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ホルムズ海峡でコンテナ船攻撃、なぜ?通航料と「7日で再開」案とは
ペルシャ湾の出口、ホルムズ海峡でイランによるとみられる商船への攻撃が相次ぎ、10月中旬にはコンテナ船が沈んで積み荷のコンテナが海に漂いました。19日には、カタールの副首相が海峡の「通航料」を認めない考えを示し、イランの外相は「7日で海峡を再開する」という提案はまだ生きていると米国に受け入れを迫っています。海峡はいつから、どのくらい止まっているのか。国際通貨基金(IMF)が公開している船の通航データを自分で集計し、日本の原油輸入の変化と合わせて整理します。
この記事の結論
- ホルムズ海峡の混乱は、2026年2月28日に米国とイスラエルがイランを攻撃した戦争から続いています。イランの革命防衛隊は、許可のない船の通航を認めない立場で、10月に入って商船への攻撃が急増しました。
- IMF PortWatchの通航データ(船の位置信号から推計)を集計すると、3月1日〜10月11日の通航は1,433隻、1日平均6.4隻。前年の同じ期間(21,436隻)の約7%にとどまります。コンテナ船は2025年の1日平均16.5隻から0.6隻になりました。
- ただし、位置信号を切って通る船は数えられません。英国海事貿易機関(UKMTO)は10月14日までの1週間で254隻(戦前より約7割少ない)と数えており、実際の通航はPortWatchの数字より多いとみられます。
- カタールのサウード副首相は10月19日、「通航料は課すべきではない」と述べました。イランのアラグチ外相は18日、米国が条件をのめば海峡を6日目に再開し、7日目に協議を始めるという提案は「まだテーブルの上にある」と述べています。米国はこれまで受け入れていません。
- 日本の原油輸入に占める中東の割合は、2025年の93.5%から、2026年8月は60.7%まで下がりました(経済産業省「石油統計」)。代わりに北米からの輸入が8月は全体の34.4%を占めています。
PortWatchの数字は当サイトがIMF PortWatchのAPIから日別データを取得して集計したもの。日本の数字は経済産業省「石油統計」(2026年8月分確報)より。
ホルムズ海峡で何が起きた?コンテナ船の沈没と積み荷の流出
今回、米英で検索が急増したのは、ホルムズ海峡で攻撃されたコンテナ船の積み荷が海に流れ出し、人々が小船で拾いに行く様子が報じられたためです。Guardian(10月19日)、Guardian(10月14日)、Al Jazeera(10月17日)の報道から、確認できる事実を時系列でまとめます。
| 日付・項目 | 内容 |
|---|---|
| 10月13〜14日 | 英国海事貿易機関(UKMTO)が、48時間で少なくとも5件の攻撃(無人機によるものを含む)を報告。シンガポール船籍のコンテナ船「GFSプライド」が攻撃を受けた翌日の14日に沈没しました。アンティグア・バーブーダ船籍の「ケープ・ダオ」(9月23日に被弾)も同じころ沈んでいます(Guardian、IMOのデータ)。 |
| イランの説明 | イラン国営テレビは、革命防衛隊の声明として、貨物船が「違法で危険な航路」を通って機雷に触れ沈没したと伝え、積み荷は2,500個のコンテナだったとしています。乗組員21人は全員避難し、けが人は報告されていません(Guardian 10月19日)。 |
| 米軍の説明 | 米中央軍(CENTCOM)は、GFSプライドは機雷ではなく革命防衛隊の飛翔体(ミサイルなど)に撃たれたと発表しました。UKMTOも、正体不明の飛翔体が当たったとの見方を示しています(Al Jazeera、Guardian)。 |
| 積み荷の流出 | 数十個のコンテナが海に浮かぶ様子が衛星画像や動画で確認されました。SNSでは「iPhoneが流れてきた」という話が広がりましたが、Guardianは、そのうわさがAIで作られた偽の写真にあおられたものだったと伝えています。イラン当局は、流れ着いた物は国の財産だとして、漁師らに持ち去らないよう命じました。 |
