、2009年7月撮影、CC BY-SA 2.0、明るさ調整・文字入れ)。いずれもWikimedia Commons。
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