| 10月10〜16日の1週間 | UKMTOは、確認できただけで12隻が攻撃されたと報告しました。うち半数は目的地まで航行を続け、1隻が沈没、2隻が航行不能、3隻が損傷または結果不明です。UKMTOは「攻撃された船の多くが報告を拒んでいる」として、実数はもっと多いとみています(Al Jazeera)。 |
| 週末(17〜18日) | サウジアラビアのジュベイル北東の沖で、小型ボートから撃たれたロケット弾(RPG)がタンカーに当たったとUKMTOが報告。革命防衛隊は、200万バレル超の原油を積んだ大型タンカーなどが機雷に触れたと主張しましたが、独立した確認はされていません。 |
| 10月19日 | Guardianは、この10日間で少なくとも15隻の船が攻撃されたと報道。北海ブレント原油は19日朝に1バレル108ドル近くまで上がりました。 |
攻撃の多くは、オマーンの沿岸に近い航路で起きています。イランはこの航路を「許可のない航路」とみなし、革命防衛隊は、イランの許可を得ずに通る船や、位置信号(トランスポンダー)を切って通る船を攻撃する権利があると主張しています(Guardian)。
「機雷か、ミサイルか」は双方の主張が食い違う
イラン側は「機雷に触れた」、米軍側は「イランの飛翔体に撃たれた」と説明しており、どちらの説明が正しいかを独立して確かめる手段は限られています。米軍は海峡の機雷を除去したと主張しています。この記事では、双方の主張として区別して書いています。

ホルムズ海峡はいつから止まっている?2月28日からの経緯
ホルムズ海峡は、イランとオマーンにはさまれた、いちばん狭いところで幅約34キロの海峡です。米エネルギー情報局(EIA)によると、2024年には1日平均2,000万バレルの石油が通り、世界の石油消費の約2割にあたりました。液化天然ガス(LNG)の貿易でも約5分の1がここを通ります(その多くはカタール産)。
「封鎖」といっても、どこかの国が公式に航行を全面禁止したわけではありません。イランの革命防衛隊が許可のない船の通航を認めず、攻撃や機雷で事実上通れなくしている一方、米国はイランの港への出入りを止める「海上封鎖」を続け、米軍は「海峡は米国と同盟国が管理している」と主張しています(Al Jazeera)。双方がそれぞれ「自分たちが海峡を押さえている」と言う、二重の封鎖のような状態です。
- 2月28日米国とイスラエルがイランを攻撃し、戦争が始まるAl Jazeeraなどによると、ここから海峡の混乱が続いています。PortWatchのデータでは、通航は2月27日の64隻から、3月1日は20隻、3月2日は4隻へと急減しました。
- 3月カタールのラスラファン工業地帯が攻撃されるイランの攻撃で、液化天然ガス(LNG)の関連施設が集まるカタールのラスラファン工業地帯が被害を受け、修理には数年かかる見通しとされています(Al Jazeera)。
- 5月31日カタールが「恒久的な通航料」に反対シンガポールの安全保障会議で、カタールのサウード副首相が「料金は必ず消費者に跳ね返る」と反対を表明。一方で、機雷除去などに使う一時的な料金なら「交渉の余地がある」とも述べました(ANI)。
- 6〜7月通航が一時的に持ち直すPortWatchでは6月22〜28日の週に213隻と、戦争開始後で最も多くなりました。ロイター通信が伝える「暫定的な停戦」が続いていた時期と重なるとみられます。
- 9月中旬〜26日イランが「7日で再開」案を示し、トランプ大統領は拒否暫定停戦が崩れたあと、イランは米国の海上封鎖の解除などと引き換えに、7日以内に海峡を再開して核協議も再開する案を示しました。トランプ大統領は「拒否する」と述べています(Guardian、ロイター)。
- 10月14日コンテナ船GFSプライドが沈没2,500個のコンテナを積んでいたとされ、積み荷が海に流出しました。
- 10月18日アラグチ外相「提案はまだテーブルの上に」イラクのバグダッドで、米国が条件をのめば6日で海峡を再開し、翌日に協議を始めると説明しました(ロイター)。
- 10月19日カタール副首相「通航料は課すべきではない」ドーハの会議で、エネルギーへの打撃は「まだピークに達していない」とも警告しました(Al Jazeera)。
日付は現地の報道の日付。イラン・米国の発表はそれぞれの主張で、独立した確認ができないものを含みます。
【独自集計】ホルムズ海峡の通航隻数は戦前の何%?IMFのデータで7年分
IMF PortWatchは、国際通貨基金(IMF)と英オックスフォード大学が運営するサイトで、船の位置信号(AIS)の衛星データから、世界の主要な海峡を通った船の数を毎日推計して公開しています。ホルムズ海峡の2019年1月1日から2026年10月11日まで、2,841日分のデータをAPIで取得し、月ごとの1日平均を出しました(対象はタンカー・コンテナ船・ばら積み船・一般貨物船・自動車運搬船)。
| 期間 | 全体(隻/日) | うちタンカー | うちコンテナ船 |
|---|---|---|---|
| 2025年平均 | 85.5 | 48.2 | 16.5 |
| 2026年1月 | 58.5 | 31.1 | 10.6 |
| 2月 | 78.3 | 43.5 | 13.2 |
| 3月 | 3.2 | 0.9 | 0.4 |
| 4月 | 7.1 | 3.2 | 0.8 |
| 5月 | 3.9 | 1.3 | 0.3 |
| 6月 | 12.9 | 5.4 | 1.3 |
| 7月 | 10.2 | 4.8 | 1.0 |
| 8月 | 4.7 | 1.9 | 0.3 |
| 9月 | 3.6 | 1.1 | 0.3 |
| 10月1〜11日 | 3.5 | 0.4 | 0.4 |
IMF PortWatch「Daily Chokepoints Data」(chokepoint6=Strait of Hormuz)から当サイトが集計。2026年は各月の1日平均、最新は10月11日分。
3月1日〜10月11日の合計は前年の6.7%
戦争開始後の3月1日〜10月11日(225日間)に通航が記録された船は合計1,433隻でした。2025年の同じ期間は21,436隻だったので、約6.7%(約93%減)です。1隻も記録されなかった日が13日あり、最近では10月1日もゼロでした。
船の種類別では、タンカーが2025年の1日平均48.2隻から2.5隻に、コンテナ船は16.5隻から0.6隻(225日で135隻)になりました。今回攻撃が相次いでいるコンテナ船は、データの上ではほとんど見えなくなっています。
週ごとに見ると、6月22〜28日の週には213隻まで戻りましたが、7月中旬から再び減り、9月以降は1週間に20〜30隻台が続いています。最新の10月5〜11日の週は29隻でした。2025年の1日平均を1週間に直すと約599隻なので、その5%ほどです。
「見えない船」がいる:数え方で8倍以上の差
注意したいのは、PortWatchが数えているのは位置信号を出している船だけという点です。攻撃を避けるため、あるいはイランの許可を得て通るために、信号を切って航行する船がいるとみられ、ロイター通信なども追跡データに映らない通航があると伝えています。そこで、ほかの機関の数字と並べました。
| 出典 | 数字 | 期間・中身 |
|---|---|---|
| IMF PortWatch(当サイト集計) | 29隻/週 | 10月5〜11日。位置信号から推計 |
| 英国海事貿易機関(UKMTO) | 254隻/週 | 10月14日までの1週間(出125・入129)。戦前より約70%少ない(Guardian、Al Jazeera) |
| 米中央軍(CENTCOM) | 400隻/週 | クーパー司令官が「先週」通ったと主張。原油1億バレル(Al Jazeera) |
| Kpler(データ会社) | 日量11.6百万バレル | 10月13日までの7日間の石油の流れ。戦前の17.1百万バレルの約68%(Al Jazeera) |
UKMTOの254隻は、ほぼ同じ時期のPortWatchの29隻の約8.8倍です。どの数字が正しいかは決められませんが、①信号を出して堂々と通る船は戦前の1割未満に減った、②信号を切って通る船を含めても戦前より大幅に少ない、という2点はどのデータでも共通しています。米軍の数字はさらに多く、米国とイランのどちらも「自分たちが管理している」と示したい事情があることにも注意が必要です。
ホルムズ海峡の通航料とは?カタールが反対する理由
イランは戦争中に、海峡の通航を管理する組織「ペルシャ湾海峡庁(Persian Gulf Strait Authority)」を設けました。革命防衛隊は、この組織と調整しない船にとって海峡は安全ではないと主張しています(Al Jazeera)。これに加えてイランが海峡を通る船から料金を取ろうとしていることに、カタールなど湾岸諸国が反発しています。これが「通航料」の問題です(ANI、Al Jazeera)。
カタールのサウード・ビン・アブドゥルラフマン・アール・サーニー副首相(国防担当国務相)は、10月19日にドーハで開かれた国際会議「グローバル・セキュリティー・フォーラム」で、「通航料は課すべきではない」と述べ、海峡の不確実さは最終的に世界の消費者に影響すると指摘しました(Al Jazeera)。
| 時期 | カタールの発言(要旨) |
|---|---|
| 5月31日 | 「料金は必ず消費者に影響する。だから反対だ」。ただし機雷除去などに使う一時的な料金なら「交渉できる」(ANI) |
| 10月19日 | 「通航料は課すべきではない」。エネルギーへの打撃は「まだピークに達していない」。イランとの対話は「決してやめていない」(Al Jazeera) |
カタールは、LNGの輸出をホルムズ海峡に頼る国で、イランとは海底のガス田を共有する隣国でもあります。3月にはイランの攻撃でLNG拠点のラスラファンが被害を受けましたが、副首相は「イランは隣国だ。共に生きる方法を見つけなければならない」とも述べ、パキスタンやオマーンとともに仲介を続ける考えを示しています。
海峡の「通航料」はなぜ問題になる?
ホルムズ海峡のような国際海峡では、どの国の船も通過する権利(通過通航権)があるというのが国際的な考え方で、通るだけで料金を取ることは認められにくいとされています。運河のように国が整備した水路とは違い、自然の海峡だからです。カタールやほかの湾岸諸国が反対するのは、料金がいったん認められると、イランが海峡の「管理者」として扱われることにもつながるためとみられます。
イランの「7日で再開」案とは?条件と米国の反応
イランのアラグチ外相は10月18日、イラクのバグダッドでイスラム協力機構(OIC)の会合に出席した際、イランのメディアに対し、米国への「7日間の提案」はまだテーブルの上にあると述べました。米国が条件を受け入れれば、海峡は6日以内に再開し、その翌日に協議が始まるといいます(ロイター)。
- 示した時期:暫定的な停戦が崩れたあとの9月中旬(ロイター)。9月25日には国連安全保障理事会の外で記者団に詳細を説明しました。
- 流れ:米国が受け入れてから4〜5日で最初の手続きを終え、6日目に海峡を再開、7日目に核問題の協議を始める(Guardian)。
- イランの条件:イランの港に対する米国の海上封鎖の解除、イランの石油輸出への制裁の解除、すべての地域での戦闘の終結など(ロイター)。Guardianは、凍結資産の一部解放も含まれると伝えています。イランの安全保障当局のトップは、米国が「7つの条件」すべてに答えていないため交渉は止まっていると述べました。
- 米国の反応:トランプ大統領は9月下旬に「提案は受けたが拒否する」と述べました(Guardian)。米国は最初から核開発の問題を扱うよう求めており、バンス副大統領はウラン濃縮能力の「意味のある」削減が必要だとしています(ロイター)。
対立の中心は、「先に海峡を開けるか、先に核問題を片づけるか」という順番です。イランは海峡の再開と安全の回復を先に話し合うべきだとし、米国は核問題を先に求めています。
「6日」と「7日」の違い
報道では「7日で再開」「6日で再開」の両方の言い方が出てきます。アラグチ外相の説明では、6日目に海峡を開け、7日目に協議を始めるという流れで、全体で「7日間の提案」と呼ばれています。
日本への影響は?原油輸入の中東依存は93.5%から60.7%へ
EIAによると、2024年にホルムズ海峡を通った原油・コンデンセートの84%はアジア向けで、中国・インド・日本・韓国の4か国で69%を占めていました。日本はこの海峡に最も影響を受ける国のひとつです。そこで、経済産業省「石油統計」の地域・国別原油輸入(2026年8月分確報)から、日本の原油輸入の変化を集計しました。
| 期間 | 原油輸入(万kl) | うち中東の割合 | うち北米の割合 |
|---|---|---|---|
| 2025年(年間) | 13,974 | 93.5% | 4.4% |
| 2026年1月 | 1,213 | 95.1% | 3.7% |
| 2月 | 1,177 | 94.2% | 3.9% |
| 3月 | 1,039 | 95.9% | 2.5% |
| 4月 | 407 | 87.6% | 7.7% |
| 5月 | 729 | 73.9% | 22.4% |
| 6月 | 1,003 | 62.3% | 32.3% |
| 7月 | 1,172 | 58.9% | 37.0% |
| 8月 | 1,236 | 60.7% | 34.4% |
経済産業省「石油統計」(16)地域・国別原油輸入(単位kl、2026年8月分確報)から当サイトが計算。輸入には非精製用原油を含みます。
2025年は原油輸入の93.5%が中東からでした。戦争が始まった直後の3月はまだ到着する船があり、輸入量が大きく落ちたのは4月です。4月の輸入は407万キロリットルで、2025年の月平均(約1,164万キロリットル)の約35%まで減りました。
その後、輸入量は持ち直し、8月は1,236万キロリットルと前年同月を上回りました。ただし中身は大きく変わり、中東の割合は60.7%に下がる一方、北米(米国など)からの輸入が全体の34.4%を占めています。2025年の北米の割合は4.4%でした。
なお、中東からの輸入がすべてホルムズ海峡を通っているとは限りません。EIAによると、サウジアラビアには紅海側の港へ原油を送る東西パイプライン、UAEにはオマーン湾側のフジャイラへ送るパイプラインがあり、海峡を通らずに積み出せるルートがあります(EIAの推計で、追加で使える余力は合わせて日量約260万バレル)。
ガソリン価格と備蓄への影響
日本では補助金でガソリンの店頭価格が抑えられているため、原油高は価格よりも国の財政と石油備蓄に表れやすくなっています。備蓄がどれだけ減ったかは原油はなぜ100ドルを超えた?日本の石油備蓄は4か月で43日分減少、為替への影響は原油高でなぜ円安?急騰日のドル円を40年検証で詳しく整理しています。
ホルムズ海峡はいつ再開する?10月20日時点で分かっていること
10月20日時点で、海峡の再開について米国とイランが合意したという発表はありません。注目点は次のとおりです。
- 11月3日の米中間選挙:Guardianは、イランの当局者2人の話として、攻撃の頻度を上げているのは原油価格を下げようとする米国の取り組みをくじくためで、選挙への影響も狙いの一つだと伝えています。一方、トランプ大統領が選挙後のより大規模な攻撃に備えるよう米軍に指示したとの報道もあります(Al Jazeera)。
- 仲介の動き:パキスタンやカタールなどを通じたメッセージのやりとりは続いています。ロシアのラブロフ外相もテヘランを訪れ、米国との仲介を申し出ました(Guardian)。
- 攻撃の数:UKMTOの週ごとの報告で、攻撃の件数と通航の隻数がどう動くか。
- 原油価格:ブレント原油は10月16日に5月以来の110ドルをつけ(Al Jazeera)、19日朝も108ドル近くで推移しました(Guardian)。
数字の読み方に注意を
海峡の通航や攻撃の数は、イラン・米国・データ会社・海事機関で大きく異なります。どちらの陣営も「自分たちが海峡を押さえている」と示したい立場にあり、一方の数字だけで状況を判断しないことが大切です。この記事のPortWatchの集計は、位置信号を出した船だけを数えた「最低限の数字」として読んでください。
沈没の報道(X)
ロイターとBBCは10月14日(現地時間)、コンテナ船がホルムズ海峡付近で飛翔体を受けて沈没したと伝えました。BBCはシンガポール当局の発表として報じています。
Container ship sinks near Hormuz after being hit by projectile https://t.co/Bjae0hGJT8 https://t.co/Bjae0hGJT8
— Reuters (@Reuters) October 14, 2026
Container ship hit by projectile sinks in Strait of Hormuz, Singapore says https://t.co/UfHW3pHZg9
— BBC News (World) (@BBCWorld) October 14, 2026
ホルムズ海峡のコンテナ船攻撃についてのよくある質問
Q. ホルムズ海峡はいつから封鎖されているのですか?
A. 2026年2月28日に米国とイスラエルがイランを攻撃し、戦争が始まってからです。イランが正式に全面封鎖を宣言したというより、革命防衛隊が許可のない船を通さず、攻撃や機雷で事実上通れなくしている状態です。PortWatchのデータでは、3月2日には1日4隻まで減りました。
Q. コンテナ船はなぜ攻撃されたのですか?
A. イランは、自国の許可を得ずにオマーン側の航路を通る船を攻撃する権利があると主張しています。10月に入って攻撃が急増し、10月14日にはシンガポール船籍のコンテナ船GFSプライドが沈没しました。イランは機雷に触れたと説明し、米軍はイランの飛翔体に撃たれたとしています。
Q. ホルムズ海峡の通航料とは何ですか?
A. イランが海峡を通る船から取ろうとしている料金のことです。イランは戦争中に通航を管理する組織を設け、許可のない船は安全でないと主張しています。カタールの副首相は10月19日、「通航料は課すべきではない」と述べ、最終的に世界の消費者の負担になると反対しました。
Q. イランの「7日で再開」案とはどんな内容ですか?
A. 米国がイランの港への海上封鎖や石油制裁の解除などの条件を受け入れれば、6日目に海峡を再開し、7日目に核問題などの協議を始めるという提案です。9月中旬に示され、トランプ大統領は拒否しましたが、アラグチ外相は10月18日に「まだテーブルの上にある」と述べました。
Q. ホルムズ海峡を通る船は今どのくらいですか?
A. IMF PortWatchの位置信号データでは、3月1日〜10月11日の1日平均は6.4隻で、2025年の85.5隻を大きく下回ります。ただし信号を切って通る船は数えられず、英国海事貿易機関(UKMTO)は10月14日までの1週間で254隻と数えています。
Q. 日本の原油輸入にはどんな影響がありますか?
A. 経済産業省の石油統計では、2026年4月の原油輸入が2025年の月平均の約35%まで落ち込みました。その後は回復していますが、中東の割合は2025年の93.5%から8月は60.7%に下がり、北米からの輸入が増えています。
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出典・参考資料
- IMF PortWatch:Strait of Hormuz(chokepoint6)、Daily Chokepoints Data(ArcGIS API)(2026年10月20日取得、10月11日分まで)
- 米エネルギー情報局(EIA):Amid regional conflict, the Strait of Hormuz remains critical oil chokepoint(2025年6月)
- 経済産業省:石油統計(2026年8月分確報)
- The Guardian:People scour strait of Hormuz for spilt cargo after Iran attacks container ships(10月19日)、Two container ships sink near strait of Hormuz(10月14日)、Trump rejects Iran’s seven-day peace deal(9月26日)
- Al Jazeera:Qatar warns global energy shockwaves from Iran war have yet to peak(10月19日)、US and Iran both claim control of Strait of Hormuz(10月17日)
- ロイター:Iran urges U.S. to accept proposal to reopen Strait of Hormuz(10月18日、Spokesman-Review掲載)
- ANI:Qatar opposes permanent Hormuz shipping tolls(5月31日、The Tribune掲載)
通航隻数の月別・期間別の集計、日本の原油輸入の割合の計算は当サイトによるものです。報道の引用は英語の原文を要約したものです。写真:アイキャッチ=NASA GSFC MODIS Land Rapid Response Team/Wikimedia Commons(パブリックドメイン)、本文=Iwona Rege/Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)。トリミング・明るさ調整・文字入れあり。


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